3.1. 製品要件

3.1.1. オペレーティングシステム要件
3.1.2. Sun Ray Operating Software
3.1.3. Windows リモートデスクトップのサポート
3.1.4. Oracle Solaris プラットフォームと Oracle Linux プラットフォームの機能の違い
3.1.5. Oracle Solaris 10 プラットフォームと Oracle Solaris 11 プラットフォームの違い
3.1.6. ディスクスペースの要件
3.1.7. Oracle Solaris 10 の前提条件
3.1.8. Oracle Solaris 11 の前提条件
3.1.9. Oracle Linux の前提条件
3.1.10. Java Runtime Environment (JRE) の要件
3.1.11. Sun Ray 管理 GUI 用 Web サーバーの要件
3.1.12. Sun Ray 管理 GUI 用 Web ブラウザの要件
3.1.13. Sun Ray データストアのポート要件
3.1.14. ポートおよびプロトコル

このセクションでは、Sun Ray Software 5.4 リリースの製品要件について説明します。

3.1.1. オペレーティングシステム要件

表3.1「サポートされる Sun Ray Software オペレーティングシステム」 に Sun Ray Software 5.4 リリースのサポートされる Sun Ray Software オペレーティングシステムを示します。

表3.1 サポートされる Sun Ray Software オペレーティングシステム

オペレーティングシステム

サポートされるリリース

SPARC および x86 プラットフォーム上の Oracle Solaris 10

  • Oracle Solaris 10 8/11 以降

  • Oracle Solaris 10 8/11 以降、Trusted Extensions を統合

SPARC および x86 プラットフォーム上の Oracle Solaris 11

  • Oracle Solaris 11.1 以降

  • Oracle Solaris 11.1 以降、Trusted Extensions を統合

x86 プラットフォーム上の Oracle Linux (64 ビット)

  • Oracle Linux 5.8

  • Oracle Linux 6.3


Sun Ray Software はサポートされており、Oracle 仮想化環境にインストールできます。サポートされていない仮想化環境の使用時に問題が発生した場合は、その問題が仮想化製品に関連していないことを確認するために、問題を非仮想化オペレーティングシステムでデモするよう求められることがあります。

注記

Oracle Linux 上で認定されている Oracle 製品は、Red Hat Enterprise Linux 上でも認定およびサポートされ、両方のディストリビューション間で互換性があることを暗黙的に示しています。Oracle では、Red Hat Enterprise Linux 製品上での追加テストを実行していません。

Sun Ray Software をインストールする前にサーバーの準備を行う場合は、「Oracle Solaris 10 の前提条件」「Oracle Solaris 11 の前提条件」、および「Oracle Linux の前提条件」を参照してください。

3.1.2. Sun Ray Operating Software

Sun Ray Software 5.4 の新機能の多くは、Sun Ray Operating Software 11.1.1 for Sun Ray Clients が必要です。Sun Ray Operating Software は、Sun Ray クライアントファームウェアの正式名称です。

Sun Ray クライアントに Sun Ray Operating Software をインストールする方法の詳細については、「Sun Ray Software をインストールする前にファームウェアをインストールする」を参照してください。

3.1.3. Windows リモートデスクトップのサポート

Sun Ray Software では、次の Windows リモートデスクトップがサポートされます。

  • Windows XP Professional SP2 (64 ビット)

  • Windows XP Professional SP3 (32 ビット)

  • Windows Server 2003 R2 SP2 Enterprise Edition (32 ビットおよび 64 ビット)

  • Windows 7 SP1 Enterprise Edition (32 ビットおよび 64 ビット)

  • Windows Server 2008 R2 SP1 Enterprise Edition (64 ビット)

  • Windows 8 (32 ビットと 64 ビット)

  • Windows Server 2012 (64 ビット)

それぞれの Windows リモートデスクトップでサポートされる機能について、表3.2「Windows リモートデスクトップでサポートされる機能」に示します。一部の Windows リリースでは、特定の機能をサポートするために Windows Connector コンポーネントをインストールする必要があります。詳細については、「Windows システムに Windows Connector コンポーネントをインストールする方法」を参照してください。

表3.2 Windows リモートデスクトップでサポートされる機能

 

Windows XP SP2 (64 ビット)

Windows XP SP3 (32 ビット)

Windows Server 2003 R2 SP2 (32 ビット/64 ビット)

Windows 7 SP1 (32 ビット/64 ビット)

Windows Server 2008 R2 SP1 (64 ビット)

Windows 8 (32 ビット/64 ビット)

Windows Server 2012 (64 ビット)

ビデオ高速化

USB リダイレクション

オーディオ入力

強化されたネットワークセキュリティー (TLS/SSL および NLA)

セッションディレクトリ/セッションブローカ

なし

なし

なし

なし

スマートカードサービス


注記

ビデオの高速化のサポートは、Windows デスクトップのバージョン、使用しているアプリケーション、およびデスクトップへの接続に使用されるクライアントによって異なります。詳細は、「ビデオの高速化」を参照してください。

3.1.4. Oracle Solaris プラットフォームと Oracle Linux プラットフォームの機能の違い

次の Sun Ray Software 機能は、Oracle Linux プラットフォームを実行する Sun Ray サーバーでサポートされていません。

  • Oracle Linux の外部ストレージサブシステムの設計が原因で、USB リダイレクション Windows コンポーネントなしで外部ストレージデバイスを使用した場合のパフォーマンスは、Oracle Linux の方が Oracle Solaris よりも大幅に低下します。外部ストレージデバイスを使用する場合は、最高のパフォーマンスを得るために、USB リダイレクションをを使用してください。

  • 定義済みキオスクセッションタイプ (デスクトップ、ウィンドウマネージャー、一連のアプリケーションを構成する機能を提供します) は利用できません。Sun Java Desktop (JDS), Release 3 は、Oracle Solaris 10 向けに用意されている定義済みセッションタイプの例です。詳細については、「キオスクの概要」を参照してください。

  • CCID IFD ハンドラ (デスクトップクライアントに接続された CCID 準拠の外付け USB スマートカードリーダーにアクセスできるようにするもの) は、Oracle Linux が動作している Sun Ray サーバーではサポートされません。

  • scbus v1 スマートカードプロトコルは、Oracle Linux が動作している Sun Ray サーバーではサポートされません。

  • Oracle Linux では、スマートカードなしのホットデスク時に NSCM ログイン画面の「オプション」メニューが使用できません。これには、「クイックログイン」および「終了」の両方のオプションが含まれます。詳細は、「NSCM セッションにログインする方法」を参照してください。

3.1.5. Oracle Solaris 10 プラットフォームと Oracle Solaris 11 プラットフォームの違い

次のリストは、Oracle Solaris 10 プラットフォームと Oracle Solaris 11 プラットフォームが動作している Sun Ray サーバー間の違いを説明しています。

  • 定義済みのキオスクセッションタイプは、Oracle Solaris 10 でのみ使用できます。Oracle Solaris 11 用の定義済みのキオスクセッションタイプはありません。

  • IP マルチパス (IPMP) は、共有ネットワーク構成 (完全に経路指定されたサブネットを持つ LAN) 内の、Oracle Solaris 10 が動作している Sun Ray サーバーのみでサポートされます。

3.1.6. ディスクスペースの要件

特定のディレクトリのディスクスペース要件を表3.3「ディスクスペースの要件」に示します。

表3.3 ディスクスペースの要件

デフォルトのインストールパス

要件

/

1 M バイト

/etc/opt/SUNWut/srds

0.1 M バイト

/opt

70 M バイト

/opt/SUNWut/srds

4.6 M バイト

/var/adm/log (Oracle Solaris)

5 M バイト

/var/log (Oracle Linux)

2.5 M バイト

/var/opt/SUNWut

データストアとログファイル用に十分なディスクスペースを確保してください。1,000 エントリの場合、およそ 1.5 M バイトのディスクスペース、64 M バイトの RAM、および 528 M バイトのスワップ空間を割り当てます。

/var/tmp

5 M バイト


3.1.7. Oracle Solaris 10 の前提条件

このセクションでは、Sun Ray サーバーに Oracle Solaris 10 を使用する場合の前提条件について説明します。

  • 全体ディストリビューションソフトウェアクラスタが必須であり、インストールされている必要があります。

  • Sun Ray Software をインストールする前に最新の推奨パッチセットをインストールする必要があります (My Oracle Support からダウンロードできます)。

  • 共通デスクトップ環境 (CDE) は、将来の Oracle Solaris 10 リリースで使用できなくなる可能性があります。ユーザーは Java Desktop System に移行することをお勧めします。Sun Ray Software の将来のバージョンで CDE が Oracle Solaris 10 リリースから正式に削除された時点で、CDE はサポートされなくなります。

  • Sun Ray クライアントのパフォーマンスを向上させるには、次の構成の更新を行います。

    1. 次の行を Sun Ray サーバーの /etc/system ファイルに追加します。

      set hires_tick=1 

      この設定の詳細は、「ネットワークスイッチでのバッファリングを減らすことで Sun Ray クライアントのパフォーマンスを向上させる方法 (Oracle Solaris)」を参照してください。

    2. Sun Ray サーバーをリブートします。

3.1.8. Oracle Solaris 11 の前提条件

このセクションでは、Sun Ray サーバーに Oracle Solaris 11 を使用する場合の前提条件について説明します。

  • デフォルトの Oracle Solaris 11 パッケージ (solaris パッケージ発行元から提供される) が Sun Ray Software に必須であり、Sun Ray サーバーにインストールされている必要があります。

  • 最新の Oracle Solaris 11 Support Repository Update が Sun Ray サーバーにインストールされている必要があります。

  • 追加のパッケージがいくつか必須であり、それらは Sun Ray Software メディアパックで提供されている utpkgcheck コマンドを使用してインストールできます。

    utpkgcheck コマンドは、Oracle Solaris 11 Image Packaging System (IPS) を使用して追加のパッケージをインストールします。utpkgcheck コマンドは、solaris パッケージ発行元用に構成されているリポジトリ URI を使用します。

    追加のパッケージを Oracle Solaris 11 サーバーにインストールするには、次のコマンドを使用します。

    # utpkgcheck -i
  • Sun Ray クライアントのパフォーマンスを向上させるには、次の構成の更新を行います。

    1. 次の行を Sun Ray サーバーの /etc/system ファイルに追加します。

      set hires_tick=1 

      この設定の詳細は、「ネットワークスイッチでのバッファリングを減らすことで Sun Ray クライアントのパフォーマンスを向上させる方法 (Oracle Solaris)」を参照してください。

    2. 次の行を Sun Ray サーバーの /etc/system ファイルに追加します。

      set mac:mac_cpu_binding_on=0

      この設定の詳細は、「CPU バインディングを無効にすることでネットワークパフォーマンスを向上させる方法 (Oracle Solaris 11)」を参照してください。

    3. Sun Ray サーバーをリブートします。

  • デスクトップクライアントユーザーに最適化されたデスクトップを提供するには、Sun Ray サーバーでマルチユーザーデスクトップサービスを有効にします。

    # svcadm enable application/gconf/multi-user-desktop

    詳細は、『マルチユーザー環境の Oracle Solaris 11 デスクトップの最適化』を参照してください。

  • PulseAudio で使用される共有メモリーを最適化するには、Sun Ray サーバーの /etc/pulse/client.conf ファイルに次の行を追加します。

    shm-size-bytes = 131072

    PulseAudio の詳細は、「オーディオ出力トラブルシューティング (Oracle Solaris 11 および Oracle Linux 6)」を参照してください。

3.1.9. Oracle Linux の前提条件

このセクションでは、Sun Ray サーバーに Oracle Linux を使用する場合の前提条件について説明します。

  • Oracle Linux 5 の場合、デフォルトのパッケージセットが Sun Ray Software に必須であり、Sun Ray サーバーにインストールされている必要があります。

  • Oracle Linux 6 の場合、Desktop パッケージセットが Sun Ray Software に必須であり、Sun Ray サーバーにインストールされている必要があります。

  • 追加のパッケージがいくつか必須であり、それらは Sun Ray Software メディアパックで提供されている utpkgcheck コマンドを使用してインストールできます。詳細は、utpkgcheck を使用して必須パッケージをインストールする方法」を参照してください。

  • ファイアウォールと SELinux のサービスが無効になっている必要があります。

    Oracle Linux 6 の場合、オペレーティングシステムのインストール後にこれらのサービスを無効にする必要があります。ファイアウォールサービスを無効にするには、「ファイアウォールの設定」ダイアログ (「システム」 > 「管理」 > 「ファイアウォール」) を使用します。SELinux サービスを無効にするには、/etc/selinux/config ファイルを次のように編集して、サーバーを再起動します。

    SELINUX=disabled
  • Oracle Linux 6 の場合、PulseAudio で使用される共有メモリーを最適化します。Sun Ray サーバーの /etc/pulse/client.conf ファイルに次の行を追加します。

    shm-size-bytes = 131072

    PulseAudio の詳細は、「オーディオ出力トラブルシューティング (Oracle Solaris 11 および Oracle Linux 6)」を参照してください。

3.1.9.1. utpkgcheck を使用して必須パッケージをインストールする方法

utpkgcheck コマンドは、yum コマンドを使用して Sun Ray Software の必須パッケージの検索とインストールを行います。これは、サーバーに Oracle Unbreakable Linux Network (ULN) または Oracle Public Yum Server が構成されていることに依存します。Oracle 6 が動作しているサーバーでは、マルチシートの GDM リポジトリを含めるように yum を構成する必要もあります。

サーバーに ULN または Public Yum Server が構成されていない場合、utpkgcheck は自動マウントされる Oracle Linux DVD (使用可能な場合) から必要なパッケージのインストールを試みます。このオプションは、Oracle Linux 5 が動作しているサーバーにのみ役立ちます (マルチシートの GDM チャネルが必須ではないため)。

必須パッケージをインストールするには、次の手順を使用します。

  1. utpkgcheck 用の ULN チャネルの構成」およびutpkgcheck 用の Public Yum リポジトリの構成」に説明されているように、yum がサーバー上で正しく構成されていることを確認します。

    注記

    指示に従って、必ず指定された *_latest ULN チャネルへのサブスクライブを解除するか、指定された *_latest yum リポジトリを無効にしてください。そうでない場合、サーバーは、このバージョンの Sun Ray Software でサポートされていない最新バージョンの Oracle Linux に更新されます。Oracle Linux パッチによって修正済みの Oracle Linux のバグのうち Sun Ray Software に影響を及ぼすものがあれば、ULN を使用してそれらの修正を取得する必要があります。

  2. 必須パッケージを Oracle Linux サーバーにインストールします。

    # utpkgcheck -i

    場合によっては、次の警告メッセージが表示されたときに、システムをリブートする必要があります。

    WARNING: System must be rebooted in order to complete installation.     
  3. 最新のパッケージバージョンでサーバーを更新します。

    # yum update
  4. システムをリブートします。

    # reboot

3.1.9.2. utpkgcheck 用の ULN チャネルの構成

utpkgcheck を実行する前に、サーバーが ULN 上の必須チャネルにサブスクライブされていることを確認します。ULN の詳細は、Oracle Linux Unbreakable Linux Network のユーザーズガイドを参照してください。

リポジトリを有効または無効にしたあとで、yum clean all コマンドを使用して yum キャッシュを消去してから、yum repolist コマンドを使用して正しいリポジトリが有効になっていることを確認します。

Oracle Linux 6 プラットフォーム用の ULN チャネルサブスクリプション

  • 次のチャネルからサブスクライブを解除します。

    チャネルラベル

    チャネル名

    ol6_x86_64_latest

    Oracle Linux 6 Latest (x86_64)

    ol6_x86_64_UEK_latest

    Latest Unbreakable Enterprise Kernel for Oracle Linux 6 (x86_64)

  • 次のチャネルにサブスクライブします。

    チャネルラベル

    チャネル名

    ol6_u3_x86_64_patch

    Oracle Linux 6 Update 3 Patch (x86_64)

    ol6_u3_x86_64_base

    Oracle Linux 6 Update 3 installation media copy (x86_64)

    ol6_x86_64_UEK_base

    Unbreakable Enterprise Kernel for Oracle Linux 6 (x86_64)

    ol6_x86_64_gdm_multiseat

    Oracle Linux 6 GDM Multiseat

Oracle Linux 5 プラットフォーム用の ULN チャネルサブスクリプション

  • 次のチャネルからサブスクライブを解除します。

    チャネルラベル

    チャネル名

    el5_x86_64_latest

    Enterprise Linux 5 Latest (x86_64)

    ol5_x86_64_latest

    Oracle Linux 5 Latest (x86_64)

    ol5_x86_64_UEK_latest

    Latest Unbreakable Enterprise Kernel for Oracle Linux 5 (x86_64)

  • 次のチャネルにサブスクライブします。

    チャネルラベル

    チャネル名

    ol5_u8_x86_64_patch

    Oracle Linux 5 Update 8 Patch (x86_64)

    ol5_u8_x86_64_base

    Oracle Linux 5 Update 8 installation media copy (x86_64)

    ol5_x86_64_UEK_base

    Unbreakable Enterprise Kernel for Oracle Linux 5 (x86_64)

3.1.9.3. utpkgcheck 用の Public Yum リポジトリの構成

utpkgcheck を実行する前に、Public Yum Server 用に構成された適切なリポジトリをサーバーが所有していることを確認します。Public Yum Server の詳細は、http://public-yum.oracle.com を参照してください。Oracle Linux 6 については、『Oracle Linux 6 管理者ソリューションガイド』を参照してください。

注記

Oracle Linux 6 プラットフォームでは、最新の yum 構成ファイル (http://public-yum.oracle.com/public-yum-ol6.repo) をダウンロードし、サーバーの /etc/yum.repos.d ディレクトリにコピーする必要があります。最新の yum 構成ファイルには、必須の Oracle Linux 6 GDM Multiseat リポジトリ用のエントリが含まれています。

リポジトリを有効または無効にしたあとで、yum clean all コマンドを使用して yum キャッシュを消去してから、yum repolist コマンドを使用して正しいリポジトリが有効になっていることを確認します。

Oracle Linux 6 プラットフォーム用のリポジトリ構成

  • 次のリポジトリを無効にします。

    リポジトリ

    名前

    [ol6_latest]

    Oracle Linux 6 Latest (x86_64)

    [ol6_UEK_latest]

    Latest Unbreakable Enterprise Kernel for Oracle Linux 6 (x86_64)

  • 次のリポジトリを有効にします。

    リポジトリ

    名前

    [ol6_u3_base]

    Oracle Linux 6 Update 3 installation media copy (x86_64)

    [ol6_UEK_base]

    Unbreakable Enterprise Kernel for Oracle Linux 6 (x86_64)

    [ol6_gdm_multiseat]

    Oracle Linux 6 GDM Multiseat (x86_64)

Oracle Linux 5 プラットフォーム用のリポジトリ構成

  • 次のリポジトリを無効にします。

    リポジトリ

    名前

    [ol5_latest]

    Oracle Linux 5 Latest (x86_64)

    [ol5_UEK_latest]

    Latest Unbreakable Enterprise Kernel for Oracle Linux 5 (x86_64)

  • 次のリポジトリを有効にします。

    リポジトリ

    名前

    [ol5_u8_base]

    Oracle Linux 5 Update 8 installation media copy (x86_64)

    [ol5_UEK_base]

    Unbreakable Enterprise Kernel for Oracle Linux 5 (x86_64)

3.1.10. Java Runtime Environment (JRE) の要件

Sun Ray Software 5.4 の管理 GUI には、32 ビット実装の Java(TM) 2 Platform, Standard Edition JRE(TM) の少なくとも 1.6 が必要です。システムにインストールされている JRE のバージョンをチェックするには、次のコマンドを使用します。

# java -version

http://www.oracle.com/technetwork/java/javase/downloads から入手できる最新の Java リリースをインストールすることをお勧めします。サポートされているバージョンの JRE は、Sun Ray Software メディアパックにバンドルされていて、解凍後は Supplemental ディレクトリにあります。

Sun Ray Software インストールスクリプトでは、JRE がデフォルトで /usr/java ディレクトリにインストールされていることを前提としています。たとえば、Sun Ray Software を Oracle Linux サーバーにインストールするときにデフォルトをそのまま使用する場合は、サーバーに JRE 1.6 以降をインストールし、次に /usr/java から新しく作成される jre ディレクトリへのシンボリックリンクを作成します。次の一連のコマンドは、JRE を /usr ディレクトリにインストールし、/usr/java から新しい jrel.6.0_version ディレクトリへのシンボリックリンクを作成します。

# cd /usr
# Supplemental-dir/Java_Runtime_Environment/Linux/jre-6uversion-linux-i586.bin
# ln -s jre1.6.0_version /usr/java
注記

64 ビットの JRE は、Sun Ray Software での使用には適していません。プラットフォームが 64 ビット JRE のサポートに対応している場合でも、32 ビット JRE が必要です。

注記

Oracle Solaris 11 が動作しているサーバーで JRE バージョン 1.6 を使用している場合は、セキュアな URL から管理 GUI を起動したときに Secure Connection Failed というエラーが発生することがあります。この問題を解決するには、JRE バージョンを 1.7 に更新するか、ブラウザの設定で TLS 1.0 暗号化を無効にします。

3.1.11. Sun Ray 管理 GUI 用 Web サーバーの要件

Sun Ray 管理ツール (管理 GUI) は、各 Sun Ray サーバー上で Web サーバーがインストールされ実行されている必要があります。管理 GUI は JavaServlet 2.4 および JavaServer Pages 2.0 仕様をサポートする Web コンテナでホストされている必要があります。Apache Tomcat 5.5 Web コンテナは、これらの標準規格を実装し、Java Runtime Environment (JRE) を持つ任意のオペレーティングシステムで実行されます。

utconfig スクリプトでは、Apache Tomcat HTTP Server の場所を求められ、自動構成するべきかどうかを確認されます。

  • サーバーを自動構成するには、パスを指定して「はい」と答えます。

  • あとで utconfig -w コマンドを使用して HTTP サーバーを構成する場合は、「いいえ」と答えます。

Sun Ray 構成スクリプトは、デフォルトでポート 1660 を Sun Ray 管理ツール (管理 GUI) 用に使用します。このポートを利用できない場合は、utconfig コマンドを実行するときに新しいポートを構成できます。

Sun Ray Software メディアパックには、Supplemental/Apache_Tomcat の下に Apache Tomcat 5.5 アーカイブが含まれています。Tomcat 5.5 の最新バージョンは、http://tomcat.apache.org からダウンロードできます。

詳細については、「Apache Tomcat をインストールする方法」を参照してください。

3.1.11.1. Apache Tomcat をインストールする方法

Tomcat 5.5 がシステムにすでにインストールされている場合は、次の手順を省略でき、Sun Ray Software の構成時にパスを適宜指定します。

  1. スーパーユーザーとして、Sun Ray サーバーでシェルウィンドウを開きます。

    % su -
  2. Apache_Tomcat ディレクトリに変更します。たとえば:

    # cd media_pack_dir/Supplemental/Apache_Tomcat
    
  3. Tomcat アーカイブを適切なディレクトリ (/opt など) に展開します。

    Oracle Solaris の場合

    Tomcat アーカイブは GNU tar 拡張を使用していて、GNU 互換バージョンの tar コマンド (gtar など) を使用して解凍する必要があります。

    # /usr/sfw/bin/gtar -xvz -C /opt -f apache-tomcat-5.5.36.tar.gz

    Oracle Linux の場合

    # tar -xvz -C /opt -f apache-tomcat-5.5.36.tar.gz

    (オプション) Sun Ray Software インストールスクリプトのデフォルトの場所へのシンボリックリンクを作成します。

    # ln -s apache-tomcat-5.5.36 /opt/apache-tomcat

3.1.12. Sun Ray 管理 GUI 用 Web ブラウザの要件

Sun Ray 管理ツール (管理 GUI) はテスト済みであり、表3.1「サポートされる Sun Ray Software オペレーティングシステム」に記載されたオペレーティングシステムによって提供されるデフォルトブラウザで動作します。

3.1.13. Sun Ray データストアのポート要件

Sun Ray Software 5.4 のみを使用するフェイルオーバー環境で新しい Sun Ray サーバーを構成すると、デフォルトでサービスポート 7012 が使用されます。

Sun Ray サーバー上に LDAP (Lightweight Data Access Protocol) サーバーを構成済みの場合は、Sun Ray データストアと共存できます。ただし、Sun Ray データストアで使用するために予約されているポート 7012 は使用しないでください。

Sun Ray Software のバージョンが混在しているフェイルオーバーグループで新しい Sun Ray サーバーを構成する場合は、プライマリサーバーが Sun Ray Software 5.4 を実行していることを確認する必要があります。

セカンダリサーバーが Sun Ray Software 5.4 を実行している場合は、特別な配慮は必要ありません。utreplica ユーティリティーは、プライマリでのポート番号と自動的に同期します。

注記

さまざまなバージョンの Sun Ray サーバーソフトウェアを実行するサーバーから成る混在フェイルオーバーグループを構成することは可能ですが、推奨されません。詳細については、6章フェイルオーバーグループを参照してください。

3.1.14. ポートおよびプロトコル

次のセクションでは、Sun Ray システムのポートとプロトコルの使用状態についてまとめます。

サーバーの動的/UDP ポートの範囲は、utservices-low および utservices-high UDP サービス定義で定義される範囲に制約され、/etc/services でのそれぞれのデフォルト値は 40000 および 42000 です。この範囲の再定義では、ポートの制約が狭くなりすぎないようにしてください。接続されている Sun Ray クライアントごとに複数のポートを提供できるように、十分なポートの範囲にする必要があります。

クライアントで使用される範囲には、次のものが含まれます。

  • クライアントの動的/TCP ポートは 32768 - 65535 の範囲である。

  • クライアントの動的/UDP ポートは 4096 - 65535 の範囲である。

  • ALP レンダリングトラフィック (ALP-RENDER) はクライアントで常に 32767 より大きい UDP ポート番号を使用する。

3.1.14.1. Sun Ray クライアント - サーバー間のポートおよびプロトコル

表3.4「Sun Ray クライアント - サーバー間のポートおよびプロトコル」に、Sun Ray クライアント - サーバー間のポートおよびプロトコルを示します。この表には、「フロー」列の二重矢印は、最初のパケットの方向を示します。ほとんどの場合、クライアント (Sun Ray クライアントまたは Oracle Virtual Desktop Client) が応答を開始します。

表3.4 Sun Ray クライアント - サーバー間のポートおよびプロトコル

クライアントポート/フロー

プロトコル

サーバーポート/フロー

ピア

重要度/コメント

66/UDP (BOOTPC/DHCPC)

ブロードキャスト =>>

ユニキャスト =>>

DHCP

67/UDP (BOOTPS/DHCPS)

<= ブロードキャスト

<= ユニキャスト

DHCP サービス

必須。

ネットワークおよび構成パラメータの発見。

動的/UDP

ユニキャスト =>>

TFTP

69/UDP (TFTP)

<= ユニキャスト

TFTP サービス

推奨。

ファームウェアのダウンロード (構成パラメータのダウンロード)。

動的/UDP

ユニキャスト =>>

DNS

53/UDP (domain)

<= ユニキャスト

DNS サービス

オプション。

サーバー名の検索用。

514/UDP (syslog)

ユニキャスト =>>

Syslog

514/UDP (syslog)

Syslog サービス

オプション。

イベントの報告。

動的/TCP

ユニキャスト =>>

pcscd

4120/TCP (pcscd)

<= ユニキャスト

Sun Ray サーバー

必須。

PC/SC-lite スマートカードサービス。

以前は TCP ポート 5999。

動的/UDP

ブロードキャスト =>>

ALP-DISCOVERY

7009/UDP (utauthd-gm)

<= ユニキャスト

Sun Ray サーバー

オプション。

サブネット上の Sun Ray サーバーの発見。

動的/TCP

ユニキャスト =>>

ALP-AUTH

7009/TCP (utauthd)

<= ユニキャスト

Sun Ray サーバー

必須。

存在、制御、ステータス。

動的/UDP でポート番号 >= 32768

ユニキャスト =>、NAT が使用中の場合は ユニキャスト =>>

ALP-RENDER

動的/UDP、utservices-low および utservices-high の制約付き

<<= ユニキャスト、NAT が使用中の場合は <= ユニキャスト

Sun Ray サーバー

必須。

画面上の描画、ユーザー入力、オーディオ。

5498/UDP

ユニキャスト =>>

ALP-AUDIO-IN

動的/UDP、utservices-low および utservices-high の制約付き

Sun Ray サーバー

オプション。

インバウンドオーディオ。

動的/TCP

ユニキャスト =>>

ALP-DEVMGR

7011/TCP (utdevmgr)

<= ユニキャスト

Sun Ray サーバー

オプション。

デバイス管理。

7777/TCP

ユニキャスト =>

ALP-DEVDATA

動的/TCP

<<= ユニキャスト

Sun Ray サーバー

オプション。

古いファームウェアを実行している Sun Ray クライアントに接続された外部デバイスへのアクセス時のデバイス通信。USB リダイレクションでは使用されない。

7013/UDP (utquery)

ユニキャスト =>

ALP-QUERY

動的/UDP

<<= ユニキャスト

<<= ブロードキャスト

任意

オプション。

utquery サポート。


注記

CR 12301209 により、キーボードが入力に応答しなくなることがあります。この問題を回避するには、ICMP メッセージを Sun Ray サーバーからクライアントに送ることを許可します。

3.1.14.2. Sun Ray サーバー - サーバー間のプロトコル

表3.5「Sun Ray サーバー - サーバー間のポート」に、Sun Ray サーバー - サーバー間のポートを示します。この表では、二重矢印は最初のパケットの方向を示します。

表3.5 Sun Ray サーバー - サーバー間のポート

Sun Ray サーバーポート

プロトコル

ポート

ピア

メモ

<<=ARP=>>

サブネット上のすべて

IP と MAC のマッピング。

<<=ICMP ECHO=>

任意

管理: 存在。

一時使用

SYSLOG/UDP ユニキャスト =>>

514 (SYSLOG)

Syslog サーバー

ステータス報告 (必要な場合)。

1660 (HTTP)

<<=HTTP/TCP=>

一時使用

Localhost

管理 GUI (構成した場合)。

1661 (HTTPS)

<<=HTTPS/TCP=>

一時使用

Localhost

管理 GUI (構成した場合)。

7007 (UTSESSIOND)

<<=UTSESSION/TCP=>

一時使用

任意

セッションメンバー。

7007 (UTSESSIOND)

<<=UTSESSION/TCP=>

特権

Localhost

セッション管理。

7008 (UTRCMD)

<<=UTRCMD/TCP=>

特権

Sun Ray グループメンバー

リモート実行。

7009 (UTAUTHD)

<<=UTAUTHD-GM/UDP=>>

ブロードキャストまたはユニキャスト

7009 (UTAUTHD)

Sun Ray サーバー

グループ発見 (必要な場合)。

7010 (UTAUTH-CB)

<<=UTAUTH-CB/TCP=>

一時使用

任意

管理: 制御とステータス。

7011 (UTDEVMGRD)

<<=UTDEVMGRD/TCP=>>

7011 (UTDEVMGR)

Sun Ray グループメンバー

デバイスの制御およびステータス。

7011 (UTDEVMGR)

<<=UTDEVMGR/TCP=>

一時使用

任意

デバイスクライアント。

7012 (UTDS)

<<=UTDS/TCP=>

一時使用

任意

データストア (必要な場合)

7014 (UTTSCPD)

<<=UTTSCPD/TCP=>

特権

Localhost からの Sun Ray Windows Connector

Windows Connector と Sun Ray サーバーの間のブリッジ/プロキシ。


3.1.14.3. Windows Connector

基本的な Windows Connector 操作 (RDP ポートアクセス) の場合、Windows サーバーのファイアウォールは、インバウンド接続用に TCP ポート 3389 が開いている必要があります。Sun Ray サーバー (Windows Connector を実行) のファイアウォールは、アウトバウンド接続用に TCP ポート 3389 が開いている必要があります。

3.1.14.4. マルチメディアリダイレクション

Windows XP および Windows Server 2003 R2 でのマルチメディアリダイレクションの場合、Windows サーバーのファイアウォールは、インバウンド接続用に TCP ポート 6000 - 10000 が開いている必要があります。Sun Ray サーバー (Windows Connector を実行) のファイアウォールは、アウトバウンド接続用に TCP ポート 6000 - 10000 が開いている必要があります。