実行時プロンプトの表示および値は次のような点に影響されます。
設計時に、ルールまたはルールセットのレベルで「オーバーライド値として使用」プロパティが設定されているかどうか
フォームのページ/視点に有効なメンバーがいるかどうかおよび「ビジネス・ルール・プロパティ」タブで「フォームのメンバーを使用」と「プロンプトの非表示」オプションが選択されているかどうか(ビジネス・ルールのプロパティの設定を参照)
「実行時プロンプト」オプションをフォームの設計中に設定するか、実行時プロンプトの設計時に設定するか( Oracle Hyperion Calculation Manager設計者ガイド を参照)
前回の値を使用プロパティをビジネス・ルールの設計時に設定するかどうか
Oracle Hyperion Calculation Managerで、ビジネス・ルールのオプション「動的メンバーの作成」が選択されていて、親メンバーが動的な子を追加できるようになっているかどうか(動的メンバーについてを参照)。なっている場合、ユーザーは実行時プロンプトで名前を入力して新規メンバーを作成できます。
原則:
「オーバーライド値として使用」プロパティが設計時にルールまたはルールセットのレベルで設定されている場合には、ページ/視点のメンバーの値や前回保存された値より、ルールまたはルールセットのレベルで上書きされる値が優先されます。これは、ルールの起動方法(フォームからか、「ツール」の「Business Rules」メニューからか)とは無関係に、また設計中に実行時プロンプトが非表示かどうかにも関係なく発生します。「値の上書き」はOracle Hyperion Planningユーザー変数として設定できます。その場合、ルールは変数の現在値を使用して起動されます。
フォームから起動するときに、「フォームのメンバーを使用」オプションを選択すると、設計中に実行時プロンプトが非表示かどうかに関係なく、前回保存された値よりページ/視点のメンバーの値が優先されます。非表示の実行時プロンプトをユーザーに表示せずにビジネス・ルールが実行され、実行時プロンプトの値がページ/視点メンバーからとられます。
複合フォームに関連付けられたビジネス・ルールが保存時にまたは左側のペインから起動される場合またはビジネス・ルールが「ツール」から、そしてそのあと「ビジネス・ルール」メニューから起動するときには、これは該当しません。これらの場合、「フォームのメンバーを使用」設定が無視され、非表示の実行時プロンプトに設計時の値が与えられ、前回保存された値が優先されます。
前回の値を使用オプションを設計時に実行時プロンプトで選択する場合および次の条件のどれかが該当する場合:
フォームでメンバーを使用は選択されません
実行時プロンプトは、「ツール」、次に「ビジネス・ルール」メニューから起動されます
値をコンテキストから事前に入力できません
実行時プロンプト値の優先度は次によって決定されます:
前回保存された値が優先されます。
ルールセットが起動する場合、設計時にルールセットのレベルで上書きされた値が使用されます。
ビジネス・ルールが起動する場合、設計時にルール・レベルで上書きされた値が使用されます。ルール・レベルで上書きされない場合、設計時の実行時プロンプト値が使用されます。
設計時に非表示の実行時プロンプトは前回保存された値を絶対に使用しません。これらの場合、前回の値を使用設定は無視されます。
「フォームのメンバーを使用」および「プロンプトの非表示」オプションは「メンバー」および「ディメンション間」実行時プロンプト・タイプのみに適用されます(ディメンション間実行時プロンプト・タイプを使用できるのは、Calculation Managerで作成されたビジネス・ルールのみです)。
「オーバーライド値として使用」プロパティが設定されているとき、設計時にルールまたはルールセットのレベルで設定された値は、「プロンプトの非表示」の動作に影響します。
ディメンション間実行時プロンプトの場合: 実行時プロンプトのすべてのプロンプトを「値の上書き」またはページ/視点から事前に入力可能でないかぎり、実行時プロンプトは非表示になりません。実行時プロンプトは、「値の上書き」またはページ/視点から事前に入力された一部の値および原則1、2および3に応じて入力された他の値とともに表示されます。
この表は、次の設定と条件における実行時プロンプトの結果を説明しています。
表6-14 メンバーの可用性と他の設定が実行時プロンプトにもたらす影響
「値の上書き」とページ/視点のメンバーを使用できるかどうか | 「フォームのメンバーを使用」オプションが選択されます | 実行時プロンプトの非表示プロパティが実行時プロンプト設計中に設定されます | 「プロンプトの非表示」オプションがフォームで選択されます | 実行時プロンプトでの結果 |
---|---|---|---|---|
「オーバーライド値として使用」が設定され、「値の上書き」を使用できる、またはメンバーがページ/視点で実行時プロンプトの値として使用可能。 | はい | はい |
はい/いいえ 設定は無視されます |
ビジネス・ルールは実行時プロンプトをユーザーに表示せずに実行されます。そのかわり、実行時プロンプトの値は「値の上書き」またはページ/視点メンバーからとられます。 |
「オーバーライド値として使用」が設定され、「値の上書き」を使用できる、またはメンバーがページ/視点で実行時プロンプトの値として使用可能。 | はい | いいえ | はい | すべての実行時プロンプトが「値の上書き」またはページ/視点コンテキストから事前に入力可能で、制限範囲内で有効な場合、実行時プロンプトは表示されません。ただし、実行時プロンプト値が1つでも「値の上書き」またはページ/視点コンテキストから事前に入力できなければ、すべての実行時プロンプトが、どこでも事前に入力された値とともに表示されます。その他はすべて原則1および3に従います。 |
「オーバーライド値として使用」が設定され、「値の上書き」を使用できる、またはメンバーがページ/視点で実行時プロンプトの値として使用可能。 | はい | いいえ | いいえ | 実行時プロンプトは「値の上書き」またはページ/視点から事前に入力された値とともに表示されます。 |
「オーバーライド値として使用」が未設定で、メンバーがページ/視点で実行時プロンプトの値として使用不可。 | はい | はい |
はい/いいえ 設定は無視されます |
ビジネス・ルールは、原則3に従って事前に入力された値とともに実行時プロンプトをユーザーに表示します。 たとえば、実行時プロンプトのディメンションは行または列にあるためフォームのコンテキストを渡すことはできません。このため「プロンプトの非表示」設定は無視され、実行時プロンプトが表示されます。 |
「オーバーライド値として使用」が未設定で、メンバーがページ/視点で実行時プロンプトの値として使用不可。 | はい | いいえ | はい | 実行時プロンプトは、原理3に従って事前に入力された値とともにユーザーに表示されます。 |
「オーバーライド値として使用」が設定され、「値の上書き」を使用できる、かつメンバーがページ/視点で実行時プロンプトの値として使用不可。 | はい | いいえ | いいえ | すべての実行時プロンプトが「値の上書き」から事前に入力可能で、制限範囲内で有効な場合、実行時プロンプトは表示されません。ただし、実行時プロンプト値が1つでも「値の上書き」から事前に入力できなければ、すべての実行時プロンプトが、どこでも事前に入力された値とともに表示されます。その他はすべて原則1および3に従います。 |
「オーバーライド値として使用」が未設定で、メンバーがページ/視点で実行時プロンプトの値として使用不可。 | はい | いいえ | いいえ | 実行時プロンプトは、原理3に従って事前に入力された値とともにユーザーに表示されます。 |
「オーバーライド値として使用」が設定され、「値の上書き」を使用できる、かつメンバーがページ/視点で実行時プロンプトの値として使用不可。 | はい | いいえ | いいえ | 実行時プロンプトは、原理1および3に従って事前に入力された値とともにユーザーに表示されます。 |
「オーバーライド値として使用」が設定され、「値の上書き」を使用できる、またはメンバーがページ/視点で実行時プロンプトの値として使用可能。 | いいえ | はい | 使用不可能 | ビジネス・ルールは実行時プロンプトをユーザーに表示せずに実行されます。そのかわりに、設計時の値が使用されます。 |
「オーバーライド値として使用」が設定され、「値の上書き」を使用できる、またはメンバーがページ/視点で実行時プロンプトの値として使用可能。 | いいえ | いいえ | 使用不可能 | 実行時プロンプトは、原理3に従って事前に入力された値とともにユーザーに表示されます。 |
「オーバーライド値として使用」が未設定で、メンバーがページ/視点で実行時プロンプトの値として使用不可。 | いいえ | はい | 使用不可能 | ビジネス・ルールは実行時プロンプトをユーザーに表示せずに実行されます。そのかわりに、設計時の値が使用されます。 |
「オーバーライド値として使用」が未設定で、メンバーがページ/視点で実行時プロンプトの値として使用不可。 | いいえ | いいえ | 使用不可能 | 実行時プロンプトは、原理3に従って事前に入力された値とともにユーザーに表示されます。 |
非表示の実行時プロンプト値が明瞭でない場合、次に注意してください。
フォームのコンテキストを渡すことができない場合(たとえば、ディメンションは行または列にあるため)、非表示の実行時プロンプトが表示されます。
実行時プロンプトが非表示のディメンション間タイプで、「値の上書き」またはコンテキストから一部のプロンプトを渡すことができない場合、実行時プロンプトは、「値の上書き」またはコンテキスト値および設計時の値から値が事前入力された状態で表示されます。たとえば、「ディメンション間」に「期間」、「エンティティ」および「シナリオ」の実行時プロンプトがあり、「エンティティ」が行で定義されていてシナリオに「値の上書き」が設定されている場合、実行時プロンプトには上書きシナリオ、エンティティの設計時値、ページ期間が順に表示されます。
「値の上書き」が存在するか、実行時プロンプト値でコンテキストを渡すことが可能でもそれが制限範囲外の場合、実行時プロンプトは事前に入力されたコンテキスト値で表示されます。
「メンバー」のタイプと「ディメンション」のタイプの組合せの実行時プロンプトが1つ以上ある場合、実行時プロンプトは「値の上書き」、または事前に入力されたコンテキスト値とともに表示されます。たとえば、「エンティティ」ディメンションのメンバー・タイプの実行時プロンプトと、「エンティティ」ディメンションの1つのプロンプトをともなう「ディメンション間」タイプの実行時プロンプトがある場合、両方の実行時プロンプトが表示されます。このルールはCalculation Managerのルールセットには適用されません。
「ツール」から、そしてそのあと「ビジネス・ルール」メニューから起動するときは、実行時プロンプトは非表示となり、設計時の値(ルールまたはルールセットのレベルで上書きされた)を使用してビジネス・ルールを起動します。与えられた設計時の値が制限範囲外の場合、実行時プロンプトが事前に入力された設計時の値とともに表示されます。
設計中に非表示となる実行時変数は前回保存された値を決して使用しません。前回の値を使用プロパティは無視され、その値はデータベースに保存されません。