ここでは、Oracle Spatialの今回のリリースの主な新機能および変更された機能について説明します。
1.11項で説明しているように、Oracle Spatialでは、3次元のジオメトリ・オブジェクトの作成と格納をサポートしています。
SpatialのWebサービスに対するサポートが拡張されました。Webサービスを使用すると、Oracle Spatialアプリケーションの開発者は、アプリケーション・ユーザーに対してフィーチャ・データおよびメタデータをWeb経由で提供できます。第10章では、Webサービスに対するサポートと、全体的な要件および考慮事項について説明します。Webサービスを介してサポートされる新機能については、次に示す章で説明します。
ルーティング・エンジンは次の点が強化されました。
マヌーバ当たりの時間およびジオメトリ
長いIDのサポート
ルート・レベルとセグメント・レベルの両方でのエッジIDのサポート
運転方向の生成機能の向上
ルーティング・エンジンについては、第13章を参照してください。
SQL Multimedia空間型(ST_xxx)に対するサポートが強化されました。これらの型は、『ISO 13249-3, Information technology - Database languages - SQL Multimedia and Application Packages - Part 3: Spatial』で指定されています。これらの型に対するOracle Spatialのサポートについては、新しい章(第3章)を参照してください。
Oracle Spatialでは、『OpenGIS Implementation Specification for Geographic information - Simple feature access - Part 1: Common architecture』で指定されているように注釈テキストをサポートするようになりました。このサポートについては、3.4項を参照してください。
ジオコーディング操作のDEFAULT一致モードは、RELAX_POSTAL_CODEモードと同等になりました。以前のリリースでは、このモードはRELAX_BASE_NAMEモードと同等でした。 ジオコーディング操作の一致モードについては、11.1.2項を参照してください。
SDO_GEO_ADDRオブジェクト・タイプの最後の属性として、MatchVector
が追加されました。この属性は、各住所の属性がジオコーディングに使用されるデータとどのように一致したかを示す文字列です。MatchVector
属性は、表11-6に示されています。また、詳細は11.1.5項を参照してください。
この新しいSDO_GEOM.SDO_CLOSEST_POINTSプロシージャ(第24章を参照)は、2つのジオメトリ間の最短距離、および最短距離を示す点(各ジオメトリに1つ)を計算します。
この新しいSDO_UTIL.BEARING_TILT_FOR_POINTSプロシージャ(第32章を参照)は、開始点から終了点への方位と傾きを計算します。