測定データ・スナップショットの作成

測定データ・スナップショットは、バッチ抽出処理を介して、または使用トランザクション処理の一部として作成できます。バッチ抽出処理は通常、毎日(または他の定期的なスケジュールで)実行され、主に初期決済計算のために使用されます。使用トランザクション処理は多くの場合、最終決済計算に使用する最終または請求済の測定を作成するために使用されます。

両方のアプローチとも、Meter Data ManagementおよびMarket Settlements Managementが個別のアプリケーション環境または単一のアプリケーション環境にインストールされた実装で使用するための測定データ・スナップショットの作成をサポートします。

バッチ抽出処理

前述したように、バッチ抽出処理は通常、毎日(または他の定期的なスケジュールで)実行されます。バッチ抽出処理を介した測定データ・スナップショット作成は、次の2タイプのオブジェクトの構成に基づいています。

  • 消費量抽出タイプ
  • バッチ管理

測定データのタイプ(インターバル測定、スカラー測定および機器)に基づいて、3つのタイプのバッチ抽出処理があります。次の表は、各データのタイプに使用される消費量抽出タイプ・ビジネス・オブジェクトとバッチ管理を示しています。

データのタイプ

消費量抽出タイプ・ビジネス・オブジェクト バッチ管理

インターバル

MDSに対する使用連係抽出インターバル(D1–ConsExtractTypeInterval)

測定データ・スナップショットへの使用連係インターバルの抽出(D1–EUSIM)

スカラー

MDSに対する使用連係抽出機器(D1–ConsExtractTypeItem)

測定データ・スナップショットへの使用連係機器消費量の抽出(D1–EUITM)

機器

スカラー測定スナップショットに対する使用連係抽出(D1–ConsExtractTypeScalar)

測定データ・スナップショットへの使用連係スカラー検針の抽出(D1–EUSSR)

次の各項では、測定データ・スナップショット作成に使用する消費量抽出タイプとバッチ管理の詳細を示します。

消費量抽出タイプ

消費量抽出タイプでは、測定データ・スナップショット抽出プロセスによっていくつかのパラメータが定義されます。前述の表に示したように、データのタイプごとに個別の消費量抽出タイプ・ビジネス・オブジェクトがあります。

消費量抽出タイプの全般情報は、「消費量抽出タイプの理解」を参照してください。

測定データ・スナップショット消費量抽出タイプは、次によって定義されます。

  • 抽出期限日時: この抽出タイプの抽出要求の処理が完了している日時
  • 抽出締め時間: この抽出タイプの抽出要求を締め切る時間
  • 抽出パラメータ: 抽出処理で使用される、次のようなパラメータ。
    • 連係タイプ: このタイプの抽出を処理する連係のタイプ(決済または顧客情報サービス)。
    • 要求タイプ: 抽出タイプに関連付けられる要求タイプ。
    • 頻度: この抽出タイプの抽出要求を処理する頻度。頻度のオプションには、「アドホック」や「自動日次」などがあります。
    • 測定データ・スナップショット・タイプ:  この抽出タイプに基づいた測定データ・スナップショットの作成に使用する測定データ・スナップショット・タイプ。スナップショットの単位は、使用連係タイプのリストの少なくとも1つの単位と互換性がある必要があります。さらに、タイプの単位と秒/インターバルの組合せは、使用連係タイプリストに記載されている少なくとも1つの単位と秒/インターバルの組合せと互換性がある必要があります。スカラーおよび機器消費量抽出でのみ使用されます。
    • 抽出バッチ管理: 抽出するデータのタイプおよび消費量抽出タイプに基づいて、測定データを測定データ・スナップショットに抽出するために使用するバッチ管理。

      データのタイプ

      バッチ管理

      インターバル

      測定データ・スナップショットへの使用連係インターバルの抽出(D1–EUSIM)

      スカラー

      測定データ・スナップショットへの使用連係機器消費量の抽出(D1–EUITM)

      機器

      測定データ・スナップショットへの使用連係スカラー検針の抽出(D1–EUSSR)

    • 異なる使用連係への抽出: 測定データ・スナップショットを異なる使用連係(Market Settlements Managementで使用されている使用連係など)に抽出するかどうかを指定するフラグ。次のオプションがあります。
      • No: 抽出では、使用計算が処理される使用連係を参照します。このオプションは、メーター・データ管理と市場決済管理が異なるアプリケーション環境にインストールされている場合に使用されます。この場合、抽出はメーター・データ管理からエクスポートして、後で市場決済管理にインポートできます。
      • Yes: 抽出では、異なる使用連係(市場決済管理で使用する使用連係など)を参照します。このオプションは、メーター・データ管理と市場決済管理が同じアプリケーション環境にインストールされている場合に使用されます。この場合、測定データ・スナップショットはシステム内で決済機器にエクスポートされ、データ集計処理に使用できます。

        このオプションが選択された場合、「ソース識別子タイプ」および「ターゲット識別子タイプ」フィールドは、使用する正しい決済使用連係の判断方法を定義するように構成する必要があります。

  • 不定期データ・フラグ・マッピング: データを「不定期」としてフラグ付けするのに使用される条件コードの範囲。不定期データ・フラグの値(IRREGULAR_​DATA_​FLG参照に基づく)は、構成された各範囲内のデータにフラグ付けするのに使用されます。空白の不定期フラグ値は、条件範囲が「通常」とみなされることを示します。
  • 使用連係タイプ: 消費量を抽出して測定データ・スナップショットに格納できる1つ以上の使用連係タイプ
  • 測定データ・スナップショット・タイプ:  この抽出タイプに基づいた測定データ・スナップショットの作成に使用する1つ以上の測定データ・スナップショット・タイプ。これらのスナップショットの単位は、使用連係タイプのリストの少なくとも1つの単位と互換性がある必要があります。使用連係タイプリストに記載されている単位と秒/インターバルの各組合せに対し、少なくとも1つの測定データ・スナップショット・タイプがこのリストに定義されている必要があります。インターバル消費量抽出でのみ使用されます。

消費量抽出バッチ管理

消費量抽出バッチ管理では、測定データ・スナップショット作成プロセスで使用される消費量抽出タイプおよび日付範囲が定義されます。前述の表に示したように、データのタイプごとに個別の消費量抽出バッチ管理があります。

次の3つのバッチ管理のすべてで同じパラメータを使用します。

  • 消費量抽出タイプ: バッチが実行される消費量抽出タイプ。消費量抽出タイプ・ビジネス・オブジェクトは、バッチ管理のデータのタイプ(インターバル、スカラーまたは機器)と整合している必要があります。
  • 開始日時: 抽出期間の開始
  • 終了日時: 抽出期間の終了

各バッチ管理では、処理するレコードの選択(レコードの選択)および測定データ・スナップショットの作成(レコードの処理)の各アルゴリズムのペアが使用されます。次の表は、各バッチ管理で使用されるアルゴリズムを示しています。

バッチ管理 レコードの選択アルゴリズム レコードの処理アルゴリズム

測定データ・スナップショットへの使用連係インターバルの抽出(D1–EUSIM)

消費量抽出タイプおよび日付/範囲のインターバル・スナップショットの選択(D1-CETISSERC)

測定データ・スナップショット・インターバルの作成(D1-CETISPRRC)

測定データ・スナップショットへの使用連係機器消費量の抽出(D1–EUITM)

機器の消費量抽出タイプおよび日付/範囲のスカラー・スナップショットの選択(D1-CETITEMSR)

機器消費量を使用した測定データ・スナップショット・スカラーの作成(D1-CETITEMPR)

測定データ・スナップショットへの使用連係スカラー検針の抽出(D1–EUSSR)

消費量抽出タイプおよび日付/範囲のスカラー・スナップショットの選択(D1-CETSCSPSR)

測定データ・スナップショット・スカラー・レコードの処理(D1-CETSCSPPR)

使用トランザクション処理

測定データ・スナップショットは、日次スカラー計算ルール、インターバルの取得、件数および消費量の取得、スカラー詳細の取得の各使用計算ルールの構成を介して、使用トランザクションの処理中に作成できます。これらが適切に構成されている場合、使用計算プロセスでは使用量を計算し、スナップショット用の測定データを抽出します。測定データ・スナップショットを作成するための使用ルールの構成方法の詳細は、「使用計算ルールの理解」を参照してください。

初期測定スナップショット

請求システム(Customer To Meterの請求機能を含む)からの請求決定要因に対する要求の結果として、請求使用トランザクション処理を介して測定データ・スナップショットが作成されると、初期測定スナップショットが作成されてスナップショットが保持される一方、使用トランザクションの「請求に使用」フラグが「No」に設定されます。「請求に使用」フラグが「Yes」に更新されると、初期測定スナップショットから測定データ・スナップショットが作成されます。関連項目

詳細は、「初期測定スナップショットの概要」を参照してください。