18.7. ホットデスク

18.7.1. ホットデスクの動作
18.7.2. 位置の把握

このセクションでは、ホットデスクが発生した場合に Windows セッションを管理できるさまざまな方法について説明します。

18.7.1. ホットデスクの動作

uttsc コマンドを使用すると、ユーザーがほかのクライアントにホットデスクを行なっているときの Windows セッションの動作を指定できます。この動作は、-H オプションを使用して設定できます。

このモードには、次のような種類があります:

  • -H reconnect - リモートデスクトップサーバーがデバイス CAL モードで構成されている場合、リモートデスクトップセッションは切断され、再接続されます。ユーザーは証明書を再入力しなければならない場合があります。これはデフォルトのモードです。

  • -H nodisconnect - リモートデスクトップセッションの接続は維持されます。以前は -O オプションでした。

  • -H autoreconnect - ユーザーが別の Sun Ray クライアントにホットデスクを行なっている場合、リモートデスクトップサーバーは切断され、再接続されます。ユーザーは証明書を再入力する必要はなく、リモートデスクトップサーバー上でクライアント名と IP アドレスが更新されます。このオプションでは、自動再接続機能を有効にしておく必要があります。

18.7.2. 位置の把握

位置の把握は、Windows セッションにホットデスクの追加機能を提供する機能です。これにより、次のことが可能になります:

  • セッション起動後、またはホットデスク後でも、Windows セッションで一意のクライアント名を取得できます。クライアント名はホットデスク中に転送されます。

  • 関連するクライアントセッションがホットデスク中に切断され再接続された場合に、Windows セッションで実行するコマンドまたはスクリプトによる動作を設定できます。再接続用に設定された動作はセッション起動時にも実行されます。

Note

Windows Connector で言うクライアント名とは、Sun Ray クライアントまたは Oracle Virtual Desktop Client の ID (DTU ID とも呼ばれる) を指します。

場合によっては、この機能を使用することで、フォローミー印刷の設定などの Sun Ray サーバーのオペレーティングシステムレベルで utaction を使用する必要がなくなります。

この機能を有効にするには、Sun Ray Windows コンポーネントインストーラを使用して、Client Information Agent を Windows システムにインストールする必要があります。これは、Section 3.2.7, “Windows システムに Windows Connector コンポーネントをインストールする方法”に説明されています。インストールが完了すると、位置の把握がデフォルトで有効になり、Windows セッションが起動すると自動的に使用されます。

18.7.2.1. Windows セッションでのクライアント名の取得

位置の把握機能を使用すると、セッション起動後、またはホットデスク後でもクライアント名を取得できるようになります。クライアント名は、さまざまな構成シナリオで使用できます。クライアント名は次の方法で取得できます:

  • %CLIENTNAME% 環境変数。

  • HKCU\Volatile Environment\CLIENTNAME レジストリキー。

  • Windows デスクトップセッションでの GetComputerName() 機能の使用。

  • ターミナルサービスセッションでの WTSSessionQueryInformation() 機能の使用。

18.7.2.2. Windows セッションの動作の設定

位置の把握機能を使用すると、関連するクライアントセッションがホットデスク中に切断され再接続された場合、および Windows セッションが起動した場合に Windows セッションで実行するコマンドまたはスクリプトを設定できます。管理者としてこれを実行するには、1 つ以上のレジストリ値、name=data ペアを次のレジストリキーに指定します:

32 ビットシステムの場合
  • セッションの切断 - HKLM\Software\Oracle\Sun Ray\ClientInfoAgent\DisconnectActions

  • セッションの再接続およびセッションの起動 - HKLM\Software\Oracle\Sun Ray\ClientInfoAgent\ReconnectActions

64 ビットシステムの場合
  • セッションの切断 - HKLM\Software\Wow6432Node\Oracle\Sun Ray\ClientInfoAgent\DisconnectActions

  • セッションの再接続およびセッションの起動 - HKLM\Software\Wow6432Node\Oracle\Sun Ray\ClientInfoAgent\ReconnectActions

Caution

レジストリキーを変更する前に、Windows システムのレジストリを必ずバックアップしてください。

次に、前述のレジストリキーのレジストリ値の例を示します。Commandn 名は順序を示すのに使用されます。

Command1=notepad.exe
Command2=wscript.exe c:\tmp\myscript.vbs

data の値は実行されるコマンドまたはスクリプトを指定し、「String」または「REG_SZ」のどちらかの値のタイプを指定できます。

.exe ファイルなどの実行可能ファイルのコマンドには、絶対パスを指定できます。パスを指定しない場合、実行可能ファイルは次の順序で検索されます: 現在のディレクトリ、Windows システムのディレクトリ、Windows ディレクトリ、および PATH 環境のディレクトリ。

スクリプトの場合は、インタプリタまたはシェルで実行するスクリプトを指定するようにしてください。スクリプトのパスは絶対パスである必要があります。たとえば、cmd.exe /c c:\foo\script.batwscript.exe c:\foo\script2.vbs などです。