ヘッダーをスキップ

Oracle Database アップグレード・ガイド
11g リリース1(11.1)

E05758-02
目次
目次
索引
索引

戻る 次へ

3 新しいリリースへのアップグレード

この章では、データベースをOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードする手順について説明します。この章では、次の項目について説明します。

システムの考慮点および要件

次の項では、システムに関する考慮点および要件について説明します。

Oracle Clusterwareおよび自動ストレージ管理(ASM)データベースのアップグレード

Oracle Database 11gリリース1(11.1)より前のリリースでは、Oracleユーザー(通常、oracle)がすべてのOracleソフトウェア・インストールを所有しているか、またはOracle Databaseソフトウェアはoracleが所有し、Oracle Clusterwareソフトウェアは別のユーザー(通常、crsuser)が所有していました。 Oracle Database 11gリリース1(11.1)以上では、Oracle Clusterware 10gソフトウェアを所有しているユーザーと同じユーザーでOracle Clusterware 11gリリース1(11.1)のアップグレードを実行する必要があります。 また、Oracle Clusterware 11gリリース1(11.1)ソフトウェアのアップグレードは、Oracle Clusterware 10gソフトウェアがインストールされていたディレクトリで実行する必要があります。 Oracle Clusterwareは別々のホーム・ディレクトリにインストールされましたが、Oracle DatabaseインストールとASMインストールは同じOracleホームにインストールすることができました。

Oracle Database 11gリリース1(11.1)では、データおよびソフトウェアのセキュリティを高めるために、Oracle Database、ASMおよびOracle Clusterwareはそれぞれ異なるホーム・ディレクトリにインストールされ、各ディレクトリへのアクセスは、異なるオペレーティング・システム(OS)ユーザーを作成して制御されます。

以前のバージョンのデータベースをOracle Database 11gにアップグレードする際に構成にASMが含まれている場合は、Cluster Synchronization Services(CSS)デーモンをOracle Database 11gにアップグレードする必要があります。 アップグレードしない場合、次のエラーが表示され、データベースのアップグレード処理が失敗します。

ERROR at line 1:
ORA-03113: end-of-file on communication channel
ERROR:

構成にASMが含まれていない場合は、CSSデーモンを停止し、deleteオプションを指定してlocalconfigバッチ・ファイルを実行することによって、システムからCSSサービスを削除する必要があります。次に例を示します。

SYSTEM_DRIVE :\oracle\product\11.1.0\db_1\bin\localconfig delete

構成にASMが含まれているかどうかが不明な場合は、次のコマンドを実行します。

select count(*) from v$asm_client where status = 'CONNECTED';

このコマンドによって1つ以上の行が戻された場合は、現在データベースでASMディスク・グループが使用されています。

Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)Databaseのアップグレード

DBUAを使用してOracle RACデータベースをアップグレードする場合、必要な構成はすべて自動で行われます。手動でOracle RACデータベースをアップグレードする場合、この章で説明するほとんどの処理は、システムの1つのノードのみで実行する必要があります。1つ以上のノードで実行する必要がある操作については、該当する手順で示されます。


注意:

新しい前提条件の確認が追加され、Oracle Clusterwareリリース10.2.0.xの場合、リリース10.2.0.3以上であることを確認してからOracle Database 11gリリース1(11.1)のアップグレードが開始されるようになりました。 前提条件の確認が失敗すると、アップグレードできるようにするために、既存のリリース10.2.0.1または10.2.0.2にパッチ・セット・リリース10.2.0.3.0以上を適用するよう指示されます。他のすべてのアップグレード・パスと新規インストールの場合は、この前提条件の確認は不要です。 


自動ストレージ管理(ASM)インスタンスのアップグレード

Oracle Database 11gリリース1(11.1)以上では、SYSASM権限を使用してデータベース管理の職責とストレージ管理の職責を分離することが必要になりました。

さらに、Oracle Database 11gリリース1(11.1)以上では、ASMおよび各データベースに対して異なるオペレーティング・システム資格証明を作成することもできるようになっています。異なる資格証明を使用することにより、データベース管理の職責とストレージ管理の職責をさらに厳重に分離することが可能になります。たとえば、あるノード上のASMを使用しているデータベースがn個ある場合、SYS権限を持つメンバーのオペレーティング・システム資格証明グループをn +1セット構成できます。すなわち、各データベース用のSYSDBA権限を持つOSDBAグループが1つずつと、ASMインスタンス用のSYSASM権限を持つOSASMグループが1つです。

ASMインスタンスをOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードする前に、ノードのASMインスタンスに対してローカルなパスワード・ファイルに、ユーザーとパスワードの組合せを追加する必要があります。この操作には、次のSQL*Plus CREATE USER文を使用します。

CREATE USER user_name IDENTIFIED BY password


注意:

これは、ASMインスタンスのアップグレードを行っている場合にのみ必要な手順です。 ASMをアップグレードせずにデータベースをOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードする場合、この手順は不要です。

Oracle Database 11gリリース1(11.1)のデフォルトのセキュリティ設定が適用されている場合、パスワードは8文字以上にする必要があります。また、welcomeoracleなどのパスワードは使用できません。 詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。 


各ノードのASMインスタンスでは、このSQL*Plus文を使用してインスタンスのパスワード・ファイルを更新します。パスワード・ファイル自体はORAPWDユーティリティで作成する必要があります。GRANT system_privilege TO user文を使用してアクセス権を付与しないかぎり、新しいユーザーには何も権限がないことに注意してください。 これにより、データベース・インスタンス上では認証されたSYSDBA権限を持つユーザーに対して、自動的にASMインスタンスの完全なSYSDBA権限を付与しなくても、オペレーティング・システムによる認証で、そのユーザーが特定のASM操作に制限付きでアクセスすることを許可できるようになります。 このようにすると、アップグレード後にユーザーは次のいずれかの接続方法でASMインスタンスに接続できるようになります。 次のすべての例で、passwordを安全なパスワードに置き換えてください。

読取り専用およびオフラインの表領域を使用したアップグレード

Oracle Database 11gリリース1(11.1)では前のリリースで作成されたファイル・ヘッダーを読み取ることができるため、アップグレード時にそれらに対して処理を行う必要はありません。 Oracle Database 11gリリース1(11.1)より前に作成された表領域を別のプラットフォームに転送する場合は例外です。この場合は、転送前のある時点でファイル・ヘッダーを読取り/書込み両用にする必要があります。ただし、アップグレード時にこれらに対して特別な処理を行う必要はありません。

オフラインのデータ・ファイルのファイル・ヘッダーは、後でオンラインにしたときに更新されます。また、読取り専用の表領域は、アップグレード後のある時点に必要に応じて読取り/書込み両用にしたときに更新されます。他のすべての状況では、読取り専用の表領域を読取り/書込み両用にする必要はありません。

参照:

読取り専用の表領域、およびデータベース間で表領域を転送する方法の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 

スタンバイ・データベースのアップグレード

Oracle Data Guard構成にフィジカル・スタンバイ・データベースまたはロジカル・スタンバイ・データベースが存在する場合にOracle Databaseソフトウェアをアップグレードする方法は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。

Oracle Data Guardブローカ構成でOracle DatabaseおよびOracle Enterprise Managerソフトウェアをアップグレードまたはダウングレードする方法は、『Oracle Data Guard Broker』を参照してください。

Oracle Database 10gリリース1(10.1.0.3)以上では、ロジカル・スタンバイ・データベースでSQL Applyを使用してOracle Database 11gリリース1(11.1)へのローリング・アップグレードを実行できます。 ローリング・アップグレード時に、プライマリ・データベースおよびロジカル・スタンバイ・データベースで異なるリリースのOracle Databaseソフトウェアを実行して、一度に1つずつアップグレードし、プライマリ・データベースでの停止時間を最小にすることができます。 詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。

オペレーティング・システムのアップグレード

必要に応じて、Oracle Databaseをアップグレードする前にオペレーティング・システムをアップグレードします。

参照:

  • サポートされているオペレーティング・システムの一覧を取得するには、ご使用のプラットフォームのOracle Databaseのインストレーション・ガイドを参照してください。

  • オペレーティング・システムのアップグレードを実行する方法については、ご使用のオペレーティング・システム固有のマニュアルを参照してください。

 

異なるオペレーティング・システムへのデータの移行

DBUAを使用している場合または手動でアップグレードを実行している場合は、オペレーティング・システム間でデータベースのデータは移行できません。 たとえば、DBUAを使用して、Solaris上のOracle9iデータベースのデータをWindows 2000上のOracle Database 11gリリース1(11.1)データベースには移行できません。

Oracle Databaseソフトウェアを異なるオペレーティング・システムに移行する必要がある場合は、次の手順を実行することをお薦めします。

  1. このマニュアルの指示に従って、現行のオペレーティング・システム・プラットフォームで、Oracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードします。

  2. アップグレードしたデータベースを現行のオペレーティング・システム・プラットフォーム上でテストします。

  3. Oracle Data Guardおよびフィジカル・スタンバイ・データベースを使用して、オペレーティング・システム間での移行を行います。

    参照:

    同一のData Guard構成での異機種間のプライマリ・システムおよびスタンバイ・システムに対するData Guardサポートの詳細は、OracleMetalink(https://metalink.oracle.com/)のNote 413484.1を参照してください。 

  4. 移行するプラットフォームの組合せでクロス・プラットフォームのフィジカル・スタンバイ・データベースを使用できない場合は、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のクロス・プラットフォームのトランスポータブル表領域機能またはOracle Data Pump Export/Importユーティリティを使用して、アップグレードされたデータベースを異なるオペレーティング・システムに移行することができます。


    注意:

    トランスポータブル表領域では、SYSTEM表領域またはYSAUX表領域の移行はサポートされていません。 ロール、トリガー、ビュー、プロシージャなどのすべての非セグメント・ユーザー・データは、スクリプトまたはエクスポート/インポートを使用して新しいオペレーティング・システムに移動する必要があります。  


  5. 2つのオペレーティング・システムが同じエンディアンのグループに属している場合は、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のクロス・プラットフォームのトランスポータブル表領域機能を使用して、データベース全体を移行することができます。

  6. Oracle Streamsを使用してオペレーティングシステム間でデータを移行することもできます。 Oracle Streamsには、アドバンスト・キューやオブジェクト型などに対するデータ型の制限があり、追加の管理作業が必要となります。

    参照:

    • トランスポータブル表領域の詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

    • Data Guardまたはトランスポータブル・データベースを使用した移行の詳細は、『Oracle Database高可用性概要』を参照してください。

    • Oracle Streamsを使用した移行の詳細は、『Oracle Streams概要および管理』を参照してください。

    • 第7章「データ・ポンプとエクスポート/インポートによるデータの移動」

     

Oracle Streamsのダウンストリーム取得を使用しているデータベースのアップグレード

Oracle Streamsレプリケーション環境では、ソース・データベース以外のデータベースで取得プロセスを実行することをダウンストリーム取得といいます。このような環境にあるデータベースをアップグレードする場合は、ソース・データベースをアップグレードする前に、ダウンストリーム取得を使用しているデータベースをアップグレードします。この順番でデータベースをアップグレードすることにより、ソース・データベースをアップグレードした後もダウンストリーム取得データベースを引き続き機能させることができます。


参照:

ダウンストリーム取得の詳細は、『Oracle Streams概要および管理』を参照してください。 


新しいOracle Databaseソフトウェアのインストール

リリース11.1のOracleソフトウェアをインストールする手順には、Clusterwareのアップグレード(必要に応じて)とOracle Database 11gリリース1(11.1)のインストールが含まれます。


注意:

旧リリースでは、Oracle Clusterwareはクラスタ・レディ・サービスと呼ばれていました。 


  1. Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベースをアップグレードする場合は、記述されている順番で次の手順を実行する必要があります。

    1. Oracle Clusterware 11gリリース1(11.1)のインストール・メディアをマウントします。

    2. アップグレードを行う各ノードでオペレーティング・システムの前提条件をすべて確認し、ノードがOracle Clusterware 11gリリース1(11.1)で必要なシステムの前提条件を満たしていることを確認します。

    3. 必要に応じて、旧リリースのOracle ClusterwareまたはOracle Cluster Ready Servicesソフトウェアが最新のパッチ・バージョンになるように、パッチのアップグレードを実行します。

    4. Oracle Clusterware 11gリリース1(11.1)インストール・メディアのclusterware/upgradeディレクトリにあるpreupdate.shスクリプトを実行します。

      このスクリプトでは、アップグレードを実行するために、Oracle Clusterwareソフトウェア・スタックの停止とOracle Clusterwareホーム(CRSホーム)のロック解除が行われます。

      CRSホームを共有していない場合は、クラスタ内のアップグレード対象となっている各ノードでこのスクリプトを実行する必要があります。


      注意:

      このスクリプトを実行する必要があるのは、Oracle Database 10gからアップグレードする場合のみです。 Oracle9iからアップグレードする場合は、このスクリプトを実行する必要はありません。 


    5. Oracle Clusterwareインストールの所有者にするユーザーでログインしていることを確認し、Oracle Clusterwareのインストールを実行します。 たとえば、Oracle Clusterwareの所有者として使用するユーザーがcrsで、Oracle Clusterware 11gリリース1(11.1)のマウントポイントが/shiphome/clusterwareである場合、次のコマンドを使用できます。

      > whoami
        crs
      > /shiphome/clusterware/runInstaller
      
      

      インストーラの要求に応じて情報を入力します。

    6. プロンプトが表示されたら、別のターミナル・セッションを開き、rootでログインしてrootupgradeスクリプトを実行します。


      注意:

      Oracle Database 10gからOracle Database 11gにアップグレードする場合は、ローカル・ノードとリモート・ノードのサブセット上の既存のCRSホームにOracle Clusterwareをインストールする必要があります。 rootスクリプトを実行すると、サブセットのクラスタ・ノード上でOracle Clusterware 11gリリース1(11.1)のスタックが起動します。最後のノード以外の各ノードでは、バージョンの変更は有効になりません。バージョンの変更が有効になるのは最後のノード上のみです。

      ローリング・アップグレードの実行方法の詳細は、ご使用のオペレーティング・システムの『Oracle Clusterwareインストレーション・ガイド』を参照してください。 


  2. (必要に応じて)Oracle Clusterwareをアップグレードした後、Oracleのオペレーティング・システム固有のマニュアルを参照して、Oracle Databaseソフトウェアのインストールの準備を行い、Oracle Universal Installerを起動します。

    インストールが完了したら、1つ以上のアシスタントが起動する場合があります。インストール中にDBUAを実行するように選択した場合、アップグレードはDBUAが起動したときに開始できます。ただし、DBUAを使用してアップグレードを行う前に、アップグレード前情報ツールを実行して、DBUAで確認される項目のタイプを確認しておくことをお薦めします。 (「アップグレード前情報ツールの実行」を参照してください。)インストールの完了後、単独でDBUAを実行できます。

    Oracle Net Configuration Assistantは、DBUAより前に実行する必要があることにも注意してください。

    Oracle Databaseソフトウェアのインストールが正常に完了したら、「終了」ボタンをクリックしてOracle Universal Installerを閉じます。


    注意:

    Oracle Label SecurityまたはDatabase Vaultあるいはその両方を使用する場合は、Oracle Databaseの標準インストールには含まれていないため、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のカスタム・インストールを実行する必要があります。 詳細は、『Oracle Label Security管理者ガイド』、またはご使用のオペレーティング・システム固有のOracle Database Vaultのインストレーション・ガイドを参照してください。 


    参照:

     

使用可能な最新のパッチ・セット・リリースおよび必須パッチのインストール

Oracle Database 11gリリース1(11.1)をインストールした後、パッチ・セットのリリースまたは重要なパッチ更新をインストールする必要があるかどうかを確認します。

Oracle Database 11gリリース1(11.1)の最新のパッチ・セット・リリースおよび重要なパッチ更新は、データベースのアップグレードを行う前にインストールする必要があります。インストールの詳細は、特定のパッチ・リリースおよび重要なパッチ更新に関するドキュメントを参照してください。

アップグレード前情報ツールの実行

Oracle Database 11gリリース1(11.1)および必須パッチをインストールした後、新しいリリースにアップグレードする前にデータベースを分析する必要があります。これは、アップグレード前情報ツールを使用して行います。アップグレードを手動で行っている場合に必要な手順です。DBUAを使用してアップグレードを行う場合も、DBUAで確認される項目をこのツールで確認しておくことをお薦めします。

アップグレード前情報ツールは、Oracle Database 11gリリース1(11.1)に付属するSQLスクリプトです。アップグレードするデータベースの環境にコピーして、その環境から実行する必要があります。アップグレード前情報ツールを実行するには、次の手順を実行します。

  1. Oracle Database 11gリリース1(11.1)のOracleホーム・ディレクトリの所有者としてシステムにログインします。

  2. アップグレード前情報ツール(utlu111i.sql)を、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のORACLE_HOME/rdbms/adminディレクトリから、ご使用のシステムの一時ディレクトリなどのOracleホーム以外のディレクトリにコピーします。

    このファイルの新しい場所を記録します。

  3. アップグレードするデータベースのOracleホーム・ディレクトリの所有者として、システムにログインします。

  4. 手順2でutlu111i.sqlをコピーしたディレクトリに移動します。

  5. SQL*Plusを起動します。

  6. SYSDBA権限を持つユーザーとして、データベース・インスタンスに接続します。

  7. 後で分析するために、結果をログ・ファイルにスプールするようにシステムを設定します。

    SQL> SPOOL upgrade_info.log
    
    
  8. アップグレード前情報ツールを実行します。

    SQL> @utlu111i.sql
    
    
  9. スクリプト結果のログ・ファイルへのスプーリングをオフにします。

    SQL> SPOOL OFF
    
    

    アップグレード前情報ツールの出力内容を、upgrade_info.logで確認します。

次に、アップグレード前情報ツールによって生成された出力の例を示します。

Oracle Database 11.1 Pre-Upgrade Information Tool    06-15-2007 09:14:02
.
**********************************************************************
Database:
**********************************************************************
--> name:          ORCL
--> version:       10.2.0.1.0
--> compatible:    10.2.0.1
--> blocksize:     8192
--> platform:      Linux IA (32-bit)
--> timezone file: V2
.
**********************************************************************
Tablespaces: [make adjustments in the current environment]
**********************************************************************
WARNING: --> SYSTEM tablespace is not large enough for the upgrade.
.... currently allocated size: 560 MB
.... minimum required size: 910 MB
.... increase current size by: 350 MB
.... tablespace is NOT AUTOEXTEND ENABLED.
--> UNDOTBS1 tablespace is adequate for the upgrade.
.... minimum required size: 457 MB
.... AUTOEXTEND additional space required: 352 MB
--> SYSAUX tablespace is adequate for the upgrade.
.... minimum required size: 617 MB
.... AUTOEXTEND additional space required: 287 MB
--> TEMP tablespace is adequate for the upgrade.
.... minimum required size: 61 MB
.... AUTOEXTEND additional space required: 41 MB
--> EXAMPLE tablespace is adequate for the upgrade.
.... minimum required size: 69 MB
.
**********************************************************************
Update Parameters: [Update Oracle Database 11.1 init.ora or spfile]
**********************************************************************
WARNING: --> "sga_target" needs to be increased to at least 388 MB
.
**********************************************************************
Renamed Parameters: [Update Oracle Database 11.1 init.ora or spfile]
**********************************************************************
WARNING: --> "plsql_compiler_flags" old value was "INTERPRETED";
new name is "plsql_code_type" new value is "INTERPRETED"
.
**********************************************************************
Obsolete/Deprecated Parameters: [Update Oracle Database 11.1 init.ora or spfile]
**********************************************************************
--> "max_enabled_roles"
--> "remote_os_authent"
--> "background_dump_dest" replaced by "diagnostic_dest"
--> "user_dump_dest" replaced by "diagnostic_dest"
--> "core_dump_dest" replaced by "diagnostic_dest"
.
**********************************************************************
Components: [The following database components will be upgraded or installed]
**********************************************************************
--> Oracle Catalog Views         [upgrade]  VALID
--> Oracle Packages and Types    [upgrade]  VALID
--> JServer JAVA Virtual Machine [upgrade]  VALID
--> Oracle XDK for Java          [upgrade]  VALID
--> Oracle Workspace Manager     [upgrade]  VALID
--> Messaging Gateway            [upgrade]  VALID
--> OLAP Analytic Workspace      [upgrade]  VALID
--> OLAP Catalog                 [upgrade]  VALID
--> Oracle Label Security        [upgrade]  VALID
--> EM Repository                [upgrade]  VALID
--> Oracle Text                  [upgrade]  VALID
--> Oracle XML Database          [upgrade]  VALID
--> Oracle Java Packages         [upgrade]  VALID
--> Oracle interMedia            [upgrade]  VALID
--> Spatial                      [upgrade]  VALID
--> Data Mining                  [upgrade]  VALID
--> Oracle Ultra Search          [upgrade]  VALID
--> Expression Filter            [upgrade]  VALID
--> Rule Manager                 [upgrade]  VALID
--> Oracle Application Express   [upgrade]
--> Oracle OLAP API              [upgrade]  VALID
.
**********************************************************************
Miscellaneous Warnings
**********************************************************************
WARNING: --> Database is using an old timezone file version.
.... Patch the 10.2.0.1.0 database to timezone file version 4
.... BEFORE upgrading the database. Re-run utlu111i.sql after
.... patching the database to record the new timezone file version.
WARNING: --> Database contains stale optimizer statistics.
.... Refer to the 11g Upgrade Guide for instructions to update
.... statistics prior to upgrading the database.
.... Component Schemas with stale statistics:
....   SYS
....   WMSYS
....   CTXSYS
WARNING: --> Database contains INVALID objects prior to upgrade.
.... The list of invalid SYS/SYSTEM objects was written to
.... registry$sys_inv_objs.
.... The list of non-SYS/SYSTEM objects was written to
.... registry$nonsys_inv_objs.
.... Use utluiobj.sql after the upgrade to identify any new invalid
.... objects due to the upgrade.
.... USER PUBLIC has 7 INVALID objects.
.... USER FLOWS_010600 has 1 INVALID objects.
.... USER SYS has 1 INVALID objects.
WARNING: --> Database contains schemas with objects dependent on network packages.
.... Refer to the 11g Upgrade Guide for instructions to configure Network ACLs.
.... USER WKSYS has dependent objects.
.... USER SYSMAN has dependent objects.
.... USER FLOWS_010600 has dependent objects.
WARNING: --> EM Database Control Repository exists in the database.
.... Direct downgrade of EM Database Control is not supported. Refer to the
.... 11g Upgrade Guide for instructions to save the EM data prior to upgrade.
.
WARNING: --> There are materialized view refreshes in progress.
.... Ensure all materialized view refreshes are complete prior to upgrade.
WARNING: --> There are files which need media recovery.
.... Ensure no files need media recovery prior to upgrade.
WARNING: --> There are files in backup mode.
.... Ensure no files are in backup mode prior to upgrade.
WARNING:--> There are outstanding unresolved distributed transactions.
.... Resolve outstanding distributed transactions prior to upgrade.
WARNING:--> A standby database exists.
.... Sync standby database prior to upgrade.


注意:

Oracle interMediaは、Oracle Database 11gリリース1(11.1)ではOracle Multimediaになりました。 


次の項では、アップグレード前情報ツールの出力について説明します。

Database

このセクションには、現行のデータベースに関するグローバル・データベース情報(データベース名、リリース番号、互換性レベルなど)が表示されます。データベースをアップグレードする前にCOMPATIBLE初期化パラメータを調整する必要がある場合は、警告が表示されます。

Logfiles

このセクションには、現行のデータベース内の4MB未満のREDOログ・ファイルのリストが表示されます。各ログ・ファイルに対して、ファイル名、グループ番号および推奨サイズが表示されます。

SQLスクリプトおよびユーティリティを使用して手動でアップグレードする場合は、データベースをアップグレードする前に、4MB以上(10MB推奨)の新しいファイルを現行のデータベースに作成して、4MB未満のREDOログ・ファイルをすべて削除する必要があります。 これらの作業は、Database Upgrade Assistantによって自動的に実行されます。

Tablespaces

このセクションには、現行のデータベース内の表領域のリストが表示されます。各表領域に対して、表領域名および最低限必要なサイズが表示されます。また、表領域がアップグレードに適切かどうかを示すメッセージが表示されます。

SQLスクリプトおよびユーティリティを使用して手動でアップグレードする場合は、現行のデータベース内の十分な空き領域のない表領域に領域を追加する必要があります。 この表領域の調整は、データベースをアップグレードする前に行う必要があります。 この作業は、Database Upgrade Assistantによって自動的に実行されます。

Update Parameters

このセクションには、データベースをアップグレードする前に調整する必要がある、現行のデータベースのパラメータ・ファイル内にある初期化パラメータのリストが表示されます。 パラメータ・ファイルの調整は、ファイルをOracle Database 11gリリース1(11.1)にコピーした後に行う必要があります。

参照:

Oracle Database 11gリリース1(11.1)で変更された初期化パラメータの詳細は、付録A「動作の変更点」を参照してください。 

Deprecated Parameters

このセクションには、現行のデータベースのパラメータ・ファイル内の初期化パラメータのうち、Oracle Database 11gリリース1(11.1)で非推奨になった初期化パラメータのリストが表示されます。

参照:

Oracle Database 11gリリース1(11.1)で非推奨になった初期化パラメータのリストは、付録A「動作の変更点」を参照してください。 

Obsolete Parameters

このセクションには、現行のデータベースのパラメータ・ファイル内の初期化パラメータのうち、Oracle Database 11gリリース1(11.1)で廃止された初期化パラメータのリストが表示されます。廃止された初期化パラメータは、データベースをアップグレードする前にパラメータ・ファイルから削除する必要があります。

参照:

Oracle Database 11gリリース1(11.1)で廃止された初期化パラメータのリストは、付録A「動作の変更点」を参照してください。 

Components

このセクションには、現行のデータベースをアップグレードするときに、アップグレードまたはインストールされるOracle Database 11gリリース1(11.1)のデータベース・コンポーネントのリストが表示されます。

Miscellaneous Warnings

このセクションには、アップグレード前またはアップグレード後に注意する必要がある特定の状況に関する警告が表示されます。

SYSAUX Tablespace

このセクションには、Oracle Database 11gリリース1(11.1)で最低限必要なSYSAUX表領域のサイズが表示されます。SYSAUX表領域は、新しいリリースを起動してからアップグレード・スクリプトを起動するまでの間に作成する必要があります。

データベースのアップグレードの準備

アップグレード前情報ツールによって、次のいずれかの問題に関する警告が表示された場合は、Oracle Database 11gリリース1(11.1)へのアップグレードを行う前に、さらにデータベースを分析します。

非推奨のCONNECTロール

Oracle9iリリース2(9.2)またはOracle Database 10gリリース1(10.1)からOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードすると、CONNECTロールに含まれる権限はCREATE SESSIONのみになります。旧リリースでCONNECTロールに付与されていた他の権限は、アップグレード時に取り消されます。データベース内でCONNECTロールを付与されているユーザーおよびロールを識別するには、次の問合せを使用します。

SELECT grantee FROM dba_role_privs
     WHERE granted_role = 'CONNECT' and
                     grantee NOT IN (
                                'SYS', 'OUTLN', 'SYSTEM', 'CTXSYS', 'DBSNMP', 
                                'LOGSTDBY_ADMINISTRATOR', 'ORDSYS',
                                'ORDPLUGINS',  'OEM_MONITOR', 'WKSYS', 'WKPROXY', 
                                'WK_TEST', 'WKUSER', 'MDSYS', 'LBACSYS', 'DMSYS',
                                'WMSYS', 'EXFSYS', 'SYSMAN', 'MDDATA',
                                 'SI_INFORMTN_SCHEMA', 'XDB', 'ODM');

ユーザーまたはロールにCREATE SESSION以外の権限が必要な場合は、アップグレード前に特定の必要な権限を付与します。アップグレード・スクリプトによって、Oracleで指定されたユーザーの権限が調整されます。

ネットワーク・ユーティリティ・パッケージへのアクセスの制御

Oracle Database 11gリリース(11.1)には、UTL_TCPUTL_SMTPUTL_MAILUTL_HTTPまたはUTL_INADDRパッケージに対するOracle XML DBを使用したファイングレイン・アクセス制御が含まれています。 これらのパッケージのいずれかを使用するアプリケーションがある場合は、Oracle XML DBがまだインストールされていなければインストールする必要があります。

依存性の評価および適切なアクセス制御リスト(ACL)の追加によるアクセスの提供を行うには、次の手順を実行します。

  1. 「アップグレード前情報ツールの実行」の説明に従って、アップグレード前情報ツールを実行します。

  2. アップグレード前情報ツールの出力(upgrade_info.log)で、次のようなメッセージがないかを確認します。

    WARNING: --> Database contains schemas with objects dependent on network packages.
    .... Refer to the 11g Upgrade Guide for instructions to configure Network ACLs.
    .... USER WKSYS has dependent objects.
    .... USER SYSMAN has dependent objects.
    .... USER FLOWS_010600 has dependent objects.
    .
    
  3. DBA_DEPENDENCIESビューを問い合せて、依存性の詳細を取得します。次に例を示します。

    SELECT * FROM DBA_DEPENDENCIES
    WHERE referenced_name IN ('UTL_TCP','UTL_SMTP','UTL_MAIL','UTL_HTTP','UTL_INADDR')
      AND owner NOT IN ('SYS','PUBLIC','ORDPLUGINS');
    
    
  4. テスト環境で使用できるようにアップグレード後のスクリプトを準備します。 これによって、新しいアクセス制御がアップグレード・テストの一部に含まれます。

    これらのパッケージが前のリリースと同様に動作するようにデータベースのネットワーク・アクセス制御リスト(ACL)を構成する場合は、「外部ネットワーク・サービスへのファイングレイン・アクセスの構成」に示されているスクリプトの例を参照してください。 このスクリプトには、DBMS_NETWORK_ACL_ADMINパッケージを使用してアクセス制御リストに対して権限の作成、割当ておよび追加を行う方法が示されています。

  5. アップグレードが完了した後、特定の必要な権限を付与する必要があります。 アクセス権は、元のデータベースでの使用方法に基づいて決定します。

パスワードが指定されたデータベース・リンク

Oracle9iリリース2(9.2)またはOracle Database 10gリリース1(10.1)からOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードするときに、データベース・リンクのすべてのパスワードが暗号化されます。元のリリースにダウングレードするには、ダウングレードする前に、暗号化されたパスワードが指定されたすべてのデータベース・リンクを削除する必要があります。したがって、ダウングレードしたデータベースにはデータベース・リンクは存在しません。元のリリースにダウングレードできるようにしておく必要があると予想される場合は、影響を受けるデータベース・リンクの情報をSYS.LINK$表から保存します。こうしておくと、ダウングレード後にデータベース・リンクを再作成できます。

TIMESTAMP WITH TIME ZONEデータ型

Oracle Database 11gリリース1(11.1)に付属のタイムゾーン・ファイルはバージョン2からバージョン4に更新され、一部のタイムゾーン地域の変換ルールに対して行われた変更が反映されています。これらの変更は、TIMESTAMP WITH TIME ZONEデータ型の既存のデータに影響する場合があります。 まだ、既存のデータベースをバージョン4のタイムゾーン・ファイル(パッチ5632264-TZ V4ファイル)に更新していない場合は、Oracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードする前に、このファイルを更新する必要があります。

既存のデータベースですでにバージョン4以上のタイムゾーン・ファイルを使用している場合は、Oracle Database 11gリリース1(11.1)をインストールした後で、アップグレードするデータベースで使用しているタイムゾーン・ファイルのバージョンに適合するパッチをORACLE_HOMEに適用する必要があります。

Oracle Database 11gリリース1(11.1)サーバーで使用するタイムゾーン・ファイルのバージョンが、アップグレードする既存のデータベースで使用していたタイムゾーン・ファイルのバージョンと異なる場合は、データベースをアップグレードせずにアップグレード・スクリプトが終了します。タイムゾーン・ファイルのバージョンが一致していない場合、データベースに格納されているTIMESTAMP WITH TIME ZONE型のデータは、アップグレード中に破損する可能性があります。

参照:

タイムゾーンのアップグレードの詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』および次のMetalink Noteを参照してください。

  • Note 359145.1「Impact of 2007 USA daylight saving changes on the Oracle database」

  • Note 414590.1「Time Zone IDs for 7 Time Zones Changed in Time Zone Files >=V3」

 

オプティマイザ統計

統計が存在しないディクショナリ表のオプティマイザ統計は、Oracle Database 11gリリース1(11.1)へのアップグレード時に収集されます。この統計収集は、多数のディクショナリ表が含まれているデータベースでは時間がかかる場合がありますが、統計が存在しないか、またはアップグレード時に大きく変更されるディクショナリ表に対してのみ行われます。

統計の収集時に発生する停止時間を短縮するために、データベースを実際にアップグレードする前に統計を収集できます。 Oracle Database 10gリリース1(10.1)の場合は、DBMS_STATS.GATHER_DICTIONARY_STATSプロシージャを使用して統計を収集することをお薦めします。たとえば、次のように入力できます。

EXEC DBMS_STATS.GATHER_DICTIONARY_STATS;

Oracle9iリリース2(9.2)を使用している場合は、DBMS_STATS.GATHER_SCHEMA_STATSプロシージャを使用して統計を収集する必要があります。これは、付録Bに示すスクリプトを実行して行うことができます。

表3-1に、アップグレード時に統計収集で確認されるシステム・コンポーネントおよびスキーマを示します。

表3-1    システム・コンポーネントおよびスキーマに対する統計収集 
コンポーネント名  スキーマ 

Oracle JVM 

SYS 

OLAP Analytic Workspace 

SYS 

Oracle Database Catalog Views 

SYS 

Oracle Database JAVA Packages 

SYS 

Oracle Database Packages and Types 

SYSDBSNMPOUTLNSYSTEMDIP 

Oracle Database Vault 

DVSYS 

Oracle Enterprise Manager 

SYSMAN 

Oracle Expression Filter 

EXFSYS 

Oracle Multimedia 

ORDSYS、ORDPLUGINS、SI_INFORMTN_SCHEMA 

Oracle Label Security 

LBACSYS 

Oracle OLAP API 

SYS 

Oracle Spatial 

MDSYS、MDDATA 

Oracle Text 

CTXSYS 

Oracle Ultra Search 

WKSYS、WKPROXY、WK_TEST 

Oracle Workspace Manager 

WMSYS 

Oracle XDK 

SYS 

Oracle XML Database 

XDB 

Oracle Database Vaultの無効化

Oracle Database Vaultを有効にしている場合は、データベースをアップグレードする前に無効にし、アップグレードが終了してから再度、有効にする必要があります。

参照:

Oracle Database Vaultを無効および有効にする手順は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。 

Oracle Enterprise Manager Database Controlデータの保存

Oracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードした後でOracle Enterprise Manager Database Controlをダウングレードするには、データベースをアップグレードする前にDatabase Controlファイルおよびデータを保存する必要があります。この項では、データベースをアップグレードする前にemdwgrdユーティリティを使用して、Database Controlファイルとデータのコピーを保存する方法を説明します。

emdwgrdユーティリティは、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のホームのORACLE_HOME/binディレクトリにあります。 emdwgrdユーティリティは、LinuxとUNIX用のemdwgrdemdwgrd.plおよびWindows用のemdwgrd.batemdwgrd.plで構成されています。 ユーティリティを実行する前に、Oracle Database 11gリリース1(11.1)をインストールして、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のホームからスクリプトを起動する必要があります。ただし、emdwgrdユーティリティでは、ORACLE_HOMEを古いOracleホームに設定する必要があります。

リリース11.1.0.6からのインプレース・パッチ・セット・アップグレードの実行時に、Oracle Enterprise Manager Database Controlのファイルおよびデータを保存してからリリース11.1.0.6のホームにパッチ・セットを適用する場合は、emdwgrdユーティリティにOracle Bug#7198496の個別パッチを適用する必要があります。このインプレース・パッチ・セット・アップグレードを行う場合、emdwgrdユーティリティでは、ORACLE_HOMEを現行のOracleホームに設定する必要があります。

次の手順は、LinuxおよびUNIX用です。この手順をWindowsで実行する場合は、emdwgrdemdwgrd.batに置き換えてください。

次の手順に従って、Database Controlファイルとデータを保存します。

  1. Oracle Database 11gリリース1(11.1)をインストールします。

    インプレース・パッチ・セット・アップグレードでは、この手順は必要ありません。

  2. ORACLE_HOMEを古いOracleホームに設定します。

    インプレース・パッチ・セット・アップグレードでは、この手順は必要ありません。

  3. ORACLE_SIDを、アップグレードするデータベースのSIDに設定します。

  4. PATHLD_LIBRARY_PATHおよびSHLIB_PATHが、アップグレードするデータベースのOracleホームを指すように設定します。

  5. Oracle Database 11gリリース1(11.1)のホームに移動します。

  6. 次のいずれかを実行します。

    • 単一インスタンスのデータベースの場合は、次のコマンドを実行します。このとき、old_SIDはアップグレードするデータベースのSIDで、save_directoryはDatabase Controlファイルとデータの格納場所として選択した場所へのパスです。

      emdwgrd -save -sid old_SID -path save_directory
      
      
    • データベースがOracle RACデータベースの場合は、クラスタ・ノード間のリモート・コピーが必要です。構成済のリモート・コピーを示す環境変数を定義します。次に例を示します。

      setenv EM_REMCP /usr/bin/scp
      
      

      続いて、次のsaveコマンドを実行します。

      emdwgrd -save -cluster -sid old_SID -path save_directory
      
      

      リリース10gのOracleホームが共有デバイス上にある場合は、前述のコマンドラインに-sharedを追加します。

  7. アップグレードするデータベースのSYSパスワードを入力します。

    単一インスタンスのデータベースの場合は、emdwgrdユーティリティによって次のような内容が出力されます。

    Sat Apr 28 08:49:45 2007 - Verify EM DB Control files ... pass
    Sat Apr 28 08:49:45 2007 - Validating DB Connection to DB102 ... pass
    Sat Apr 28 08:49:51 2007 - creating directory ... created
    Sat Apr 28 08:49:51 2007 - Stopping DB Control ... stopped
    Sat Apr 28 08:50:01 2007 - Saving DB Control files ... saved
    Sat Apr 28 08:50:14 2007 - recompiling invalid objects ... recompiled
    Sat Apr 28 08:50:18 2007 - Exporting sysman schema for DB102 ... exported
    Sat Apr 28 08:51:36 2007 - Starting DB Control ... started
    Sat Apr 28 08:53:21 2007 - DB Control was saved successfully.
    
    

    Oracle RACデータベースの場合は、emdwgrdユーティリティによって次のような内容が出力されます。

    $ /scratch/oracle/product/11.1.0/db_1/bin/emdwgrd -srcOracleHome $ORACLE_HOME -sid 
    DB102 -path /scratch/rpattabh/ravi/tmp/dbcdir5 穆ave  -cluster
     
    Enter sys password for database DB102?
    *****
     
    Database Unique Name : DB102
    Sat Apr 28 08:49:45 2007 - Verify EM DB Control files ... pass
    Sat Apr 28 08:49:45 2007 - Validating DB Connection to DB102 ... pass
    Sat Apr 28 08:49:51 2007 - creating directory ... created
    Sat Apr 28 08:49:51 2007 - Stopping DB Control on all Nodes
     
    Please Execute '/tmp/racdwgrd_dbctl.sh' on Node1, Node2. 
     
    Press yes to continue when the operations are successful. 
    Continue (yes/no) ?
    y 
     
    ... stopped
    Sat Apr 28 08:50:01 2007 - Saving DB Control files 
    Executing save directories from node Node1
    Executing save directories from node Node2
     
    ... saved
    Sat Apr 28 08:50:14 2007 - Recompiling invalid objects ... recompiled
    Sat Apr 28 08:50:18 2007 - Exporting sysman schema for DB102 ... exported
    Sat Apr 28 08:53:21 2007 - DB Control was saved successfully.
    Sat Apr 28 08:51:36 2007 - Starting DB Control on all nodes
     
    Please Execute '/tmp/racdwgrd_dbctl.sh' on Node1, Node2. 
     
    Press yes to continue when the operations are successful. 
    Continue (yes/no) ?
    y
     
    ... started
    Sat Apr 28 08:57:26 2007 - Dump directory was dropped successfully.
    


    注意:

    データベースをアップグレードした後に、DBUAバックアップおよびリストアを使用して以前のOracle Enterprise Manager Database Control環境に戻すことも可能です。ただし、アップグレードしてからリストアするまでに蓄積されたユーザー・データは、すべて失われます。Database Controlファイルおよびデータを保存しておくことで、データベースとDatabase Controlの両方をダウングレードできるようになります。アップグレードしてからダウングレードするまでに蓄積されたDatabase Controlデータはすべて失われますが、すべてのユーザー・データが保持されます。 


マテリアライズド・ビューのリフレッシュの完了

完了する必要があるマテリアライズド・ビューのリフレッシュのリストを取得するには、次の文を発行します。

SELECT DISTINCT(TRUNC(last_refresh))
FROM dba_snapshot_refresh_times;

メディア・リカバリを必要とするファイルがないことの確認

メディア・リカバリを必要とするファイルのリストを取得するには、次の文を発行します。

SELECT * FROM v$recover_file;

バックアップ・モードのファイルがないことの確認

バックアップ・モードのファイルのリストを取得するには、次の文を発行します。

SELECT * FROM v$backup WHERE status != 'NOT ACTIVE';

未処理の分散トランザクションの解決

アップグレードの前に、未処理の分散トランザクションを解決します。

SELECT * FROM dba_2pc_pending;

この問合せによって行が戻された場合は、次の文を発行します。

SQL> SELECT local_tran_id FROM dba_2pc_pending;
SQL> EXECUTE dbms_transaction.purge_lost_db_entry('');
SQL> COMMIT;

スタンバイ・データベースとプライマリ・データベースの同期化

スタンバイ・データベースが存在するかどうか確認するには、次の問合せを発行します。

SELECT SUBSTR(value,INSTR(value,'=',INSTR(UPPER(value),'SERVICE'))+1)
FROM v$parameter
WHERE name LIKE 'log_archive_dest%' AND UPPER(value) LIKE 'SERVICE%';

この問合せによって行が戻された場合は、スタンバイ・データベースとプライマリ・データベースを同期化します。

  1. プライマリ・データベースでの最後のログ・スイッチの後のすべてのログがスタンバイ・サーバーに転送されていることを確認します。

  2. NODELAYオプションを使用して、スタンバイ・データベースのリカバリを開始します。

Oracle Net Configuration Assistantの実行

Oracle9iからのアップグレードで、Oracle9iリポジトリにリスナーが設定されていない場合は、DBUAを実行する前にOracle Net Configuration Assistantを実行し、listener.oraファイルを含むOracle Database 11gリリース1(11.1)データベースのリスニング・プロトコルのアドレスおよびサービス情報を構成します。 Oracle Database 11gリリース1(11.1)データベースには、新しいバージョンのリスナーが必要です。 以前のバージョンのリスナーは、Oracle Database 11gリリース1(11.1)データベースでは使用できません。 ただし、新しいバージョンのリスナーを以前のバージョンのOracle Databaseで使用することは可能です。

Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベースをアップグレードする場合は、次の2つのアップグレード方法があります。

Database Upgrade Assistantを使用したデータベースのアップグレード

次の項では、Database Upgrade Assistant(DBUA)を使用してデータベースをアップグレードする手順について説明します。次の各項目に注意してください。

DBUAでは、Graphical User Interface(GUI)による指示に従ってデータベースをアップグレードできます。DBUAは、ユーザー・インタフェースを表示しないサイレント・モードでも起動できます。

DBUAのGraphical User Interfaceの使用

Oracle Database 11gリリース1(11.1)のインストールで既存のデータベースのアップグレードを指定した場合は、自動的にDBUAが起動されます。ただし、既存のデータベースをアップグレードするように指定しなかった場合は、インストール完了後、DBUAを単独で起動できます。

DBUAでは、アップグレードの前に次の確認が行われます。

DBUAは、アップグレード前のこれらのすべての手順が完了するまで、アップグレードを開始しません。

アップグレード時、DBUAは、新しく必要な表領域を自動的に変更または作成し、適切なアップグレード・スクリプトを起動します。オプションで、DBUAは必要なすべてのファイルをバックアップします。

アップグレードの実行中、DBUAによって、各コンポーネントのアップグレード処理の進行状況が表示されます。DBUAは、詳細なトレース・ログおよびログ・ファイルを書き込み、後で参照するための完全なHTMLレポートを作成します。セキュリティを強化するために、DBUAは、アップグレード後のデータベースで、新しいユーザー・アカウントを自動的にロックします。その後、DBUAは、新しいOracleホームへの新しい構成ファイル(パラメータ・ファイルおよびリスナー・ファイル)の作成へと進みます。

DBUAのGraphical User Interfaceを使用してデータベースをアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. 次のいずれかの方法でDBUAを起動します。

    DBUAの「ようこそ」画面が表示されます。


    画像の説明

  2. ヘルプが必要な場合、またはDBUAの詳細を参照する場合は、「ヘルプ」ボタンをクリックしてオンライン・ヘルプを開きます。

    「次へ」をクリックします。

    データベースのアップグレードまたはASMインスタンスのアップグレードを選択するための「アップグレード操作」ページが表示されます。


    画像の説明

  3. 「アップグレード操作」ページで、「データベースをアップグレード」を選択します。 この操作によって、データベースがOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードされます。

    もう1つのオプション(「自動ストレージ管理インスタンスのアップグレード」)については、「DBUAを使用したASMインスタンスのアップグレード」で説明します。

    データベースとASMインスタンスは、別々のDBUAセッションで別々のOracleホームにアップグレードすることをお薦めします。

    「次へ」をクリックします。

    DBUAの「データベース」画面が表示されます。


    画像の説明

  4. アップグレードするデータベースを、「使用可能なデータベース」表から選択します。

    一度に1つのデータベースのみを選択できます。アップグレードするデータベースが表示されない場合は、etcディレクトリにあるoratabファイルにそのデータベース名のエントリが存在することを確認してください。

    SYSDBA権限を所有していないユーザー・アカウントからDBUAを実行している場合は、選択したデータベースに対するSYSDBA権限を有効にするユーザー名およびパスワードの接続情報を入力する必要があります。

    「次へ」をクリックします。

    DBUAによって、データベースの分析およびアップグレード前のチェックが実行され、必要に応じて警告が表示されます。 次に、DBUAによるデータベースのチェックの例を示します。

    • REDOログ・ファイルのサイズが4MB未満である。4MB未満のREDOログ・ファイルが検出された場合、DBUAでは、削除して新しいREDOログ・ファイルを作成するオプションが選択できます。

    • 廃止されたか非推奨の初期化パラメータ。

    DBUAでのチェックが終了すると、「診断先」画面が表示されます。


    画像の説明

  5. 次のいずれかを実行します。

    • 診断先のデフォルトの場所を受け入れる。

    • 「診断先」フィールドに、別の診断先への完全なパスを入力する。

    • 「参照」をクリックして、診断先を選択する。

    診断先は、Oracleのトレース・ファイルおよび診断ファイルの格納に使用されるデフォルトの場所です。これにより、バックグラウンド・ダンプ保存先、ユーザー・ダンプ保存先およびコア・ダンプ保存先の初期化パラメータ設定が、前のリリースの設定から置き換わります。

    「次へ」をクリックします。

    単一インスタンスのデータベースまたはOracle Express Edition(XE)をアップグレードする場合は、「データベース・ファイルの移動」画面が表示されます。Oracle Real Application Clustersのデータベースをアップグレードする場合は、「データベース・ファイルの移動」画面は表示されません。


    画像の説明

  6. 次のいずれかのオプションを選択します。

    • 「アップグレードの一部としてデータベース・ファイルを移動しない」

    • 「アップグレード中にデータベース・ファイルを移動」

    データベース・ファイルの移動を選択した場合は、次のうちのいずれかを選択することも必要です。

  7. 次のいずれかのオプションを選択します。

    • 「すべてのデータベース・ファイルに対して共通の位置を使用」

      すべてのデータベース・ファイルを1箇所に保持することを選択した場合は、次のいずれかを実行することも必要です。

      • データベース・ファイルのデフォルトの位置を受け入れる。

      • 「データベース・ファイルの位置」フィールドに、別の位置への完全なパスを入力する。

      • 「参照」をクリックして、別のデータベース・ファイルの位置を選択する。

    • 「Oracle Managed Filesの使用」

      データベース・ファイルにOracle Managed Filesを使用することを選択した場合は、次のうちいずれかを実行することも必要です。

      • デフォルトのデータベース領域を受け入れる。

      • 「データベース領域」フィールドに、別のデータベース領域への完全なパスを入力する。

      • 「参照」をクリックして、別のデータベース領域を選択する。

    • 「マッピング・ファイルを使用してデータベース・ファイルの位置を指定」

      このオプションを選択した場合は、異なるデータベース・ファイルの位置を指定できます。サンプルのマッピング・ファイルは、ログの位置にあります。マッピング・ファイルのプロパティ値を編集し、各データベース・ファイルに異なる位置を指定できます。

    「次へ」をクリックします。

    「リカバリ構成」画面が表示されます。この画面では、データベースのフラッシュ・リカバリ領域の指定ができます。


    画像の説明

    フラッシュ・リカバリ領域は、バックアップおよびリカバリに関連するファイルを格納するためのディスクの場所で、Oracleによって管理されます。フラッシュ・リカバリ領域を使用すると、データベース・リカバリ・プロセスのスピード、信頼性および管理性が大幅に向上するため、フラッシュ・リカバリ領域を構成することを強くお薦めします。「管理オプション」画面でローカル管理および日次バックアップを有効にした場合、この場所はEnterprise Managerでも使用されます。

    手順6「アップグレード中にデータベース・ファイルを移動」を選択した場合、またはOracle Express EditionデータベースをOracle Enterprise Editionにアップグレードしている場合は、フラッシュ・リカバリ領域を構成する必要があります。フラッシュ・リカバリ領域がすでに構成されている場合は現在の設定が保持されますが、値の上書きができる画面が表示されます。

  8. 次のいずれかを実行します。

    • デフォルトのフラッシュ・リカバリ領域の位置を受け入れる。

    • 「フラッシュ・リカバリ領域」フィールドに、別の位置への完全なパスを入力する。

    • 「参照」をクリックして、別のフラッシュ・リカバリ領域の位置を選択する。

    次のいずれかを実行します。

    「次へ」をクリックします。

    Enterprise Managerで監視中のデータベースが他にない場合は、「管理オプション」画面が表示されます。


    画像の説明

    「管理オプション」画面には、データベースをEnterprise Managerで管理できるように設定するオプションがあります。Enterprise Managerには、Oracle環境全体を管理するための集中管理ツールのみでなく、個々のデータベース・インスタンス(複数のデータベース、ホスト、アプリケーション・サーバー、その他のネットワーク・コンポーネントなど)を管理するためのWebベースの管理ツールが用意されています。

    Oracle Enterprise Manager Grid Controlでデータベースを登録できるようにするには、ホスト・コンピュータ上で事前にOracle Enterprise Manager Agentを構成する必要があります。

  9. Enterprise Managerを使用してデータベースを管理するように設定するには、「Enterprise Managerによるデータベースの構成」を選択してから次のいずれかのオプションを選択します。

    • 「データベース管理にGrid Controlを使用」

      このオプションを選択した場合は、「管理サービス」ドロップダウン・リストからOracle Management Serviceを選択することも必要です。DBUAを実行すると、ホスト・コンピュータにOracle Management Agentがインストールされているかどうかがチェックされます。Oracle Management Agentが見つからなかった場合、Grid Controlオプションは選択できません。

      Oracle Databaseソフトウェアのインストールを終了すると、データベースは自動的にOracle Enterprise Manager Grid Control内の管理ターゲットとして使用可能になります。

    • 「データベース管理にDatabase Controlを使用」

      Oracle環境を集中管理していない場合も、Enterprise Managerを使用してデータベースを管理できます。 Oracle Databaseをインストールすると、Oracle Enterprise Manager Database Controlが自動的にインストールされ、インストール中の単一インスタンスまたはクラスタ・データベースを監視および管理するWebベース機能が提供されます。

      指定した条件のメトリックがクリティカルしきい値または警告しきい値に達したときに、SYSMANユーザー(デフォルトのスーパー管理者およびManagement Repositoryのスキーマの所有者)で電子メール通知を受信するように設定する場合は、次の手順を実行します。

      • 「電子メール通知有効化」を選択します。

      • 通知に使用する電子メール・サーバーの名前を「送信メール(SMTP)サーバー」フィールドに入力します。

      • SYSMANユーザーの電子メール・アドレスを「電子メール・アドレス」フィールドに入力します。

      たとえば、Enterprise Managerは、ターゲットが停止した場合またはデータベースで領域使用率の問題が発生した場合に電子メールを送信できます。電子メール通知は、インストールするとすぐに有効になります。

      最小の構成でデータベース全体をバックアップするためにOracle推奨のバックアップ計画を使用するには、次の手順を実行します。

      • 「日次バックアップ有効化」を選択します。

      • 「バックアップ開始時間」フィールドに、開始時間を入力します。

      • 「OSユーザー名」フィールドおよび「パスワード」フィールドに、ホスト資格証明を入力します。

      このオプションを選択した場合は、Oracle Databaseのアップグレードが終了した直後にデータベースがバックアップされるように、Enterprise Managerが構成されます。Enterprise Managerでは、フラッシュ・リカバリ領域にデータベースがバックアップされます。後で、Enterprise Managerを使用してバックアップ計画をカスタマイズできます。

      Windowsでは、バックアップ用に資格証明を入力する対象となるユーザーは、Windowsのローカル・セキュリティ・ポリシーでバッチ ジョブとしてログオン権限を付与されている必要があります。 選択したユーザーがこの権限を持っていない場合、バックアップ・ジョブは失敗します。

    「次へ」をクリックします。

    「データベース資格証明」画面が表示されます。


    画像の説明

  10. 次のいずれかのオプションを選択します。

    「次へ」をクリックします。

    複数のリスナーがOracle Database 11gリリース1(11.1)ホームに構成されていることがDBUAによって検出された場合は、「データベースのネットワーク構成」画面が表示されます。


    画像の説明

  11. 「ネットワーク構成」画面には、2つのタブがあります。 Oracle Database 11gリリース1(11.1)のOracleホームに複数のリスナーが存在する場合は、「リスナー」タブが表示されます。 Oracle Database 11gリリース1(11.1)のOracleホームにディレクトリ・サービスが構成されている場合は、「ディレクトリ・サービス」タブが表示されます。

    「リスナー」タブで、次のいずれかのオプションを選択します。

    • 「すべてのリスナーに、このデータベースを登録」

    • 「選択されたリスナーのみに、このデータベースを登録」

    選択したリスナーのみに登録することを選択した場合は、「使用可能リスナー」リストからリスナーを選択し、矢印ボタンを使用して、選択したリスナーを「選択済リスナー」リストに移動する必要があります。

    ディレクトリ・サービスを使用してデータベースを登録する場合は、「ディレクトリ・サービス」タブをクリックします。


    画像の説明

    「ディレクトリ・サービス」タブで、次のいずれかのオプションを選択します。

    • 「データベースを登録する」

      このオプションを選択すると、ローカル・ネーミング・ファイル(tnsnames.ora)を使用せずにクライアント・コンピュータからこのデータベースに接続できるようになります。また、クライアント・コンピュータでOracle Enterprise User Security 機能を使用することもできるようになります。

      参照:

      『Oracle Database Enterpriseユーザー・セキュリティ管理者ガイド』 

    • 「データベースを登録しない」

    データベースを登録することを選択した場合は、「ユーザーDN」フィールドにユーザー識別名(DN)を入力し、「パスワード」フィールドにそのユーザーのパスワードを入力することも必要です。


    注意:

    Oracle Database 11gリリース1(11.1)のデフォルトのセキュリティ設定が適用されている場合、パスワードは8文字以上にする必要があります。また、welcomeoracleなどのパスワードは使用できません。 詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。 


    データベース登録の一部として、Oracle Walletが作成されます。Oracle Walletには、このデータベースとディレクトリ・サービス間のパスワード認証に適した資格証明が含まれます。「ウォレット・パスワード」フィールドおよび「パスワードの確認」フィールドに、パスワードを入力します。

    「次へ」をクリックします。

    「無効なオブジェクトの再コンパイル」画面が表示されます。


    画像の説明

  12. アップグレード完了後に、すべての無効なPL/SQLモジュールをDBUAで再コンパイルする場合は、「アップグレード終了時に無効なオブジェクトを再コンパイル」を選択します。

    データベースをOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードすると、データベースの多くのPL/SQLモジュールが無効になります。その結果、INVALID状態のすべての既存のPL/SQLモジュール(パッケージ、プロシージャ、タイプなど)を再コンパイルする必要があります。

    デフォルトでは、無効なPL/SQLモジュールは、使用時にOracle Databaseによって再コンパイルされます。モジュールの再コンパイルに時間がかかるため、新しくアップグレードしたデータベースを使用し始めたときに、パフォーマンスが低下する場合があります。

    これらのパフォーマンスの問題を解決するには、アップグレードの終了時に「無効なオブジェクトの再コンパイル」を選択します。このオプションを選択すると、すべての無効なPL/SQLモジュールは、アップグレードの実行直後にDBUAによって再コンパイルされます。こうすることにより、新しくアップグレードしたデータベースを使用し始めたときにパフォーマンスの問題が発生することはなくなります。


    注意:

    アップグレードの終了時に「無効なオブジェクトの再コンパイル」を選択すると、ORACLE_HOME/rdbms/admin/ディレクトリにあるutlrp.sqlスクリプトを実行した場合と同じ操作を行ったことになります。このスクリプトは、ストアドPL/SQLおよびJavaコードの再コンパイルに使用するスクリプトです。 


    データベースのすべての無効なPL/SQLモジュールを再コンパイルするタスクは非常に時間がかかり、データベースのアップグレードを完了する時間が長くなる場合があります。複数のCPUがある場合は、使用可能なCPUでパラレル処理を実行してこのタスクを行う時間を短縮できます。複数のCPUが使用可能な場合は、DBUAによって「無効なオブジェクトの再コンパイル」画面にセクションが自動的に追加され、使用可能なCPUの数が自動的に算出されます。

    また、推奨の並列度も表示されます。並列度は、無効なPL/SQLモジュールの再コンパイルに、いくつのプロセスを並列して実行するかを指定するものです。具体的には、使用可能なCPUの数より1つ小さい数値が、DBUAによって並列度に設定されます。たとえば、処理のために使用可能なCPUが3つある場合、DBUAでは「並列度」メニューから2が選択されます。このデフォルトの値は、「並列度」メニューから新しい値を選択して調整できます。

    アップグレードの完了に要する時間を短縮するには、「アップグレード中はアーカイブおよびフラッシュバック・ロギングを無効にしてください。」を選択します。

    データベースがARCHIVELOGモードまたはフラッシュバック・ロギング・モードの場合、DBUAでは、アップグレード実行中はこれらを無効にするオプションが用意されています。このオプションを選択した場合は、アップグレードの直後にオフライン・バックアップを実行することをお薦めします。

    「次へ」をクリックします。

    「バックアップ」画面が表示されます。


    画像の説明

  13. DBUAでデータベースをバックアップする場合は、「データベースのバックアップ」を選択します。

    アップグレードを開始する前に、ご使用のデータベースをバックアップしてください。アップグレード中にエラーが発生した場合は、そのバックアップからデータベースをリストアすることが必要になる可能性があります。

    DBUAを使用してデータベースをバックアップする場合は、すべてのデータベース・ファイルのコピーが、「バックアップ・ディレクトリ」フィールドに指定したディレクトリに作成されます。DBUAでは、データベースを停止してからアップグレード・プロシージャを実行するまでの間に、このコールド・バックアップが自動的に実行されます。コールド・バックアップでは、データベース・ファイルは圧縮されません。バックアップ・ディレクトリは有効なファイル・システム・パスであることが必要です。コールド・バックアップ・ファイルにはRAWデバイスは指定できません。

    また、DBUAでは、指定したディレクトリにバッチ・ファイルが作成されます。このバッチ・ファイルは、データベース・ファイルのリストアに使用でき、名前は次のとおりです。

    • Windowsオペレーティング・システムではdb_name_restore.bat

    • LinuxまたはUNIXプラットフォームでは、db_name_restore.sh

    DBUAをバックアップに使用しないことを選択した場合、Oracleでは、データベースは独自のバックアップ手順を使用してすでにバックアップされていると想定されます。


    注意:

    DBUAではASMデータベースはバックアップされません。ユーザーが手動でバックアップする必要があります。 


    「次へ」をクリックします。

    「サマリー」画面が表示されます。


    画像の説明

  14. アップグレードを開始する前に、アップグレードに関する次の情報が「サマリー」画面に表示されます。

    すべての指定内容を確認し、次のいずれかを実行します。

    • 設定内容が間違っている場合は、その設定を修正できる画面が表示されるまで「戻る」をクリックします。

    • すべて正しい場合は、「終了」をクリックします。

    「進行」画面が表示され、DBUAでアップグレードが開始されます。


    画像の説明

  15. 「無視」および「中止」を選択できるエラー・メッセージが表示される場合があります。その他のエラー・メッセージが表示された場合、それに応じて問題を解決する必要があります。エラーが重大で、アップグレード中に処理できない場合、次のいずれかを選択します。

    • 「無視」をクリックしてエラーを無視し、アップグレードを続行する。

      こうすると、この手順は「スキップ」とDBUAに表示され、この手順および関連するすべての手順が無視されて、アップグレードの次の手順に進みます。無視されたエラーは記録され、後でサマリーに表示されます。アップグレードが完了した後、問題を修正してからDBUAを再起動し、スキップされた手順を完了できます。

    • 「中止」をクリックして、アップグレード処理を終了する。

      「無視」が表示されない場合、選択できるのはこのオプションのみです。

      DBUAでデータベースのバックアップを取得した場合は、データベースをリストアするか、DBUAから尋ねられます。データベースがリストアされた後、エラーの原因を修正してからDBUAを再起動し、アップグレードを再実行する必要があります。

      データベースをリストアしない場合は、手動アップグレードを続行できるように、データベースの現在の状態が保持されます。

  16. アップグレードが完了した後、「進行」画面に次のメッセージが表示されます。

    Upgrade is complete. Click "OK" to see the results of the upgrade.
    
    

    「OK」をクリックします。

    「アップグレード結果」画面が表示されます。


    画像の説明

  17. 「アップグレード結果」画面には、元のデータベースおよびアップグレードしたデータベースについての説明と、初期化パラメータに対して行われた変更が表示されます。この画面には、アップグレード後に様々なログ・ファイルが格納されるディレクトリも表示されます。これらのログ・ファイルを調べて、アップグレード処理の詳細を確認できます。


    注意:

    HTML版のアップグレード結果も、ログ・ファイル・ディレクトリに保存されます。 


    1. 「データベース・パスワードの構成」をクリックして、「パスワード管理」ダイアログ・ボックスを表示します。

      「パスワード管理」ダイアログ・ボックスを使用して、データベースをアップグレードした後のユーザーのデフォルトのパスワードを変更できます。セキュリティ上の理由から、次のユーザーを除くすべてのユーザーがロックされます。

      • SYS

      • SYSTEM

      Enterprise Managerで「ローカル管理」を有効にしている場合は、SYSMANおよびDBSNMPアカウントもロック解除されます。これらのアカウントによって、Enterprise Managerにデータベースへのアクセスが提供され、Enterprise Managerを使用して監視データを収集し、管理タスクを実行できるようになります。

      Enterprise Managerで「集中管理」を有効にしている場合は、SYSおよびSYSTEMユーザー・アカウントに加えて、DBSNMPアカウントもロック解除されます。


      注意:

      データベースの不正な使用を防止するために、データベースをアップグレードした直後にすべてのユーザー・パスワードを変更することをお薦めします。

      Oracle Database 11gリリース1(11.1)のデフォルトのセキュリティ設定が適用されている場合、パスワードは8文字以上にする必要があります。また、welcomeoracleなどのパスワードは使用できません。 詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。 


    2. アップグレード結果に問題がある場合は、「データベースのリストア」をクリックします。

      データベースのバックアップに使用した方法によって、「リストア」オプションでは、次のいずれかのタスクが実行されます。

      • DBUAを使用してデータベースをバックアップした場合は、「リストア」をクリックすると、元のデータベースおよび元のデータベースの設定がバックアップからリストアされます。

      • 独自のバックアップ・プロシージャを使用してデータベースをバックアップした場合は、元のデータベースの設定のみがリストアされます。データベース自体をリストアするには、独自のバックアップ・ユーティリティを使用して作成したバックアップをリストアする必要があります。

    アップグレード結果に問題がない場合は、「終了」をクリックしてDBUAを終了し、新しくアップグレードしたデータベースを使用します。アップグレードされたデータベースのエントリはDBUAによって古いlistener.oraファイルから削除され、古いデータベースのリスナーがリロードされます。

サイレント・モードでのDBUAの使用

-silentコマンドライン・オプションを使用してDBUAを起動すると、DBUAはサイレント・モードで動作します。サイレント・モードでは、DBUAのユーザー・インタフェースは表示されません。また、情報、エラー、警告を含むすべてのメッセージは、ORACLE_HOME/cfgtoollogs/dbua/SID/upgradenにあるログ・ファイルに書き込まれます。nは、DBUAで実行したアップグレードの現時点での回数です。

たとえば、次のコマンドを実行すると、ORCLという名前のデータベースがサイレント・モードでアップグレードされます。

dbua -silent -sid ORCL &
DBUAのコマンドライン・オプション

DBUAでは、複数のコマンドライン・オプションがサポートされています。次の構文を使用して、すべての有効なオプションをコマンドラインから指定できます。

dbua [ -silent ] [ -sid SID ] [-oracleHome home_name] [-oracleBase base_name]
[-diagnosticDest diagnostic_destination]
[-sysDBAUserName SYSDBA_user] [-sysDBAPassword SYSDBA_pwd]
[-upgradeASM] [-autoextendFiles] [-newGlobalDbName db_name] [-newSid new_SID]
[-generateMapFile] [-useASM] [-commonFileLocation common_files]
[-omfLocation omf_area] [-databaseMapFile map_file_name]
[-newRecoveryArea recover_area] [-newRecoveryAreaSize recover_size]
[-apexAdminPassword apex_pwd] [-disableUpgradeScriptLogging ] 
[-backupLocation directory]
[-sysauxTablespace -datafileName name -datafileSize size 
  -datafileSizeNext size -datafileSizeMax size]
[-postUpgradeScripts script [, script ] ... ]
[-initParam parameter=value [, parameter=value ] ... ]
[-disableArchiveLogMode] [-recompile_invalid_objects true | false]
[-degree_of_parallelism cpu_number]
[-emConfiguration {CENTRAL|LOCAL|ALL|NOBACKUP|NOEMAIL|NONE}
  -dbsnmpPassword password -sysmanPassword password -asmPassword password 
  -hostUserName hostname -hostUserPassword password -backupSchedule hh:mm
  [-smtpServer server_name -emailAddress address]
  [-centralAgent location] [-localRacSid SID]]
[-recoveryAreaDestination directory] [-h|-help]

表3-2に、DBUAでサポートされている様々なオプションとそれらのパラメータを示します。

表3-2    DBUAのコマンドライン・オプション 
オプション  説明 

-silent 

DBUAがサイレント・モードで動作するように指定します。 

-sid SID 

アップグレードするデータベースのシステム識別子(SID)を指定します。 

-oracleHome home_name 

アップグレードするデータベースのOracle Databaseホーム・ディレクトリを指定します。 

-oracleBase base_name 

アップグレードするデータベースのOracle Databaseベース・ディレクトリを指定します。 

-diagnosticDest diagnostic_destination 

Oracleのトレース・ファイルおよび診断ファイルを保存するデフォルトの場所を指定します。これにより、バックグラウンド・ダンプ保存先、ユーザー・ダンプ保存先およびコア・ダンプ保存先の初期化パラメータ設定が、前のリリースの設定から置き換わります。 

-sysDBAUserName SYSDBA_user 

SYSDBA権限を持つユーザーを指定します。 

-sysDBAPassword SYSDBA_pwd 

SYSDBA_userのパスワードを指定します。 

-upgradeASM 

このオプションを指定すると、自動ストレージ管理(ASM)インスタンスのアップグレードが有効になります。 

-autoextendFiles 

このオプションを指定すると、アップグレード中にデータベース・ファイルの自動拡張が行われます。データ・ファイルはアップグレードの後で元の自動拡張設定に戻ります。 

-newGlobalDbName db_name 

新しいグローバル・データベース名を指定します。このオプションは、データ・ファイルを移動する場合、またはOracle XEデータベースをアップグレードする場合にのみ適用されます。 

-newSid new_SID 

アップグレードするデータベースの新しいシステム識別子(SID)を指定します。このオプションは、データ・ファイルを移動する場合、またはOracle XEデータベースをアップグレードする場合にのみ適用されます。 

-generateMapFile 

このオプションを指定した場合、DBUAではログの場所にデータベース・マップ・ファイルのみが生成されて、終了します。このオプションは、データ・ファイルを移動する場合、またはOracle XEデータベースをアップグレードする場合にのみ適用されます。 

-useASM 

アップグレードするデータベースにASMインスタンスがある場合、そのインスタンスを使用してアップグレードを実行するように、このオプションでDBUAに指定します。このオプションは、データ・ファイルを移動する場合、またはOracle XEデータベースをアップグレードする場合にのみ適用されます。 

-commonFileLocation common_files 

データベース・ファイルを格納するための共通の位置を指定します。このオプションは、データ・ファイルを移動する場合、またはOracle XEデータベースをアップグレードする場合にのみ適用されます。 

-omfLocation omf_area 

Oracle Managed Files用のデータベース領域を指定します。このオプションは、データ・ファイルを移動する場合、またはOracle XEデータベースをアップグレードする場合にのみ適用されます。 

-databaseMapFile map_file_name 

データベース・ファイルをマップするためのマップ・ファイルの完全名を指定します。このオプションは、データ・ファイルを移動する場合、またはOracle XEデータベースをアップグレードする場合にのみ適用されます。 

-newRecoveryArea recover_area 

アップグレード中に移動されるデータベース用のリカバリ領域を指定します。このオプションは、データ・ファイルを移動する場合、またはOracle XEデータベースをアップグレードする場合にのみ適用されます。 

-newRecoveryAreaSize recover_size 

アップグレード中に移動されるデータベース用のリカバリ領域のサイズをMB単位で指定します。このオプションは、データ・ファイルを移動する場合、またはOracle XEデータベースをアップグレードする場合にのみ適用されます。 

-apexAdminPassword apex_pwd 

Application Express管理者のパスワードを指定します。 

-disableUpgradeScriptLogging 

アップグレード時に実行しているSQLスクリプトの詳細ログの生成を無効にします。このオプションは、デフォルトでは有効になっています。ログ生成を有効にする場合は、このオプションを指定しないでください。 

-backupLocation directory 

アップグレードを開始する前にデータベースをバックアップするディレクトリを指定します。 

-sysauxTablespace 

このオプションを指定すると、新しいSYSAUX表領域が作成されます。 

-datafileName name 

新しいSYSAUX表領域を作成するデータ・ファイルの完全なパスを指定します。 

-datafileSize size 

新しいSYSAUX表領域を作成するデータ・ファイルのサイズを指定します(500MB、10GB)。 

-datafileSizeNext size 

データ・ファイルの次のエクステントを指定します。 

-datafileSizeMax size 

データ・ファイルの最大サイズを指定します。 

-postUpgradeScripts script [, script ] ... 

SQLスクリプトを、カンマで区切ったリストにして指定します。完全なパス名を指定します。このスクリプトはアップグレードの終了時に実行されます。 

-initParam parameter=value [, parameter=value ] ... 

name=valueという形式の初期化パラメータ値を、カンマで区切ったリストにして指定します。 

-disableArchiveLogMode 

アップグレード中のアーカイブおよびフラッシュバック・ロギングをオフにするオプションです。 

-recompile_invalid_objects true|false 

このオプションをtrueにすると、すべての無効なPL/SQLモジュールが、アップグレードの実行直後にDBUAによって再コンパイルされます。 

-degree_of_parallelism cpu_number 

パラレル再コンパイルに使用するCPUの数を指定します。 

-emConfiguration{CENTRAL|LOCAL|ALL|NOBACKUP|NOEMAIL|NONE} 

Oracle Enterprise Managerの管理オプションを指定します。

  • CENTRAL: データベースはOracle Enterprise Managerによって集中管理されます。

  • LOCAL: データベースはOracle Enterprise Managerによってローカル管理されます。

  • ALL: Oracle Enterprise Manager Database Controlの構成、日次バックアップの有効化、および電子メール通知の有効化を行うオプションです。

  • NOBACKUP: データベースの自動日次バックアップは有効化されません。

  • NOEMAIL: 電子メール通知が有効にされません。

  • NONE: データベースの管理はEnterprise Managerで行われません。

 

-dbsnmpPassword password 

DBSNMPユーザー・パスワードを指定します。このオプションは、Oracle Enterprise Managerを構成する場合にのみ適用されます。 

-dbsnmpPassword password 

SYSMANユーザー・パスワードを指定します。このオプションは、Oracle Enterprise Managerを構成する場合にのみ適用されます。 

-asmPassword password 

ASMインスタンス用のSYSパスワードを指定します。このオプションは、Oracle Enterprise Managerを構成する場合にのみ適用されます。 

-hostUserName hostname 

Oracle Enterprise Managerのバックアップ・ジョブ用のホスト・ユーザー名を指定します。このオプションは、Oracle Enterprise Managerを構成する場合にのみ適用されます。 

-hostUserPassword password 

Oracle Enterprise Managerのバックアップ・ジョブ用のホスト・ユーザーのパスワードを指定します。このオプションは、Oracle Enterprise Managerを構成する場合にのみ適用されます。 

-backupSchedule hh:mm 

hh:mm(時間および分)の形式で日次バックアップ・スケジュールを指定します。このオプションは、Oracle Enterprise Managerを構成する場合にのみ適用されます。 

-smtpServer server_name 

電子メール通知用の送信メール・サーバー(SMTP)を指定します。このオプションは、Oracle Enterprise Managerを構成する場合にのみ適用されます。 

-emailAddress address 

電子メール通知用の電子メール・アドレスを指定します。このオプションは、Oracle Enterprise Managerを構成する場合にのみ適用されます。 

-centralAgent location 

Oracle Enterprise Managerの中央エージェントの場所を指定します。このオプションは、Oracle Enterprise Managerを構成する場合にのみ適用されます。 

-recoveryAreaDestination directory 

すべてのリカバリ・ファイルの宛先ディレクトリを指定します。このオプションが適用されるのは、データ・ファイルを移動する場合、Oracle XEデータベースをアップグレードする、またはOracle Enterprise Managerを構成する場合のみです。 

[-localRacSid SID 

クラスタ・データベースがOracle Cluster Registryに登録されていない場合は、クラスタ・データベースのローカルSIDを指定します。 

-h | -help 

DBUAのヘルプを表示します。 


注意:

Oracle Database 11gリリース1(11.1)のデフォルトのセキュリティ設定が適用されている場合、パスワードは8文字以上にする必要があります。また、welcomeoracleなどのパスワードは使用できません。 詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。 


データベースの手動でのアップグレード

次の項では、手動でアップグレードを実行する手順について説明します。 「アップグレード前情報ツールの実行」で説明したアップグレード前情報ツールがすでに実行されていることが前提となっています。

データベースのバックアップ

アップグレード前情報ツールを実行し、正常にインスタンスを停止してから、データベースの全体バックアップを実行する必要があります。次の手順を実行します。

  1. Recovery Managerにサインオンします。

    rman "target / nocatalog"
    
    
  2. 次のRecovery Managerコマンドを発行します。

    RUN
    {
        ALLOCATE CHANNEL chan_name TYPE DISK;
        BACKUP DATABASE FORMAT 'some_backup_directory%U' TAG before_upgrade;
        BACKUP CURRENT CONTROLFILE TO 'save_controlfile_location';
    }
    


    注意:

    アップグレード中に問題が発生し、アップグレードを完全に中止する場合は、このバックアップからデータベースをリストアする必要があります。そのため、予防措置として、ここでデータベースのバックアップを取ってください。 


    参照:

    データベースのバックアップの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。 

新しいOracleホームの準備

アップグレードするデータベースを分析した後、次の手順を実行して新しいOracleホームを準備します。

  1. アップグレードするデータベースのOracleホームからOracle Database 11gリリース1(11.1)のOracleホームへ構成ファイルをコピーします。

    1. パラメータ・ファイルが古い環境のOracleホームに存在する場合は、新しいOracleホームへコピーします。パラメータ・ファイルを検索するデフォルトの場所は、LinuxまたはUNIXプラットフォームの場合はORACLE_HOME/dbsディレクトリで、Windowsオペレーティング・システムの場合はORACLE_HOME\databaseディレクトリです。 パラメータ・ファイルは任意の場所に格納できますが、Oracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードした後は、古い環境のOracleホームには格納しないでください。

    2. 自動ストレージ管理(ASM)インスタンス内にパラメータ・ファイルがある場合は、次のコマンドを使用してパラメータ・ファイルをバックアップしてください。

      CREATE pfile FROM spfile;
      
      

      SPFILEがASMにある環境のデータベースをダウングレードする必要がある場合は、ダウングレードする前にパラメータ・ファイルをリストアする必要があります。

    3. パラメータ・ファイルがIFILE(インクルード・ファイル)エントリまたはSPFILE(サーバー・パラメータ・ファイル)エントリのいずれかを含むテキストベースの初期化パラメータ・ファイルであり、IFILEエントリまたはSPFILEエントリ内に指定されたファイルが古い環境のOracleホームに存在する場合、IFILEエントリまたはSPFILEエントリで指定されているファイルを新しいOracleホームへコピーします。IFILEエントリまたはSPFILEエントリ内に指定されたファイルには、追加の初期化パラメータがあります。

    4. 古い環境のOracleホームに格納されたパスワード・ファイルがある場合は、そのパスワード・ファイルをOracle Database 11gリリース1(11.1)のOracleホームに移動またはコピーします。

      パスワード・ファイルの名前と位置は、オペレーティング・システムによって異なります。LinuxまたはUNIXプラットフォームのデフォルトのパスワード・ファイルはorapwsidで、ORACLE_HOME/dbsディレクトリにあります。Windowsオペレーティング・システムのデフォルトのパスワード・ファイルはpwdsid.oraで、ORACLE_HOME\databaseディレクトリにあります。両方の場合とも、sidはOracleインスタンスのIDです。

    5. クラスタ・データベースをアップグレードしている場合で、initdb_name.oraファイルが古い環境のOracleホームに存在する場合、initdb_name.oraファイルを新しいOracleホームに移動またはコピーします。

  2. 次の手順を実行して、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のパラメータ・ファイルを調整します。

    1. 廃止された初期化パラメータを削除して、非推奨の初期化パラメータを調整します。 一部のパラメータはOracle Database 11gリリース1(11.1)では廃止されており、他のパラメータは非推奨となっています。 廃止されたすべてのパラメータを、Oracle Database 11gリリース1(11.1)インスタンスを起動するパラメータ・ファイルから削除します。 廃止されたパラメータは、Oracle Database 11gリリース1(11.1)でエラーの原因となる可能性があります。また、新しいリリースで構文が変更になったパラメータも変更します。

      アップグレード前情報ツールを使用すると、「Deprecated Parameters」および「Obsolete Parameters」の各セクションに非推奨および廃止されたパラメータが表示されます。

      参照:

      非推奨となったり、廃止された初期化パラメータのリスト、およびOracle Databaseソフトウェアの異なるリリース間で互換性の問題が発生するようような方法で変更された初期化パラメータについては、付録A「動作の変更点」を参照してください。 

    2. COMPATIBLE初期化パラメータが、Oracle Database 11gリリース1(11.1)用に正しく設定されていることを確認します。COMPATIBLEが正しく設定されていない場合は、アップグレード前情報ツールによって「Database」セクションに警告が表示されます。

    3. 初期化パラメータの値をアップグレード前情報ツールによって示された最小値以上に調整します。

    4. パラメータ・ファイルのすべてのパス名が完全に指定されていることを確認します。パラメータ・ファイルには相対パス名を使用しないでください。

    5. パラメータ・ファイルにIFILEエントリがある場合、パラメータ・ファイルのIFILEエントリを変更して、手順 1の cで指定したインクルード・ファイルの新しい場所を指定するようにします。次に、手順 a〜 dでパラメータ・ファイルを編集したときと同じ方法で、IFILEエントリに指定されているファイルを編集します。

    6. クラスタ・データベースをアップグレードしている場合は、パラメータ・ファイルを変更したときと同じ方法でinitdb_name.oraファイルを変更します。

    これらの調整後、変更したすべてのファイルを保存します。


    注意:

    クラスタ・データベースをアップグレードしている場合は、このクラスタ・データベースのインスタンスが構成されているすべてのノードでこの手順を実行してください。 


  3. クラスタ・データベースをアップグレードしている場合は、CLUSTER_DATABASE初期化パラメータをfalseに設定します。アップグレードが完了した後、この初期化パラメータの設定をtrueに戻す必要があります。

データベースのアップグレード

新しいOracleホームの準備が完了した後、手動アップグレードに進むことができます。データベースをアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. インスタンスを停止します。

    SQL> SHUTDOWN IMMEDIATE
    
    
  2. ご使用のオペレーティング・システムがWindowsの場合、次の手順を実行します。

    1. アップグレードするデータベースのOracleサービスOracleServiceSIDを停止します。SIDはインスタンスの名前です。たとえば、SIDORCLの場合、コマンド・プロンプトで次のように入力します。

      C:¥> NET STOP OracleServiceORCL
      
      
    2. コマンド・プロンプトで、ORADIMを使用してOracleサービスを削除します。

      SIDORCLの場合、次のコマンドを入力します。

      C:¥> ORADIM -DELETE -SID ORCL
      
      
    3. コマンド・プロンプトで新しいOracle DatabaseリリースのORADIMコマンドを使用して、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のサービスを作成します。

      C:¥> ORADIM -NEW -SID SID -SYSPWD PASSWORD -MAXUSERS USERS
           -STARTMODE AUTO -PFILE ORACLE_HOME¥DATABASE¥INITSID.ORA
      
      

      この構文には次の変数が含まれます。

      変数  説明 

      SID 

      アップグレードするデータベースのSIDと同じSID名。 

      PASSWORD 

      新しいOracle Database 11gリリース1(11.1)データベース・インスタンスのパスワード。SYSDBA権限で接続するユーザー用のパスワードです。 -SYSPWDオプションは必須ではありません。これを指定しない場合、オペレーティング・システムの認証が使用され、パスワードは不要です。

      Oracle Database 11gリリース1(11.1)のデフォルトのセキュリティ設定が適用されている場合、パスワードは8文字以上にする必要があります。また、welcomeoracleなどのパスワードは使用できません。 詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。 

      USERS 

      SYSDBA権限およびSYSOPER権限を付与できるユーザーの最大数。 

      ORACLE_HOME 

      Oracle Database 11gリリース1(11.1)のOracleホーム・ディレクトリ。-PFILEオプションを使用して、(Oracleホーム・ディレクトリのドライブを含む)フルパス名を指定する必要があります。 

      たとえば、SIDORCLpasswordSYSPWD)がTWxy5791、ユーザーの最大数(MAXUSERS)が10、ORACLE_HOMEディレクトリがC:¥ORACLE¥PRODUCT¥11.1.0¥DBの場合、次のコマンドを入力します。

      C:¥> ORADIM -NEW -SID ORCL -SYSPWD TWxy5791 -MAXUSERS 10
      -STARTMODE AUTO -PFILE C:¥ORACLE¥PRODUCT¥11.1.0¥DB¥DATABASE¥INITORCL.ORA
      
      

      ORADIMによって、ORACLE_HOME\databaseディレクトリにログが書き込まれます。

  3. ご使用のオペレーティング・システムがLinuxまたはUNIXの場合は、次の内容を確認します。

    1. ORACLE_SIDが正しく設定されていること。

    2. oratabファイルがOracle Database 11gリリース1(11.1)のOracleホームを指していること。

    3. 次の環境変数がOracle Database 11gリリース1(11.1)のディレクトリを指していること。

      • ORACLE_HOME

      • PATH

    4. ORACLE_HOME値を設定するためにクライアントで使用するすべてのスクリプトが、新しいOracleホームを指している必要があります。

      参照:

      ご使用のオペレーティング・システムでのその他の重要な環境変数の設定は、オペレーティング・システム固有のOracle Databaseのインストレーション・ガイドを参照してください。 

  4. Oracle Database 11gリリース1(11.1)のOracleホーム・ディレクトリの所有者としてシステムにログインします。

  5. システム・プロンプトで、ORACLE_HOME¥rdbms¥adminディレクトリへ移動します。

  6. SQL*Plusを起動します。

  7. SYSDBA権限を持つユーザーとして、データベース・インスタンスに接続します。

  8. 次のコマンドを発行して、インスタンスを起動します。

    SQL> STARTUP UPGRADE
    


    注意:

    UPGRADEキーワードを使用すると、前のOracle Databaseリリースをベースとするデータベースをオープンできます。また、AS SYSDBAセッションへのログオンの制限、システム・トリガーの無効化、およびアップグレードの環境を準備するその他の操作も実行されます。 


    PFILEオプションを使用して、初期化パラメータ・ファイルの場所を指定する必要がある場合があります。

    いったんデータベースをアップグレード・モードで起動すると、catupgrd.sqlスクリプトを実行するまでは、固定ビューへの問合せのみ、エラーにならずに実行できます。catupgrd.sqlを実行する前は、他のビューに問い合せたりPL/SQLを実行すると、エラーが戻されます。

    次に、新しいOracle Database 11gリリース1(11.1)データベースを起動しようとした場合に発生する一般的なエラーを示します。これらのエラーの一部はアラート・ログに記録され、セッションには表示されません。いずれかのエラーが表示された場合、 SHUTDOWN ABORTコマンドでデータベースを停止し、問題を修正します。

    • ORA-00401: the value for parameter compatible is not supported by this release

      COMPATIBLE初期化パラメータが10.0.0未満に設定されている場合。

    • ORA-39701: database must be mounted EXCLUSIVE for UPGRADE or DOWNGRADE

      CLUSTER_DATABASE初期化パラメータがFALSEではなく、TRUEに設定されている場合。

    • ORA-39700: database must be opened with UPGRADE option

      UPGRADEキーワードを指定しないでSTARTUPコマンドを発行した場合。

    • ORA-00336: log file size xxxx blocks is less than minimum 8192 blocks

      REDOログのサイズが4MB未満の場合。

    廃止された初期化パラメータを示すエラーが表示された場合は、その廃止された初期化パラメータを記録し、アップグレードを継続します。次にデータベースを停止するときに、廃止された初期化パラメータを削除します。

  9. この手順は、Oracle9iリリース2(9.2)からアップグレードする場合のみ行ってください。

    SYSAUX表領域を作成します。 以前のリリースでは複数の表領域に別々に存在していたデータが、Oracle Database 11gリリース1(11.1)ではSYSAUX表領域を使用して統合されます。

    SYSAUX表領域は、次の必須属性を指定して作成する必要があります。

    • ONLINE

    • PERMANENT

    • READ WRITE

    • EXTENT MANAGEMENT LOCAL

    • SEGMENT SPACE MANAGEMENT AUTO

    アップグレード前情報ツールの「SYSAUX Tablespace」セクションには、SYSAUX表領域に最小限必要なサイズが表示されます。表3-3を参照して、SYSAUX表領域の最適なサイズを決定できます。

    表3-3     SYSAUX表領域のサイズ変更のためのガイドライン
    要素       

    CPUの数 

    32 

    同時実行セッションの数 

    20 

    100 

    ユーザー・オブジェクト(表および索引)の数 

    500 

    5,000 

    50,000 

    定常状態でのデフォルト構成のSYSAUXの推定サイズ 

    500MB 

    2GB 

    5GB 

    次のSQL文では、データベースに500MBのSYSAUX表領域が作成されます。

    SQL> CREATE TABLESPACE sysaux DATAFILE 'sysaux01.dbf'
             SIZE 500M REUSE
             EXTENT MANAGEMENT LOCAL
             SEGMENT SPACE MANAGEMENT AUTO
             ONLINE;
    

    参照:

    SYSAUX表領域の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 

  10. 成功したかどうかを後で確認するために、結果をログ・ファイルにスプールするようにシステムを設定します。

    SQL> SPOOL upgrade.log
    
    
  11. catupgrd.sqlスクリプトを実行します。

    SQL> @catupgrd.sql
    
    

    catupgrd.sqlスクリプトでは、必要なアップグレード・スクリプトが特定されて実行された後、データベースが停止されます。 Oracle Database 11gリリース1(11.1)の環境でスクリプトを実行する必要があります。

    アップグレード・スクリプトを実行すると、一定のディクショナリ表が作成および変更されます。 また、新しいOracle Database 11gリリース1(11.1)データベースの次のデータベース・コンポーネントも、アップグレードまたはインストールされます。

    • Oracle Database Catalog Views

    • Oracle Database Packages and Types

    • Oracle JVM

    • Oracle Database Java Packages

    • Oracle XDK

    • Oracle Real Application Clusters

    • Oracle Workspace Manager

    • Oracle Multimedia

    • Oracle XML Database

    • OLAP Analytic Workspace

    • Oracle OLAP API

    • OLAP Catalog

    • Oracle Text

    • Spatial

    • Oracle Data Mining

    • Oracle Label Security

    • Messaging Gateway

    • Oracle Expression Filter

    • Oracle Rules Manager

    • Oracle Enterprise Manager Repository

    • Oracle Database Vault

    • Oracle Application Express

  12. インスタンスを再起動して、通常の操作用にシステム・パラメータを再初期化します。

    SQL> STARTUP
    
    

    catupgrd.sqlスクリプトの一部としてデータベースが停止された後のこの再起動では、すべてのキャッシュがフラッシュされ、バッファが消去されて、その他の内部的な不整合が解消されます。 これらの操作は、新しくアップグレードしたOracle Databaseソフトウェアの整合性と一貫性を保証するための重要な最終手順です。

    また、手順 8でデータベースを起動したときに、廃止された初期化パラメータをリストしたメッセージが表示された場合は、廃止された初期化パラメータを再起動前にパラメータ・ファイルから削除します。ファイルを編集してパラメータを削除するために、必要に応じてSPFILEPFILEに変換します。

  13. アップグレード後の状態ツールでは、スプール・ログの最後にアップグレードのサマリーが表示されます。サマリーには、アップグレードされたデータベースのデータベース・コンポーネントの状態および各コンポーネントのアップグレードにかかった時間が表示されます。アップグレード中に発生したすべてのエラーが、コンポーネントごとにリストされます。これらのエラーは解決する必要があります。

    utlu111s.sqlを実行し、アップグレードの結果を表示します。

    SQL> @utlu111s.sql
    
    

    アップグレード後の状態ツールを実行すると、次のような出力が表示されます。

    Oracle Database 11.1 Post-Upgrade Status Tool         03-18-2007 22:48:55
    .
    Component                                Status         Version  HH:MM:SS
    .
    Oracle Server
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:17:31
    JServer JAVA Virtual Machine
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:02:32
    Oracle Workspace Manager
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:01:02
    Messaging Gateway
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:00:46
    OLAP Analytic Workspace
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:03:20
    OLAP Catalog
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:05:56
    Oracle OLAP API
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:00:48
    Oracle Label Security
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:00:37
    Oracle Enterprise Manager
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:12:02
    Oracle XDK
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:00:42
    Oracle Text
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:01:02
    Oracle XML Database
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:04:24
    Oracle Database Java Packages
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:00:27
    Oracle Multimedia
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:05:44
    Spatial
    ERROR at line 1:
    ORA-00604: error occurred at recursive SQL level 1
    ORA-04031: unable to allocate 4096 bytes of shared memory ("java
    pool","sun/tools/java/ConstantsSYS","joxlod exec hp",":SGAClass")
    ORA-06512: at "SYS.DBMS_JAVA", line 704
    ORA-06512: at line 1
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:08:24
    Oracle Ultra Search
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:03:09
    Oracle Expression Filter
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:00:38
    Oracle Rules Manager
    .                                         VALID      11.1.0.6.0  00:00:21
    Oracle Application Express
    .                                         VALID     2.2.1.01.01  00:23:25
    Gathering Statistics
    .       00:05:12
    Total Upgrade Time: 01:29:03
    
    

    アップグレード後の状態ツールからエラーが戻されたり、VALIDでないか、または最新のリリースのものではないコンポーネントが表示された場合は、「アップグレードのトラブルシューティング」を参照してください。

  14. ORACLE_HOME/rdbms/adminディレクトリにあるcatuppst.sqlを実行し、データベースをUPGRADEモードにする必要がないアップグレード操作を実行します。

    SQL> @rdbms/admin/catuppst.sql
    
    

    新しいSQL*Plusセッションで実行する場合は、utlrp.sql(手順15を参照)と並行してこのスクリプトを実行できます。

  15. utlrp.sqlを実行して、残りのすべてのストアドPL/SQLおよびJavaコードを再コンパイルします。

    SQL> @utlrp.sql
    
    

    予測されるすべてのパッケージおよびクラスが有効であることを確認します。

    SQL> SELECT count(*) FROM dba_invalid_objects;
    SQL> SELECT distinct object_name FROM dba_invalid_objects;
    
    
  16. SQL*Plusを終了します。

これで、ご使用のデータベースがOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードされました。第4章「新しいリリースへのアップグレード後の作業」に示す手順を実行します。


警告:

古いOracleソフトウェアを保持している場合、古いソフトウェアを使用してアップグレードしたデータベースを起動しないでください。 新しいOracle Databaseインストールの実行可能ファイルでのみデータベースを起動してください。 また、古いOracle環境を削除する前に、古いOracle環境にあるデータ・ファイルをすべて新しいOracle Database環境に再配置してください。 データ・ファイルの再配置の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 


アップグレードのトラブルシューティング

この項では、アップグレードで問題があった場合の対処方法を説明します。ここでは、次の項目について説明します。

リソース不足

アップグレード中にリソースが不足した場合は、リソースの割当てを増やします。リソースの割当てを増やした後、SHUTDOWN ABORTを実行し、インスタンスを(UPGRADEモードで)再起動してから、catupgrd.sqlスクリプトを再実行するか、またはDBUAを再起動する必要があります。

通常、Oracle Databaseの新しいリリース用に増やす必要があるリソースは、次の3つです。

コンポーネントの状態

アップグレードの最後には、すべてのコンポーネントがVALIDの状態でアップグレード後の状態ツールに表示される必要があります。次のリストは、表示される可能性のある他の状態の値とその説明です。

アップグレードの再実行

次の手順に従ってアップグレードを再実行します。

  1. データベースを停止します。

    SQL> SHUTDOWN IMMEDIATE
    
    
  2. UPGRADEモードでデータベースを再起動します。

    SQL> STARTUP UPGRADE
    
    
  3. catupgrd.sqlを再実行します。

    SQL> @catupgrd.sql
    
    
  4. utlu111s.sqlを再実行します。

    SQL> @utlu111s.sql
    

アップグレードの中止

「データベースのバックアップ」の手順を実行してデータベースのバックアップを行った場合、アップグレードを中止する最も簡単な方法は、バックアップをリストアすることです。次の手順を実行します。

  1. 以前のリリースのOracleホーム・ディレクトリの所有者としてシステムにログインします。

  2. Recovery Managerにサインオンします。

    rman "target / nocatalog"
    
    
  3. 次のRecovery Managerコマンドを発行します。

    STARTUP NOMOUNT
    RUN
    {
        RESTORE CONTROLFILE FROM 'save_controlfile_location';
        ALTER DATABASE MOUNT;
        RESTORE DATABASE FROM TAG before_upgrade
        ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS;
    }
    

DBUAを使用したASMインスタンスのアップグレード

ソースおよびターゲットのASM Oracleホームが異なるユーザーによって所有されている場合は、DBUAでASMインスタンスをアップグレードすることはできません。DBUAでアップグレードしようとすると、次のようなエラーが戻されます。

PRKH-1014 Current user user_name is not the same as owner owner_name of oracle home

単一インスタンスのASMをアップグレードする場合は、新しいOracle Database 11gリリース1(11.1)ホームからOracle Cluster Synchronization Services(CSS)が実行されるようにCSSを先に構成する必要があります。まだ構成されていないことがDBUAによって検出された場合は、構成するように指示されます。 詳細は、「Oracle Cluster Synchronization Servicesの再構成」を参照してください。

次の手順を実行して、自動ストレージ管理(ASM)インスタンスをOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードします。

  1. 次のいずれかの方法でDBUAを起動します。

    DBUAの「ようこそ」画面が表示されます。


    画像の説明

  2. ヘルプが必要な場合、またはDBUAの詳細を参照する場合は、「ヘルプ」ボタンをクリックしてオンライン・ヘルプを開きます。

    「次へ」をクリックします。

    データベースのアップグレードまたはASMインスタンスのアップグレードを選択するための「アップグレード操作」ページが表示されます。


    画像の説明

  3. 「アップグレード操作」ページで、「自動ストレージ管理インスタンスのアップグレード」を選択します。この操作によって、システムの自動ストレージ管理インスタンスのみが11gリリース1(11.1)にアップグレードされます。

    もう1つのオプション(「データベースをアップグレード」)については、「Database Upgrade Assistantを使用したデータベースのアップグレード」で説明します。

    データベースとASMインスタンスは、別々のDBUAセッションで別々のOracleホームにアップグレードすることをお薦めします。

    「次へ」をクリックします。

    DBUAの「サマリー」画面が表示されます。


    画像の説明

  4. 「サマリー」画面には、名前、バージョン、および古いASMインスタンスと新しいASMインスタンスのOracleホームが表示されます。

    すべての指定内容を確認し、次のいずれかを実行します。

    「進行」画面が表示され、DBUAでアップグレードが開始されます。


    画像の説明

  5. アップグレードが完了した後、「進行」画面に次のメッセージが表示されます。

    Upgrade is complete. Click "OK" to see the results of the upgrade.
    
    

    「OK」をクリックします。

    「アップグレード結果」画面が表示されます。


    画像の説明

  6. 「アップグレード結果」画面には、アップグレード前後のASMインスタンスに関する情報が表示されます。また、ASMのアップグレード中に実行された手順のサマリーと、各アップグレード手順に関する詳細情報が含まれたログ・ファイルの場所も表示されます。

    「閉じる」をクリックして、DBUAを終了します。

ASMインスタンスの手動でのアップグレード

次の項では、手動でアップグレードを実行する手順について説明します。 Oracle Database 11gリリース1(11.1)がインストール済であり、「アップグレード前情報ツールの実行」で説明したアップグレード前情報ツールがすでに実行されていることが前提となっています。

Oracle Cluster Synchronization Servicesの再構成

単一インスタンスのASMをアップグレードする場合は、新しいOracle Database 11gリリース1(11.1)ホームからOracle Cluster Synchronization Services(CSS)が実行されるようにCSSを先に構成する必要があります。そのためには、ASMをアップグレードする前に、次に示すコマンドを実行する必要があります。

localconfig reset [destination_Oracle_home]

現在CSSサービスが構成されているOracleホームからコマンドを実行する場合は、destination_Oracle_homeを指定する必要があります。

新しいASM用Oracleホームの準備

次の手順を実行して、新しいOracleホームを準備します。

  1. アップグレードするASMインスタンスのOracleホームからOracle Database 11gリリース1(11.1)のOracleホームへ構成ファイルをコピーします。

    1. パラメータ・ファイルが古い環境のOracleホームに存在する場合は、新しいOracleホームへコピーします。パラメータ・ファイルを検索するデフォルトの場所は、LinuxまたはUNIXプラットフォームの場合はORACLE_HOME/dbsディレクトリで、Windowsオペレーティング・システムの場合はORACLE_HOME¥databaseディレクトリです。 パラメータ・ファイルは任意の場所に格納できますが、Oracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードした後は、古い環境のOracleホームには格納しないでください。

    2. パラメータ・ファイルがIFILE(インクルード・ファイル)エントリまたはSPFILE(サーバー・パラメータ・ファイル)エントリのいずれかを含むテキストベースの初期化パラメータ・ファイルであり、IFILEエントリまたはSPFILEエントリ内に指定されたファイルが古い環境のOracleホームに存在する場合、IFILEエントリまたはSPFILEエントリで指定されているファイルを新しいOracleホームへコピーします。IFILEエントリまたはSPFILEエントリ内に指定されたファイルには、追加の初期化パラメータがあります。

    3. 古い環境のOracleホームに格納されたパスワード・ファイルがある場合は、そのパスワード・ファイルをOracle Database 11gリリース1(11.1)のOracleホームに移動またはコピーします。

      パスワード・ファイルの名前と位置は、オペレーティング・システムによって異なります。LinuxまたはUNIXプラットフォームのデフォルトのパスワード・ファイルはorapwsidで、ORACLE_HOME/dbsディレクトリにあります。Windowsオペレーティング・システムのデフォルトのパスワード・ファイルはpwdsid.oraで、ORACLE_HOME¥databaseディレクトリにあります。両方の場合とも、sidはOracleインスタンスのIDです。


      注意:

      クラスタ化ASMをアップグレードしている場合は、ASMインスタンスが構成されているすべてのノードでこの手順を実行してください。 


  2. 次の手順を実行して、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のパラメータ・ファイルを調整します。

    1. 廃止された初期化パラメータを削除して、非推奨の初期化パラメータを調整します。 一部のパラメータはOracle Database 11gリリース1(11.1)では廃止されており、他のパラメータは非推奨となっています。 廃止されたすべてのパラメータを、Oracle Database 11gリリース1(11.1)インスタンスを起動するパラメータ・ファイルから削除します。 廃止されたパラメータは、Oracle Database 11gリリース1(11.1)でエラーの原因となる可能性があります。また、新しいリリースで構文が変更になったパラメータも変更します。

      アップグレード前情報ツールを使用すると、「Deprecated Parameters」および「Obsolete Parameters」の各セクションに非推奨および廃止されたパラメータが表示されます。

      参照:

      非推奨となったり、廃止された初期化パラメータのリスト、およびOracle Databaseソフトウェアの異なるリリース間で互換性の問題が発生するようような方法で変更された初期化パラメータについては、付録A「動作の変更点」を参照してください。 

    2. 初期化パラメータの値をアップグレード前情報ツールによって示された最小値以上に調整します。

    3. パラメータ・ファイルのすべてのパス名が完全に指定されていることを確認します。パラメータ・ファイルには相対パス名を使用しないでください。

    4. パラメータ・ファイルにIFILEエントリがある場合、パラメータ・ファイルのIFILEエントリを変更して、手順1cで指定したインクルード・ファイルの新しい場所を指定するようにします。次に、手順adでパラメータ・ファイルを編集したときと同じ方法で、IFILEエントリに指定されているファイルを編集します。

    これらの調整後、変更したすべてのファイルを保存します。


    注意:

    クラスタ化ASMをアップグレードしている場合は、ASMインスタンスが構成されているすべてのノードでこの手順を実行してください。 


ASMのアップグレード

新しいOracleホームの準備が完了した後、手動アップグレードに進むことができます。ASMをアップグレードするには、次の手順を実行します。

  1. インスタンスを停止します。

    SQL> SHUTDOWN IMMEDIATE
    
    
  2. ご使用のオペレーティング・システムがWindowsの場合、次の手順を実行します。

    1. アップグレードするASMインスタンスのOracleサービス OracleASMService SIDを停止します。SIDはインスタンスの名前です。たとえば、SID+ASMの場合、コマンド・プロンプトで次のように入力します。

      C:¥> NET STOP OracleASMService+ASM
      
      
    2. コマンド・プロンプトで、ORADIMを使用してOracleサービスを削除します。

      SID+ASMの場合、次のコマンドを入力します。

      C:¥> ORADIM -DELETE -ASMSID +ASM
      
      
    3. コマンド・プロンプトで新しいOracle DatabaseリリースのORADIMコマンドを使用して、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のサービスを作成します。

      C:¥> ORADIM -NEW -ASMSID SID -SYSPWD PASSWORD -MAXUSERS USERS
           -STARTMODE AUTO -PFILE ORACLE_HOME¥DATABASE¥INITSID.ORA
      
      

      この構文には次の変数が含まれます。

      変数  説明 

      SID 

      アップグレードするASMインスタンスのSIDと同じSID名。 

      PASSWORD 

      新しいOracle Database 11gリリース1(11.1)ASMインスタンスのパスワード。SYSDBA権限で接続するユーザー用のパスワードです。 -SYSPWDオプションは必須ではありません。これを指定しない場合、オペレーティング・システムの認証が使用され、パスワードは不要です。

      Oracle Database 11gリリース1(11.1)のデフォルトのセキュリティ設定が適用されている場合、パスワードは8文字以上にする必要があります。また、welcomeoracleなどのパスワードは使用できません。 詳細は、『Oracle Databaseセキュリティ・ガイド』を参照してください。 

      USERS 

      SYSDBA権限およびSYSOPER権限を付与できるユーザーの最大数。 

      ORACLE_HOME 

      新しいOracle Database 11gリリース1(11.1)のASMインスタンスのOracleホーム。-PFILEオプションを使用して、(Oracleホーム・ディレクトリのドライブを含む)フルパス名を指定する必要があります。 

      たとえば、SID+ASMpasswordINTPWD)がTWxy5791、ユーザーの最大数(MAXUSERS)が10、ORACLE_HOMEディレクトリがC:¥ORACLE¥PRODUCT¥11.1.0¥DBの場合、次のコマンドを入力します。

      C:¥> ORADIM -NEW -ASMSID +ASM -SYSPWD TWxy5791 -MAXUSERS 10
      -STARTMODE AUTO -PFILE C:¥ORACLE¥PRODUCT¥11.1.0¥DB¥DATABASE¥INIT+ASM.ORA
      
      
  3. ご使用のオペレーティング・システムがLinuxまたはUNIXの場合は、次の内容を確認します。

    1. ORACLE_SIDが正しく設定されていること。

    2. oratabファイルが新しいOracle Database 11gリリース1(11.1)のASMインスタンスのOracleホームを指していること。

    3. 次の環境変数がOracle Database 11gリリース1(11.1)のディレクトリを指していること。

  4. Oracle Database 11gリリース1(11.1)の新しいASMインスタンスのOracleホームの所有者としてシステムにログインします。

  5. SQL*Plusを起動します。

  6. オペレーティング・システム(OS)認証を使用して、SYSASM権限を持つユーザーとして、ASMインスタンスに接続します。

  7. 次のコマンドを発行して、インスタンスを起動します。

    SQL> STARTUP
    
    
  8. ASMを起動したときに、廃止された初期化パラメータをリストしたメッセージが表示された場合は、パラメータ・ファイルから廃止された初期化パラメータを再起動前に削除します。ファイルを編集してパラメータを削除するために、必要に応じてSPFILEPFILEに変換します。

  9. SYSMAN権限をSYSに付与します。

    GRANT sysasm TO sys;
    
    

    このコマンドを実行すると、パスワード・ファイルを使用してSYSユーザーを認証できるようになります。

  10. SQL*Plusを終了します。

これで、ASMがOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードされました。第4章「新しいリリースへのアップグレード後の作業」に示すASM固有の手順を実行します。

ASMアップグレードのトラブルシューティング

この項では、ASMのアップグレードで問題があった場合の対処方法を説明します。

ASMのアップグレード中にリソースが不足した場合は、リソースの割当てを増やします。リソースの割当てを増やした後、SHUTDOWN ABORTを実行し、インスタンスを再起動してから、手動でASMをアップグレードするか、またはDBUAを再起動する必要があります。

Oracle Databaseの新しいリリースでは、より大きな共有メモリーのプール・サイズが必要な場合があります。増やす必要がある共有メモリーの初期化パラメータが、エラー・メッセージに示されます。

ORA-04031: unable to allocate string bytes of shared memory 
("string","string","string","string")

参照:

共有メモリーの初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。 

ASMのアップグレードの中止

ASMのアップグレードを中止するには、古いOracleホームからASMインスタンスを起動します。


戻る 次へ
Oracle
Copyright © 2008 Oracle Corporation.

All Rights Reserved.
目次
目次
索引
索引