Enhance

「Enhance」プロセッサは、作業データのセットを1つ以上の信頼できる参照ソースと照合し、参照ソースのデータをマージして、作業データを拡張するために使用します。

EDQにおけるマッチの詳細は、「マッチ処理の概念ガイド」を参照してください。

このトピックでは、「Enhance」プロセッサの使用方法と機能について説明します。

用途

「Enhance」プロセッサは通常、次のように使用されます。

「Enhance」プロセッサは、自動ルールと手動判定を組み合せて使用して、レコードを照合し、拡張された適切な出力を作成する機能を備えています。

構成

「Enhance」はマッチ・プロセッサの1タイプです。マッチ・プロセッサはいくつかのサブプロセッサで構成されており、各サブプロセッサはマッチ処理の異なるステップを実行し、個別に構成する必要があります。「Enhance」プロセッサは次のサブプロセッサで構成されており、次に説明するように、それぞれが個別の機能を実行します。

各ステップの詳細、および構成手順については、サブプロセッサをクリックしてください。

アイコン

サブプロセッサ

説明

Input

マッチ・プロセスに含まれるデータ・ストリームから属性を選択します。

Identify

マッチ処理で使用する識別子を作成して属性にマップします。

Cluster

データ・ストリームを複数のクラスタに分割します。「クラスタリングの概念ガイド」を参照してください。

Match

実行する比較を選択し、マッチ・ルールを使用して比較を解釈する方法を選択します。

Merge

(オプション)ルールを使用してマッチ・レコードをマージし、出力レコードの「最適」なセット(つまり、拡張されたセット)を作成します。

入力

マッチ・プロセスに含めるデータ・ストリームの属性(配列属性はマッチ・プロセッサでサポートされていないため除く)。

入力は「Input」サブプロセッサで構成できます。

オプション

マッチ・プロセッサの詳細オプションを除くすべてのオプションは、前述のサブプロセッサ内で構成します。

出力

出力データ・ストリームとその属性は、前述の「Match」および「Merge」サブプロセッサで構成します。

実行

「Enhance」プロセッサはリアルタイム応答プロセスで使用できますが、プロセスに含めることができるのは1つのマッチ・プロセッサのみです。

「リアルタイム・マッチの概念ガイド」を参照してください。

実行モード

サポート

バッチ

Yes

リアルタイム・モニタリング

Yes

リアルタイム応答

Yes

注意: 「Enhance」プロセッサには常に再実行マーカーが表示され、構成が変更されたかどうかに関係なく、プロセスが実行されるたびに完全に再実行されることを示します。これは、「Enhance」プロセッサの後続のプロセッサも再実行が必要であることを意味します。

結果ブラウザの表示

「Enhance」プロセッサでは、次に示す結果のビューが作成されます。すべてのビューは、プロセス内の「Enhance」プロセッサをクリックして表示できます。「Enhance」プロセッサを展開してサブプロセッサを表示し、ビューを作成するサブプロセッサを選択して表示することもできます。

「Input」ビュー(「Input」で作成)

「Input」ビューは、入力データ・ソースごとに表示されます。つまり、拡張するデータの作業ストリーム、および作業セットの拡張に使用する参照ストリームの両方について表示されます。ビューには、各ストリームから選択された属性が表示されます。

「Cluster」ビュー(「Cluster」で作成)

「Cluster」ビューは、構成されたクラスタごとに表示されます。これらのビューを使用してクラスタリングの厳密度を評価し、不必要な比較が多数行われていないこと、およびマッチ候補の漏れがないことを確認します。詳細は、「クラスタリングの概念ガイド」を参照してください。

統計

意味

Cluster

個別のクラスタ・キー値

Group size

クラスタ内のレコード合計数(つまり、個別のクラスタ・キー値が同じレコードの数)

Processed?

このクラスタが実際に処理されたかどうかを示します。値は次のいずれかです。

  • Yes
  • Skipped - cluster size limit
  • Skipped - comparison limit

[データ・ストリーム名]

各入力データ・ストリームの次の値です。

各入力データ・ストリームの各クラスタ内に含まれるドリル可能なレコードの件数

「Matching」ビュー(「Match」で作成)[マッチ・レビューのみ]

「Matching」ビューでは、参照レコードと照合されて拡張対象となった作業データ・ストリームからのレコードの数が集計されます。

統計

意味

Matching records

参照レコードに「Match」関係でマッチした、作業データ・ストリームからのレコードの数(つまり、拡張対象になるレコードの数)が集計されます。

これには、詳細オプションの「Use Review relationships in Match Groups」を選択しないかぎり、「Review」関係のみで参照レコードとマッチしたレコードは含まれないことに注意してください。

Non-matching records

参照レコードとマッチしなかった(拡張対象にならない)レコードの合計数。

「Rules」ビュー(「Match」で作成)

「Rules」ビューには、各自動マッチ・ルールによって作成された関係の数のサマリーが表示されます。

統計

意味

Rule id

マッチ・ルールの数値識別子。

Rule name

マッチ・ルールの名称。

Relationships

マッチ・ルールによって作成された、レコード間の関係の数。レコードのペア(AとB)の間の各関係は、1つのルールのみによって作成されることに注意してください。上位のルールによって関係が作成されると、下位のルールは適用されません。また、別のルールによって、関係内の1つのレコードを別のレコードに関連付ける(たとえば、AとC)ことができます。

「Review Status」ビュー(「Match」で作成)

「Review Status」ビューでは、関係がレビュー・ステータス別に集計されます。

統計

意味

Review status

レビュー・ステータス。可能なレビュー・ステータスごとに、次の行が表示されます。

  • Automatic match
  • Manual match
  • Pending
  • Awaiting review
  • Manual No match

Relationships

指定されたレビュー・ステータスのレコード間の関係の数。後述の注意を参照してください。

注意: このビューの統計は、レビュー・プロセス時に行われた判定に基づいて自動的に更新されます。したがって、最上位レベルの統計には、各関係のレビュー・ステータスの最新ビューが常に表示されます。ただし、マッチ・プロセッサが実行されるたびにデータへのドリルダウンが生成されるため、マッチ・プロセッサの最後の実行以降に行われたレビュー判定は更新に反映されません。この状態が発生した場合、結果ブラウザには、表示されている生成済データが最新でないことが表示されます。

「Match Groups」ビュー(「Match」で作成)[マッチ・ビューのみ]

「Match Groups」ビューでは、マッチ・レコードのグループが集計されます。

統計

意味

Match groups

マッチ・レコードのグループの合計数。ドリルダウンすると、グループのサマリーがグループ・サイズ(レコード数)別に表示されます。「match groups」には、詳細オプションの「Use Review relationships in Match Groups」を選択しないかぎり、「Review」関係のみで他のレコードとマッチしたレコードは含まれないことに注意してください。

Unmatched output records

出力された、作業表からの不一致レコードの合計数。

参照ソースからの不一致レコードは出力されないことに注意してください。

「Enhance」プロセッサでは、作業レコードが別の作業レコードと同じグループに含まれないようにマッチ・グループが形成されることに注意してください。このため、作業レコードはマッチした参照レコードから常に拡張され、同じ参照レコードに偶然マッチした別の作業レコードは拡張対象になりません。

「Alert Groups」ビュー(「Match」で作成)[Case Managementのみ]

「Alert Groups」ビューでは、マッチ・レコードのグループが集計されます。

統計

意味

Alert groups

アラート・グループの合計数。ドリルダウンすると、グループのサマリーがグループ・サイズ(レコード数)別に表示されます。

Records not in alerts

アラートに含まれていなかった、作業データからのレコードの合計数。

参照ソースからの不一致レコードは出力されないことに注意してください。

「Groups Output」(「Match」で作成)[マッチ・レビューのみ]

「Groups Output」は、マッチ・プロセッサで作成されたマッチ・グループのデータ・ビューです。データ・ビューに出力されるグループ、およびビューの属性は、「Match」サブプロセッサのグループ出力のオプションに応じて異なる場合があります。たとえば、データ・ビューに、1レコードのみを含む「グループ」を含める場合と含めない場合があります。

「Alerts Output」(「Match」で作成)[Case Managementのみ]

「Alerts Output」は、マッチ・プロセッサで作成されたアラートのデータ・ビューです。データ・ビューに出力されるアラート、およびビューの属性は、「Match」サブプロセッサのアラート出力のオプションに応じて異なる場合があります。

「Relationships Output」ビュー(「Match」で作成)

「Relationships Output」は、マッチ・プロセッサで作成されたレコードのペアの各関係(リンク)を示すデータ・ビューです。データ・ビューに出力される関係、およびビューの属性は、「Match」サブプロセッサの関係出力のオプションに応じて異なる場合があります。たとえば、ビューに、特定のルールによって形成された関係を含める場合と含めない場合があります。

「Merge Summary」ビュー(「Merge」で作成)

「Merge Summary」ビューでは、マッチ処理の「Merge」ステージが集計されます。

統計

意味

Succeeded

マージ・プロセスで、エラーが発生せずに正常にマージされて出力されたグループの数。

ドリルダウンすると、成功したグループのサマリーがグループ・サイズ(レコード数)別に表示されます。

「Merge」の構成で、関連付けられていないレコードを出力するように設定した場合は、1レコードのみを含む「グループ」が含まれることに注意してください。

Contained errors

自動出力選択でエラーが発生し、手動による解決が必要であるため、正常にマージされなかったグループの数。ドリルダウンすると、失敗したグループのサマリーがグループ・サイズ(レコード数)別に表示されます。

「Merged Output」ビュー(「Merge」で作成)

「Merged Output」は、マッチ・プロセッサからのマージ済出力(つまり、重複レコードがマージされた後のレコード・セット)のデータ・ビューです。出力されるレコードとその属性は、「Merge」サブプロセッサで設定するオプションに応じて異なります。

出力フィルタ

「Advanced Match」プロセッサからは、次の出力フィルタが使用可能です。

「Groups」、「Relationships」および「Merged」出力フィルタは、前述の「Groups Output」(または「Alerts Output」)、「Relationships Output」および「Merged Output」に対応しています。

「Decisions」出力は、関係レビュー時に行われたすべての手動マッチ判定およびレビュー・コメントが書き出された出力です。詳細は、「マッチ判定のエクスポート」トピックを参照してください。

Oracle (R) Enterprise Data Qualityオンライン・ヘルプ バージョン8.1
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