ソフトウェア・ソースの管理

OS管理はソフトウェア・ソースを使用してパッケージをインスタンスに提供し、これらのパッケージに対して使用可能な更新をトラッキングします。

ソフトウェア・ソースは、パッケージの集合です。ソフトウェア・ソースにより、手動でログインして各インスタンスでリポジトリを構成しなくても、インスタンスにインストールできるパッケージを制御できます。

Oracle Linux 8では、ソフトウェア・ソースを使用して、モジュール・ストリームをインスタンスに提供します。詳細は、モジュール・ストリームおよびプロファイルの管理を参照してください。

重要

ソフトウェア・ソースは、現時点ではOracle Linuxインスタンスでのみ使用可能です。

このトピックでは、ソフトウェア・ソースを管理するための次のタスクについて説明します:

  • 管理対象インスタンスおよび管理対象インスタンス・グループへのソフトウェア・ソースの追加(アタッチ)
  • 管理対象インスタンスおよび管理対象インスタンス・グループからのソフトウェア・ソースの削除(デタッチ)
  • カスタム・ソフトウェア・ソースの作成
  • ソフトウェア・ソースの削除

ソフトウェア・ソースについて

OS管理サービスの一部として、標準ソフトウェア・ソースがテナンシのルート・コンパートメントに提供されます。標準ソフトウェア・ソースは、オペレーティング・システムの標準アップストリーム・リポジトリにリンクされています。インスタンスでOS管理が有効になっている場合、オペレーティング・システムのデフォルトのソフトウェア・ソースがインスタンスに追加されます。必要に応じて、ソフトウェア・ソースを追加または削除できます。

Oracle Linuxのソフトウェア・ソース

標準ソフトウェア・ソースは、親(またはベース)ソースまたは子ソースです。標準ソフトウェア・ソースの他に、独自のカスタム・ソフトウェア・ソースを作成できます。
親ソフトウェア・ソース
Oracle Linuxのリリースの主要なソフトウェア・ソースは、親ソフトウェア・ソースとして指定されます。1つのインスタンスは、1つの親ソフトウェア・ソースしか持つことができませんが、子ソースは複数持つことができます。
子ソフトウェア・ソース
通常、子ソフトウェア・ソースは、ベース・ソフトウェア・ソースで使用できないパッケージを提供します。
ソフトウェア・ソースの例
  • 親ソフトウェア・ソース: Oracle Linux 7 Latest (x86_64)。
    • 子ソフトウェア・ソース: Oracle Linux 7アドオン(x86_64)。
    • 子ソフトウェア・ソース: Oracle Linux 7開発パッケージ(x86_64)
重要

  • 親ソースは、インスタンスで使用されるイメージのメジャー・リリースと一致する必要があります(たとえば、Oracle Linux 7はメジャー・リリースです)。メジャー・リリース間での親または子ソースの適用はサポートされていません。たとえば、Oracle Linux 8の親をOracle Linux 7インスタンスに追加することはできません。

  • OS管理サービスでは、現在、あるメジャー・リリースから次のメジャー・リリースへの移行はサポートされていません。ただし、OS管理サービスは、マイナー・リリース間の移行をサポートしています。たとえば、Oracle Linux 7 Update 6からOracle Linux 7 Update 7へは移行できます。これらの更新は、次のようにして管理できます:

    • Latestというラベルの付いた親をインスタンスまたは管理対象インスタンス・グループに割り当てます。この親ソースを使用すると、インスタンスまたはグループは使用可能な最新のリリースに更新されます。このような更新を自動化するには、繰返しスケジュール済ジョブを定義するか、操作を1回かぎりのイベントとして実行します。Oracle Linuxチャネルのネーミングの詳細は、Oracle® Linux Unbreakable Linux Networkユーザーズ・ガイドfor Oracle Linux 6 and Oracle Linux 7を参照してください。

カスタム・ソフトウェア・ソース

カスタム・ソフトウェア・ソースは、標準ソフトウェア・ソースまたはその他のカスタム・ソースから導出できます。カスタム・ソースを使用すると、管理するパッケージおよびインスタンスに適用するパッケージの特定のセットを作成できます。たとえば、独自のイメージの導入(BYOI)イメージ用に調整されたカスタム・パッケージ・リストを使用してソフトウェア・ソースを作成できます。

重要

プライベートyumリポジトリまたはミラーからカスタム・ソフトウェア・ソースに独自のパッケージをアップロードすることはできません。プライベートyumリポジトリを使用する場合は、それらを無視するようにOS管理サービスを構成して、OS管理サービス・エージェント・プラグインがそれらのリポジトリの設定を上書きしないようにできます。詳細は、プライベート・リポジトリの無視を参照してください。

ソフトウェア・ソースの追加

ヒント

古いソースを置き換えるソフトウェア・ソースを追加する場合は、不要になった古いソフトウェア・ソースを削除してください。
管理対象インスタンスのソフトウェア・ソースを追加するには

  1. ナビゲーション・メニューを開き、「コンピュート」をクリックし、「インスタンス」をクリックします。
  2. 「リスト・スコープ」で、インスタンスを含むコンパートメントを選択します。
  3. インスタンスを検索し、その名前をクリックします。
  4. インスタンスの詳細ページの「リソース」で、「OS管理」をクリックします。
  5. 「アクション」アイコン(3つのドット)をクリックし、「OS管理の詳細の表示」をクリックします。
  6. ソフトウェア・ソース」をクリックします。
  7. 「ソフトウェア・ソース」表で「追加」をクリックします。
  8. 「ソフトウェア・ソースの追加」パネルで、追加するソフトウェア・ソースを検索して選択します。
  9. 「追加」をクリックします。
管理対象インスタンス・グループのソフトウェア・ソースを追加するには
  1. ナビゲーション・メニューを開き、「コンピュート」をクリックします。「OS管理」「管理対象インスタンス・グループ」をクリックします。
  2. 「リスト・スコープ」で、ソフトウェア・ソースを追加する管理対象インスタンス・グループを含むコンパートメントを選択します。
  3. 管理対象インスタンス・グループの行で、「アクション」アイコン(3つのドット)をクリックし、「ソフトウェア・ソースの追加」をクリックします。
  4. 「ソフトウェア・ソースの追加」パネルで、追加するソフトウェア・ソースを検索して選択します。
  5. 「ソフトウェア・ソースの追加」をクリックします。

ソフトウェア・ソースの削除

ノート

ソフトウェア・ソースを削除しても、ソフトウェア・ソースからシステムにインストールされたパッケージは削除されません。たとえば、UEK R5からUEK R6に移行するとします。UEK R6のソフトウェア・ソースを追加してから、UEK R5のソフトウェア・ソースを削除します。インストールされているUEK R5パッケージは、まだシステム上にあります。ただし、ソフトウェア・ソースが削除されたため、これらのパッケージは更新されなくなり、セキュリティ・スキャンなどのイベントに表示される可能性があります。パッケージの削除については、パッケージの削除を参照してください。
管理対象インスタンスのソフトウェア・ソースを削除するには

  1. ナビゲーション・メニューを開き、「コンピュート」をクリックし、「インスタンス」をクリックします。
  2. 「リスト・スコープ」セクションで、インスタンスを含むコンパートメントを選択します。
  3. インスタンスを検索し、その名前をクリックします。
  4. インスタンスの詳細ページの「リソース」で、「OS管理」をクリックします。
  5. 「アクション」アイコン(3つのドット)をクリックし、「OS管理の詳細の表示」をクリックします。
  6. 管理対象インスタンスの詳細ページで、「ソフトウェア・ソース」をクリックします。
  7. 「ソフトウェア・ソース」表で、削除するソフトウェア・ソースを選択します。
  8. 削除」をクリックします。
  9. 「ソフトウェア・ソースの削除」ダイアログ・ボックスで、「削除」をクリックしてアクションを確認します。
    重要

    選択したソフトウェア・ソースが親ソースの場合、このアクションにより、親ソースおよびすべての子ソフトウェア・ソースが管理対象インスタンスから削除(デタッチ)されます。
  10. ソフトウェア・ソースが削除されたら、「閉じる」をクリックします。
管理対象インスタンス・グループのソフトウェア・ソースを削除するには

  1. ナビゲーション・メニューを開き、「コンピュート」をクリックします。「OS管理」「管理対象インスタンス・グループ」をクリックします。
  2. 「リスト・スコープ」で、ソフトウェア・ソースを削除する管理対象インスタンス・グループを含むコンパートメントを選択します。
  3. 管理対象インスタンス・グループの行で、「アクション」アイコン(3つのドット)をクリックし、「ソフトウェア・ソースの削除」をクリックします。
  4. 「ソフトウェア・ソースの削除」パネルで、削除するソフトウェア・ソースを検索して選択します。
  5. 「ソフトウェア・ソースの削除」をクリックします。

カスタム・ソフトウェア・ソースの作成

カスタム・ソフトウェア・ソースを作成するには
  1. ナビゲーション・メニューを開き、「コンピュート」をクリックします。「OS管理」「ソフトウェア・ソース」をクリックします。
  2. 「リスト・スコープ」で、ソフトウェア・ソースを作成するコンパートメントを選択します。
  3. 「ソフトウェア・ソースの作成」をクリックします
  4. 「ソフトウェア・ソースの作成」パネルで、次を入力します:
    • 名前: ソフトウェア・ソースの名前。

    • 説明: ソフトウェア・ソースの説明(オプション)。

    • アーキテクチャ: ソフトウェア・ソース内のパッケージのアーキテクチャ(例: x86_64)。

    • 親ソフトウェア・ソース:

      • 子ソフトウェア・ソースを作成するには:

        1. 「親ソフトウェア・ソースの選択」をクリックします。

        2. 「親ソフトウェア・ソースの選択」パネルで、親ソフトウェア・ソースの選択元となるコンパートメントを選択します。

        3. 表から、子ソフトウェア・ソースの親として使用可能なソフトウェア・ソースの名前の横にあるチェック・ボックスを選択します。

        4. 「親の選択」をクリックします。

      • 親(ベース)ソフトウェア・ソースを作成するには、デフォルト設定の「なし」を使用します。

  5. 「送信」をクリックします。
カスタム・ソフトウェア・ソースにパッケージを追加するには

  1. ナビゲーション・メニューを開き、「コンピュート」をクリックします。「OS管理」「ソフトウェア・ソース」をクリックします。
  2. 「リスト・スコープ」で、ソフトウェア・ソースを含むコンパートメントを選択します。
  3. ソフトウェア・ソースを検索し、その名前をクリックします。
  4. 「使用可能なパッケージ」表で、「パッケージの追加」をクリックします。
  5. 「パッケージの追加」パネルの「ソフトウェア・ソースの選択」で、「ソフトウェア・ソースの選択」をクリックして、カスタム・ソフトウェア・ソースへのパッケージの追加に使用する別のソフトウェア・ソースを選択します。
  6. 「ソフトウェア・ソースの選択」パネルで、ソフトウェア・ソースの選択元となるコンパートメントを選択します。
  7. 表から、使用可能なソフトウェア・ソースを選択します。選択したソフトウェア・ソースのパッケージが「パッケージの追加」パネルに移入されます。
  8. 追加するパッケージを検索して選択します。
  9. 「追加」 をクリックします。
カスタム・ソフトウェア・ソースからパッケージを削除するには

  1. ナビゲーション・メニューを開き、「コンピュート」をクリックします。「OS管理」「ソフトウェア・ソース」をクリックします。
  2. 「リスト・スコープ」セクションで、ソフトウェア・ソースを含むコンパートメントを選択します。
  3. カスタム・ソフトウェア・ソースを検索し、その名前をクリックします。
  4. 「使用可能なパッケージ」セクションで、削除するパッケージを検索して選択します。
  5. 削除」をクリックします。
  6. 「ソフトウェア・ソースの削除」ダイアログ・ボックスで、「削除」をクリックします。

ソフトウェア・ソースの削除

ソフトウェア・ソースを削除するには

  1. ナビゲーション・メニューを開き、「コンピュート」をクリックします。「OS管理」「ソフトウェア・ソース」をクリックします。
  2. 「リスト・スコープ」セクションで、ソフトウェア・ソースを含むコンパートメントを選択します。
  3. 削除するソフトウェア・ソースを検索して選択します。
  4. 「削除」をクリックします。
  5. 「ソフトウェア・ソースの削除」ダイアログ・ボックスで、「削除」をクリックしてアクションを確認します。
    ノート

    親ソフトウェア・ソースに子ソフトウェア・ソースがある場合は、親ソフトウェア・ソースを削除する前にそれらを削除する必要があります。

プライベート・リポジトリの無視

ノート

独自のプライベートyumリポジトリまたはミラーをOS管理サービスで使用することはできません。プライベートyumリポジトリがある場合は、それらを無視するようにOS管理サービスを構成して、OS管理サービス・エージェント・プラグインがそれらのリポジトリの設定を上書きしないようにできます。

プライベート・リポジトリを無視するようにOS管理を構成するには
  1. インスタンスにログインします。インスタンスへの接続を参照してください。
  2. /etc/oracle-cloud-agent/plugins/osmsディレクトリにignored_repos.confという名前のファイルを作成します。
  3. プライベート・リポジトリの名前(1行に1エントリ)を/etc/oracle-cloud-agent/plugins/osms/ignored_repos.confファイルに追加します。

    例:

    private_repo_one.repo
    private_repo_two.repo
    ノート

    プライベート・リポジトリに使用される/etc/yum.repos.d内の実際のリポジトリ・ファイル名を使用します。
  4. ファイルを保存します。
  5. Oracle Cloud Agentサービスを再起動します。
    Oracle Linux 7およびOracle Linux 8
    sudo systemctl restart oracle-cloud-agent.service
    Oracle Linux 6
    sudo initctl restart oracle-cloud-agent

    Oracle Cloud Agentが再起動すると、OS管理サービス・エージェント・プラグインは、これらのリポジトリから*.repo.osms-backup拡張子を削除し、ignored_repos.confファイル内のリポジトリ・エントリと一致するyum.repo.dディレクトリ内のすべてのものを無視します。

    ノート

    更新のスケジュールなどのOS管理機能は、プライベート・リポジトリでは機能しません。

APIの使用

APIの使用およびリクエストの署名の詳細は、REST APIおよびセキュリティ資格証明を参照してください。SDKの詳細は、ソフトウェア開発キットおよびコマンドライン・インタフェースを参照してください。

ソフトウェア・ソースの管理には、次のAPI操作を使用します:

OS管理サービスで使用可能なAPI操作の完全なリストは、OS管理APIを参照してください。