設備イベントの処理

外部システムから受信した設備イベントは、2つの主要なステージを介して処理されます。

  • 設備イベント・シーダー: これは、すべての設備イベント情報を受信し、クリティカル検証および変換を実行する共通インタフェース・ポイントです。このプロセス中、設備イベント・シーダーは、後続の処理のために適切な特定の設備イベント・ビジネス・オブジェクトを特定します。選択は、発信元外部システムおよび受信したイベントのタイプに基づいて行われます。たとえば、停電時の信号送信の設備イベントは、選択されているペア・イベントの最初の設備イベントになります。
  • なんらかの理由で設備イベント・シーダーにエラーが発生した場合、設備イベント・シーダーのインスタンスが作成され、そのエラーの解決を管理します。
  • 特定の設備イベント: 特定の各設備イベントには、受信したイベントのタイプの適切なロジックがあります。不正使用イベントはサービス問題モニターを作成する場合がありますが、停電時の信号送信は供給中止活動を作成する場合があります。

設備イベント・シーダー処理

設備イベント・シーダーは設備イベント・データを共通構造で受信しますが、データの内容(識別子、日時など)は、システムおよび生成した特定の設備によって異なる場合があります。外部コンテンツをシステムで認識される値に正確に変換するために、設備イベント・シーダーはサービス・プロバイダ(ヘッドエンドまたは外部システムとも呼ばれる)および設備の構成を使用します。

サービス・プロバイダは、次の入力を設備イベント・シーダー処理に指定します。

  • 識別子タイプ: 各設備イベントは、イベントが生成された設備を識別する必要があります。システムでは、設備の多数の識別子がサポートされています。サービス・プロバイダ構成では、設備イベント・シーダーが設備イベントの正しい宛先を検索できるようにする、設備に使用される識別子タイプを指定します。たとえば、サービス・プロバイダは、設備がシリアル番号によって識別されることを示す場合があります。
  • 日時書式: サービス・プロバイダ構成では、送信された日時に特定のタイム・ゾーン指定が含まれるかどうかを識別します。これにより、システムは必要なすべてのタイム・ゾーン変換を正確に処理できます。
  • 処理方法: サービス・プロバイダには、設備イベントの評価に使用される次の処理方法があります。
  • 設備イベント・マッピング - 指定された外部設備イベント名を標準イベント名にマップします。標準イベント名は最終的に、特定の処理に対して適切な設備イベントを識別するために使用されます。
  • タイム・ゾーン変換 - サービス・プロバイダ固有のタイム・ゾーンのインターバル・タイム・ゾーンへのマッピングで使用される、拡張可能参照を識別します。

設備は、次の入力を初期測定データ・シーダー処理に指定します。

  • 着信データ・シフト: この値は、設備に直接指定されるか、またはフォールバックを介して設備タイプにデフォルト設定されます。着信日時情報が、有効時にサマータイム(DST)調整が行われたことを意味するシフト済か、またはサマータイム調整が行われないことを意味する未シフトかを識別します。すべての着信設備イベント日時はサマータイム調整なしで格納されるため、これは日時処理で重要な役割を果たします。

これらの入力により、設備イベント・シーダーは外部識別子を適切な識別子に変換して、設備イベントをシステム内の送信設備と結び付けることができます。

設備イベント・シーダー・クリティカル検証

設備イベントが特定の設備イベント処理を続行するには、クリティカル検証に合格する必要があります。

  • 設備が識別される必要があります。
  • 設備イベントにはイベント日時が必要です。

いずれかのクリティカル検証が失敗した場合、設備イベント処理は中止され、設備イベント・シーダーのインスタンスが作成されます

注意: 設備イベント日時または設備イベント終了日時が、タイム・ゾーンがサマータイムから遷移したときに発生する重複時間にあるという状況の処理について、特別なロジックがあります。

設備イベント・シーダー・タイム・ゾーン変換

設備イベントの最も正確な追跡を提供するために、すべての設備イベント・データはサマータイム(DST)調整なしで単一のタイム・ゾーンに格納されます。ユーティリティはそれぞれ異なる方法で日時情報を送信する複数のヘッドエンド・システムを持つことができ、一部のユーティリティは複数のタイム・ゾーンで動作するため、設備イベント・シーダーには、着信日時をソース・タイム・ゾーンから(基準タイム・ゾーンで示される) Oracle Utilities Meter Data Managementのタイム・ゾーンに変換する機能が含まれます

着信設備イベントのソース・タイム・ゾーンを識別する3つのコンポーネントがあります。

  • サービス・プロバイダ初期測定データ・インポート日時書式: 設備イベント日時が各日時のタイム・ゾーンを識別する書式で送信される場合、すでに変換された日時が設備イベント・シーダーに提供されます。
  • 着信データ・シフト: これは、サマータイムが有効なときに、日時がサマータイム調整されるかどうかを示します。「常にローカル時間」の値は、日時がサマータイム調整されることを示します。「常に標準時間」の値は、日時がサマータイム調整されないことを示します
  • タイム・ゾーン: 着信データのタイム・ゾーンは、次の優先順位を使用して識別されます。
    1. 設備イベント・データで指定されるタイム・ゾーン
    2. サービス・ポイント・タイム・ゾーン
    3. 設備構成タイム・ゾーン
    4. 基準タイム・ゾーン

タイム・ゾーンおよび着信日時のデータ・シフトが識別されると、すべての日時はそのタイム・ゾーンから変換され、標準時で基準タイム・ゾーンにシフトします。

特定の設備イベント処理

設備イベントのタイプ

標準

不正使用アラートなどの一時設備イベントは、標準設備イベントを使用して処理されます。これらの設備イベントは、特別な処理を提供しません。

ペア設備イベント

期間のある設備イベントは、ペア・イベント設備イベント(ペア・イベントの最初およびペア・イベントの最後)を使用して定義されます。イベントの開始を表すペアの最初およびイベントの終了を表すペアの最後があります。このタイプのイベントは、イベントを表す活動を作成または完了するように構成できます。たとえば、停電時の信号送信イベントは、電力復旧イベントを受信したときに完了する供給中止活動を作成する場合があります。

イベントのペアが短時間に連続して届く場合(停電時の信号送信のすぐ後に電力復旧が続く場合など)、これらのペア・イベント・ビジネス・オブジェクトは、連係アプリケーションに送信されないように設計されます。

通信応答

通信応答は、スマート・メーター・コマンドに設備イベントで応答するヘッドエンド・システムに使用される特別なタイプのイベントです。これらのイベントを受信すると通信入力が作成され、発信スマート・メーター・コマンドの完了が開始されます。

連係システムへの設備イベントの送信

設備イベントを受信すると、設備イベントは通常、連係システム(Oracle Utilities Meter Data Managementなど)、顧客情報システム(Oracle Utilities Customer Care and Billingなど)、供給中止システム(Oracle Utilities Network Management Systemなど)または他のアプリケーションに渡されます。

連係システムに設備イベント情報を送信する手段は、連係システムを表すサービス・プロバイダの、設備イベント関連情報の送信方法処理方法で定義されます。設備イベント情報は、アウトバウンド通信ビジネス・オブジェクト、アウトバウンド通信またはバッチ・プロセスを介して送信できます。

連係システム(ビジネス・オブジェクト、アウトバウンド・メッセージまたはバッチ・プロセス)への設備イベントの送信方法は、各設備イベント・カテゴリに対して定義でき、個々の設備イベント・タイプ(カテゴリ内の特定の設備イベント・タイプを除外する機能を含む)について上書きできます。また、伝送方法が個々のカテゴリ・レベルで指定されていない場合に適用されるデフォルト・イベント処理方法を構成することもできます。

「設備イベントへの連係」ビジネス・サービスは、設備イベント連係要求を処理するために使用され、外部アプリケーションが受信するイベントのカテゴリを管理できるようにします。

サービス問題モニターおよびサービス調査オーダーの作成

設備イベントは、サービス問題モニターおよびサービス調査オーダーを作成するように構成できます。作成するサービス問題モニター・タイプは、設備イベント・タイプで定義されます。設備イベントを受信すると、設備イベントの処理済状態の入力アルゴリズムは、設備イベント・タイプに対して指定された「サービス問題モニター・タイプ」に基づいて、サービス問題モニターを作成します。

設備イベントの優先度付け

デフォルトでは、設備イベントは初期状態が「保留」でシステムに作成または受信され(あるいはその両方)、バッチ処理を介して後続の状態に遷移します。このバッチ処理は、設備イベントの「実行方法」フラグを「リアルタイム」(D1RT)に設定することでスキップでき、その場合は入力アルゴリズムが設備イベントをライフサイクルの次の状態に即時に遷移します。この機能は、特定のタイプの設備イベントの優先順位付け処理に使用できます。

「実行方法」フラグは、ヘッドエンド・システムから送信された非請求設備イベントに設定するか、またはOracle Utilities Smart Grid Gatewayアダプタ処理中に挿入できます。

Oracle Utilities Smart Grid Gatewayアダプタは、スマート・メーター・コマンドの結果として作成されたすべての設備イベントで、このフラグを「リアルタイム」に設定します。