Oracle Database アップグレード・ガイド 11g リリース1(11.1) E05758-02 |
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この章では、データベースをOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードする手順について説明します。この章では、次の項目について説明します。
古いOracleソフトウェアを保持している場合、古いソフトウェアを使用してアップグレードしたデータベースを起動しないでください。 新しいOracle Databaseインストールの実行可能ファイルでのみデータベースを起動してください。
また、古いOracle環境を削除する前に、古いOracle環境にあるデータ・ファイルをすべて新しいOracle Database環境に再配置してください。Database Upgrade Assistant(DBUA)を使用してアップグレードする場合は、アップグレード中に「データベース・ファイルの移動」オプションを選択すると、自動的にこの処理を行うことができます。 詳細は、「Database Upgrade Assistantを使用したデータベースのアップグレード」を参照してください。 手動でアップグレードを行う場合は、『Oracle Database管理者ガイド』でデータ・ファイルの再配置の詳細を参照してください。
警告:
次の項では、システムに関する考慮点および要件について説明します。
Oracle Database 11gリリース1(11.1)より前のリリースでは、Oracleユーザー(通常、oracle
)がすべてのOracleソフトウェア・インストールを所有しているか、またはOracle Databaseソフトウェアはoracle
が所有し、Oracle Clusterwareソフトウェアは別のユーザー(通常、crsuser
)が所有していました。 Oracle Database 11gリリース1(11.1)以上では、Oracle Clusterware 10gソフトウェアを所有しているユーザーと同じユーザーでOracle Clusterware 11gリリース1(11.1)のアップグレードを実行する必要があります。 また、Oracle Clusterware 11gリリース1(11.1)ソフトウェアのアップグレードは、Oracle Clusterware 10gソフトウェアがインストールされていたディレクトリで実行する必要があります。 Oracle Clusterwareは別々のホーム・ディレクトリにインストールされましたが、Oracle DatabaseインストールとASMインストールは同じOracleホームにインストールすることができました。
Oracle Database 11gリリース1(11.1)では、データおよびソフトウェアのセキュリティを高めるために、Oracle Database、ASMおよびOracle Clusterwareはそれぞれ異なるホーム・ディレクトリにインストールされ、各ディレクトリへのアクセスは、異なるオペレーティング・システム(OS)ユーザーを作成して制御されます。
以前のバージョンのデータベースをOracle Database 11gにアップグレードする際に構成にASMが含まれている場合は、Cluster Synchronization Services(CSS)デーモンをOracle Database 11gにアップグレードする必要があります。 アップグレードしない場合、次のエラーが表示され、データベースのアップグレード処理が失敗します。
ERROR at line 1: ORA-03113: end-of-file on communication channel ERROR:
構成にASMが含まれていない場合は、CSSデーモンを停止し、delete
オプションを指定してlocalconfig
バッチ・ファイルを実行することによって、システムからCSSサービスを削除する必要があります。次に例を示します。
SYSTEM_DRIVE :\oracle\product\11.1.0\db_1\bin\localconfig delete
構成にASMが含まれているかどうかが不明な場合は、次のコマンドを実行します。
select count(*) from v$asm_client where status = 'CONNECTED';
このコマンドによって1つ以上の行が戻された場合は、現在データベースでASMディスク・グループが使用されています。
DBUAを使用してOracle RACデータベースをアップグレードする場合、必要な構成はすべて自動で行われます。手動でOracle RACデータベースをアップグレードする場合、この章で説明するほとんどの処理は、システムの1つのノードのみで実行する必要があります。1つ以上のノードで実行する必要がある操作については、該当する手順で示されます。
Oracle Database 11gリリース1(11.1)以上では、SYSASM
権限を使用してデータベース管理の職責とストレージ管理の職責を分離することが必要になりました。
さらに、Oracle Database 11gリリース1(11.1)以上では、ASMおよび各データベースに対して異なるオペレーティング・システム資格証明を作成することもできるようになっています。異なる資格証明を使用することにより、データベース管理の職責とストレージ管理の職責をさらに厳重に分離することが可能になります。たとえば、あるノード上のASMを使用しているデータベースがn個ある場合、SYS
権限を持つメンバーのオペレーティング・システム資格証明グループをn +1セット構成できます。すなわち、各データベース用のSYSDBA
権限を持つOSDBA
グループが1つずつと、ASMインスタンス用のSYSASM
権限を持つOSASM
グループが1つです。
ASMインスタンスをOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードする前に、ノードのASMインスタンスに対してローカルなパスワード・ファイルに、ユーザーとパスワードの組合せを追加する必要があります。この操作には、次のSQL*Plus CREATE USER
文を使用します。
CREATE USER user_name IDENTIFIED BY password
各ノードのASMインスタンスでは、このSQL*Plus文を使用してインスタンスのパスワード・ファイルを更新します。パスワード・ファイル自体はORAPWD
ユーティリティで作成する必要があります。GRANT
system_privilege
TO
user
文を使用してアクセス権を付与しないかぎり、新しいユーザーには何も権限がないことに注意してください。 これにより、データベース・インスタンス上では認証されたSYSDBA
権限を持つユーザーに対して、自動的にASMインスタンスの完全なSYSDBA
権限を付与しなくても、オペレーティング・システムによる認証で、そのユーザーが特定のASM操作に制限付きでアクセスすることを許可できるようになります。 このようにすると、アップグレード後にユーザーは次のいずれかの接続方法でASMインスタンスに接続できるようになります。 次のすべての例で、passwordを安全なパスワードに置き換えてください。
SYSDBA
として接続します。 SYSASM
で認証されたユーザーのみが実行できるコマンドをSYSDBA
で認証されたユーザーが実行すると必ず、SYSASM
で接続するように警告する内容がアラート・ログに書き込まれます。次に例を示します。
Oracle Database 11gリリース1(11.1)では前のリリースで作成されたファイル・ヘッダーを読み取ることができるため、アップグレード時にそれらに対して処理を行う必要はありません。 Oracle Database 11gリリース1(11.1)より前に作成された表領域を別のプラットフォームに転送する場合は例外です。この場合は、転送前のある時点でファイル・ヘッダーを読取り/書込み両用にする必要があります。ただし、アップグレード時にこれらに対して特別な処理を行う必要はありません。
オフラインのデータ・ファイルのファイル・ヘッダーは、後でオンラインにしたときに更新されます。また、読取り専用の表領域は、アップグレード後のある時点に必要に応じて読取り/書込み両用にしたときに更新されます。他のすべての状況では、読取り専用の表領域を読取り/書込み両用にする必要はありません。
Oracle Data Guard構成にフィジカル・スタンバイ・データベースまたはロジカル・スタンバイ・データベースが存在する場合にOracle Databaseソフトウェアをアップグレードする方法は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。
Oracle Data Guardブローカ構成でOracle DatabaseおよびOracle Enterprise Managerソフトウェアをアップグレードまたはダウングレードする方法は、『Oracle Data Guard Broker』を参照してください。
Oracle Database 10gリリース1(10.1.0.3)以上では、ロジカル・スタンバイ・データベースでSQL Applyを使用してOracle Database 11gリリース1(11.1)へのローリング・アップグレードを実行できます。 ローリング・アップグレード時に、プライマリ・データベースおよびロジカル・スタンバイ・データベースで異なるリリースのOracle Databaseソフトウェアを実行して、一度に1つずつアップグレードし、プライマリ・データベースでの停止時間を最小にすることができます。 詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』を参照してください。
必要に応じて、Oracle Databaseをアップグレードする前にオペレーティング・システムをアップグレードします。
DBUAを使用している場合または手動でアップグレードを実行している場合は、オペレーティング・システム間でデータベースのデータは移行できません。 たとえば、DBUAを使用して、Solaris上のOracle9iデータベースのデータをWindows 2000上のOracle Database 11gリリース1(11.1)データベースには移行できません。
Oracle Databaseソフトウェアを異なるオペレーティング・システムに移行する必要がある場合は、次の手順を実行することをお薦めします。
参照:
Oracle Streamsレプリケーション環境では、ソース・データベース以外のデータベースで取得プロセスを実行することをダウンストリーム取得といいます。このような環境にあるデータベースをアップグレードする場合は、ソース・データベースをアップグレードする前に、ダウンストリーム取得を使用しているデータベースをアップグレードします。この順番でデータベースをアップグレードすることにより、ソース・データベースをアップグレードした後もダウンストリーム取得データベースを引き続き機能させることができます。
リリース11.1のOracleソフトウェアをインストールする手順には、Clusterwareのアップグレード(必要に応じて)とOracle Database 11gリリース1(11.1)のインストールが含まれます。
preupdate.sh
スクリプトを実行します。このスクリプトでは、アップグレードを実行するために、Oracle Clusterwareソフトウェア・スタックの停止とOracle Clusterwareホーム(CRSホーム)のロック解除が行われます。
CRSホームを共有していない場合は、クラスタ内のアップグレード対象となっている各ノードでこのスクリプトを実行する必要があります。
crs
で、Oracle Clusterware 11gリリース1(11.1)のマウントポイントが/shiphome/clusterwareである場合、次のコマンドを使用できます。
> whoami crs > /shiphome/clusterware/runInstaller
インストーラの要求に応じて情報を入力します。
rootupgrade
スクリプトを実行します。
インストールが完了したら、1つ以上のアシスタントが起動する場合があります。インストール中にDBUAを実行するように選択した場合、アップグレードはDBUAが起動したときに開始できます。ただし、DBUAを使用してアップグレードを行う前に、アップグレード前情報ツールを実行して、DBUAで確認される項目のタイプを確認しておくことをお薦めします。 (「アップグレード前情報ツールの実行」を参照してください。)インストールの完了後、単独でDBUAを実行できます。
Oracle Net Configuration Assistantは、DBUAより前に実行する必要があることにも注意してください。
Oracle Databaseソフトウェアのインストールが正常に完了したら、「終了」ボタンをクリックしてOracle Universal Installerを閉じます。
Oracle Database 11gリリース1(11.1)をインストールした後、パッチ・セットのリリースまたは重要なパッチ更新をインストールする必要があるかどうかを確認します。
パッチ・セットは、統合されたテスト済の製品修正を定期的に提供するためのソフトウェア・リリースのメカニズムです。
重要なパッチ更新には、セキュリティ・パッチ更新およびセキュリティ修正が含まれています。2005年から、すべての製品の重要なパッチ更新が四半期ごとに提供されるようになりました。 包括的なパッチによって、重要なセキュリティの脆弱性に対処します。これらのパッチには、セキュリティ修正の前に適用する必要がある修正が含まれています。
Oracle Database 11gリリース1(11.1)の最新のパッチ・セット・リリースおよび重要なパッチ更新は、データベースのアップグレードを行う前にインストールする必要があります。インストールの詳細は、特定のパッチ・リリースおよび重要なパッチ更新に関するドキュメントを参照してください。
Oracle Database 11gリリース1(11.1)および必須パッチをインストールした後、新しいリリースにアップグレードする前にデータベースを分析する必要があります。これは、アップグレード前情報ツールを使用して行います。アップグレードを手動で行っている場合に必要な手順です。DBUAを使用してアップグレードを行う場合も、DBUAで確認される項目をこのツールで確認しておくことをお薦めします。
アップグレード前情報ツールは、Oracle Database 11gリリース1(11.1)に付属するSQLスクリプトです。アップグレードするデータベースの環境にコピーして、その環境から実行する必要があります。アップグレード前情報ツールを実行するには、次の手順を実行します。
utlu111i.sql
)を、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のORACLE_HOME
/rdbms/admin
ディレクトリから、ご使用のシステムの一時ディレクトリなどのOracleホーム以外のディレクトリにコピーします。このファイルの新しい場所を記録します。
SYSDBA
権限を持つユーザーとして、データベース・インスタンスに接続します。
SQL> SPOOL upgrade_info.log
SQL> @utlu111i.sql
SQL> SPOOL OFF
アップグレード前情報ツールの出力内容を、upgrade_info
.log
で確認します。
次に、アップグレード前情報ツールによって生成された出力の例を示します。
Oracle Database 11.1 Pre-Upgrade Information Tool 06-15-2007 09:14:02 . ********************************************************************** Database: ********************************************************************** --> name: ORCL --> version: 10.2.0.1.0 --> compatible: 10.2.0.1 --> blocksize: 8192 --> platform: Linux IA (32-bit) --> timezone file: V2 . ********************************************************************** Tablespaces: [make adjustments in the current environment] ********************************************************************** WARNING: --> SYSTEM tablespace is not large enough for the upgrade. .... currently allocated size: 560 MB .... minimum required size: 910 MB .... increase current size by: 350 MB .... tablespace is NOT AUTOEXTEND ENABLED. --> UNDOTBS1 tablespace is adequate for the upgrade. .... minimum required size: 457 MB .... AUTOEXTEND additional space required: 352 MB --> SYSAUX tablespace is adequate for the upgrade. .... minimum required size: 617 MB .... AUTOEXTEND additional space required: 287 MB --> TEMP tablespace is adequate for the upgrade. .... minimum required size: 61 MB .... AUTOEXTEND additional space required: 41 MB --> EXAMPLE tablespace is adequate for the upgrade. .... minimum required size: 69 MB . ********************************************************************** Update Parameters: [Update Oracle Database 11.1 init.ora or spfile] ********************************************************************** WARNING: --> "sga_target" needs to be increased to at least 388 MB . ********************************************************************** Renamed Parameters: [Update Oracle Database 11.1 init.ora or spfile] ********************************************************************** WARNING: --> "plsql_compiler_flags" old value was "INTERPRETED"; new name is "plsql_code_type" new value is "INTERPRETED" . ********************************************************************** Obsolete/Deprecated Parameters: [Update Oracle Database 11.1 init.ora or spfile] ********************************************************************** --> "max_enabled_roles" --> "remote_os_authent" --> "background_dump_dest" replaced by "diagnostic_dest" --> "user_dump_dest" replaced by "diagnostic_dest" --> "core_dump_dest" replaced by "diagnostic_dest" . ********************************************************************** Components: [The following database components will be upgraded or installed] ********************************************************************** --> Oracle Catalog Views [upgrade] VALID --> Oracle Packages and Types [upgrade] VALID --> JServer JAVA Virtual Machine [upgrade] VALID --> Oracle XDK for Java [upgrade] VALID --> Oracle Workspace Manager [upgrade] VALID --> Messaging Gateway [upgrade] VALID --> OLAP Analytic Workspace [upgrade] VALID --> OLAP Catalog [upgrade] VALID --> Oracle Label Security [upgrade] VALID --> EM Repository [upgrade] VALID --> Oracle Text [upgrade] VALID --> Oracle XML Database [upgrade] VALID --> Oracle Java Packages [upgrade] VALID --> Oracle interMedia [upgrade] VALID --> Spatial [upgrade] VALID --> Data Mining [upgrade] VALID --> Oracle Ultra Search [upgrade] VALID --> Expression Filter [upgrade] VALID --> Rule Manager [upgrade] VALID --> Oracle Application Express [upgrade] --> Oracle OLAP API [upgrade] VALID . ********************************************************************** Miscellaneous Warnings ********************************************************************** WARNING: --> Database is using an old timezone file version. .... Patch the 10.2.0.1.0 database to timezone file version 4 .... BEFORE upgrading the database. Re-run utlu111i.sql after .... patching the database to record the new timezone file version. WARNING: --> Database contains stale optimizer statistics. .... Refer to the 11g Upgrade Guide for instructions to update .... statistics prior to upgrading the database. .... Component Schemas with stale statistics: .... SYS .... WMSYS .... CTXSYS WARNING: --> Database contains INVALID objects prior to upgrade. .... The list of invalid SYS/SYSTEM objects was written to .... registry$sys_inv_objs. .... The list of non-SYS/SYSTEM objects was written to .... registry$nonsys_inv_objs. .... Use utluiobj.sql after the upgrade to identify any new invalid .... objects due to the upgrade. .... USER PUBLIC has 7 INVALID objects. .... USER FLOWS_010600 has 1 INVALID objects. .... USER SYS has 1 INVALID objects. WARNING: --> Database contains schemas with objects dependent on network packages. .... Refer to the 11g Upgrade Guide for instructions to configure Network ACLs. .... USER WKSYS has dependent objects. .... USER SYSMAN has dependent objects. .... USER FLOWS_010600 has dependent objects. WARNING: --> EM Database Control Repository exists in the database. .... Direct downgrade of EM Database Control is not supported. Refer to the .... 11g Upgrade Guide for instructions to save the EM data prior to upgrade. . WARNING: --> There are materialized view refreshes in progress. .... Ensure all materialized view refreshes are complete prior to upgrade. WARNING: --> There are files which need media recovery. .... Ensure no files need media recovery prior to upgrade. WARNING: --> There are files in backup mode. .... Ensure no files are in backup mode prior to upgrade. WARNING:--> There are outstanding unresolved distributed transactions. .... Resolve outstanding distributed transactions prior to upgrade. WARNING:--> A standby database exists. .... Sync standby database prior to upgrade.
次の項では、アップグレード前情報ツールの出力について説明します。
このセクションには、現行のデータベースに関するグローバル・データベース情報(データベース名、リリース番号、互換性レベルなど)が表示されます。データベースをアップグレードする前にCOMPATIBLE
初期化パラメータを調整する必要がある場合は、警告が表示されます。
このセクションには、現行のデータベース内の4MB未満のREDOログ・ファイルのリストが表示されます。各ログ・ファイルに対して、ファイル名、グループ番号および推奨サイズが表示されます。
SQLスクリプトおよびユーティリティを使用して手動でアップグレードする場合は、データベースをアップグレードする前に、4MB以上(10MB推奨)の新しいファイルを現行のデータベースに作成して、4MB未満のREDOログ・ファイルをすべて削除する必要があります。 これらの作業は、Database Upgrade Assistantによって自動的に実行されます。
このセクションには、現行のデータベース内の表領域のリストが表示されます。各表領域に対して、表領域名および最低限必要なサイズが表示されます。また、表領域がアップグレードに適切かどうかを示すメッセージが表示されます。
SQLスクリプトおよびユーティリティを使用して手動でアップグレードする場合は、現行のデータベース内の十分な空き領域のない表領域に領域を追加する必要があります。 この表領域の調整は、データベースをアップグレードする前に行う必要があります。 この作業は、Database Upgrade Assistantによって自動的に実行されます。
このセクションには、データベースをアップグレードする前に調整する必要がある、現行のデータベースのパラメータ・ファイル内にある初期化パラメータのリストが表示されます。 パラメータ・ファイルの調整は、ファイルをOracle Database 11gリリース1(11.1)にコピーした後に行う必要があります。
このセクションには、現行のデータベースのパラメータ・ファイル内の初期化パラメータのうち、Oracle Database 11gリリース1(11.1)で非推奨になった初期化パラメータのリストが表示されます。
このセクションには、現行のデータベースのパラメータ・ファイル内の初期化パラメータのうち、Oracle Database 11gリリース1(11.1)で廃止された初期化パラメータのリストが表示されます。廃止された初期化パラメータは、データベースをアップグレードする前にパラメータ・ファイルから削除する必要があります。
このセクションには、現行のデータベースをアップグレードするときに、アップグレードまたはインストールされるOracle Database 11gリリース1(11.1)のデータベース・コンポーネントのリストが表示されます。
このセクションには、アップグレード前またはアップグレード後に注意する必要がある特定の状況に関する警告が表示されます。
このセクションには、Oracle Database 11gリリース1(11.1)で最低限必要なSYSAUX
表領域のサイズが表示されます。SYSAUX
表領域は、新しいリリースを起動してからアップグレード・スクリプトを起動するまでの間に作成する必要があります。
アップグレード前情報ツールによって、次のいずれかの問題に関する警告が表示された場合は、Oracle Database 11gリリース1(11.1)へのアップグレードを行う前に、さらにデータベースを分析します。
Oracle9iリリース2(9.2)またはOracle Database 10gリリース1(10.1)からOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードすると、CONNECT
ロールに含まれる権限はCREATE SESSION
のみになります。旧リリースでCONNECT
ロールに付与されていた他の権限は、アップグレード時に取り消されます。データベース内でCONNECT
ロールを付与されているユーザーおよびロールを識別するには、次の問合せを使用します。
SELECT grantee FROM dba_role_privs WHERE granted_role = 'CONNECT' and grantee NOT IN ( 'SYS', 'OUTLN', 'SYSTEM', 'CTXSYS', 'DBSNMP', 'LOGSTDBY_ADMINISTRATOR', 'ORDSYS', 'ORDPLUGINS', 'OEM_MONITOR', 'WKSYS', 'WKPROXY', 'WK_TEST', 'WKUSER', 'MDSYS', 'LBACSYS', 'DMSYS', 'WMSYS', 'EXFSYS', 'SYSMAN', 'MDDATA', 'SI_INFORMTN_SCHEMA', 'XDB', 'ODM');
ユーザーまたはロールにCREATE
SESSION
以外の権限が必要な場合は、アップグレード前に特定の必要な権限を付与します。アップグレード・スクリプトによって、Oracleで指定されたユーザーの権限が調整されます。
Oracle Database 11gリリース(11.1)には、UTL_TCP
、UTL_SMTP
、UTL_MAIL
、UTL_HTTP
またはUTL_INADDR
パッケージに対するOracle XML DBを使用したファイングレイン・アクセス制御が含まれています。 これらのパッケージのいずれかを使用するアプリケーションがある場合は、Oracle XML DBがまだインストールされていなければインストールする必要があります。
依存性の評価および適切なアクセス制御リスト(ACL)の追加によるアクセスの提供を行うには、次の手順を実行します。
upgrade_info
.log
)で、次のようなメッセージがないかを確認します。
WARNING: --> Database contains schemas with objects dependent on network packages. .... Refer to the 11g Upgrade Guide for instructions to configure Network ACLs. .... USER WKSYS has dependent objects. .... USER SYSMAN has dependent objects. .... USER FLOWS_010600 has dependent objects. .
DBA_DEPENDENCIES
ビューを問い合せて、依存性の詳細を取得します。次に例を示します。
SELECT * FROM DBA_DEPENDENCIES WHERE referenced_name IN ('UTL_TCP','UTL_SMTP','UTL_MAIL','UTL_HTTP','UTL_INADDR') AND owner NOT IN ('SYS','PUBLIC','ORDPLUGINS');
これらのパッケージが前のリリースと同様に動作するようにデータベースのネットワーク・アクセス制御リスト(ACL)を構成する場合は、「外部ネットワーク・サービスへのファイングレイン・アクセスの構成」に示されているスクリプトの例を参照してください。 このスクリプトには、DBMS_NETWORK_ACL_ADMIN
パッケージを使用してアクセス制御リストに対して権限の作成、割当ておよび追加を行う方法が示されています。
Oracle9iリリース2(9.2)またはOracle Database 10gリリース1(10.1)からOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードするときに、データベース・リンクのすべてのパスワードが暗号化されます。元のリリースにダウングレードするには、ダウングレードする前に、暗号化されたパスワードが指定されたすべてのデータベース・リンクを削除する必要があります。したがって、ダウングレードしたデータベースにはデータベース・リンクは存在しません。元のリリースにダウングレードできるようにしておく必要があると予想される場合は、影響を受けるデータベース・リンクの情報をSYS.LINK$
表から保存します。こうしておくと、ダウングレード後にデータベース・リンクを再作成できます。
Oracle Database 11gリリース1(11.1)に付属のタイムゾーン・ファイルはバージョン2からバージョン4に更新され、一部のタイムゾーン地域の変換ルールに対して行われた変更が反映されています。これらの変更は、TIMESTAMP WITH TIME ZONE
データ型の既存のデータに影響する場合があります。 まだ、既存のデータベースをバージョン4のタイムゾーン・ファイル(パッチ5632264-TZ V4ファイル)に更新していない場合は、Oracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードする前に、このファイルを更新する必要があります。
既存のデータベースですでにバージョン4以上のタイムゾーン・ファイルを使用している場合は、Oracle Database 11gリリース1(11.1)をインストールした後で、アップグレードするデータベースで使用しているタイムゾーン・ファイルのバージョンに適合するパッチをORACLE_HOMEに適用する必要があります。
Oracle Database 11gリリース1(11.1)サーバーで使用するタイムゾーン・ファイルのバージョンが、アップグレードする既存のデータベースで使用していたタイムゾーン・ファイルのバージョンと異なる場合は、データベースをアップグレードせずにアップグレード・スクリプトが終了します。タイムゾーン・ファイルのバージョンが一致していない場合、データベースに格納されているTIMESTAMP WITH TIME ZONE
型のデータは、アップグレード中に破損する可能性があります。
統計が存在しないディクショナリ表のオプティマイザ統計は、Oracle Database 11gリリース1(11.1)へのアップグレード時に収集されます。この統計収集は、多数のディクショナリ表が含まれているデータベースでは時間がかかる場合がありますが、統計が存在しないか、またはアップグレード時に大きく変更されるディクショナリ表に対してのみ行われます。
統計の収集時に発生する停止時間を短縮するために、データベースを実際にアップグレードする前に統計を収集できます。 Oracle Database 10gリリース1(10.1)の場合は、DBMS_STATS.GATHER_DICTIONARY_STATS
プロシージャを使用して統計を収集することをお薦めします。たとえば、次のように入力できます。
EXEC DBMS_STATS.GATHER_DICTIONARY_STATS;
Oracle9iリリース2(9.2)を使用している場合は、DBMS_STATS.GATHER_SCHEMA_STATS
プロシージャを使用して統計を収集する必要があります。これは、付録Bに示すスクリプトを実行して行うことができます。
表3-1に、アップグレード時に統計収集で確認されるシステム・コンポーネントおよびスキーマを示します。
Oracle Database Vaultを有効にしている場合は、データベースをアップグレードする前に無効にし、アップグレードが終了してから再度、有効にする必要があります。
Oracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードした後でOracle Enterprise Manager Database Controlをダウングレードするには、データベースをアップグレードする前にDatabase Controlファイルおよびデータを保存する必要があります。この項では、データベースをアップグレードする前にemdwgrd
ユーティリティを使用して、Database Controlファイルとデータのコピーを保存する方法を説明します。
emdwgrdユーティリティは、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のホームのORACLE_HOME/binディレクトリにあります。 emdwgrdユーティリティは、LinuxとUNIX用のemdwgrd
とemdwgrd.pl
およびWindows用のemdwgrd.bat
とemdwgrd.pl
で構成されています。 ユーティリティを実行する前に、Oracle Database 11gリリース1(11.1)をインストールして、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のホームからスクリプトを起動する必要があります。ただし、emdwgrd
ユーティリティでは、ORACLE_HOME
を古いOracleホームに設定する必要があります。
リリース11.1.0.6からのインプレース・パッチ・セット・アップグレードの実行時に、Oracle Enterprise Manager Database Controlのファイルおよびデータを保存してからリリース11.1.0.6のホームにパッチ・セットを適用する場合は、emdwgrdユーティリティにOracle Bug#7198496の個別パッチを適用する必要があります。このインプレース・パッチ・セット・アップグレードを行う場合、emdwgrdユーティリティでは、ORACLE_HOME
を現行のOracleホームに設定する必要があります。
次の手順は、LinuxおよびUNIX用です。この手順をWindowsで実行する場合は、emdwgrd
をemdwgrd.bat
に置き換えてください。
次の手順に従って、Database Controlファイルとデータを保存します。
インプレース・パッチ・セット・アップグレードでは、この手順は必要ありません。
ORACLE_HOME
を古いOracleホームに設定します。インプレース・パッチ・セット・アップグレードでは、この手順は必要ありません。
ORACLE_SID
を、アップグレードするデータベースのSIDに設定します。
PATH
、LD_LIBRARY_PATH
およびSHLIB_PATH
が、アップグレードするデータベースのOracleホームを指すように設定します。
old_SID
はアップグレードするデータベースのSIDで、save_directory
はDatabase Controlファイルとデータの格納場所として選択した場所へのパスです。
emdwgrd -save -sid old_SID -path save_directory
setenv EM_REMCP /usr/bin/scp
続いて、次のsave
コマンドを実行します。
emdwgrd -save -cluster -sid old_SID -path save_directory
リリース10gのOracleホームが共有デバイス上にある場合は、前述のコマンドラインに-shared
を追加します。
SYS
パスワードを入力します。単一インスタンスのデータベースの場合は、emdwgrd
ユーティリティによって次のような内容が出力されます。
Sat Apr 28 08:49:45 2007 - Verify EM DB Control files ... pass Sat Apr 28 08:49:45 2007 - Validating DB Connection to DB102 ... pass Sat Apr 28 08:49:51 2007 - creating directory ... created Sat Apr 28 08:49:51 2007 - Stopping DB Control ... stopped Sat Apr 28 08:50:01 2007 - Saving DB Control files ... saved Sat Apr 28 08:50:14 2007 - recompiling invalid objects ... recompiled Sat Apr 28 08:50:18 2007 - Exporting sysman schema for DB102 ... exported Sat Apr 28 08:51:36 2007 - Starting DB Control ... started Sat Apr 28 08:53:21 2007 - DB Control was saved successfully.
Oracle RACデータベースの場合は、emdwgrd
ユーティリティによって次のような内容が出力されます。
$ /scratch/oracle/product/11.1.0/db_1/bin/emdwgrd -srcOracleHome $ORACLE_HOME -sid DB102 -path /scratch/rpattabh/ravi/tmp/dbcdir5 穆ave -cluster Enter sys password for database DB102? ***** Database Unique Name : DB102 Sat Apr 28 08:49:45 2007 - Verify EM DB Control files ... pass Sat Apr 28 08:49:45 2007 - Validating DB Connection to DB102 ... pass Sat Apr 28 08:49:51 2007 - creating directory ... created Sat Apr 28 08:49:51 2007 - Stopping DB Control on all Nodes Please Execute '/tmp/racdwgrd_dbctl.sh' on Node1, Node2. Press yes to continue when the operations are successful. Continue (yes/no) ? y ... stopped Sat Apr 28 08:50:01 2007 - Saving DB Control files Executing save directories from node Node1 Executing save directories from node Node2 ... saved Sat Apr 28 08:50:14 2007 - Recompiling invalid objects ... recompiled Sat Apr 28 08:50:18 2007 - Exporting sysman schema for DB102 ... exported Sat Apr 28 08:53:21 2007 - DB Control was saved successfully. Sat Apr 28 08:51:36 2007 - Starting DB Control on all nodes Please Execute '/tmp/racdwgrd_dbctl.sh' on Node1, Node2. Press yes to continue when the operations are successful. Continue (yes/no) ? y ... started Sat Apr 28 08:57:26 2007 - Dump directory was dropped successfully.
完了する必要があるマテリアライズド・ビューのリフレッシュのリストを取得するには、次の文を発行します。
SELECT DISTINCT(TRUNC(last_refresh)) FROM dba_snapshot_refresh_times;
メディア・リカバリを必要とするファイルのリストを取得するには、次の文を発行します。
SELECT * FROM v$recover_file;
バックアップ・モードのファイルのリストを取得するには、次の文を発行します。
SELECT * FROM v$backup WHERE status != 'NOT ACTIVE';
アップグレードの前に、未処理の分散トランザクションを解決します。
SELECT * FROM dba_2pc_pending;
この問合せによって行が戻された場合は、次の文を発行します。
SQL> SELECT local_tran_id FROM dba_2pc_pending; SQL> EXECUTE dbms_transaction.purge_lost_db_entry(''); SQL> COMMIT;
スタンバイ・データベースが存在するかどうか確認するには、次の問合せを発行します。
SELECT SUBSTR(value,INSTR(value,'=',INSTR(UPPER(value),'SERVICE'))+1) FROM v$parameter WHERE name LIKE 'log_archive_dest%' AND UPPER(value) LIKE 'SERVICE%';
この問合せによって行が戻された場合は、スタンバイ・データベースとプライマリ・データベースを同期化します。
NODELAY
オプションを使用して、スタンバイ・データベースのリカバリを開始します。
Oracle9iからのアップグレードで、Oracle9iリポジトリにリスナーが設定されていない場合は、DBUAを実行する前にOracle Net Configuration Assistantを実行し、listener.ora
ファイルを含むOracle Database 11gリリース1(11.1)データベースのリスニング・プロトコルのアドレスおよびサービス情報を構成します。 Oracle Database 11gリリース1(11.1)データベースには、新しいバージョンのリスナーが必要です。 以前のバージョンのリスナーは、Oracle Database 11gリリース1(11.1)データベースでは使用できません。 ただし、新しいバージョンのリスナーを以前のバージョンのOracle Databaseで使用することは可能です。
Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベースをアップグレードする場合は、次の2つのアップグレード方法があります。
この方法には2つの手順が含まれます。まず、古いOracleホームからOracle Net Configuration Assistantを実行して、古いリスナーを削除します。 次に、再度、新しいOracle Database 11gリリース1(11.1)のホームからOracle Net Configuration Assistantを実行して、新しいリスナーを作成する必要があります。
古いリスナーは、新しいリスナーを作成する前に削除する必要があります。先に新しいOracleホームから新しいリスナーを作成しようとした場合に、古いリスナーのものと同じ名前およびポートを使用すると、Oracle Net Configuration Assistantからエラーが戻されます。
次の項では、Database Upgrade Assistant(DBUA)を使用してデータベースをアップグレードする手順について説明します。次の各項目に注意してください。
既存のOracle Enterprise Manager Database Controlをアップグレードする場合、またはOracle Database 11gリリース1(11.1)用の新しいOracle Enterprise Manager Database Controlを構成する場合は、Oracle Enterprise Managerをアップグレードする前にリスナーを実行する必要があります。Oracle Enterprise Managerのアップグレードまたは構成が要求されていることがDBUAで検出されたものの、リスナーが実行中であることをDBUAで確認できない場合は、前述のいずれの場合でも、デフォルト・リスナーを起動するよう、DBUAから求められます。
PRKH-1014 Current user user is not the same as owner owner of oracle home
CLUSTER_DATABASE
初期化パラメータがTRUE
に設定されていることを確認する必要があります。
UPGRADE
モードで既存のデータベースを起動するまで、DBUAを再起動しないでください。データベースをリストアしないかぎり、元のサーバーに戻ることはできません。
Welcome_
SID
.txt
ファイルを削除します。このファイルが存在すると、DBUAでは、この操作が再実行操作であると認識されます。
DBUAでは、Graphical User Interface(GUI)による指示に従ってデータベースをアップグレードできます。DBUAは、ユーザー・インタフェースを表示しないサイレント・モードでも起動できます。
Oracle Database 11gリリース1(11.1)のインストールで既存のデータベースのアップグレードを指定した場合は、自動的にDBUAが起動されます。ただし、既存のデータベースをアップグレードするように指定しなかった場合は、インストール完了後、DBUAを単独で起動できます。
DBUAでは、アップグレードの前に次の確認が行われます。
DBUAは、アップグレード前のこれらのすべての手順が完了するまで、アップグレードを開始しません。
アップグレード時、DBUAは、新しく必要な表領域を自動的に変更または作成し、適切なアップグレード・スクリプトを起動します。オプションで、DBUAは必要なすべてのファイルをバックアップします。
アップグレードの実行中、DBUAによって、各コンポーネントのアップグレード処理の進行状況が表示されます。DBUAは、詳細なトレース・ログおよびログ・ファイルを書き込み、後で参照するための完全なHTMLレポートを作成します。セキュリティを強化するために、DBUAは、アップグレード後のデータベースで、新しいユーザー・アカウントを自動的にロックします。その後、DBUAは、新しいOracleホームへの新しい構成ファイル(パラメータ・ファイルおよびリスナー・ファイル)の作成へと進みます。
DBUAのGraphical User Interfaceを使用してデータベースをアップグレードするには、次の手順を実行します。
dbua
DBUAの「ようこそ」画面が表示されます。
「次へ」をクリックします。
データベースのアップグレードまたはASMインスタンスのアップグレードを選択するための「アップグレード操作」ページが表示されます。
もう1つのオプション(「自動ストレージ管理インスタンスのアップグレード」)については、「DBUAを使用したASMインスタンスのアップグレード」で説明します。
データベースとASMインスタンスは、別々のDBUAセッションで別々のOracleホームにアップグレードすることをお薦めします。
「次へ」をクリックします。
DBUAの「データベース」画面が表示されます。
一度に1つのデータベースのみを選択できます。アップグレードするデータベースが表示されない場合は、etcディレクトリにあるoratab
ファイルにそのデータベース名のエントリが存在することを確認してください。
SYSDBA
権限を所有していないユーザー・アカウントからDBUAを実行している場合は、選択したデータベースに対するSYSDBA
権限を有効にするユーザー名およびパスワードの接続情報を入力する必要があります。
「次へ」をクリックします。
DBUAによって、データベースの分析およびアップグレード前のチェックが実行され、必要に応じて警告が表示されます。 次に、DBUAによるデータベースのチェックの例を示します。
DBUAでのチェックが終了すると、「診断先」画面が表示されます。
診断先は、Oracleのトレース・ファイルおよび診断ファイルの格納に使用されるデフォルトの場所です。これにより、バックグラウンド・ダンプ保存先、ユーザー・ダンプ保存先およびコア・ダンプ保存先の初期化パラメータ設定が、前のリリースの設定から置き換わります。
「次へ」をクリックします。
単一インスタンスのデータベースまたはOracle Express Edition(XE)をアップグレードする場合は、「データベース・ファイルの移動」画面が表示されます。Oracle Real Application Clustersのデータベースをアップグレードする場合は、「データベース・ファイルの移動」画面は表示されません。
データベース・ファイルの移動を選択した場合は、次のうちのいずれかを選択することも必要です。
すべてのデータベース・ファイルを1箇所に保持することを選択した場合は、次のいずれかを実行することも必要です。
データベース・ファイルにOracle Managed Filesを使用することを選択した場合は、次のうちいずれかを実行することも必要です。
このオプションを選択した場合は、異なるデータベース・ファイルの位置を指定できます。サンプルのマッピング・ファイルは、ログの位置にあります。マッピング・ファイルのプロパティ値を編集し、各データベース・ファイルに異なる位置を指定できます。
「次へ」をクリックします。
「リカバリ構成」画面が表示されます。この画面では、データベースのフラッシュ・リカバリ領域の指定ができます。
フラッシュ・リカバリ領域は、バックアップおよびリカバリに関連するファイルを格納するためのディスクの場所で、Oracleによって管理されます。フラッシュ・リカバリ領域を使用すると、データベース・リカバリ・プロセスのスピード、信頼性および管理性が大幅に向上するため、フラッシュ・リカバリ領域を構成することを強くお薦めします。「管理オプション」画面でローカル管理および日次バックアップを有効にした場合、この場所はEnterprise Managerでも使用されます。
手順6で「アップグレード中にデータベース・ファイルを移動」を選択した場合、またはOracle Express EditionデータベースをOracle Enterprise Editionにアップグレードしている場合は、フラッシュ・リカバリ領域を構成する必要があります。フラッシュ・リカバリ領域がすでに構成されている場合は現在の設定が保持されますが、値の上書きができる画面が表示されます。
次のいずれかを実行します。
「次へ」をクリックします。
Enterprise Managerで監視中のデータベースが他にない場合は、「管理オプション」画面が表示されます。
「管理オプション」画面には、データベースをEnterprise Managerで管理できるように設定するオプションがあります。Enterprise Managerには、Oracle環境全体を管理するための集中管理ツールのみでなく、個々のデータベース・インスタンス(複数のデータベース、ホスト、アプリケーション・サーバー、その他のネットワーク・コンポーネントなど)を管理するためのWebベースの管理ツールが用意されています。
Oracle Enterprise Manager Grid Controlでデータベースを登録できるようにするには、ホスト・コンピュータ上で事前にOracle Enterprise Manager Agentを構成する必要があります。
このオプションを選択した場合は、「管理サービス」ドロップダウン・リストからOracle Management Serviceを選択することも必要です。DBUAを実行すると、ホスト・コンピュータにOracle Management Agentがインストールされているかどうかがチェックされます。Oracle Management Agentが見つからなかった場合、Grid Controlオプションは選択できません。
Oracle Databaseソフトウェアのインストールを終了すると、データベースは自動的にOracle Enterprise Manager Grid Control内の管理ターゲットとして使用可能になります。
Oracle環境を集中管理していない場合も、Enterprise Managerを使用してデータベースを管理できます。 Oracle Databaseをインストールすると、Oracle Enterprise Manager Database Controlが自動的にインストールされ、インストール中の単一インスタンスまたはクラスタ・データベースを監視および管理するWebベース機能が提供されます。
指定した条件のメトリックがクリティカルしきい値または警告しきい値に達したときに、SYSMAN
ユーザー(デフォルトのスーパー管理者およびManagement Repositoryのスキーマの所有者)で電子メール通知を受信するように設定する場合は、次の手順を実行します。
SYSMAN
ユーザーの電子メール・アドレスを「電子メール・アドレス」フィールドに入力します。
たとえば、Enterprise Managerは、ターゲットが停止した場合またはデータベースで領域使用率の問題が発生した場合に電子メールを送信できます。電子メール通知は、インストールするとすぐに有効になります。
最小の構成でデータベース全体をバックアップするためにOracle推奨のバックアップ計画を使用するには、次の手順を実行します。
このオプションを選択した場合は、Oracle Databaseのアップグレードが終了した直後にデータベースがバックアップされるように、Enterprise Managerが構成されます。Enterprise Managerでは、フラッシュ・リカバリ領域にデータベースがバックアップされます。後で、Enterprise Managerを使用してバックアップ計画をカスタマイズできます。
Windowsでは、バックアップ用に資格証明を入力する対象となるユーザーは、Windowsのローカル・セキュリティ・ポリシーでバッチ ジョブとしてログオン
権限を付与されている必要があります。 選択したユーザーがこの権限を持っていない場合、バックアップ・ジョブは失敗します。
「次へ」をクリックします。
「データベース資格証明」画面が表示されます。
別のパスワードを使用することを選択した場合は、表内の各アカウントの「パスワード」および「パスワードの確認」列に、パスワードを入力する必要があります。
同じパスワードを使用することを選択した場合は、「パスワード」および「パスワードの確認」フィールドにパスワードを入力する必要があります。
「次へ」をクリックします。
複数のリスナーがOracle Database 11gリリース1(11.1)ホームに構成されていることがDBUAによって検出された場合は、「データベースのネットワーク構成」画面が表示されます。
「リスナー」タブで、次のいずれかのオプションを選択します。
選択したリスナーのみに登録することを選択した場合は、「使用可能リスナー」リストからリスナーを選択し、矢印ボタンを使用して、選択したリスナーを「選択済リスナー」リストに移動する必要があります。
ディレクトリ・サービスを使用してデータベースを登録する場合は、「ディレクトリ・サービス」タブをクリックします。
「ディレクトリ・サービス」タブで、次のいずれかのオプションを選択します。
このオプションを選択すると、ローカル・ネーミング・ファイル(tnsnames.ora)を使用せずにクライアント・コンピュータからこのデータベースに接続できるようになります。また、クライアント・コンピュータでOracle Enterprise User Security 機能を使用することもできるようになります。
データベースを登録することを選択した場合は、「ユーザーDN」フィールドにユーザー識別名(DN)を入力し、「パスワード」フィールドにそのユーザーのパスワードを入力することも必要です。
データベース登録の一部として、Oracle Walletが作成されます。Oracle Walletには、このデータベースとディレクトリ・サービス間のパスワード認証に適した資格証明が含まれます。「ウォレット・パスワード」フィールドおよび「パスワードの確認」フィールドに、パスワードを入力します。
「次へ」をクリックします。
「無効なオブジェクトの再コンパイル」画面が表示されます。
データベースをOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードすると、データベースの多くのPL/SQLモジュールが無効になります。その結果、INVALID
状態のすべての既存のPL/SQLモジュール(パッケージ、プロシージャ、タイプなど)を再コンパイルする必要があります。
デフォルトでは、無効なPL/SQLモジュールは、使用時にOracle Databaseによって再コンパイルされます。モジュールの再コンパイルに時間がかかるため、新しくアップグレードしたデータベースを使用し始めたときに、パフォーマンスが低下する場合があります。
これらのパフォーマンスの問題を解決するには、アップグレードの終了時に「無効なオブジェクトの再コンパイル」を選択します。このオプションを選択すると、すべての無効なPL/SQLモジュールは、アップグレードの実行直後にDBUAによって再コンパイルされます。こうすることにより、新しくアップグレードしたデータベースを使用し始めたときにパフォーマンスの問題が発生することはなくなります。
データベースのすべての無効なPL/SQLモジュールを再コンパイルするタスクは非常に時間がかかり、データベースのアップグレードを完了する時間が長くなる場合があります。複数のCPUがある場合は、使用可能なCPUでパラレル処理を実行してこのタスクを行う時間を短縮できます。複数のCPUが使用可能な場合は、DBUAによって「無効なオブジェクトの再コンパイル」画面にセクションが自動的に追加され、使用可能なCPUの数が自動的に算出されます。
また、推奨の並列度も表示されます。並列度は、無効なPL/SQLモジュールの再コンパイルに、いくつのプロセスを並列して実行するかを指定するものです。具体的には、使用可能なCPUの数より1つ小さい数値が、DBUAによって並列度に設定されます。たとえば、処理のために使用可能なCPUが3つある場合、DBUAでは「並列度」メニューから2が選択されます。このデフォルトの値は、「並列度」メニューから新しい値を選択して調整できます。
アップグレードの完了に要する時間を短縮するには、「アップグレード中はアーカイブおよびフラッシュバック・ロギングを無効にしてください。」を選択します。
データベースがARCHIVELOG
モードまたはフラッシュバック・ロギング・モードの場合、DBUAでは、アップグレード実行中はこれらを無効にするオプションが用意されています。このオプションを選択した場合は、アップグレードの直後にオフライン・バックアップを実行することをお薦めします。
「次へ」をクリックします。
「バックアップ」画面が表示されます。
アップグレードを開始する前に、ご使用のデータベースをバックアップしてください。アップグレード中にエラーが発生した場合は、そのバックアップからデータベースをリストアすることが必要になる可能性があります。
DBUAを使用してデータベースをバックアップする場合は、すべてのデータベース・ファイルのコピーが、「バックアップ・ディレクトリ」フィールドに指定したディレクトリに作成されます。DBUAでは、データベースを停止してからアップグレード・プロシージャを実行するまでの間に、このコールド・バックアップが自動的に実行されます。コールド・バックアップでは、データベース・ファイルは圧縮されません。バックアップ・ディレクトリは有効なファイル・システム・パスであることが必要です。コールド・バックアップ・ファイルにはRAWデバイスは指定できません。
また、DBUAでは、指定したディレクトリにバッチ・ファイルが作成されます。このバッチ・ファイルは、データベース・ファイルのリストアに使用でき、名前は次のとおりです。
DBUAをバックアップに使用しないことを選択した場合、Oracleでは、データベースは独自のバックアップ手順を使用してすでにバックアップされていると想定されます。
「次へ」をクリックします。
「サマリー」画面が表示されます。
すべての指定内容を確認し、次のいずれかを実行します。
「進行」画面が表示され、DBUAでアップグレードが開始されます。
こうすると、この手順は「スキップ」とDBUAに表示され、この手順および関連するすべての手順が無視されて、アップグレードの次の手順に進みます。無視されたエラーは記録され、後でサマリーに表示されます。アップグレードが完了した後、問題を修正してからDBUAを再起動し、スキップされた手順を完了できます。
「無視」が表示されない場合、選択できるのはこのオプションのみです。
DBUAでデータベースのバックアップを取得した場合は、データベースをリストアするか、DBUAから尋ねられます。データベースがリストアされた後、エラーの原因を修正してからDBUAを再起動し、アップグレードを再実行する必要があります。
データベースをリストアしない場合は、手動アップグレードを続行できるように、データベースの現在の状態が保持されます。
Upgrade is complete. Click "OK" to see the results of the upgrade.
「OK」をクリックします。
「アップグレード結果」画面が表示されます。
「パスワード管理」ダイアログ・ボックスを使用して、データベースをアップグレードした後のユーザーのデフォルトのパスワードを変更できます。セキュリティ上の理由から、次のユーザーを除くすべてのユーザーがロックされます。
Enterprise Managerで「ローカル管理」を有効にしている場合は、SYSMAN
およびDBSNMP
アカウントもロック解除されます。これらのアカウントによって、Enterprise Managerにデータベースへのアクセスが提供され、Enterprise Managerを使用して監視データを収集し、管理タスクを実行できるようになります。
Enterprise Managerで「集中管理」を有効にしている場合は、SYS
およびSYSTEM
ユーザー・アカウントに加えて、DBSNMP
アカウントもロック解除されます。
データベースのバックアップに使用した方法によって、「リストア」オプションでは、次のいずれかのタスクが実行されます。
アップグレード結果に問題がない場合は、「終了」をクリックしてDBUAを終了し、新しくアップグレードしたデータベースを使用します。アップグレードされたデータベースのエントリはDBUAによって古いlistener.ora
ファイルから削除され、古いデータベースのリスナーがリロードされます。
-silent
コマンドライン・オプションを使用してDBUAを起動すると、DBUAはサイレント・モードで動作します。サイレント・モードでは、DBUAのユーザー・インタフェースは表示されません。また、情報、エラー、警告を含むすべてのメッセージは、ORACLE_HOME/cfgtoollogs/dbua/SID/upgradenにあるログ・ファイルに書き込まれます。nは、DBUAで実行したアップグレードの現時点での回数です。
たとえば、次のコマンドを実行すると、ORCL
という名前のデータベースがサイレント・モードでアップグレードされます。
dbua -silent -sid ORCL &
DBUAでは、複数のコマンドライン・オプションがサポートされています。次の構文を使用して、すべての有効なオプションをコマンドラインから指定できます。
dbua [ -silent ] [ -sid SID ] [-oracleHome home_name] [-oracleBase base_name] [-diagnosticDest diagnostic_destination] [-sysDBAUserName SYSDBA_user] [-sysDBAPassword SYSDBA_pwd] [-upgradeASM] [-autoextendFiles] [-newGlobalDbName db_name] [-newSid new_SID] [-generateMapFile] [-useASM] [-commonFileLocation common_files] [-omfLocation omf_area] [-databaseMapFile map_file_name] [-newRecoveryArea recover_area] [-newRecoveryAreaSize recover_size] [-apexAdminPassword apex_pwd] [-disableUpgradeScriptLogging ] [-backupLocation directory] [-sysauxTablespace -datafileName name -datafileSize size -datafileSizeNext size -datafileSizeMax size] [-postUpgradeScripts script [, script ] ... ] [-initParam parameter=value [, parameter=value ] ... ] [-disableArchiveLogMode] [-recompile_invalid_objects true | false] [-degree_of_parallelism cpu_number] [-emConfiguration {CENTRAL|LOCAL|ALL|NOBACKUP|NOEMAIL|NONE} -dbsnmpPassword password -sysmanPassword password -asmPassword password -hostUserName hostname -hostUserPassword password -backupSchedule hh:mm [-smtpServer server_name -emailAddress address] [-centralAgent location] [-localRacSid SID]] [-recoveryAreaDestination directory] [-h|-help]
表3-2に、DBUAでサポートされている様々なオプションとそれらのパラメータを示します。
次の項では、手動でアップグレードを実行する手順について説明します。 「アップグレード前情報ツールの実行」で説明したアップグレード前情報ツールがすでに実行されていることが前提となっています。
アップグレード前情報ツールを実行し、正常にインスタンスを停止してから、データベースの全体バックアップを実行する必要があります。次の手順を実行します。
rman "target / nocatalog"
RUN { ALLOCATE CHANNEL chan_name TYPE DISK; BACKUP DATABASE FORMAT 'some_backup_directory%U' TAG before_upgrade; BACKUP CURRENT CONTROLFILE TO 'save_controlfile_location'; }
アップグレードするデータベースを分析した後、次の手順を実行して新しいOracleホームを準備します。
CREATE pfile FROM spfile;
SPFILE
がASMにある環境のデータベースをダウングレードする必要がある場合は、ダウングレードする前にパラメータ・ファイルをリストアする必要があります。
IFILE
(インクルード・ファイル)エントリまたはSPFILE
(サーバー・パラメータ・ファイル)エントリのいずれかを含むテキストベースの初期化パラメータ・ファイルであり、IFILE
エントリまたはSPFILE
エントリ内に指定されたファイルが古い環境のOracleホームに存在する場合、IFILE
エントリまたはSPFILE
エントリで指定されているファイルを新しいOracleホームへコピーします。IFILE
エントリまたはSPFILE
エントリ内に指定されたファイルには、追加の初期化パラメータがあります。
パスワード・ファイルの名前と位置は、オペレーティング・システムによって異なります。LinuxまたはUNIXプラットフォームのデフォルトのパスワード・ファイルはorapw
sid
で、ORACLE_HOME/dbsディレクトリにあります。Windowsオペレーティング・システムのデフォルトのパスワード・ファイルはpwd
sid
.ora
で、ORACLE_HOME\databaseディレクトリにあります。両方の場合とも、sid
はOracleインスタンスのIDです。
init
db_name
.ora
ファイルが古い環境のOracleホームに存在する場合、init
db_name
.ora
ファイルを新しいOracleホームに移動またはコピーします。
アップグレード前情報ツールを使用すると、「Deprecated Parameters」および「Obsolete Parameters」の各セクションに非推奨および廃止されたパラメータが表示されます。
参照:
非推奨となったり、廃止された初期化パラメータのリスト、およびOracle Databaseソフトウェアの異なるリリース間で互換性の問題が発生するようような方法で変更された初期化パラメータについては、付録A「動作の変更点」を参照してください。 |
COMPATIBLE
初期化パラメータが、Oracle Database 11gリリース1(11.1)用に正しく設定されていることを確認します。COMPATIBLE
が正しく設定されていない場合は、アップグレード前情報ツールによって「Database」セクションに警告が表示されます。
IFILE
エントリがある場合、パラメータ・ファイルのIFILE
エントリを変更して、手順 1の cで指定したインクルード・ファイルの新しい場所を指定するようにします。次に、手順 a〜 dでパラメータ・ファイルを編集したときと同じ方法で、IFILE
エントリに指定されているファイルを編集します。
init
db_name
.ora
ファイルを変更します。
これらの調整後、変更したすべてのファイルを保存します。
CLUSTER_DATABASE
初期化パラメータをfalse
に設定します。アップグレードが完了した後、この初期化パラメータの設定をtrue
に戻す必要があります。
新しいOracleホームの準備が完了した後、手動アップグレードに進むことができます。データベースをアップグレードするには、次の手順を実行します。
SQL> SHUTDOWN IMMEDIATE
OracleService
SID
を停止します。SID
はインスタンスの名前です。たとえば、SID
がORCL
の場合、コマンド・プロンプトで次のように入力します。
C:¥> NET STOP OracleServiceORCL
SID
がORCL
の場合、次のコマンドを入力します。
C:¥> ORADIM -DELETE -SID ORCL
ORADIM
コマンドを使用して、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のサービスを作成します。
C:¥> ORADIM -NEW -SID SID -SYSPWD PASSWORD -MAXUSERS USERS -STARTMODE AUTO -PFILE ORACLE_HOME¥DATABASE¥INITSID.ORA
この構文には次の変数が含まれます。
たとえば、SID
がORCL
、password
(SYSPWD
)がTWxy5791
、ユーザーの最大数(MAXUSERS
)が10、ORACLE_HOMEディレクトリがC:¥ORACLE¥PRODUCT¥11.1.0¥DBの場合、次のコマンドを入力します。
C:¥> ORADIM -NEW -SID ORCL -SYSPWD TWxy5791 -MAXUSERS 10 -STARTMODE AUTO -PFILE C:¥ORACLE¥PRODUCT¥11.1.0¥DB¥DATABASE¥INITORCL.ORA
ORADIMによって、ORACLE_HOME\databaseディレクトリにログが書き込まれます。
SYSDBA
権限を持つユーザーとして、データベース・インスタンスに接続します。
SQL> STARTUP UPGRADE
PFILE
オプションを使用して、初期化パラメータ・ファイルの場所を指定する必要がある場合があります。
いったんデータベースをアップグレード・モードで起動すると、catupgrd.sql
スクリプトを実行するまでは、固定ビューへの問合せのみ、エラーにならずに実行できます。catupgrd.sql
を実行する前は、他のビューに問い合せたりPL/SQLを実行すると、エラーが戻されます。
次に、新しいOracle Database 11gリリース1(11.1)データベースを起動しようとした場合に発生する一般的なエラーを示します。これらのエラーの一部はアラート・ログに記録され、セッションには表示されません。いずれかのエラーが表示された場合、 SHUTDOWN ABORT
コマンドでデータベースを停止し、問題を修正します。
ORA-00401: the value for parameter compatible is not supported by this release
COMPATIBLE
初期化パラメータが10.0.0未満に設定されている場合。
ORA-39701: database must be mounted EXCLUSIVE for UPGRADE or DOWNGRADE
CLUSTER_DATABASE
初期化パラメータがFALSE
ではなく、TRUE
に設定されている場合。
ORA-39700: database must be opened with UPGRADE option
UPGRADE
キーワードを指定しないでSTARTUP
コマンドを発行した場合。
ORA-00336: log file size xxxx blocks is less than minimum 8192 blocks
REDOログのサイズが4MB未満の場合。
廃止された初期化パラメータを示すエラーが表示された場合は、その廃止された初期化パラメータを記録し、アップグレードを継続します。次にデータベースを停止するときに、廃止された初期化パラメータを削除します。
SYSAUX
表領域を作成します。 以前のリリースでは複数の表領域に別々に存在していたデータが、Oracle Database 11gリリース1(11.1)ではSYSAUX
表領域を使用して統合されます。
SYSAUX
表領域は、次の必須属性を指定して作成する必要があります。
アップグレード前情報ツールの「SYSAUX Tablespace」セクションには、SYSAUX
表領域に最小限必要なサイズが表示されます。表3-3を参照して、SYSAUX
表領域の最適なサイズを決定できます。
要素 | 小 | 中 | 大 |
---|---|---|---|
CPUの数 |
2 |
8 |
32 |
同時実行セッションの数 |
5 |
20 |
100 |
ユーザー・オブジェクト(表および索引)の数 |
500 |
5,000 |
50,000 |
定常状態でのデフォルト構成のSYSAUXの推定サイズ |
500MB |
2GB |
5GB |
次のSQL文では、データベースに500MBのSYSAUX
表領域が作成されます。
SQL> CREATE TABLESPACE sysaux DATAFILE 'sysaux01.dbf' SIZE 500M REUSE EXTENT MANAGEMENT LOCAL SEGMENT SPACE MANAGEMENT AUTO ONLINE;
SQL> SPOOL upgrade.log
catupgrd.sql
スクリプトを実行します。
SQL> @catupgrd.sql
catupgrd.sql
スクリプトでは、必要なアップグレード・スクリプトが特定されて実行された後、データベースが停止されます。 Oracle Database 11gリリース1(11.1)の環境でスクリプトを実行する必要があります。
アップグレード・スクリプトを実行すると、一定のディクショナリ表が作成および変更されます。 また、新しいOracle Database 11gリリース1(11.1)データベースの次のデータベース・コンポーネントも、アップグレードまたはインストールされます。
SQL> STARTUP
catupgrd.sql
スクリプトの一部としてデータベースが停止された後のこの再起動では、すべてのキャッシュがフラッシュされ、バッファが消去されて、その他の内部的な不整合が解消されます。 これらの操作は、新しくアップグレードしたOracle Databaseソフトウェアの整合性と一貫性を保証するための重要な最終手順です。
また、手順 8でデータベースを起動したときに、廃止された初期化パラメータをリストしたメッセージが表示された場合は、廃止された初期化パラメータを再起動前にパラメータ・ファイルから削除します。ファイルを編集してパラメータを削除するために、必要に応じてSPFILE
をPFILE
に変換します。
utlu111s.sql
を実行し、アップグレードの結果を表示します。
SQL> @utlu111s.sql
アップグレード後の状態ツールを実行すると、次のような出力が表示されます。
Oracle Database 11.1 Post-Upgrade Status Tool 03-18-2007 22:48:55 . Component Status Version HH:MM:SS . Oracle Server . VALID 11.1.0.6.0 00:17:31 JServer JAVA Virtual Machine . VALID 11.1.0.6.0 00:02:32 Oracle Workspace Manager . VALID 11.1.0.6.0 00:01:02 Messaging Gateway . VALID 11.1.0.6.0 00:00:46 OLAP Analytic Workspace . VALID 11.1.0.6.0 00:03:20 OLAP Catalog . VALID 11.1.0.6.0 00:05:56 Oracle OLAP API . VALID 11.1.0.6.0 00:00:48 Oracle Label Security . VALID 11.1.0.6.0 00:00:37 Oracle Enterprise Manager . VALID 11.1.0.6.0 00:12:02 Oracle XDK . VALID 11.1.0.6.0 00:00:42 Oracle Text . VALID 11.1.0.6.0 00:01:02 Oracle XML Database . VALID 11.1.0.6.0 00:04:24 Oracle Database Java Packages . VALID 11.1.0.6.0 00:00:27 Oracle Multimedia . VALID 11.1.0.6.0 00:05:44 Spatial ERROR at line 1: ORA-00604: error occurred at recursive SQL level 1 ORA-04031: unable to allocate 4096 bytes of shared memory ("java pool","sun/tools/java/ConstantsSYS","joxlod exec hp",":SGAClass") ORA-06512: at "SYS.DBMS_JAVA", line 704 ORA-06512: at line 1 . VALID 11.1.0.6.0 00:08:24 Oracle Ultra Search . VALID 11.1.0.6.0 00:03:09 Oracle Expression Filter . VALID 11.1.0.6.0 00:00:38 Oracle Rules Manager . VALID 11.1.0.6.0 00:00:21 Oracle Application Express . VALID 2.2.1.01.01 00:23:25 Gathering Statistics . 00:05:12 Total Upgrade Time: 01:29:03
アップグレード後の状態ツールからエラーが戻されたり、VALID
でないか、または最新のリリースのものではないコンポーネントが表示された場合は、「アップグレードのトラブルシューティング」を参照してください。
ORACLE_HOME
/rdbms/admin
ディレクトリにあるcatuppst.sql
を実行し、データベースをUPGRADE
モードにする必要がないアップグレード操作を実行します。
SQL> @rdbms/admin/catuppst.sql
新しいSQL*Plusセッションで実行する場合は、utlrp.sql
(手順15を参照)と並行してこのスクリプトを実行できます。
utlrp.sql
を実行して、残りのすべてのストアドPL/SQLおよびJavaコードを再コンパイルします。
SQL> @utlrp.sql
予測されるすべてのパッケージおよびクラスが有効であることを確認します。
SQL> SELECT count(*) FROM dba_invalid_objects; SQL> SELECT distinct object_name FROM dba_invalid_objects;
これで、ご使用のデータベースがOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードされました。第4章「新しいリリースへのアップグレード後の作業」に示す手順を実行します。
この項では、アップグレードで問題があった場合の対処方法を説明します。ここでは、次の項目について説明します。
アップグレード中にリソースが不足した場合は、リソースの割当てを増やします。リソースの割当てを増やした後、SHUTDOWN ABORT
を実行し、インスタンスを(UPGRADE
モードで)再起動してから、catupgrd.sql
スクリプトを再実行するか、またはDBUAを再起動する必要があります。
通常、Oracle Databaseの新しいリリース用に増やす必要があるリソースは、次の3つです。
SYSTEM
およびSYSAUX
表領域通常、SYSTEM
表領域のサイズが不十分な場合、アップグレード中に次のいずれかのメッセージが表示されます。
ORA-01650: unable to extend rollback segment string by string in tablespace string ORA-01651: unable to extend save undo segment by string for tablespace string ORA-01652: unable to extend temp segment by string in tablespace string ORA-01653: unable to extend table string.string by string in tablespace string ORA-01654: unable to extend index string.string by string in tablespace string ORA-01655: unable to extend cluster string.string by string in tablespace string
これらのエラーを回避するには、SYSTEM
およびSYSAUX
表領域にAUTOEXTEND ON MAXSIZE UNLIMITED
を設定します。
より大きな共有メモリーのプール・サイズが必要な場合があります。増やす必要がある共有メモリーの初期化パラメータが、エラー・メッセージに示されます。
ORA-04031: unable to allocate string bytes of shared memory ("string","string","string","string")
ロールバック・セグメントを使用している場合、アップグレード・スクリプトの実行中は、1つの大きい(100MBの)パブリック
・ロールバック・セグメントをオンラインにする必要があります。小さいパブリック・ロールバック・セグメントは、アップグレード中はオフラインにする必要があります。通常、ロールバック・セグメントのサイズが不十分な場合は、次のエラーが表示されます。
ORA-01562: failed to extend rollback segment number string
UNDO表領域を使用している場合は、400MB以上であることを確認してください。
フラッシュ・リカバリ領域を使用してアップグレード中にこの領域が一杯になった場合は、アラート・ログに次のエラーが表示され、その後に問題から復旧するためのアドバイスも表示されます。
ORA-19815: WARNING: db_recovery_file_dest_size of string bytes is 98.99% used, and has string remaining bytes available.
問題の根本原因を特定し、アップグレードを続行するための適切な対処を行います。アップグレード中にこの問題が発生しないようにするには、アップグレードを開始する前に、フラッシュ・リカバリ領域内の使用可能な領域を増やします。
アップグレードの最後には、すべてのコンポーネントがVALID
の状態でアップグレード後の状態ツールに表示される必要があります。次のリストは、表示される可能性のある他の状態の値とその説明です。
NO SCRIPT
コンポーネント・アップグレード・スクリプトがORACLE_HOMEに見つかりませんでした。インストール・ログを確認し、コンポーネント・ソフトウェアをインストールし、catupgrd.sql
を再実行します。
OPTION OFF
コンポーネントに必要なサーバー・オプションがインストールされていないか、またはサーバーとリンクされていません。V$OPTION
ビューとインストール・ログを確認します。コンポーネントをインストールするか、必要なオプションをサーバーに再リンクしてから、catupgrd.sql
を再実行します。
REMOVED
データベースから削除されたため、コンポーネントはアップグレードされませんでした。
INVALID
アップグレードの完了時に、コンポーネントの一部のオブジェクトが無効でした。コンポーネントのアップグレード中にエラーが発生しなかった場合は、アップグレード全体を再実行しなくても、utlrp.sql
を実行することで、状態がVALID
に変わる可能性があります。utlrp.sql
を実行した後に、DBA_REGISTRY
ビューを確認します。
UPGRADING
コンポーネントのアップグレードが完了していません。問題を解決して、catupgrd.sql
を再実行します。
次の手順に従ってアップグレードを再実行します。
SQL> SHUTDOWN IMMEDIATE
UPGRADE
モードでデータベースを再起動します。
SQL> STARTUP UPGRADE
catupgrd.sql
を再実行します。
SQL> @catupgrd.sql
utlu111s.sql
を再実行します。
SQL> @utlu111s.sql
「データベースのバックアップ」の手順を実行してデータベースのバックアップを行った場合、アップグレードを中止する最も簡単な方法は、バックアップをリストアすることです。次の手順を実行します。
rman "target / nocatalog"
STARTUP NOMOUNT RUN { RESTORE CONTROLFILE FROM 'save_controlfile_location'; ALTER DATABASE MOUNT; RESTORE DATABASE FROM TAG before_upgrade ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS; }
ソースおよびターゲットのASM Oracleホームが異なるユーザーによって所有されている場合は、DBUAでASMインスタンスをアップグレードすることはできません。DBUAでアップグレードしようとすると、次のようなエラーが戻されます。
PRKH-1014 Current user user_name is not the same as owner owner_name of oracle home
単一インスタンスのASMをアップグレードする場合は、新しいOracle Database 11gリリース1(11.1)ホームからOracle Cluster Synchronization Services(CSS)が実行されるようにCSSを先に構成する必要があります。まだ構成されていないことがDBUAによって検出された場合は、構成するように指示されます。 詳細は、「Oracle Cluster Synchronization Servicesの再構成」を参照してください。
次の手順を実行して、自動ストレージ管理(ASM)インスタンスをOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードします。
dbua
DBUAの「ようこそ」画面が表示されます。
「次へ」をクリックします。
データベースのアップグレードまたはASMインスタンスのアップグレードを選択するための「アップグレード操作」ページが表示されます。
もう1つのオプション(「データベースをアップグレード」)については、「Database Upgrade Assistantを使用したデータベースのアップグレード」で説明します。
データベースとASMインスタンスは、別々のDBUAセッションで別々のOracleホームにアップグレードすることをお薦めします。
「次へ」をクリックします。
DBUAの「サマリー」画面が表示されます。
すべての指定内容を確認し、次のいずれかを実行します。
「進行」画面が表示され、DBUAでアップグレードが開始されます。
Upgrade is complete. Click "OK" to see the results of the upgrade.
「OK」をクリックします。
「アップグレード結果」画面が表示されます。
「閉じる」をクリックして、DBUAを終了します。
次の項では、手動でアップグレードを実行する手順について説明します。 Oracle Database 11gリリース1(11.1)がインストール済であり、「アップグレード前情報ツールの実行」で説明したアップグレード前情報ツールがすでに実行されていることが前提となっています。
単一インスタンスのASMをアップグレードする場合は、新しいOracle Database 11gリリース1(11.1)ホームからOracle Cluster Synchronization Services(CSS)が実行されるようにCSSを先に構成する必要があります。そのためには、ASMをアップグレードする前に、次に示すコマンドを実行する必要があります。
localconfig reset [destination_Oracle_home]
現在CSSサービスが構成されているOracleホームからコマンドを実行する場合は、destination_Oracle_home
を指定する必要があります。
次の手順を実行して、新しいOracleホームを準備します。
IFILE
(インクルード・ファイル)エントリまたはSPFILE
(サーバー・パラメータ・ファイル)エントリのいずれかを含むテキストベースの初期化パラメータ・ファイルであり、IFILE
エントリまたはSPFILE
エントリ内に指定されたファイルが古い環境のOracleホームに存在する場合、IFILE
エントリまたはSPFILE
エントリで指定されているファイルを新しいOracleホームへコピーします。IFILE
エントリまたはSPFILE
エントリ内に指定されたファイルには、追加の初期化パラメータがあります。
パスワード・ファイルの名前と位置は、オペレーティング・システムによって異なります。LinuxまたはUNIXプラットフォームのデフォルトのパスワード・ファイルはorapw
sid
で、ORACLE_HOME/dbsディレクトリにあります。Windowsオペレーティング・システムのデフォルトのパスワード・ファイルはpwd
sid
.ora
で、ORACLE_HOME¥databaseディレクトリにあります。両方の場合とも、sid
はOracleインスタンスのIDです。
アップグレード前情報ツールを使用すると、「Deprecated Parameters」および「Obsolete Parameters」の各セクションに非推奨および廃止されたパラメータが表示されます。
参照:
非推奨となったり、廃止された初期化パラメータのリスト、およびOracle Databaseソフトウェアの異なるリリース間で互換性の問題が発生するようような方法で変更された初期化パラメータについては、付録A「動作の変更点」を参照してください。 |
IFILE
エントリがある場合、パラメータ・ファイルのIFILE
エントリを変更して、手順1のcで指定したインクルード・ファイルの新しい場所を指定するようにします。次に、手順a〜dでパラメータ・ファイルを編集したときと同じ方法で、IFILE
エントリに指定されているファイルを編集します。
これらの調整後、変更したすべてのファイルを保存します。
新しいOracleホームの準備が完了した後、手動アップグレードに進むことができます。ASMをアップグレードするには、次の手順を実行します。
SQL> SHUTDOWN IMMEDIATE
OracleASMService
SID
を停止します。SID
はインスタンスの名前です。たとえば、SID
が+ASM
の場合、コマンド・プロンプトで次のように入力します。
C:¥> NET STOP OracleASMService+ASM
SID
が+ASM
の場合、次のコマンドを入力します。
C:¥> ORADIM -DELETE -ASMSID +ASM
ORADIM
コマンドを使用して、Oracle Database 11gリリース1(11.1)のサービスを作成します。
C:¥> ORADIM -NEW -ASMSID SID -SYSPWD PASSWORD -MAXUSERS USERS -STARTMODE AUTO -PFILE ORACLE_HOME¥DATABASE¥INITSID.ORA
この構文には次の変数が含まれます。
たとえば、SID
が+ASM
、password
(INTPWD
)がTWxy5791
、ユーザーの最大数(MAXUSERS
)が10、ORACLE_HOMEディレクトリがC:¥ORACLE¥PRODUCT¥11.1.0¥DBの場合、次のコマンドを入力します。
C:¥> ORADIM -NEW -ASMSID +ASM -SYSPWD TWxy5791 -MAXUSERS 10 -STARTMODE AUTO -PFILE C:¥ORACLE¥PRODUCT¥11.1.0¥DB¥DATABASE¥INIT+ASM.ORA
SYSASM
権限を持つユーザーとして、ASMインスタンスに接続します。
SQL> STARTUP
SPFILE
をPFILE
に変換します。
SYSMAN
権限をSYS
に付与します。
GRANT sysasm TO sys;
このコマンドを実行すると、パスワード・ファイルを使用してSYS
ユーザーを認証できるようになります。
これで、ASMがOracle Database 11gリリース1(11.1)にアップグレードされました。第4章「新しいリリースへのアップグレード後の作業」に示すASM固有の手順を実行します。
この項では、ASMのアップグレードで問題があった場合の対処方法を説明します。
ASMのアップグレード中にリソースが不足した場合は、リソースの割当てを増やします。リソースの割当てを増やした後、SHUTDOWN
ABORT
を実行し、インスタンスを再起動してから、手動でASMをアップグレードするか、またはDBUAを再起動する必要があります。
Oracle Databaseの新しいリリースでは、より大きな共有メモリーのプール・サイズが必要な場合があります。増やす必要がある共有メモリーの初期化パラメータが、エラー・メッセージに示されます。
ORA-04031: unable to allocate string bytes of shared memory ("string","string","string","string")
ASMのアップグレードを中止するには、古いOracleホームからASMインスタンスを起動します。
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