| Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド 11g リリース1(11.1) E05737-03 |
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この章では、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境でノードおよびインスタンスを追加する方法について説明します。これらの方法は、新規Oracle RACクラスタの構成時や既存のOracle RACクラスタの拡張時に使用できます。
この章の内容は次のとおりです。
Oracleソフトウェアのインストール前に新規ノードを準備する場合は、第2章「クラスタの準備」を参照してください。
以降の手順を有効にするには、構成手順に従うことが非常に重要です。構成手順には次のような手順が含まれていますが、これらに限定されません。
docrac1およびdocrac2)の/etc/hostsファイルへの新しいノードのパブリックおよびプライベート・ノード名の追加
pingコマンドの使用)
docrac1またはdocrac2のいずれかでの次のコマンドの実行
cluvfy stage -pre crsinst -n docrac3
これまでの手順でOracle Clusterwareをサポートする新規ノードが構成されたため、Oracle Universal Installer(OUI)を使用して、Oracle RACクラスタに追加するノードにCRSホームを追加します。この項では、追加するノードの名前をdocrac3とし、非共有ホーム内のdocrac1にすでにOracle Clusterwareが正常にインストールされていることを前提とします。ここで、CRS_homeは、正常にインストールされているOracle Clusterwareホームを表します。新規ノードのOracle RACクラスタへの追加はクローニングと呼ぶことがあります。
docrac1の環境変数$ORACLE_HOMEが、そのノードに正常にインストールされたCRSホームを示していることを確認します。
/oui/binに移動し、addNode.shスクリプトを実行します。
cd /crs/oui/bin ./addNode.sh
OUIが起動し、最初に「ようこそ」ウィンドウが表示されます。
「インストールに追加するクラスタ・ノードの指定」ウィンドウが表示されます。
docrac3など、追加するノードを選択します。パブリック、プライベートおよびVIP名が、追加したノードに正しく構成されていることを確認してください。「次へ」をクリックします。
「クラスタ・ノード追加の進捗状況」ウィンドウが表示されます。構成を完了するため、インストール・プロセス中にスクリプトの実行が要求されます。
docrac1に対してCRS_home/install/ディレクトリのrootaddNode.shスクリプトをrootユーザーとして実行します。次に例を示します。
[docrac1:oracle]$ su root [docrac1:root]# cd /crs/install [docrac1:root]# ./rootaddNode.sh
このスクリプトは新規ノードのノード・アプリケーションをOracle Cluster Registry(OCR)構成に追加するものです。
docrac3に対してorainstRoot.shスクリプトを実行します。終了したら、OUIのウィンドウで「OK」をクリックしてインストールを続行します。別のウィンドウが表示され、root.shスクリプトの実行が要求されます。
docrac3でrootユーザーとしてCRS_home/root.shスクリプトを実行し、この新規ノードでOracle Clusterwareを起動します。
[docrac3:oracle]$ su root [docrac3:root]# cd /crs [docrac3:root]# ./root.sh
OUIに「インストール終了」ウィンドウが表示されます。
docrac1ノードに対し、CRS_home/opmn/confディレクトリのons.configスクリプトを実行して、新規ノードで使用されているOracle Notification Services(ONS)のポート識別子を取得します。これは次の手順を実行するために必要となります。次に例を示します。
[docrac1:oracle]$ cd /crs/opmn/conf [docrac1:oracle]$ cat ons.config
新規ノードのONSポート識別子を特定した後、docrac1のONSが新規ノードdocrac3のONSと通信できることを確認する必要があります。
docrac1のCRS_home/binディレクトリから、次の例のようにONS構成ユーティリティを実行します。ここで、remote_port は手順11で確認したポート識別子で、docrac3は追加するノードの名前です。
[docrac1:oracle]$ ./racgons add_config docrac3:remote_port
この時点で、新規ノードでOracle Clusterwareを実行する必要があります。新規ノードに対するOracle Clusterwareのインストールは、新しく構成したdocrac3ノードでrootユーザーとして次のコマンドを実行すると検証できます。
[docrac1:oracle]$ opt/oracle/crs/bin/cluvfy stage -post crsinst -n docrac3 -verbose
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参照:
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既存のOracle RACデータベースを新規ノードに対して拡張するには、新規ノードに作成する新しいデータベース・インスタンス用に共有記憶域を構成する必要があります。クラスタ内の既存のデータベース・インスタンスですでに使用されている同じ共有記憶域へのアクセスを構成する必要があります。たとえば、このヘルプで扱っているsalesクラスタ・データベースでは、データベースの共有記憶域に自動ストレージ管理(ASM)を使用しているため、クラスタに追加するノードにもASMを構成する必要があります。
ASMは固有のホーム・ディレクトリにインストールしたため、OUIを使用して新しいノードにASMホームを構成する必要があります。新しいノードへのASMホームの追加手順は、新しいノードへのOracle Clusterwareの拡張で実行した手順と非常に類似しています。
docrac1のASM_home/oui/binディレクトリに移動して、addNode.shスクリプトを実行します。
docrac3)を選択して「次へ」をクリックします。
docrac3)のASMホーム・ディレクトリでroot.shスクリプトを実行します。
これで、新しいノードにASMソフトウェアのコピーが作成されました。
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参照:
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これまでの手順で、CRSホームとASMホームを新規ノードに対して拡張したため、docrac1のOracleホームもdocrac3に対して拡張する必要があります。次に示す手順は、この項のこれまでのタスクが完了しており、すでにdocrac3がdocrac1の属するクラスタのメンバー・ノードになっていることを前提としています。
新規ノードにOracleホームを追加する手順は、新規ノードに対してASMを拡張するために行った手順とほとんど同じです。
docrac1のOracle_home/oui/binディレクトリに移動して、addNode.shスクリプトを実行します。
docrac3)を選択して、「次へ」をクリックします。
「クラスタ・ノード追加の進捗状況」ウィンドウが表示されます。
docrac3に対し、そのノードのOracleホームからroot.shスクリプトをrootユーザーとして実行します。
これらの手順が完了すると、新しいノードにはインストール済のOracleホームが存在します。
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参照:
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Oracle Enterprise Managerを使用して、クラスタ・データベースにインスタンスを追加できます。まず、クラスタの一部となる新しいノードを構成してから、その新しいノードにソフトウェアをインストールする必要があります。
「インスタンスの追加: クラスタ資格証明」ページが表示されます。
「インスタンスの追加: ホスト」ページが表示されます。
選択したホストが検証された後、「インスタンスの追加: 確認」ページが表示されます。
「確認」ページが表示されます。
「ジョブ実行: 詳細」ページが表示されます。
ジョブのステータスが「失敗」と表示された場合は、失敗した手順の名前をクリックして失敗の理由を確認します。
クラスタ・データベースで使用可能なインスタンスの数が1つ増えています。
「インスタンスの削除: クラスタ資格証明」ページが表示されます。
「インスタンスの削除: データベース・インスタンス」ページが表示されます。
「インスタンスの削除: 確認」ページが表示されます。
「確認」ページが表示されます。
「ジョブ実行: 詳細」ページが表示されます。
ジョブのステータスが「失敗」と表示された場合は、失敗した手順の名前をクリックして失敗の理由を確認します。
クラスタ・データベースで使用可能なインスタンスの数が1つ減っています。
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