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Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド
11g リリース1(11.1)

E05737-03
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3 Oracle ClusterwareおよびOracle RACのインストールと構成

この章では、Oracle Universal Installer(OUI)を使用してOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)をインストールする方法について説明します。Oracle Clusterwareは、Oracle RACをインストールする前にインストールする必要があります。Oracle Clusterwareの作動開始後、OUIを使用してOracle DatabaseソフトウェアおよびOracle RACコンポーネントをインストールできます。

このマニュアルで説明するOracle RAC環境の例では自動ストレージ管理(ASM)を使用しているため、この章では、ASMを独自のホーム・ディレクトリにインストールする方法についても説明します。

この章の内容は次のとおりです。

Oracleインストール・メディア・ファイルの準備

Oracle Clusterwareは、Oracle Database 11g の一部としてインストールされます。OUIでは、Oracle ClusterwareがCRS_homeと呼ばれるディレクトリ構造にインストールされます。これは、同じサーバー上にインストールされている他のOracleソフトウェア製品のホーム・ディレクトリとは別個のホームです。Oracle Clusterwareはオペレーティング・システムと密接に連携して動作するため、一部のインストール・タスクではシステム管理者としてのアクセスが必要になります。また、Oracle Clusterwareのプロセスには、特別なオペレーティング・システム・ユーザーであるrootとしての実行が必要なものもあります。

Oracle RACデータベース・ソフトウェアは同じOracle Database 11g のインストール・メディアからインストールされます。標準的なOracle Database 11g ソフトウェアのインストール・プロセスでは、クラスタ上でインストールを実行していることがOUIで認識されると、デフォルトでOracle RACオプションもインストールされます。OUIにより、Oracle RACはOracle_homeと呼ばれるディレクトリ構造内にインストールされます。これは、同じサーバー上にインストールされている他のOracleソフトウェア製品のホーム・ディレクトリとは別個のホームです。

Oracle Media Installation Fileを準備するには、次の手順を実行します。
  1. Oracle Databaseのソフトウェアをインストール・メディアでお持ちの場合は、そのデータベース配布メディアをご使用のコンピュータのディスク・ドライブに挿入します。そのディスク・ドライブがオペレーティング・システム・レベルで必ずマウントされているようにしてください。

    インストール・メディアがなく、かわりにZIPファイルからインストールする場合は手順2に進みます。

  2. Oracle Databaseのインストール・ソフトウェアが1つ以上のZIPファイル形式の場合は、解凍後のファイルを格納するために、ノードの1つ(docrac1など)に次のようにしてステージング・ディレクトリを作成します。

    mkdir -p /stage/oracle/11.1.0
    
    
  3. このステージング・ディレクトリにZIPファイルをコピーします。たとえば、ファイルのダウンロード先が/home/user1というディレクトリで、ZIPファイルの名前が11100_linux_db.zipである場合、ZIPファイルをステージング・ディレクトリに移動するコマンドは次のようになります。

    cd /home/user1
    cp 11100_linux_db.zip /stage/oracle/11.1.0
    
    
  4. docrac1oracleユーザーとして、次の例に示すようにOracleメディアを解凍します。

    cd /stage/oracle/11.1.0
    unzip 11100_linux_db.zip
    
    

    参照:

     

Oracle Clusterware 11g のインストール

次の項では、Oracle Clusterwareのインストール処理について説明します。

オペレーティング・システム環境の構成

oracleユーザー・アカウントからOUIを実行します。OUIを起動する前に、oracleユーザーの環境を構成する必要があります。ORACLE_BASE環境変数を、Oracle中央インベントリ・ファイルを配置するディレクトリに設定します。

たとえば、中央インベントリ・ファイルをマウント・ポイント・ディレクトリ/opt/oracleに配置する場合は、ORACLE_BASEをディレクトリ/opt/oracle/11gR1に設定します。

また、Oracle DatabaseソフトウェアをインストールしてOracleデータベースを作成する前に、ORACLE_HOME環境変数を、Oracle Databaseソフトウェアをインストールする場所に設定する必要があります。さらに、オプションで、ORACLE_SID環境変数を、データベースに対して選択した名前に設定できます。

Red Hat Linux上でOracle Clusterwareのインストール前にユーザー環境を変更するには、次の手順を実行します。
  1. oracleユーザーとして、次のコマンドを実行します。

    [oracle]$ unset ORACLE_HOME
    [oracle]$ unset ORACLE_SID
    [oracle]$ unset ORACLE_BASE
    [oracle]$ export ORACLE_BASE=/opt/oracle/11gR1
    
    
  2. 次のコマンドを実行して、変更が加えられたことを確認します。

    [oracle]$ echo $ORACLE_SID
    
    [oracle]$ echo $ORACLE_HOME
    
    [oracle]$ echo $ORACLE_BASE
    /opt/oracle/11gR1
    
    
Red Hat Linux上でOracle Databaseのインストール前にユーザー環境を変更するには、次の手順を実行します。
  1. oracleユーザーとして、次のコマンドを使用して両方のノードの/home/oracleディレクトリのユーザー・プロファイルを変更します。

    [oracle] $ cd $HOME
    [oracle] $ vi .bash_profile
    
    

    ファイルの最後に次の行を追加します。

    export ORACLE_SID=sales
    export ORACLE_BASE=/opt/oracle/11gR1
    export ORACLE_HOME=/opt/oracle/11gR1/db
    
    
  2. .bash_profileファイルの変更を読み取り、実装します。

    source .bash_profile
    
    
  3. 次のコマンドを実行して、変更が加えられたことを確認します。

    [oracle]$ echo $ORACLE_SID
    sales
    [oracle]$ echo $ORACLE_HOME
    /opt/oracle/11gR1/db
    [oracle]$ echo $ORACLE_BASE
    /opt/oracle/11gR1
    
    

クラスタ検証ユーティリティを使用した構成の検証

ノード、ネットワーク、およびオペレーティング・システムを正しく構成していない場合は、Oracle ClusterwareやOracle Database 11g ソフトウェアのインストールが正常に完了しません。

ハードウェアおよびオペレーティング・システムの設定を検証するには、次の手順を実行します。
  1. Oracleユーザーとして、Oracle Clusterwareソフトウェアのステージング・ディレクトリ、またはマウントされたインストール・ディスクにディレクトリを変更します。次の例では、staging_areaはインストール・メディアの場所(たとえば、/home/oracle/downloads/11gR1/11.1.0または /dev/dvdrom)です。

    [oracle] $ cd /staging_area
    
    
  2. 次の例のように、runcluvfy.shスクリプトを実行します。ここで、docrac1およびdocrac2は、クラスタ内のノードの名前です。

    [oracle] $ ./runcluvfy.sh stage -pre crsinst -n docrac1,docrac2 -verbose
    
    

    前述のコマンドは、Oracle Clusterwareのインストールのすべての基準にシステムが適合することを検証するようクラスタ検証ユーティリティ(CVU)に指示します。CVUはすべてのノードがローカル・ノードから使用可能であるか、適切なユーザー等価が存在するか、パブリックとプライベートのインターコネクトを介してすべてのノード間が接続可能か、ユーザーがソフトウェアをインストールする適切な権限を持っているか、およびすべてのシステム要件(カーネル・バージョン、カーネル・パラメータ、メモリー、スワップ領域、一時ディレクトリ領域、必要なソフトウェア・パッケージを含む)が満たされているかをチェックします。

    参照:

     

Oracle Universal Installerを使用したOracle Clusterwareのインストール

Oracle Clusterwareは、docrac1ノードでoracleユーザーとしてインストールします。OUIでは、インストール中にdocrac1からdocrac2へバイナリ・ファイルをコピーするために、セキュア・シェル(SSH)が使用されます。インストーラを開始する前に、SSHが構成されていることを確認してください。


注意:

すでに単一インスタンスのOracle Database 11g がインストールされているサーバーにOracle Clusterwareをインストールする場合は、既存のASMインスタンスがあれば停止します。このASMインスタンスはOracle Clusterwareのインストール後に再起動します。単一インスタンスのOracleデータベースを再起動した後で、ASMインスタンスを再起動すると、ASMインスタンスでは、単一インスタンスのOracleデータベースのデーモンではなく、クラスタ同期サービス・デーモン(CSSD)を使用します。 


Oracle Clusterwareをインストールするには、次の手順を実行します。
  1. 次のコマンドを使用してOUIを起動します。ここで、staging_areaはディスク上のステージング領域の場所、またはマウントされたインストール・ディスクの場所を表します。

    cd /staging_area/Disk1
    ./runInstaller
    
    

    「インストールする製品の選択」ウィンドウが表示されます。

  2. 「Oracle Clusterware」をリストから選択して、「次へ」をクリックします。


    画像の説明

    以前にこのサーバーにOracleソフトウェアをインストールしていない場合は、「インベントリ・ディレクトリと資格証明の指定」ウィンドウが表示されます。

  3. 必要に応じて、インベントリの場所へのパスを変更します。オペレーティング・システム・グループの名前には「oinstall」を選択します。「次へ」をクリックします。

    インベントリ・ディレクトリに表示されるパスは、Oracleベース・ディレクトリのoraInventoryサブディレクトリです。たとえば、OUIを起動する前にORACLE_BASE環境変数を/opt/oracle/10gR2に設定した場合、表示されるパスは/opt/oracle/10gR2/oraInventoryです。


    画像の説明

    「ホームの詳細の指定」ウィンドウが表示されます。

  4. 「名前」フィールドのデフォルト値を受け入れます。このデフォルト値は、この製品のOracleホーム・ディレクトリです。「パス」フィールドで、「参照」をクリックします。「ディレクトリの選択」ウィンドウで、ルート・ディレクトリ(/)までパスを移動し、「/crs」をクリックしてから、「ディレクトリの選択」をクリックします。

    パスを選択した後、「次へ」をクリックします。しばらくして、次の「製品固有の前提条件のチェック」ウィンドウが表示されます。

  5. 次のスクリーンショットに表示されている「チェックが完了しました。このチェックの全体的な結果: 問題なし」というメッセージを確認した後、「次へ」をクリックします。


    画像の説明

    「クラスタ構成の指定」ウィンドウが表示されます。

  6. デフォルトのクラスタ名をエンタープライズ・ネットワーク全体で一意の名前に変更します。たとえば、ノード名の共通の接頭辞を元にした名前を選択できます。このマニュアルでは、クラスタ名としてdocracを使用します。

    「クラスタ・ノード」セクションに、ローカル・ノードdocrac1が表示されます。プライベート・ノード名にドメイン名が含まれる場合、「編集」をクリックして、プライベート・ノード名からドメイン名を削除します。たとえば、プライベート・ノード名がdocrac1-priv.us.oracle.comの場合、docrac1-privと表示されるようにエントリを編集します。

    「既存のクラスタのノードを変更」ウィンドウでドメイン名の削除が終了したら、「OK」をクリックします。

  7. 「クラスタ構成の指定」ウィンドウに戻ったら、「追加」をクリックします。

  8. 「既存のクラスタへの新規ノードの追加」ダイアログ・ウィンドウで、2番目のノードのパブリック名(docrac2.us.oracle.com)、プライベート名(docrac2-priv)および仮想IP名(docrac2-vip.us.oracle.com)を入力して、「OK」をクリックします。

    「クラスタ構成の指定」ウィンドウの「クラスタ・ノード」に両方のノードが表示されます。


    画像の説明

    「次へ」をクリックします。「ネットワーク・インタフェースの使用方法の指定」ウィンドウが表示されます。

  9. eth0およびeth1が適切に構成されている(適切なサブネットおよびインタフェース・タイプが表示されている)ことを確認し、「次へ」をクリックします。

    「Oracle Cluster Registry (OCR)の場所の指定」ウィンドウが表示されます。

  10. OCR構成として「通常の冗長性」を選択します。ここでは2つのファイルの場所を指定するよう求められます。OCRの場所を指定するフィールドで最初のOCRファイル用に構成するデバイスの名前を入力します。たとえば/dev/sda1のように入力します。

    「OCRミラーの場所の指定」フィールドに、OCRミラー・ファイル用に構成されたデバイスの名前(/dev/sdb1など)を入力します。終了したら、「次へ」をクリックします。

    インストール中に、指定された場所にOCRデータが書き込まれます。


    画像の説明

    「投票ディスクの場所の指定」ウィンドウが表示されます。

  11. 投票ディスクの場所として「通常の冗長性」を選択します。ここでは3つのファイルの場所を指定するよう求められます。「投票ディスクの場所」に、最初の投票ディスク・ファイル用に構成するデバイスの名前を、たとえば/dev/sda2のように入力します。他の2つの「投票ディスクの場所」フィールドについても、このプロセスを繰り返します。


    画像の説明

    終了したら、「次へ」をクリックします。OUIの「サマリー」ウィンドウが表示されます。

  12. 「サマリー」ウィンドウの内容を確認してから、「インストール」をクリックします。

    インストール・プロセス中は、進捗インジケータが表示されます。

  13. インストール・プロセス中に「構成スクリプトの実行」ウィンドウが表示されます。スクリプトを実行するまでは「OK」をクリックしないでください。


    画像の説明

    「構成スクリプトの実行」ウィンドウには、構成スクリプトとその構成スクリプトの場所のパスが表示されます。そのスクリプトをすべてのノードで、表示された順序で指示どおりに実行します。たとえば、Red Hat Linux上では次の手順を実行します(この例では、わかりやすくするために、プロンプトの現在のユーザー、ノードおよびディレクトリを示しています)。

    1. docrac1oracleユーザーとして、端末ウィンドウを開き、次のコマンドを入力します。

      [oracle@docrac1 oracle]$ cd /opt/oracle/11gR1/oraInventory
      [oracle@docrac1 oraInventory]$ su
      
      
    2. rootユーザーのパスワードを入力し、次のコマンドを入力して最初のスクリプトをdocrac1で実行します。

      [root@docrac1 oraInventory]# ./orainstRoot.sh
      
      
    3. docrac1orainstRoot.shスクリプトが終了した後、別の端末ウィンドウを開き、oracleユーザーとして次のコマンドを入力します。

      [oracle@docrac1 oracle]$ ssh docrac2
      [oracle@docrac2 oracle]$ cd /opt/oracle/11gR1/oraInventory
      [oracle@docrac2 oraInventory]$ su
      
      
    4. rootユーザーのパスワードを入力し、次のコマンドを入力して最初のスクリプトをdocrac2で実行します。

      [root@docrac2 oraInventory]# ./orainstRoot.sh
      
      
    5. docrac2orainstRoot.shスクリプトが終了した後、手順15aで開いた端末ウィンドウに移動します。docrac1rootユーザーとして次のコマンドを入力し、2番目のスクリプトであるroot.shを実行します。

      [root@docrac1 oraInventory]# cd /crs
      [root@docrac1 crs]# ./root.sh
      
      


      注意:

      他のノードでroot.shスクリプトを実行しないでください。実行すると失敗する可能性があります。このスクリプトが終了するまで、ローカル・ノードで待機してください。 


      このスクリプトが完了したら、次のメッセージが表示されます。


      画像の説明

    6. docrac1root.shスクリプトが終了した後、手順15cで開いた端末ウィンドウに移動します。docrac2rootユーザーとして、次のコマンドを入力します。

      [root@docrac2 oraInventory]# cd /crs
      [root@docrac2 crs]# ./root.sh
      
      

    root.shスクリプトが終了した後、orainstRoot.shおよびroot.shスクリプトの実行を求められたOUIのウィンドウに戻り、「OK」をクリックします。

    「Configuration Assistant」ウィンドウが表示されます。コンフィギュレーション・アシスタントが終了したら、OUIに「インストール終了」ウィンドウが表示されます。

  14. 「終了」をクリックしてインストール・プロセスを完了してから、「はい」をクリックし、インストーラの終了を確認します。

    問題が発生した場合は、構成ログを参照して情報を得てください。構成ログのパスは、「Configuration Assistant」ウィンドウに表示されます。

Oracle Clusterwareの構成の完了

Oracle Clusterwareのインストール後、ノード・アプリケーションが実行中かどうかを検証します。使用するオペレーティング・システムによっては、Oracle Clusterwareコンポーネントを適切に構成するために、インストール後のタスクをいくつか実行する必要がある場合があります。

Red Hat Linux上でOracle Clusterwareの構成を完了するには、次の手順を実行します。
  1. docrac1上のoracleユーザーとして、次のコマンドを入力することにより、Oracle Clusterwareターゲットのステータスをチェックします。

    /crs/bin/crs_stat -t
    
    

    このコマンドによって、すべての重要なクラスタ・サービス(gsdonsvipなど)がクラスタのノード上で稼働中であるかどうかを示す結果が出力されます。


    画像の説明

ASMホーム・ディレクトリでの自動ストレージ管理の構成

この項では、ASMソフトウェアをASM独自のホーム・ディレクトリにインストールする方法を説明します。ASMを独自のホーム・ディレクトリにインストールすると、ASMホームをデータベースのホーム・ディレクトリ(Oracle_home)とは別の場所に保持できます。別のホーム・ディレクトリを使用することで、ASMとOracle Databaseソフトウェアの個別アップグレードおよびパッチの適用が可能になります。また、ASMインスタンスに影響を与えずに、Oracle Databaseソフトウェアのインストールを削除できます。

oracleユーザーとしてASMをインストールします。これには、docrac1ノードにOracle Database 11g リリース1ソフトウェアをインストールします。インストール時には、インストーラによってdocrac1からdocrac2にバイナリ・ファイルがコピーされます。

インストール・プロセス中に、ASMの構成が要求されます。ASMを構成するには、データベース内に作成されるファイルのデフォルトの場所になるディスク・グループを作成します。ディスク・グループのタイプによって、ASMでのファイルのミラー化方法が決まります。ディスク・グループを作成する際には、そのディスク・グループが通常の冗長性のディスク・グループ(デフォルトでほとんどのファイルに2方向のミラー化)、高い冗長性のディスク・グループ(3方向のミラー化)または外部冗長性のディスク・グループ(ASMによるミラー化なし)のいずれであるかを指定します。外部冗長性のディスク・グループは、ストレージ・システムですでにハードウェア・レベルのミラー化機能が提供されている場合や、冗長データを必要としない場合にのみ使用します。デフォルトのディスク・グループのタイプは通常の冗長性です。

Oracle Databaseで使用されるホーム・ディレクトリとは別のホーム・ディレクトリにASMをインストールするには、次の手順を実行します。
  1. 次のコマンドを使用してOUIを起動します。ここで、staging_areaはディスク上のステージング領域の場所、またはマウントされたインストール・ディスクの場所を表します。

    cd /staging_area/database
    ./runInstaller
    
    

    Oracle Universal Installerを起動すると、「インストール製品の選択」ウィンドウが表示されます。

  2. 「Oracle Database 11g」をリストから選択して、「次へ」をクリックします。


    画像の説明

    「インストール・タイプの選択」ウィンドウが表示されます。

  3. 「Enterprise Edition」または「Standard Edition」のいずれかを選択し、「次へ」をクリックします。

  4. 「ホーム詳細の指定」ウィンドウで、ASMホーム・ディレクトリをOraASM11g_homeのように指定します。/opt/oracle/11gR1/asmなど、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリであるディレクトリを選択します。「参照」をクリックすると、ASMのインストール先とするディレクトリを変更できます。


    画像の説明

    ASMホーム・ディレクトリを指定した後、「次へ」をクリックします。

    「ハードウェアのクラスタ・インストール・モードの指定」ウィンドウが表示されます。

  5. 「すべて選択」をクリックして、インストール先となるすべてのノードを選択し、「次へ」をクリックします。

    Oracle Clusterwareインストールが正常に行われた場合、「ハードウェアのクラスタ・インストール・モードの指定」ウィンドウに、クラスタ用に指定したノード(docrac1docrac2など)が表示されます。

    「次へ」をクリックすると、「製品固有の前提条件のチェック」ウィンドウが表示されます。

  6. 次のスクリーンショットに表示されている「チェックが完了しました。このチェックの全体的な結果: 問題なし」というメッセージを確認した後、「次へ」をクリックします。


    画像の説明

    「構成オプションの選択」ウィンドウが表示されます。

  7. 自動ストレージ管理の構成(ASM)に関するオプションを選択してASMをインストールおよび構成します。ASMインスタンスはASMディスク・グループに対して完全なアクセス権を付与するSYSASMと呼ばれる特権ロールが管理します。

    SYSASMユーザー・アカウントのパスワードを入力します。パスワードは8文字以上で、アルファベットと数字をそれぞれ1文字以上含んでいる必要があります。

    「ASM SYSパスワードの確認」フィールドにパスワードを再度入力して、パスワードを確認します。


    画像の説明

    終了したら、「次へ」をクリックします。

    「自動ストレージ管理の構成」ウィンドウが表示されます。

  8. 「自動ストレージ管理の構成」ウィンドウでは、デフォルトで「ディスク・グループ名」にDATAが表示されています。ディスク・グループの新しい名前を入力するか、またはデフォルトの名前を使用できます。

    システム管理者に確認して、ASMで使用されるディスクがストレージ・レベルでミラー化されるかどうかを確認します。ディスクがストレージ・レベルでミラー化される場合は、冗長性に「外部」を選択します。ディスクがストレージ・レベルでミラー化されない場合は、冗長性に「標準」を選択します。

  9. 「ディスクの追加」セクションの右下にある「ディスク検出パスの変更」をクリックして、ASMで使用されるデバイスで、表示されていないものを選択します。

    「ディスク検出パスの変更」ウィンドウで、ASMで使用されるデバイスの検索に使用する文字列を/dev/sd*のように入力し、「OK」をクリックします。


    画像の説明

    「自動ストレージ管理の構成」ウィンドウに戻ります。

  10. /dev/sddまたは/dev/sdeなど、ASMで使用するディスクを選択します。


    画像の説明

    ASMで使用するディスクの選択が完了したら、「次へ」をクリックします。「権限のあるオペレーティング・システム・グループ」ウィンドウが表示されます。

  11. 前の章でOSDBAグループ、OSASMグループおよびデータベース・オペレータ・グループに対して作成したオペレーティング・システム・グループの名前を選択します。dbaグループのみを作成した場合は、3つのすべての特権グループに対してそのグループを使用できます。個別のasmグループを作成した場合は、OSASMグループに対してその値を使用します。


    画像の説明

    特権グループに値を指定した後、「次へ」をクリックします。「Oracle Configuration Manager登録」ウィンドウが表示されます。

  12. 「Oracle Configuration Manager登録」ウィンドウで、OracleMetaLinkへの接続に使用する資格証明を構成できます。この情報は、すぐに指定することもデータベースのインストール後に構成することもできます。「次へ」をクリックして続行します。

    OUIによって「サマリー」ウィンドウが表示されます。

  13. 「サマリー」ウィンドウに表示される情報を確認します。表示されている情報が正しくない場合は、「戻る」をクリックしてウィンドウに戻り、情報を変更します。次の手順に進む準備ができた後、「インストール」をクリックします。

    OUIにインストールの進捗状況を示す画面が表示され、インストールが開始されたことを示します。

  14. インストール完了までには数分かかります。この間にOUIは指定したノードのASMを構成し、各ノードのリスナーを構成します。

    ASMがインスールされると、Configuration Assistantが実行されます。アシスタントが正常に終了した後、「次へ」をクリックして続行します。

    「構成スクリプトの実行」ウィンドウが表示されます。

  15. 「構成スクリプトの実行」ウィンドウに示されているとおりにスクリプトを実行します。このマニュアルに例示されたインストールでは、root.shのスクリプトのみを両方のノードに対して実行する必要があります。


    画像の説明

    次の手順では、Linuxシステムでのこのタスクの完了方法について示します(例では、わかりやすくするために、ユーザー、ノード名およびディレクトリがプロンプト表示されていることに注意してください)。

    1. 端末ウィンドウを開きます。docrac1oracleユーザーとして、ディレクトリをASMホーム・ディレクトリに変更し、rootユーザーに切り替えます。

      [oracle@docrac1 oracle]$ cd /opt/oracle/11gR1/asm
      [oracle@docrac1 oracle]$ su
      
      
    2. rootユーザーのパスワードを入力し、「構成スクリプトの実行」ウィンドウで指定されたスクリプトを実行します。

      [root@docrac1 oracle]# ./root.sh
      
      
    3. root.shスクリプトが実行されると、ローカルのbinディレクトリへのパスを入力するよう求められます。大カッコ内の情報は、システム構成から取得された情報です。入力を求められるたびに[Enter]キーを押して、デフォルトの選択内容を受け入れます。

    4. スクリプトの完了後、プロンプトが表示されます。別の端末ウィンドウを開き、次のコマンドを入力します。

      [oracle@docrac1 oracle]$ ssh docrac2
      Enter the passphrase for key '/home/oracle/.ssh/id_rsa':
      [oracle@docrac2 oracle]$ cd /opt/oracle/11gR1/asm
      [oracle@docrac2 asm]$ su
      Password:
      
      
    5. rootユーザーのパスワードを入力し、「構成スクリプトの実行」ウィンドウで指定されたスクリプトを実行します。

      [root@docrac2 asm]# ./root.sh
      
      
    6. [Enter] キーを押してデフォルトの選択内容をすべて受け入れます。

    7. すべてのノードでスクリプトの実行が終了した後、「構成スクリプトの実行」ウィンドウに戻り、「OK」をクリックして続行します。

    OUIに「インストール終了」ウィンドウが表示されます。

  16. 「インストール終了」ウィンドウを確認します。表示されたアドレスはこのマニュアルでは使用されませんが、ビジネス・アプリケーションには必要となる場合もあります。

  17. 「終了」をクリックし、「はい」をクリックしてインストールを終了することを確認します。

ASMのインストールの確認

ASMのすべてのデータベース・サービスが起動され実行中であることを確認します。

インストール後、ASMが稼働していることを確認します。
  1. ディレクトリをCRSホーム・ディレクトリのbinディレクトリに変更します。

    cd /crs/bin
    
    
  2. oracleユーザーとして次のコマンドを実行します。docrac1はチェックするノードの名前です。

    ./srvctl status asm -n docrac1
    ASM instance +ASM1 is running on node docrac1.
    
    

    この出力例は、1つのASMインスタンスがローカル・ノードで実行中であることを示しています。

  3. 手順2に表示されているコマンドを繰り返し、docrac1のかわりにdocrac2を使用してクラスタ内の他のノードに正常にインストールされたことを確認します。

Oracleデータベース・ソフトウェアのインストールおよびクラスタ・データベースの作成

次のトピックでは、Oracle Database 11g リリース1ソフトウェアをdocrac1ノードにインストールします。OUIにより、インストール・プロセス中にdocrac1のバイナリ・ファイルがクラスタ内の別のノードであるdocrac2にコピーされます。

OUIを起動する前に、oracleユーザーの環境を構成する必要があります。ORACLE_SIDORACLE_BASEおよびORACLE_HOMEという環境変数に、ユーザーの環境に必要な値を設定します。

たとえば、salesというクラスタ化されたデータベースを作成して/opt/oracle/11gR1/db directoryディレクトリにOracle Databaseソフトウェアをインストールする場合は、ORACLE_SIDsalesに、ORACLE_BASEをディレクトリ/opt/oracle/11gR1に、ORACLE_HOMEをディレクトリ/opt/oracle/11gR1/dbに設定します。環境変数の構成については、「オペレーティング・システム環境の構成」を参照してください。

クラスタ上にOracle Databaseをインストールするには、次の手順を実行します。
  1. oracleユーザーとして、次のコマンドを使用してOUIを起動します。ここで、staging_areaは、ディスク上のステージング領域の場所か、マウントされているインストール・ディスクの場所です。

    cd /staging_area/database
    ./runInstaller
    
    

    Oracle Universal Installerを起動すると、「インストール製品の選択」ウィンドウが表示されます。

  2. 「Oracle Database 11g」をリストから選択して、「次へ」をクリックします。

    「インストール・タイプの選択」ウィンドウが表示されます。

  3. 「Enterprise Edition」または「Standard Edition」を選択します。「Enterprise Edition」オプションはデフォルトで選択されています。終了したら「次へ」をクリックします。

    「インストール場所」ウィンドウが表示されます。

  4. Oracleホームの名前を指定します。たとえばOraDb11g_homeです。

  5. Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリであるOracleホーム・ディレクトリを選択します。たとえば/opt/oracle/11gR1/db_1です。

    「参照」をクリックしてOracle Databaseソフトウェアがインストールされているディレクトリを変更できます。ディレクトリを選択したら、「ディレクトリの選択」をクリックして「ディレクトリの選択」ウィンドウを閉じます。

    ディレクトリが存在しない場合は、ディレクトリ・パスを「ファイル名」フィールドに入力してから「ディレクトリの選択」をクリックします。ディレクトリを作成するかどうかを確認するウィンドウが表示されたら、「はい」をクリックします。


    画像の説明

    「インストール場所」ウィンドウの情報を確認したら、「次へ」をクリックします。

    「ハードウェアのクラスタ・インストール・モードの指定」ウィンドウが表示されます。

  6. Oracle Databaseソフトウェアがインストールされているノードを選択します。「すべて選択」をクリックして使用可能なすべてのノードを選択することもできます。Oracle Databaseソフトウェアがインストールされているノードを選択したら、「次へ」をクリックします。

    「製品固有の前提条件のチェック」ウィンドウが表示されます。


    注意:

    「製品固有の前提条件のチェック」ウィンドウでは、動的ホスト構成プロトコル(DHCP)によりホストIPアドレスが生成されるという警告が表示される場合がありますが、お薦めしません。この警告は無視できます。 


  7. システムで前提条件チェックが行われたことを示す確認メッセージが表示されたら、「次へ」をクリックします。

    「構成オプションの選択」ウィンドウが表示されます。

  8. 「構成オプションの選択」ウィンドウで、デフォルトの「データベースの作成」オプションを受け入れ、「次へ」をクリックします。

    「データベース構成の選択」ウィンドウが表示されます。

  9. 作成するデータベースを次の各種データベースから1つ選択します。

    • 汎用目的

    • トランザクション処理

    • データ・ウェアハウス

    • 拡張(カスタマイズ・データベース作成)

    デフォルトでは「汎用」データベース・タイプが選択されています。自分のニーズに最適なデータベースのタイプを選択してください。このマニュアルで使用する例では、デフォルト値で十分です。データベース・タイプの選択後、「次へ」をクリックします。

    「データベース構成オプションの指定」ウィンドウが表示されます。

  10. 「グローバル・データベース名」フィールドで、完全修飾されたデータベース名(sales.mycompany.comなど)を入力します。「SID」フィールドにデータベース名の最初の部分(salesなど)が含まれていることを確認します。


    画像の説明

    データベース名およびSIDを入力した後、「次へ」をクリックします。「データベース構成詳細の指定」ウィンドウが表示されます。


    注意:

    システム識別子(SID)の値はインスタンス名の接頭辞として使用されます。このため、SIDがsalesに設定されている場合、インスタンス名はsales1sales2などになります。 


  11. 各タブの設定を確認します。使用する値が不明な場合は、デフォルトの値を受け入れます。「サンプル・スキーマ」タブでは、データベースにサンプル・データおよびサンプル・スキーマを作成する場合、「サンプル・スキーマ付データベースを作成」オプションを選択します。オプションの選択を終えたら、「次へ」をクリックして続行します。

    「データベース管理オプションの選択」ウィンドウが表示されます。

  12. デフォルトでは、「データベース管理にGrid Controlを使用します」オプションではなく「データベース管理にDatabase Controlを使用します」オプションが選択されています。このマニュアルの例では、デフォルト値のDatabase Controlを使用します。

    クラスタがメール・サーバーに接続できない場合は、「電子メール通知を有効にする」を選択しないでください。


    画像の説明

    選択した後、「次へ」をクリックします。

    「データベース記憶域オプションの指定」ウィンドウが表示されます。

  13. ASMをクラスタ上に構成した場合は、データベース記憶域用のオプション「自動ストレージ管理(ASM)」を選択します。それ以外の場合は、ファイル・システムを選択し、共有記憶域の場所を入力した後で、「次へ」をクリックします。

    「バックアップ・オプションおよびリカバリ・オプションの指定」ウィンドウが表示されます。

  14. デフォルト・オプション「自動バックアップを使用しません」を選択し、「次へ」をクリックします。バックアップ設定は後で変更できます。

    記憶域ソリューションとしてASMを選択した場合は、「ASMディスク・グループの選択」ウィンドウが表示されます。


    注意:

    バックアップ領域としてASMを使用する場合は、ASMの構成時に追加のASMディスク・グループを作成する必要があります。 


  15. 「ASMディスク・グループの選択」ウィンドウに、データベース・ファイルの作成先が示されます。ASMのインストール中に作成されたディスク・グループを選択し、「次へ」をクリックします。


    画像の説明

    「データベース・スキーマのパスワードの指定」ウィンドウが表示されます。

  16. 各Oracleデータベース・スキーマにパスワードを割り当てて確認します。

    データベースのインストールをテスト目的でのみ行っている場合を除き、「すべてのアカウントで、同一のパスワードを使用」オプションは使用しないでください。データのセキュリティが脅かされる可能性があります。各パスワードは8文字以上で、アルファベット、数字および記号をそれぞれ1文字以上含んでいる必要があります。

    パスワードの入力を終えたら、「次へ」をクリックします。OUIによって、「権限付きオペレーティング・システム・グループ」ウィンドウが表示されます。

  17. 前の章でOSDBAグループ、OSASMグループおよびデータベース・オペレータ・グループに対して作成したオペレーティング・システム・グループの名前を選択します。dbaグループのみを作成した場合は、3つのすべての特権グループに対してそのグループを使用できます。個別のasmグループを作成した場合は、OSASMグループに対してその値を使用します。


    画像の説明

    特権グループに値を指定した後、「次へ」をクリックします。「Oracle Configuration Manager登録」ウィンドウが表示されます。

  18. 「Oracle Configuration Manager登録」ウィンドウで、OracleMetaLinkへの接続に使用する資格証明を構成できます。この情報は、すぐに指定することもデータベースのインストール後に構成することもできます。「次へ」をクリックして続行します。

    OUIによって「サマリー」ウィンドウが表示されます。

  19. 「サマリー」ウィンドウに表示された情報を確認します。誤った情報がある場合は、「戻る」をクリックして前のウィンドウに戻り、修正します。続行可能な場合は、「インストール」をクリックします。

    インストールが開始すると、OUIに進捗インジケータが表示されます。この手順が完了するまでには数分かかります。

  20. ソフトウェアのインストール・プロセス中に、salesデータベースが作成されます。データベースの作成の終了時には、「Oracle Database Configuration Assistant」(DBCA)ウィンドウが開き、Database ControlコンソールのURLが表示されます。


    画像の説明

    URLをメモして「OK」をクリックし、 DBCAによりクラスタ・データベースおよびそのインスタンスが起動されるまで待機します。

  21. インストール後、インストール後のタスクとして、両方のノードでroot.shスクリプトを実行するように求められます。


    画像の説明

    各ノードで、「構成スクリプトの実行」ウィンドウに示されたスクリプトを実行してから「OK」をクリックします。root.shスクリプトを実行するには、次の手順を実行します。

    1. 端末ウィンドウを開きます。docrac1oracleユーザーとして次のコマンドを入力し、Oracleホーム・ディレクトリに移動してから、rootに切り替えます。

      [oracle@docrac1 oracle]$ cd /opt/oracle/11gR1/db_1
      [oracle@docrac1 db_1]$ su
      
      
    2. rootユーザーのパスワードを入力し、「構成スクリプトの実行」ウィンドウで指定されたスクリプトを実行します。

      [root@docrac1 db_1]# ./root.sh
      
      
    3. root.shスクリプトが実行されると、ローカルのbinディレクトリへのパスを入力するよう求められます。大カッコ内の情報は、システム構成から取得された情報です。入力を求められるたびに[Enter]キーを押して、デフォルトの選択内容を受け入れます。

    4. スクリプトが完了した後、プロンプトが表示されます。次のコマンドを入力します。

      [oracle@docrac1 oracle]$ ssh docrac2
      [oracle@docrac2 oracle]$ cd /opt/oracle/11gR1/db_1
      [oracle@docrac2 db_1]$ su
      
      
    5. rootユーザーのパスワードを入力し、「構成スクリプトの実行」ウィンドウで指定されたスクリプトを実行します。

      [root@docrac2 db_1]# ./root.sh
      
      
    6. [Enter] キーを押してデフォルトの選択内容をすべて受け入れます。

    すべてのノードでスクリプトの実行が終了した後、「構成スクリプトの実行」ウィンドウに戻り、「OK」をクリックします。

    OUIに「インストール終了」ウィンドウが表示されます。

  22. 「終了」をクリックしてから「はい」をクリックして、OUIを終了することを確認します。

    参照:

     

Oracle RACデータベースのインストールの検証

この時点で、すべてのデータベース・サービスが起動し、実行中であることを確認する必要があります。

Oracle RACデータベースが実行されていることを確認するには、次の手順を実行します。
  1. oracleユーザーとしてログインし、CRS_home/binディレクトリに移動します。

    [oracle] $ cd /crs/bin
    
    
  2. 次のコマンドを実行してOracleクラスタウェアが管理しているアプリケーションのステータスを確認します。

    [oracle] $ ./crs_stat -t
    
    

    コマンドの出力は、データベース・インスタンスを各ホストで(オンラインで)使用できることを示します。


    画像の説明

データベース管理用のオペレーティング・システム環境の構成

Oracle RACソフトウェアをインストールしてクラスタ・データベースを作成した後、データベース管理がより簡単なオペレーティング・システム環境を構成するために実行する2つの追加タスクがあります。

oratabファイルの更新

Oracle Databaseユーティリティのいくつかは、oratabファイルを使用して、各ノードの使用可能なOracleホームおよびインスタンスを判別します。oratabファイルはroot.shスクリプトで作成され、データベースの作成時または削除時にOracle Database Configuration Assistantで更新されます。

次にoratabファイルの例を示します。

# This file is used by ORACLE utilities. It is created by root.sh
# and updated by the Database Configuration Assistant when creating
# a database.

# A colon, ':', is used as the field terminator. A new line terminates
# the entry. Lines beginning with a pound sign, '#', are comments.
#
# Entries are of the form:
# $ORACLE_SID:$ORACLE_HOME:<N|Y>:
#
# The first and second fields are the system identifier and home
# directory of the database respectively. The third field indicates
# to the dbstart utility that the database should, "Y", or should not, 
# "N", be brought up at system boot time.
#
# Multiple entries with the same $ORACLE_SID are not allowed.
#
#
+ASM1:/opt/oracle/11gR1/asm:N
sales:/opt/oracle/11gR1/db_1:N
sales1:/opt/oracle/11gR1/db_1:N
Oracle RACデータベースの作成後にRed Hat Linux上でoratabファイルを更新するには、次の手順を実行します。
  1. docrac1ノードで次のコマンドを使用して、/etc/oratabファイルを編集するために開きます。

    vi /etc/oratab
    
    
  2. ローカル・インスタンスのOracle_sidおよびOracle_homeを/etc/oratabファイルの最後に追加します。次に例を示します。

    sales1:/opt/oracle/11gR1/db_1:N
    
    
  3. ファイルを保存して、viエディタを終了します。

  4. クラスタ内の各ノードで、適切なインスタンス情報を追加して/etc/oratabファイルを編集します。


    注意:

    単一インスタンス・データベースでは、各エントリの最終フィールドをNに設定すると、それが実行されているサーバーの再起動時にデータベースの自動起動が無効になります。Oracle Clusterwareではdbstartユーティリティではなくインスタンスおよびプロセスを起動するため、Oracle RACデータベースではこれらのフィールドはNに設定されます。 


ユーザー・シェル・プロファイルの再構成

Oracle RACまたはOracle Databaseで使用できる環境変数がいくつかあります。これらの変数は、setexportなどのシェル・コマンドを使用して、現行のオペレーティング・システム・セッションでは手動で設定できます。

また、特定のオペレーティング・システム・ユーザーとしてログインする際に、これらの変数を自動的に設定することもできます。設定するには、そのオペレーティング・システム・ユーザーのBourneシェル、BashシェルまたはKornシェルの構成ファイル(.profile.loginなど)を変更します。

Red Hat Linux上でbashシェルに対するoracleユーザーのプロファイルを変更するには、次の手順を実行します。
  1. oracleユーザーとして次のコマンドを使用し、編集用に/home/oracleディレクトリのユーザー・プロファイルを開きます。

    [oracle] $ cd $HOME
    [oracle] $ vi .bash_profile
    
    
  2. ファイルの次の行を、新たに作成したOracle RACデータベースの場所を指すように変更します。

    export ORACLE_BASE=/opt/oracle/11gR1
    export ORACLE_HOME=/opt/oracle/11gR1/db_1
    export PATH=$PATH:$ORACLE_HOME/bin
    
    
  3. 各ノードで、.bash_profileファイルを変更して、ORACLE_SID環境変数をローカル・インスタンスの名前に設定します。たとえば、ホストdocrac1で、.bash_profileファイルに次の行を追加します。

    export ORACLE_SID=sales1
    
    

    ホストdocrac2で、ORACLE_SIDを値sales2に設定します。

  4. 各インスタンスで.bash_profileファイルの変更を読み取り、実装します。

    source .bash_profile
    
    
  5. 各クライアント・コンピュータで、データベースに接続するために、salesなどのサービス名が使用されるようにユーザー・アクセスを構成します。

    参照:

     

インストール後のタスクの実行

Oracle RACソフトウェアのインストール後には、クラスタ・データベースの使用準備を完了する前に、追加で実行できるタスクがあります。これらの手順をお薦めしていますが、必須ではありません。

この項の内容は次のとおりです。

Oracle Clusterwareインストールの検証の概要

Oracle Clusterwareのインストールが完了した後、OUIではConfiguration Assistantとしてcluvfyユーティリティが自動的に実行され、Clusterwareのインストールが正常に完了したことが確認されます。

CVUによって構成に関する問題がレポートされた場合、これらのエラーを修正してから次に進みます。

参照:

  • CVUの使用方法および構成の問題の解決方法については、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

 

投票ディスクのバックアップの概要

Oracle RACを使用するOracle Database 11g のインストールを完了した後、およびシステムが正しく機能することを確認した後で、投票ディスクの内容をバックアップします。「投票ディスクのバックアップおよびリカバリの概要」で説明されているddユーティリティを使用します。

また、いずれかのノードを追加または削除した後や、いずれかの削除手順を実行した後も、投票ディスクの内容のバックアップ・コピーを作成します。

参照:

 

RDBMSパッチのダウンロードとインストールの概要

オラクル社では、オラクル社のソフトウェアについてパッチと呼ばれるバグ修正を定期的に発行しています。パッチ・セットは、そのパッチ・セット・リリースの時点までのバグ修正を集めたものです。パッチ・セットは、十分にテストされた製品フィックスです。パッチ・セットを適用すると、Oracleホームに存在するソフトウェアに影響します。インストールされたソフトウェアの最新のパッチ・セットを実行していることを確認します。パッチ・セットに含まれていないパッチを適用する必要がある場合があります。パッチおよびパッチ・セットのダウンロードとインストールの詳細は、第10章「Oracleソフトウェアの管理およびパッチの適用」を参照してください。

参照:

 

Oracle Enterprise Managerの動作の確認

Oracle RACデータベースを作成してDatabase Controlによるデータベース管理を選択すると、Oracle Enterprise Manager Database Controlユーティリティのインストールおよび構成が自動的に行われます。

新しいOracle RAC環境でOracle Enterprise Manager Database Controlが起動されていることを検証するには、次の手順を実行します。
  1. ORACLE_SID環境変数が、接続先のインスタンスの名前(sales1など)に設定されていることを確認します。また、ORACLE_HOME環境変数が、インストールしたOracle Databaseソフトウェアの場所に設定されていることを確認します。

    $ echo $ORACLE_SID
    sales
    $ export ORACLE_SID=sales1
    $ echo $ORACLE_HOME
    /opt/oracle/11gR1/db_1
    
    
  2. Oracle_home/binディレクトリに移動します。

  3. oracleユーザーとして次のコマンドを実行します。

    ./emctl status dbconsole
    
    

    Oracle Enterprise Manager Control(EMCTL)ユーティリティに、現行のノードにDatabase Controlコンソールの現在のステータスが表示されます。

  4. EMCTLユーティリティによって、Database Controlが起動されていないことがレポートされた場合は、次のコマンドを使用して起動します。

    ./emctl start dbconsole
    
    
  5. クラスタ内の各ノードに対して手順1から手順3を繰り返します。

    参照:

     

インストール後の推奨タスク

Oracle RACのインストール後には、次のタスクを完了することをお薦めします。

root.shスクリプトのバックアップの概要

インストールの完了後は、root.shスクリプトをバックアップすることをお薦めします。他の製品を同じOracleホーム・ディレクトリにインストールした場合、既存のroot.shスクリプトの内容がインストール中にOUIによって更新されます。元のroot.shスクリプトに含まれていた情報が必要な場合は、その情報をroot.shバックアップ・コピーからリカバリできます。

ユーザー・アカウントの構成の概要

oracleユーザーのオペレーティング・システム・アカウントは、Oracleソフトウェアをインストールする際に使用するアカウントです。Oracle RACデータベースへのアクセスおよび管理のために、複数の異なるオペレーティング・システム・アカウントを使用できます。

参照:

 

Oracle RACデータベースへのOracleデータベースの変換

rconfigまたはOracle Enterprise Managerを使用すると、単一インスタンスのデータベースのインストールをOracle RACデータベースに簡単に変換できます。1つ目のrconfigは、コマンドライン・ユーティリティです。Oracle Enterprise Manager Grid Controlのデータベース管理オプション(「クラスタ・データベースへの変換」)によって、GUIによる変換ツールが提供されます。

この項の内容は次のとおりです。

データベースの変換の準備

データベースをクラスタ・データベースに変換するプロセスを開始する前に、データベース環境が一定の前提条件を満たしている必要があります。

Grid Controlを使用したデータベース変換プロセスの概要

次のリストに、Oracle Enterprise Manager Grid Controlを使用して、単一インスタンスのデータベースをOracle RACデータベースに変換するプロセスの概要を示します。

rconfigを使用したデータベース変換プロセスの概要

次のリストに、rconfigユーティリティを使用して、単一インスタンスのデータベースをOracle RACデータベースに変換するプロセスの概要を示します。


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