Oracle Solarisシステムのブートとシャットダウン (概要)

Oracle Solaris x86 および SPARC のブートアーキテクチャーは、次の基本特性を共有します:

ブートアーカイブの使用

ブートアーカイブとは、システムのブートに必要なすべてのファイルが含まれている RAM ディスクイメージのことです。詳細は、『SPARC プラットフォームでの Oracle Solaris のブートおよびシャットダウン』の「Oracle Solaris ブートアーカイブの説明」を参照してください。
ブート管理インタフェースを使用して Oracle Solaris ブートアーカイブの整合性を維持

bootadm コマンドは、ブートアーカイブの更新および検証の詳細を処理します。インストールまたはアップグレードの間、bootadm コマンドは初期ブートアーカイブを作成します。正常なシステムシャットダウンの処理中に、シャットダウンプロセスではブートアーカイブの内容がルートファイルシステムと比較されます。システムにドライバや構成ファイルなどの更新がある場合、ブートアーカイブがこれらの変更を含むように再構築されることによって、リブート時にブートアーカイブとルートファイルシステムの同期がとられます。bootadm コマンドを使用して、ブートアーカイブを手動で更新することができます。手順については、『SPARC プラットフォームでの Oracle Solaris のブートおよびシャットダウン』の「ブートアーカイブの整合性の維持」を参照してください。

詳細は、bootadm(1M) および boot(1M) のマニュアルページを参照してください。
インストール中に RAM ディスクイメージをルートファイルシステムとして使用

RAM ディスクイメージは、ブートアーカイブから生成されたあと、ブートデバイスからシステムに転送されます。

ソフトウェアをインストールする場合、RAM ディスクイメージは、インストールプロセス全体に使用されるルートファイルシステムになります。RAM ディスクファイルシステムのタイプには、HSFS (High Sierra File System) を指定できます。

SPARC でのブートプロセスの詳細は、『SPARC プラットフォームでの Oracle Solaris のブートおよびシャットダウン』の「SPARC ブートプロセスの説明」を参照してください。

x86 プラットフォームでのブートプロセスの詳細は、『x86 プラットフォーム上の Oracle Solaris のブートおよびシャットダウン』の「x86 ブートプロセスの動作」を参照してください。.

GRUB ベースのブート

Oracle Solaris では、オープンソースの GRUB (GRand Unified Bootloader) が x86 プラットフォームのデフォルトのブートローダーです。GRUB は、ブートアーカイブをシステムのメモリーにロードするソフトウェアです。ブートアーカイブは、システムの起動中にルートファイルシステムがマウントされる前に必要な、重要なファイルの集まりです。ブートアーカイブとは、Oracle Solaris のブートに使用されるインタフェースのことです。

GRUB は、menu.lst ファイルと呼ばれる構成ファイルに定義済みのブートオプションが含まれているメニューインタフェースを実装します。また、デフォルトのブートパラメータの変更など、さまざまなブート機能の実行に使用できる GUI メニューインタフェースからアクセス可能なコマンド行インタフェースも備えています。

x86 ベースのシステムをブートするときに表示されるメニューは GRUB メニューです。このメニューは、GRUB の menu.lst ファイル内の構成情報に基づいています。ブートシーケンスが始まると、GRUB メニューが表示されます。ブートシーケンスに割り込まない場合、デフォルトエントリ (通常は menu.lst ファイルの最初のエントリ) がデフォルトでブートされます。

ブート時に GRUB メニューを編集して、別のオペレーティングシステムのブート、またはデフォルトブートエントリのパラメータの変更を実行できます。そのためには、GRUB メニューが表示されたらすぐに e を入力します。e を入力すると、ブートプロセスに割り込んで、GRUB 編集メニューが表示されます。ここでは、ブートする別の OS の選択、またはデフォルトブートエントリのデフォルトブートパラメータの変更を行うことができます。変更されたブート動作は、システムの次回ブート時までしか持続しないことに注意してください。

作業関連の情報については、『x86 プラットフォーム上の Oracle Solaris のブートおよびシャットダウン』を参照してください。

サービス管理機構によるブートサービスの管理

SMF の導入に伴い、ブートプロセスで生成されるメッセージが減少しました。また、サービスが開始されるとき、サービスはデフォルトではメッセージを表示しません。ブートメッセージによって提供されていた情報は、/var/svc/log にある各サービス用のログファイルで提供されるようになりました。ブートの問題の診断には svcs コマンドが役立ちます。ブートプロセス中に各サービスが開始されるときにメッセージを生成するには、-v オプションを boot コマンドとともに使用します。

SMF が提供する機能のほとんどが、ユーザーの目に触れることなく実行されるため、ユーザーは通常これらの機能に気付きません。それ以外の機能には新しいコマンドでアクセスします。

詳細は、「SMF とブート」を参照してください。

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