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Oracle Data Guard 概要および管理
11gリリース1(11.1)

E05755-03
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15 LOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータの属性

この章では、LOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータの属性のリファレンス情報を提供します。属性には次のものがあります。

AFFIRMおよびNOAFFIRM
ALTERNATE
COMPRESSION
DB_UNIQUE_NAME
DELAY
LOCATIONおよびSERVICE
MANDATORY
MAX_CONNECTIONS
MAX_FAILURE
NET_TIMEOUT
NOREGISTER
REOPEN
SYNCおよびASYNC
VALID_FOR

LOG_ARCHIVE_DEST_n宛先には、ローカル・ディスクのディレクトリまたはリモートからアクセスするデータベースを指定する、LOCATIONまたはSERVICE属性が含まれている必要があります。他の属性はすべてオプションです。


注意

LOG_ARCHIVE_DEST_n初期化パラメータの複数の属性が廃止になりました。これらの属性は下位互換性のためにのみサポートされています。詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。 


関連項目

LOG_ARCHIVE_DEST_n宛先を定義してREDO転送サービスを設定する方法の詳細は、第6章を参照してください。 


AFFIRMおよびNOAFFIRM

REDO転送先で受信したREDOデータをスタンバイREDOログに書き込む前に確認するか、後に確認するかを制御します。

使用方法

次の例は、リモート宛先のAFFIRM属性を示しています。

LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=stby1 SYNC AFFIRM'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ENABLE

ALTERNATE

元のアーカイブ先で障害が発生したときに使用する代替アーカイブ先を指定します。

カテゴリ  ALTERNATE=LOG_ARCHIVE_DEST_n 

データ型 

文字列 

有効な値 

LOG_ARCHIVE_DEST_n宛先 

デフォルト値 

なし。代替アーカイブ先が指定されていない場合、REDO転送サービスでは自動的に別のアーカイブ先に変更されません。 

必須属性 

該当なし 

属性との競合 

なし1 

対応先 

V$ARCHIVE_DESTビューのALTERNATEおよびSTATUS列 

1 REOPEN属性が0(ゼロ)ではない値で指定されている場合、ALTERNATE属性は無視されます。MAX_FAILURE属性に0(ゼロ)ではない値が指定され、障害件数が指定した障害しきい値を超過する場合は、ALTERNATE宛先が有効になります。このため、ALTERNATE属性は0(ゼロ)ではないREOPEN属性値と競合しません。

使用方法

例15-1のサンプル初期化パラメータ・ファイルでは、エラーが発生したり、デバイスがいっぱいになった場合、LOG_ARCHIVE_DEST_1は、LOG_ARCHIVE_DEST_2へのフェイルオーバーを次回のアーカイブ操作で自動的に実行します。

例15-1    代替アーカイブ先への自動フェイルオーバー

LOG_ARCHIVE_DEST_1='LOCATION=/disk1 MANDATORY ALTERNATE=LOG_ARCHIVE_DEST_2'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_1=ENABLE
LOG_ARCHIVE_DEST_2='LOCATION=/disk2 MANDATORY'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2=ALTERNATE

このローカル宛先の例では、LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_n初期化パラメータの指定に従って、宛先をALTERNATE状態にすることができることもわかります。ALTERNATE状態では、この宛先へのREDO転送サービスによるREDOデータの転送は、別の宛先の障害によって自動的にこの宛先が有効になるまで遅延します。

例15-2    同じスタンバイ・データベースに対する代替Oracle Netサービス名の定義

この例は、同じスタンバイ・データベースに代替Oracle Netサービス名を定義する方法を示しています。

LOG_ARCHIVE_DEST_1='LOCATION=/disk1 MANDATORY'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_1=ENABLE
LOG_ARCHIVE_DEST_2='SERVICE=stby1_path1 ALTERNATE=LOG_ARCHIVE_DEST_3'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2=ENABLE
LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=stby1_path2'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ALTERNATE

COMPRESSION

COMPRESSION属性は、REDOデータ・ギャップの解決時に、REDOデータをREDO転送先に圧縮して転送するか、圧縮しないで転送するかを指定するために使用します。


注意

REDO転送の圧縮は、Oracle Advanced Compressionオプションの機能です。REDO転送の圧縮機能を使用する前に、このオプションのライセンスを購入する必要があります。 


カテゴリ  COMPRESSION=ENABLEまたはDISABLE 

データ型 

ブール 

有効な値 

ENABLEまたはDISABLE 

デフォルト値 

DISABLE 

必須属性 

なし 

属性との競合 

なし 

対応先 

V$ARCHIVE_DESTビューのCOMPRESSION列 

使用方法

次の例は、COMPRESSION属性が指定されているLOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータを示しています。

LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=denver SYNC COMPRESSION=ENABLE'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ENABLE

DB_UNIQUE_NAME

この宛先にあるデータベースの一意の名前を指定します。

カテゴリ  DB_UNIQUE_NAME=name 

データ型 

文字列 

有効な値 

nameは、DB_UNIQUE_NAMEパラメータを使用してこのデータベースに定義された値と一致している必要があります。 

デフォルト値 

なし 

必須属性 

なし 

属性との競合 

なし 

対応先 

V$ARCHIVE_DESTビューのDB_UNIQUE_NAME列 

使用方法

次の例では、DB_UNIQUE_NAMEパラメータではbostonDB_UNIQUE_NAME=boston)が指定されており、これはLOG_ARCHIVE_DEST_1パラメータのDB_UNIQUE_NAME属性にも指定されています。LOG_ARCHIVE_DEST_2パラメータのDB_UNIQUE_NAME属性は、宛先としてchicagoを指定しています。bostonchicagoは、どちらもLOG_ARCHIVE_CONFIG=DG_CONFIGパラメータにリストされています。

DB_UNIQUE_NAME=boston
LOG_ARCHIVE_CONFIG='DG_CONFIG=(chicago,boston,denver)'
LOG_ARCHIVE_DEST_1='LOCATION=/arch1/
VALID_FOR=(ALL_LOGFILES,ALL_ROLES)
DB_UNIQUE_NAME=boston'
LOG_ARCHIVE_DEST_2='SERVICE=Sales_DR
VALID_FOR=(ONLINE_LOGFILES,PRIMARY_ROLE)
DB_UNIQUE_NAME=chicago'

DELAY

スタンバイ・サイトでREDOデータがアーカイブされてから、スタンバイ・データベースにアーカイブREDOログ・ファイルが適用されるまでのタイム・ラグを指定します。

カテゴリ  DELAY[=minutes] 

データ型 

数値 

有効な値 

0分以上 

デフォルト値 

30分 

必須属性 

SERVICE 

属性との競合 

LOCATION 

対応先 

V$ARCHIVE_DESTビューのDELAY_MINSおよびDESTINATION列 

使用方法

DELAY属性を使用すれば、プライマリ・データベースと様々なレベルで同期させる複数のスタンバイ・データベースを維持する構成を設定できます。ただし、REDO Applyで破損時点までのすべてのREDOを適用するまでにかかる時間が長くなるため、フェイルオーバー中は、この保護はなんらかのオーバーヘッドを伴います。

たとえば、プライマリ・データベースAにはスタンバイ・データベースBおよびCがある場合を考えます。スタンバイ・データベースBは、障害時リカバリ・データベースとして設定するため、タイム・ラグは設定しません。スタンバイ・データベースCは2時間の遅延に設定されています。これは、スタンバイ・データベースに伝播する前にユーザー・エラーを検出するには十分な時間です。

次の例は、この構成用にDELAY属性を指定する方法を示しています。

LOG_ARCHIVE_DEST_1='LOCATION=/oracle/dbs/'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_1=ENABLE
LOG_ARCHIVE_DEST_2='SERVICE=stbyB SYNC AFFIRM'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2=ENABLE
LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=stbyC DELAY=120'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ENABLE


注意

または、十分なフラッシュバック・ログ・データがあれば、フラッシュバック・データベースを使用して、データベースを障害発生時点または他のデータベース・インカネーションのSCNまで戻すこともできます。フラッシュバック・データベースの使用方法は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。 



LOCATIONおよびSERVICE

各宛先にはLOCATION属性またはSERVICE属性を指定して、REDO転送サービスがローカル・ディスクのディレクトリまたはリモート・データベースの宛先のどちらにREDOデータを転送できるかを明示する必要があります。

カテゴリ  LOCATION=local_disk_directoryまたはUSE_DB_RECOVERY_FILE_DEST  SERVICE=net_service_name 

データ型 

文字列値 

文字列値 

有効な値 

該当なし 

該当なし 

デフォルト値 

なし 

なし 

必須属性 

該当なし 

該当なし 

属性との競合 

SERVICEDELAYNOREGISTERSYNCASYNCNET_TIMEOUTAFFIRMNOAFFIRMCOMPRESSIONMAX_CONNECTIONS 

LOCATION 

対応先 

V$ARCHIVE_DESTビューのDESTINATIONおよびTARGET列 

V$ARCHIVE_DESTビューのDESTINATIONおよびTARGET列 

使用方法

例1    LOCATION属性の指定
LOG_ARCHIVE_DEST_2='LOCATION=/disk1/oracle/oradata/payroll/arch/'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2=ENABLE
例2    SERVICE属性の指定
LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=stby1'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ENABLE

MANDATORY

いっぱいになったオンライン・ログ・ファイルが再利用可能になるには、宛先へのアーカイブが成功する必要があることを指定します。

カテゴリ  MANDATORY 

データ型 

キーワード 

有効な値 

該当なし 

デフォルト値 

該当なし 

必須属性 

該当なし 

属性との競合 

オプション 

対応先 

V$ARCHIVE_DESTビューのBINDING列 

使用方法

次の例は、MANDATORY属性を示しています。

LOG_ARCHIVE_DEST_1='LOCATION=/arch/dest MANDATORY'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_1=ENABLE
LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=denver MANDATORY'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ENABLE

MAX_CONNECTIONS

アーカイブREDOログ・ファイルをREDO転送先に送信する際に、複数のネットワーク接続を使用できるようにします。複数のネットワーク接続を使用すると、待機時間が長いネットワーク・リンクを介したREDO転送のパフォーマンスを向上させることができます。

カテゴリ  説明 

データ型 

整数 

有効な値 

1〜5 

デフォルト値 

必須属性 

なし 

属性との競合 

なし 

対応先 

プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのMAX_CONNECTIONS列 

使用方法

次の例は、MAX_CONNECTIONS属性を示しています。

LOG_ARCHIVE_DEST_1='LOCATION=/arch/dest'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_1=ENABLE
LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=denver MAX_CONNECTIONS=3'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ENABLE

MAX_FAILURE

プライマリ・データベースが失敗した宛先を放棄する前に、REDO転送サービスが通信を再確立してその宛先へのREDOデータを転送する連続試行回数を制御します。

カテゴリ  MAX_FAILURE=count 

データ型 

数値 

有効な値 

0以上 

デフォルト値 

なし 

必須属性 

REOPEN 

属性との競合 

なし 

対応先 

V$ARCHIVE_DESTビューのMAX_FAILUREFAILURE_COUNTおよびREOPEN_SECS列 

使用方法

次の例は、REDO転送サービスが、宛先arc_destに対して、アーカイブ操作を連続最高3回、5秒ごとに試行できる指定を示しています。3回目の試行後、アーカイブ操作に失敗すると、その宛先はREOPEN属性が指定されていないものとして扱われます。

LOG_ARCHIVE_DEST_1='LOCATION=/arc_dest REOPEN=5 MAX_FAILURE=3'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_1=ENABLE

NET_TIMEOUT

LGWRバックグラウンド・プロセスが、REDO転送先に送信されたREDOデータの確認待ちをブロックする時間を秒数で指定します。確認がNET_TIMEOUTの秒数内に受信されない場合は、エラーがログに記録され、その宛先へのREDO転送セッションは終了します。

カテゴリ  NET_TIMEOUT=seconds 

データ型 

数値 

有効な値 

11〜1200 

デフォルト値 

30秒 

必須属性 

SYNC 

属性との競合 

ASYNCASYNC属性を指定しても、REDO転送サービスでは無視され、エラーは戻されません。)  

対応先 

プライマリ・データベースのV$ARCHIVE_DESTビューのNET_TIMEOUT列 

1 最小値は1秒に設定できますが、一時的なネットワーク・エラーによるスタンバイ・データベースからの切断を回避するために、最小値は8〜10秒に設定することをお薦めします。

使用方法

次の例は、NET_TIMEOUT属性を使用して、プライマリ・データベースのネットワーク・タイムアウト値を40秒に指定する方法を示しています。

LOG_ARCHIVE_DEST_2='SERVICE=stby1 SYNC NET_TIMEOUT=40'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_2=ENABLE

NOREGISTER

アーカイブREDOログ・ファイルの位置が、対応する宛先に記録されてはいけないことを示します。

カテゴリ  NOREGISTER 

データ型 

キーワード 

有効な値 

該当なし 

デフォルト値 

該当なし 

必須属性 

SERVICE 

属性との競合 

LOCATION 

対応先 

V$ARCHIVE_DESTビューのDESTINATIONおよびTARGET列 

使用方法

次の例は、NOREGISTER属性を示しています。

LOG_ARCHIVE_DEST_5='NOREGISTER'

REOPEN

REDO転送サービスが失敗した宛先の再オープンを試行するまでの最小秒数を指定します。

カテゴリ  REOPEN [=seconds] 

データ型 

数値 

有効な値 

0秒以上 

デフォルト値 

300秒 

必須属性 

なし 

属性との競合 

該当なし 

対応先 

V$ARCHIVE_DESTビューのREOPEN_SECSおよびMAX_FAILURE列 

使用方法

次の例は、REOPEN属性を示しています。

LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=stby1 MANDATORY REOPEN=60'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ENABLE

SYNCおよびASYNC

使用するREDO転送モードが同期(SYNC)なのか、非同期(ASYNC)なのかを指定します。

カテゴリ  SYNC  ASYNC 

データ型 

キーワード 

キーワード 

有効な値 

該当なし 

該当なし 

デフォルト値 

該当なし 

なし 

必須属性 

なし 

なし 

属性との競合 

ASYNCLOCATION 

SYNCLOCATION 

対応先 

V$ARCHIVE_DESTビューのTRANSMIT_MODE列 

V$ARCHIVE_DESTビューのTRANSMIT_MODE列 

使用方法

次の例は、SYNC属性が指定されているLOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータを示しています。

LOG_ARCHIVE_DEST_3='SERVICE=stby1 SYNC'
LOG_ARCHIVE_DEST_STATE_3=ENABLE

VALID_FOR

次の要因に基づき、REDOデータを宛先に書き込むかどうかを指定します。

使用方法

次の例は、VALID_FORのデフォルトのキーワードのペアを示します。

LOG_ARCHIVE_DEST_1='LOCATION=/disk1/oracle/oradata VALID_FOR=(ALL_LOGFILES, ALL_ROLES)'

このデータベースがプライマリ・ロールまたはスタンバイ・ロールで稼働している場合、宛先1は、すべてのログ・ファイルをローカル・ディレクトリ/disk1/oracle/oradataにアーカイブします。


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