ヘッダーをスキップ

Oracle Data Guard 概要および管理
11gリリース1(11.1)

E05755-03
目次
目次
索引
索引

戻る 次へ

14 初期化パラメータ

この章では、Data Guard環境のデータベースに影響を与える初期化パラメータについて説明します。

表14-1に初期化パラメータと、そのパラメータがプライマリ・データベース・ロール、スタンバイ・データベース・ロール、あるいはその両方のいずれに適用されるかを示します。また、これらのパラメータをData Guard環境で設定する場合の固有の注意点および推奨事項も記載します。初期化パラメータに関する詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。これには、初期化パラメータを更新する方法として、ALTER SYSTEM SET文(たとえばALTER SYSTEM SET LOG_ARCHIVE_TRACE)を発行する方法および初期化パラメータ・ファイルを編集する方法の説明も含まれています。初期化パラメータの設定方法の詳細は、オペレーティング・システム固有のOracleマニュアルを参照してください。

表14-1    Data Guard構成内のインスタンスの初期化パラメータ 
パラメータ  適用可能先  注意点および推奨事項 

COMPATIBLE = release_number
 

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

スイッチオーバーを実行すると思われる場合は、同じ値をプライマリ・データベースおよびスタンバイ・データベースに指定します。値が異なる場合は、REDO転送サービスがREDOデータをプライマリ・データベースからスタンバイ・データベースに転送できない可能性があります。3.2.3項の例を参照してください。

SQL Applyを使用したローリング・アップグレードの場合は、このパラメータを12.4項「ロジカル・スタンバイ・データベースの新規作成によるローリング・アップグレードの実行」で説明したガイドラインに従って設定します。  

CONTROL_FILE_RECORD_KEEP_TIME = number_of_days
 

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

オプション。このパラメータを使用して、指定された日数(0〜365)内に、制御ファイル内(アーカイブREDOログ・ファイルなどの必要な情報が含まれている)の再使用可能レコードが上書きされないようにします。 

(CONTROL_FILES = 'control_file_name' , 'control_file_name', '...')
 

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

必須。1つ以上の制御ファイルのパス名とファイル名を指定します。制御ファイルはすでにデータベースに存在している必要があります。2つの制御ファイルを使用することをお薦めします。現行の制御ファイルの別のコピーが存在していれば、問題のない制御ファイルを問題のある制御ファイルの場所にコピーした後、容易にインスタンスを再開できます。3.2.3項の例を参照してください。 

DB_FILE_NAME_CONVERT = ('location_of_primary_database_datafile' , 'location_of_standby_database_datafile_name' , '...')
 

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

スタンバイ・データベースがプライマリ・データベースと同じシステムにある場合、またはデータファイルが格納されているスタンバイ・システムのディレクトリがプライマリ・システムと異なる場合は必須。このパラメータには、文字列をペアで指定する必要があります。最初の文字列は、プライマリ・データベース・ファイル名の中で検索される文字列です。その文字列が一致すると、スタンバイ・データベース・ファイル名を構成する2番目の文字列に置き換えられます。複数のペアのファイル名を指定できます。例3-1も参照してください。 

DB_UNIQUE_NAME = Unique name for the database
 

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

推奨。ただし、LOG_ARCHIVE_CONFIGパラメータを指定している場合は必須。このデータベースの一意の名前を指定します。プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースのロールが交代しても、この名前は変更されません。DB_UNIQUE_NAMEパラメータのデフォルトは、DB_NAMEパラメータの値です。 

FAL_CLIENT =
Oracle_Net_service_name

 

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

FAL_SERVERパラメータが指定されている場合は必須。FALサーバー(通常はプライマリ・データベース)がFALクライアント(スタンバイ・データベース)への接続に使用するOracle Netサービス名を指定します。 

FAL_SERVER =
Oracle_Net_service_name

 

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

FAL_CLIENTパラメータが指定されている場合は必須。欠落しているアーカイブREDOログ・ファイルをこのスタンバイ・データベースがフェッチ(要求)できるフェッチ元データベースのOracle Netサービス名を1つ以上指定します。 

INSTANCE_NAME
 

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

オプション。このパラメータが定義されており、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースが同じホストに存在する場合は、スタンバイ・データベースに対してプライマリ・データベースとは異なる名前を指定します。3.2.3項の例を参照してください。 

LOG_ARCHIVE_CONFIG=
'DG_CONFIG=
(db_unique_name,
db_unique_name, ...
)' 

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

推奨。Data Guard構成内のプライマリ・データベースおよび各スタンバイ・データベースのDB_UNIQUE_NAMEを識別する場合、DG_CONFIG属性を指定します。Data Guard構成内でOracle Real Application Clusters(RAC)プライマリ・データベースが最大保護モードまたは最大可用性モードで稼働している場合、このData Guard構成へのスタンバイ・データベースの動的追加を使用可能するには、DG_CONFIG属性を設定する必要があります。 

LOG_ARCHIVE_DEST_n = {LOCATION=path_name| SERVICE=service_name, attribute, attribute, ... }
 

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

必須。最大10(n = 1, 2, 3, ... 10)の宛先を定義します。いずれもLOCATIONまたはSERVICE属性を指定する必要があります。各LOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータに対し、それぞれ対応するLOG_ARCHIVE_DEST_STATE_nパラメータを指定します。 

LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_n = {ENABLE|DEFER|ALTERNATE}
 

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

必須。LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_nパラメータを指定して、指定された(または代替の)宛先へのREDO転送サービスによるREDOデータの転送を有効または無効に設定します。各LOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータに対し、LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_nパラメータを定義します。第15章も参照してください。 

LOG_ARCHIVE_FORMAT=
log%d_%t_%s_%r
.arc
 

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

LOG_ARCHIVE_FORMATおよびLOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータが連結され、データベースに完全修飾されたアーカイブREDOログ・ファイル名が生成されます。 

LOG_ARCHIVE_LOCAL_FIRST =[TRUE|FALSE]
 

プライマリ

スナップショット・スタンバイ 

このパラメータは廃止されており、下位互換性のためにのみ保持されています。このパラメータを明示的に設定する場合は、TRUEにのみ設定することをお薦めします。 

LOG_ARCHIVE_MAX_PROCESSES =integer
 

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

オプション。Oracleソフトウェアが最初に起動するアーカイバ(ARCn)プロセスの数(1〜30)を指定します。デフォルト値は4です。 

LOG_ARCHIVE_TRACE=integer
 

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

オプション。スタンバイ・サイトへのREDOデータの転送をトレースするには、このパラメータを設定します。有効な整数値は、付録Gを参照してください。 

LOG_FILE_NAME_CONVERT
='
location_of_primary_database_redo_logs', 'location_of_standby_database_redo_logs'
 

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

スタンバイ・データベースがプライマリ・データベースと同じシステムにある場合、またはログ・ファイルが存在するスタンバイ・サイトのディレクトリ構造がプライマリ・サイトと異なる場合は必須。このパラメータは、プライマリ・データベースのオンラインREDOログ・ファイルのパス名をスタンバイ・データベースのパス名に変換します。3.2.3項の例を参照してください。 

REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE= {EXCLUSIVE|SHARED}
 

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

オペレーティング・システムの認証を管理ユーザーに使用する場合およびSSLをREDO転送の認証に使用する場合はオプション。それ以外の場合は、Data Guard構成内の各データベースに対して、EXCLUSIVEまたはSHAREDに設定する必要があります。 

SHARED_POOL_SIZE = bytes
 

プライマリ

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

オプション。オンラインREDOログ・ファイルから読み込んだ情報を処理するSystem Global Area(SGA)の指定に使用します。使用可能なSGAが大きいと、処理できる情報量も大きくなります。  

STANDBY_ARCHIVE_DEST= filespec
 

ロジカル・スタンバイ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

このパラメータは廃止されており、下位互換性のためにのみ保持されています。 

STANDBY_FILE_MANAGEMENT = {AUTO|MANUAL}
 

プライマリ

フィジカル・スタンバイ

スナップショット・スタンバイ 

データファイルがプライマリ・データベースに追加または削除された場合に、手動で変更しなくてもスタンバイ・データベースに対応する変更が加えられるよう、STANDBY_FILE_MANAGEMENTパラメータをAUTOに設定します。プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースのディレクトリ構造が異なる場合は、DB_FILE_NAME_CONVERT初期化パラメータも設定して、プライマリ・データベースのデータファイルの1つ以上のセットのファイル名を(フィジカル)スタンバイ・データベースのファイル名に変換する必要があります。詳細および例は、例3-1を参照してください。 


戻る 次へ
Oracle
Copyright © 1999, 2008 Oracle Corporation.

All Rights Reserved.
目次
目次
索引
索引