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JavaFX Scene Builder: リリース・ノート

1 JavaFX Scene Builder 2.0リリース・ノート

JavaFX Scene Builder 2.0は、Java Platform 8, Standard Edition (Java SE 8)リリースに付属しているJavaFX APIクラス用の設計ツールです。このツールは、アプリケーション・ロジックにリンクされたアプリケーションのユーザー・インタフェースをビジュアルにレイアウトするのを支援します。グラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)のコンポーネントをJavaFXシーンにドラッグ・アンド・ドロップすると、レイアウトのFXMLソース・コードが自動的に生成されます。

このリリースの新機能

JavaFX Scene Builder 2.0リリースでは、Java Platform, Standard Edition 8 (Java SE 8)に付属しているJavaFX APIライブラリのサポートが追加され、さらに、Scene Builder 1.1リリース以降に重要な新機能が追加されて操作性が改善されました。

このリリースでは、Scene Builderツールを大規模なアプリケーション(IDEなど)に直接統合できるコンポーネントに分割するために、JavaFX Scene Builderのアーキテクチャおよびコード・ベースの主なリファクタリングも導入されています。

このリリースには、次の新機能と変更された機能が含まれています。

  • JavaFX Scene Builder Kit。JavaFX Scene Builder Kitは、大規模なアプリケーションのGUI、またはJava IDE (NetBeans、IntelliJ、Eclipseなど)にScene Builderのパネルや機能を直接統合できるAPIです。詳細は、JavaFX Scene Builder Kitの使用を参照してください。

  • ライブラリにカスタムGUIコンポーネントを追加する機能。サードパーティのJARファイルからインポートされたカスタム・コンポーネントは、使用可能なGUIコンポーネントのライブラリに永続的に追加できるようになりました。詳細は、ライブラリへのカスタム・コンポーネントの追加を参照してください。

  • 新しいJavaFX 8 UIコンポーネントのサポート。Java SE 8で導入された新しいUIコンポーネントのTreeTableView、DatePickerおよびSwingNodeがScene Builder 2.0でサポートされるようになりました。使用可能なJavaFX 8 UIコンポーネントのリストを表示するには、「ライブラリ」パネルの「検索」テキスト・フィールドにFX8と入力します。

  • 3Dのサポート。3Dオブジェクトを含むFXMLドキュメントは、Scene Builderツールでロードおよび保存できるようになりました。「インスペクタ」パネルを使用して、3Dオブジェクトのプロパティを表示および編集できます。ただし、Scene Builderツールを使用して新しい3Dオブジェクトは作成できません。詳細は、JavaFX Scene Builderユーザーズ・ガイドを参照してください。

  • リッチ・テキストのサポート。新しいコンテナのTextFlowがGUIコンポーネントのライブラリで使用可能になりました。複数のテキスト・ノードおよび他のタイプのノードをTextFlowコンテナにドラッグできます。また、テキスト・ノードを直接操作して、コンテナ内でテキスト・ノードを並べ替えることもできます。インラインおよびプロパティ編集機能も各テキスト・ノードで使用可能です。

  • 「ライブラリ」パネルの改善。「ライブラリ」パネルのデフォルトの表示オプションは、すべてのコンポーネント・カテゴリを表示できる折りたたみ可能なセクションとして追加された新機能です。

  • 「階層」パネルの改善。コンテナ間でオブジェクトの親をより柔軟に変更できるようになりました。さらに、「階層」パネルと「コンテンツ」パネルの間で、オブジェクトをドラッグ・アンド・ドロップすることも可能です。また、オブジェクトの親を変更するために、「階層」パネルで複数のオブジェクトを選択できるようになりました。

  • 「コンテンツ」パネルの改善。「コンテンツ」パネルでHBox、VBox、FlowPaneまたはToolbarコンテナのコンポーネントを直接操作して、その順序を変更できるようになりました。さらに、コンテナ内の任意の位置に新しいコンポーネントを挿入することもできます。現在、この直接操作はTilePaneコンテナには使用できないことに注意してください。

  • 「インスペクタ」パネルの改善。「インスペクタ」パネルの多くのプロパティ・エディタでは、提示されたリスト・ダイアログ・ウィンドウが使用されます。ここには選択可能な値のリストが表示され、手動で入力するかわりにここから値を選択できます。たとえば、CSSスタイル・エディタには、現在選択されているオブジェクト(1つまたは複数)に基づいて、適用可能なCSSプロパティのリストが表示されます。リスト処理も簡略化されました。異なるタイプのコンポーネントの複数選択(つまり、Button + TextField)がサポートされるようになりました。さらに、多くのプロパティ・エディタの操作性(AnchorPane制約、回転、パディングなど)が改善されました。

  • 「プレビュー」ウィンドウの改善。現在のFXMLドキュメントが編集されると、「プレビュー」ウィンドウの内容が自動的にリフレッシュされるようになりました。したがって、変更されたUIレイアウトをプレビューするために「リフレッシュ」コマンドを使用する必要はありません。

  • インクルードFXMLコマンドでの変更メニュー・バーから「ファイル」をクリックし、次にインクルードをクリックしたとき、編集している現在のFXMLドキュメントがシステムのディスクに保存されて空でない場合は、FXMLメニュー項目のみ選択できます。

システム要件とインストール

システムの前提条件、およびJavaFX Scene Builderのインストール手順の詳細は、JavaFX Scene Builderインストレーション・ガイドを参照してください。

開始

JavaFX Scene Builderの使用を開始するには、http://docs.oracle.com/javase/8/javase-clienttechnologies.htmで入手できる次のドキュメントを参照してください。

既知の制限事項

次の問題が存在することが判明しています。各項目の先頭にある番号は、JIRAのJavaFX Scene Builder問題ダッシュボードのレポートを参照しています。オープンしている問題の完全リストを表示するには、http://javafx-jira.kenai.com/browse/DTLでJavaFX Scene BuilderのJIRAプロジェクトにログインします。レポートにアクセスするには、登録されたJIRAユーザーである必要があります。

  • DTL-6670 - カスタム・コンポーネントであるFXMLドキュメントのルート・コンポーネントを移動すると、「コンテンツ」パネルが使用できなくなり、例外がスローされる場合があります。

    説明: FXMLドキュメントのルート・コンポーネントがカスタムのGUIコンポーネントである(つまり、そのクラスがカスタマイズされ、Scene Builderライブラリに追加されたJARファイルに実装されている)場合、「コンテンツ」パネルからそのコンポーネントをドラッグしようとすると、破損して例外がスローされ、視覚的にアーティファクト(黄色の影)が残ることがあります。

    回避策: FXMLドキュメント・ウィンドウを閉じて再度開きます。

  • DTL-6664 - Windowsプラットフォームでは、以前にJARファイルがすでにインポートされている場合、このファイルのインポートが失敗することがあります。

    説明: Windowsプラットフォームでは、JARファイルがカスタム・ライブラリ・フォルダにすでに存在する場合は、「ライブラリ」パネルにJARファイルをドロップすると失敗することがあります。エラー・ダイアログ・ウィンドウに、JARファイルをコピーするアクションが失敗したことを示すメッセージが表示されます。

    回避策: 表示されているエラー・ダイアログ・ウィンドウを閉じて、Scene Builderを終了します。JARファイルをカスタム・ライブラリ・フォルダに手動でコピーし、Scene Builderを再起動します。カスタム・ライブラリ・フォルダの場所を特定するには、「ライブラリ」パネルのメニューからカスタム・ライブラリ・フォルダを選択し、「エクスプローラに表示」(Windowsプラットフォーム)、「ファインダに表示」(Mac OSプラットフォーム)、またはデスクトップに表示(Linuxプラットフォーム)を選択します。

  • DTL-6661 - Scene Builderツールでソフトウェア・パイプラインを使用している場合、「ズーム」コマンドは正常に機能しません。

    説明: システムでハードウェア・アクセラレーションが使用不可である場合、メニュー・バーから「表示」をクリックし、次に「ズーム」を選択すると正しく機能しません。「コンテンツ」パネルのオブジェクトのアウトラインは「ズーム」コマンドの影響を受けますが、オブジェクト自体は元のサイズを保持します。システムがハードウェア・アクセラレーションを使用していないことを確認するには、メニュー・バーから「ヘルプ」をクリックし、次に「Scene Builderバージョン情報」を選択します。表示されたダイアログ・ウィンドウで、「JavaFX」セクションまでスクロールし、Hardware acceleration DISABLEDと表示されていることを確認します。

    回避策: 可能な回避策はありません。

  • DTL-6659 - Linuxプラットフォームでは、使用可能な値のリストから選択するとき、一部のインスペクタ・エディタの使用が困難です。

    説明: Linuxプラットフォームで一部のインスペクタ・エディタを使用するとき、使用可能な値のリストから値を選択するのが困難です。たとえば、フォント・エディタ内のフォント・サイズのリストや、複数の効果のプロパティを編集するときの特定数のリストが影響を受けます。

    回避策: 使用可能な値のリストが表示されたら、マウス・カーソルを移動しないでください。キーボードの矢印キーを使用して、値リスト内を移動します。

  • DTL-6636 - Linuxプラットフォームでは、ウィンドウを閉じるコマンドが正しく機能しません。

    説明: [Ctrl]キーを押しながら[W]キーを押すか、またはメニュー・バーから「ファイル」をクリックしてウィンドウを閉じるを選択した場合、このコマンドによってウィンドウはクローズされません。

    回避策: ウィンドウのネイティブの閉じるボタンを使用して閉じてください。

  • DTL-6620 - TitledPane、TabまたはScrollPaneコンテナで作業しているとき、「編集」メニューから「内側に貼付け」コマンドは使用できません。

    説明: 現在のレイアウトから既存のGUI要素をコピーします。「ライブラリ」パネルから「コンテンツ」パネルにTitledPane、TabまたはScrollPaneコンテナをドラッグ・アンド・ドロップして、選択されたままにします。メニュー・バーから「編集」をクリックし、「内側に貼付け」を選択して、コピーされたGUI要素を、選択したコンテナに貼り付けようとします。「内側に貼付け」コマンドはグレー表示されて選択対象になっていないため、このコマンドを選択できません。

    回避策: 目的のTitledPane、TabまたはScrollPaneコンテナではなく、「コンテンツ」パネル内の任意の場所にコピーされたGUI要素を貼り付け、ドラッグ・アンド・ドロップ操作を使用してその親を目的のコンテナに変更します。

  • DTL-6393 - Mac OSプラットフォームでは、「コンテンツ」パネルでドラッグ操作が無視されることがあります。

    説明: Mac OSプラットフォームでは、「コンテンツ」パネルでマウスを移動せずに2回連続のドラッグ・アンド・ドロップ操作は実行できません。

    回避策: 「コンテンツ」パネルにオブジェクトをドロップした直後にそのオブジェクトを移動する場合は、2回目のドラッグのためにマウスを移動してください。

  • DTL-6137 - 「インスペクタ」パネルを使用してプロパティ値を設定しても、「コンテンツ」パネルに表示されている現在のレイアウトに反映されないことがあります。

    説明: メニュー・バーの「プレビュー」メニューからJavaFXテーマ・コマンドを使用してJavaFXテーマをCaspianテーマに設定した後、「インスペクタ」パネルでプロパティ値を設定しても、「コンテンツ」パネルに現在表示されているGUIレイアウトに反映されないことがあります。

    回避策: メニュー・バーの「プレビュー」メニューからプレビューの表示コマンドを選択して、「インスペクタ」パネルから適用したプロパティ設定も含めて、レンダリングされた実際のレイアウトを表示します。

  • DTL-6033 - 選択したGridPane要素で「ドキュメントを選択範囲まで切取り」コマンドを使用すると、グリッド・ペインの選択ハンドルが、グリッド・ペインの周囲以外の場所に表示されます。

    説明: メニュー・バーから「編集」をクリックし、選択したGridPane要素で「ドキュメントを選択範囲まで切取り」を選択すると、GridPaneの行と列を囲む選択ハンドルが、GridPane要素の周囲の実際の場所以外に一時的に表示されることがあります。

    回避策: Scene Builderウィンドウのサイズを変更してレイアウトの表示をリフレッシュし、Grid Pane要素の周囲の適切な場所に選択ハンドルを置き換えます。

  • DTL-5924 - JavaFX Scene Builder 2.0のバージョンがシステムにすでにインストールされている場合は、Scene Builder 2.0インストールを先に削除しないかぎり、Scene Builder 1.1をインストールできません。ただし、Scene Builder 1.1がすでにインストールされている場合は、Scene Builder 2.0をインストールできます。

    説明: JavaFX Scene Builder 1.1インストーラは、Scene Builder 2.0製品が同じシステムにすでにインストールされていることを検出すると、製品のインストールを拒否します。インストーラは、より新しいバージョンのアプリケーションがすでにインストールされていることを示すメッセージを表示します。

    回避策: 最初にシステムからJavaFX Scene Builder 2.0製品をアンインストールし、その後にJavaFX Scene Builder 1.1製品をインストールします。

JavaFX Scene Builder Kitの使用

Scene Builder Kitには、次のコンポーネントが含まれます。

  • JavaFX Scene Builder 2.0アプリケーション・バンドルに含まれるSceneBuilderKit.jarファイル。Scene Builderがインストールされるとき、JARファイルは次の場所にインストールされます。

    • Mac OS X: <install_dir>/Contents/Java/SceneBuilderKit.jar

    • Windows: <install_dir>\app\SceneBuilderKit.jar

    • Linux: <install_dir>/app/SceneBuilderKit.jar

  • JavaFX Scene Builder KitのAPI javadocを含むjavafx_scenebuilder_kit_javadoc-2_0.zipファイル。キットをダウンロードするには、http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.htmlの「Java SE downloads」ページの「Additional Resources」セクションに移動して、「JavaFX Scene Builder」セクションを見つけます。

  • http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads/index.htmlの「Java SE Downloads」ページの「Additional Resources」カテゴリにある「JavaFX Scene Builder 2.0」セクションからダウンロード可能なjavafx_scenebuilder_kit_samples-2_0.zipファイル。javafx_scenebuilder_kit_samples-2_0.zipファイルには、SceneBuilderHelloおよびSceneBuilderHelloSWサンプルが含まれています。SceneBuilderHelloアプリケーションは、Scene Builder Kit APIの使用方法を示す最小限のJavaソース・コード例です。SceneBuilderHelloSWは、SceneBuilderHelloサンプルのバリエーションです。Scene Builder Kit APIをSwingベース・アプリケーションから使用する方法を示します。サンプルは、NetBeansプロジェクトとして提供されます。

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