ターゲット設定とは

ターゲット設定では、適切な権限とセキュリティ設定を備えたユーザーがKPIの実際の値やターゲット値を変更できます。

一度変更すると、値はリポジトリに送信されて格納されます。次に、Oracle BI EEでは、これらの変更された値を使用して、集計値の再計算、キャッシュのリフレッシュ、およびKPIウォッチリストまたはKPIの追加先スコアカードのリフレッシュが実行されます。ターゲット設定は、現在、Essbase データ・ソースにのみ使用できます。追加情報は、スコアカードの権限と許可についてを参照してください。

KPIのターゲット設定を設定するための前提条件

KPIでターゲット設定を使用するために実行する必要がある複数のステップがあります。

コンテンツ設計者がターゲット設定を備えたKPIを作成するには、管理者が、次の前提条件タスクを実行しておく必要があります:

  • ターゲット設定のリポジトリの構成 - Oracle BI EEのリポジトリ管理者は、Oracle BIリポジトリの物理層、ビジネス・モデルとマッピング層およびプレゼンテーション層にOracle Essbaseデータ・ソースをマッピングして、ターゲット設定機能を有効にする必要があります。次に、管理者は論理列の「書込み可能」オプションを選択してから、対応するプレゼンテーション列の「読取り/書込み」権限を有効にして、ターゲット設定を有効にするリポジトリ内の列のライト・バックを有効にする必要があります。追加情報は、Oracle Business Intelligence Enterprise Editionメタデータ・リポジトリ作成者ガイドを参照してください。

  • 計算スクリプトの作成 - Oracle BI EEのリポジトリ管理者は、Oracle Essbaseを使用して、データ・ソースの計算スクリプトを作成します。計算スクリプトを作成すると、Oracle BI EEのKPIエディタ: 一般プロパティ・ページにある「更新後ビジネス・ルール」リストに計算スクリプトが表示されるようになります。設計時には、コンテンツ設計者が計算スクリプトを選択します。実行時には、指定した計算スクリプトがOracle BI EEで使用されて、KPIの実際の値とターゲット値をユーザーが変更して保存した後にデータが再計算されます。

    詳細は、Oracle Essbaseデータベース管理者ガイドのブロック・ストレージ・データベース用の計算スクリプトの作成に関する項を参照してください。

  • ユーザー権限の割当て - KPIの実際の値とターゲット値をユーザーが変更できるようにするには、Oracle BI EEのシステム管理者が特定の権限をユーザーに割り当てる必要があります。プレゼンテーション・サービス権限の詳細は、スコアカードの権限と許可についてを参照してください。

KPIのターゲット設定の設定に関する概要

ユーザーが実行時に更新できる実際の値とターゲット値が指定されたKPIを作成するために、コンテンツ設計者が実行する必要がある手順がいくつかあります。

図に、プロセスで必要な各ステップを示します。これらの各ステップの詳細は、ターゲット設定タスク・フローのステップの説明を参照してください。「KPI」エディタを使用してターゲット設定を備えたKPIを作成する手順の詳細は、KPIの作成を参照してください。

ターゲット設定タスク・フローのステップの説明

次のリストで、KPIのターゲット設定を設定するために実行する必要がある各ステップを説明します。

  • KPIに対する実際の値とターゲット値の追加 - 「KPI」エディタ: 一般プロパティ・ページで、「実際の値」および「ターゲット値」フィールドを使用して、KPIのステータスとスコアを決定するために使用する値を指定します。現在は、Essbaseデータ・ソースごとに1つのKPIのみを作成できます。

  • 実際の値とターゲット値をユーザーが更新できるようにメジャーを書込み可能としてマーク - 「KPI」エディタ: 一般プロパティ・ページで、「書込み可能」チェック・ボックスを使用して、どの値をユーザーが変更できるようにするかを指定します。1つまたは両方の値を書込み可能として選択できます。「書込み可能」チェック・ボックスを選択した場合は、「KPI」エディタ: データ入力セキュリティ・ページがナビゲーション・トレインに沿って最後のページとして「KPI」エディタに表示されます(KPIの作成方法を参照)。

  • ビジネス・ルールの選択 - 「KPI」エディタ: 一般プロパティ・ページで、「更新後ビジネス・ルール」リストを使用して、計算スクリプトを指定します。計算スクリプトがOracle BI EEで使用されて、ユーザーが値を変更した後にデータが再計算されます。リポジトリ管理者はOracle Essbaseを使用して、設計時に表示されるデータ・ソースおよび計算スクリプトを作成します。計算スクリプトの詳細は、KPIのターゲット設定を設定するための前提条件を参照してください。

  • スライス・レベル・セキュリティの割当て - 「KPI」エディタ: データ入力セキュリティ・ページを使用して、データの保護方法を指定します。データを保護するには、セルレベルの読取りおよび書込みアクセス権のコレクションを定義したスライスを作成します。次に、Oracle BI EEの特定のユーザーにスライスを割り当てることができます。

ターゲット設定とのユーザー相互作用

コンテンツ設計者は、ターゲット設定が有効なKPIを、KPIウォッチリスト、目的およびイニシアチブなどのウォッチリストに含めることができます。

追加情報は、ウォッチリストの理解を参照してください。

正しい権限が付与されているユーザーは、書込み可能な実際の値やターゲット値を実行時に変更および保存できます。ユーザーが値を入力および保存すると、Oracle BI EEでは、リポジトリへの値の送信、集計値の再計算、およびウォッチリストのリフレッシュが実行されます。プレゼンテーション・サービス権限の詳細は、スコアカードの権限と許可についてを参照してください。