Oracle Database 2日でデータ・レプリケーションおよび統合ガイド 11g リリース1(11.1) E05777-03 |
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この章では、Oracle Streamsレプリケーション環境の管理、監視およびトラブルシューティング方法を説明します。
この章は次の項で構成されています。
参照:
Oracle Streamsレプリケーション環境では、管理はそれほど必要ありません。環境が正しく構成されている場合は、必要な最小限の管理作業で変更がデータベース・オブジェクトに自動的にレプリケートされます。この項では、Oracle Streamsレプリケーション環境で必要になることのある管理タスクの実行方法を説明します。
次の各項で、Oracle Streamsレプリケーション環境の管理を説明します。
Enterprise Managerを使用して、取得プロセスを管理できます。この項では、取得プロセスの最も一般的な管理タスクを完了する方法を説明します。
次の各項で、取得プロセスの管理について説明します。
この項では、Enterprise Managerで取得プロセスを起動および停止する方法を説明します。
取得プロセスは、サポートされていないデータ型などのエラーを検出した場合に自動的に停止することがあります。この状況が発生した場合は、Enterprise Managerの「Streams」ページの「取得」サブページにエラーが表示されます。この場合は、エラーを解決して取得プロセスを再起動する必要があります。
また、取得プロセスは、取得プロセスが停止していたときにデータベース・オブジェクトに対して行われた変更を取得できることにも注意してください。これらの変更はREDOログに記録され、取得プロセスは、再起動後にREDOログ内で取得するように構成されている変更を検索します。データベース・オブジェクトに対する特定の変更を取得しないようにするには、タグを使用する必要があります。「変更の循環を回避するためのタグの概要」を参照してください。
「Streams」ページが表示され、「概要」サブページが表示されます。
この項では、Enterprise Managerで取得プロセス・パラメータを設定する方法を説明します。取得プロセス・パラメータは、取得プロセスの動作を制御します。パラメータを設定して、取得プロセスの特定の動作を変更できます。たとえば、PARALLELISM
取得プロセス・パラメータを変更して、変更を取得するプロセス数を制御できます。通常は、取得プロセスの並列性を調整して、取得プロセスのパフォーマンスを最適化します。
「Streams」ページが表示され、「概要」サブページが表示されます。
パラメータの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。parallelism
パラメータを変更した場合は、 「適用」をクリックしたときに取得プロセスが自動的に停止し、再起動します。
この項では、Enterprise Managerで伝播を有効または無効にする方法を説明します。
伝播がメッセージを送信するデータベースが停止している場合、またはネットワークの問題のため伝播によるメッセージの送信が不能な場合は、伝播を無効にできます。このような状況では、伝播を無効にし、問題が解決したら有効にできます。
また、16回連続試行してもメッセージの送信に失敗した場合は、伝播が自動的に無効になります。この状況が発生した場合は、Enterprise Managerの「Streams」ページの「伝播」サブページにエラーが表示されます。この場合は、エラーを解決し、伝播を有効にする必要があります。
「Streams」ページが表示され、「概要」サブページが表示されます。
伝播の「ステータス」ページが表示されます。
「次回」、「伝播の期間」または「待機時間」セクションの設定は変更しないでください。一般に、これらのセクションのデフォルト値で、最も効率的な伝播が行われます。伝播スケジュールの変更については、このマニュアルで説明しません。
参照:
Enterprise Managerを使用して、適用プロセスを管理できます。この項では、適用プロセスの最も一般的な管理タスクを完了する方法を説明します。
次の各項で、適用プロセスの管理について説明します。
この項では、Enterprise Managerで適用プロセスを起動および停止する方法を説明します。
適用プロセスは、表に存在しない行の更新試行などのエラーが発生した場合に自動的に停止します。この状況が発生した場合は、Enterprise Managerの「Streams」ページの「適用」サブページで、適用プロセスのステータスが「中断」
になります。この場合は、エラーを解決して適用プロセスを再起動する必要があります。
「Streams」ページが表示され、「概要」サブページが表示されます。
この項では、Enterprise Managerで適用プロセス・パラメータを設定する方法を説明します。適用プロセス・パラメータは、適用プロセスの動作を制御します。パラメータを設定して、適用プロセスの特定の動作を変更できます。たとえば、parallelism
適用プロセス・パラメータを変更して、変更を適用するプロセス数を制御できます。通常は、適用プロセスの並列性を調整して、適用プロセスのパフォーマンスを最適化します。
「Streams」ページが表示され、「概要」サブページが表示されます。
パラメータの詳細は、『Oracle Database PL/SQLパッケージ・プロシージャおよびタイプ・リファレンス』を参照してください。parallelism
パラメータを変更した場合は、「適用」をクリックしたときに適用プロセスが自動的に停止し、再起動します。
この項では、Enterprise ManagerとSQL*Plusを使用して、レプリケーション・コンポーネントとレプリケーション・トポロジに関する一般情報を表示する方法を説明します。取得プロセス、伝播および適用プロセスの監視方法も説明します。
次の各項で、Oracle Streamsレプリケーション環境の監視を説明します。
Enterprise Managerの「Streams」ページの「概要」サブページには、現在のデータベース内のOracle Streamsコンポーネントに関する情報が表示されます。次のような情報があります。
番号をクリックしてドリルダウンし、コンポーネントに関する詳細情報を表示したり、コンポーネントを管理したりできます。
「Streams」ページが表示され、「概要」サブページが表示されます。Oracle Streamsの「概要」ページの詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。
Oracle Streamsトポロジには、ローカル・データベース、およびOracle Streams環境でローカル・データベースと対話する他のデータベースのグラフィカル表現が表示されます。レプリケーション環境では、トポロジは、表示されているデータベースに関する次の情報を示します。
「Streams」ページが表示され、「概要」サブページが表示されます。
「概要」ウィンドウで、トポロジの特定部分を選択して詳細に表示したり、ズーム・イン/ズーム・アウトできます。トポロジ内のデータベースを選択し、データベースに関する情報を示す「選択の詳細」ウィンドウを表示することもできます。
Oracle Streamsトポロジの詳細は、「ヘルプ」または「凡例」リンクをクリックしてください。
次の図は、Oracle Streamsレプリケーション環境のOracle Streamsトポロジの例を示しています。
前の図のOracle Streamsトポロジには、次の要素が含まれています。
database
です。
ii2.example.com
データベースは、現在のデータベースと相互に作用するレプリケーション環境の一部です。
ii2.example.com
データベースに送信されます。これらの変更は、適用プロセスによってii2.example.com
データベースで適用されます。
Enterprise ManagerでのOracle Streamsトポロジのグラフィック表示だけでなく、DBMS_STREAMS_ADVISOR_ADM
パッケージを使用してOracle Streamsトポロジに関する情報を収集することもできます。この情報を収集した後で、次のデータ・ディクショナリ・ビューを問い合せてOracle Streamsトポロジを表示できます。
DBA_STREAMS_TP_COMPONENT
には、各データベースの各Oracle Streamsコンポーネントに関する情報が含まれています。
DBA_STREAMS_TP_COMPONENT_LINK
には、Oracle Streamsコンポーネント間でのメッセージ・フローの方法に関する情報が含まれています。
DBA_STREAMS_TP_COMPONENT_STAT
には、各Oracle Streamsコンポーネントに関する統計が含まれています。
DBA_STREAMS_TP_DATABASE
には、Oracle Streamsコンポーネントを含む各データベースに関する情報が含まれています。
DBA_STREAMS_TP_PATH_BOTTLENECK
には、ストリーム・フローの速度を低下させる可能性のあるOracle Streamsコンポーネントに関する情報が含まれています。
DBA_STREAMS_TP_PATH_STAT
には、Oracle Streamsトポロジ内に存在する各ストリームに関する統計が含まれています。
DBMS_STREAMS_ADVISOR_ADM
パッケージを使用して情報を収集すると、Oracle Streamsパフォーマンス・アドバイザがOracle Streamsのパフォーマンスに関する情報をこれらのビューに配置します。これらのビューを問い合せれば、Oracle Streamsコンポーネントの現在のパフォーマンス状況を判断し、そのパフォーマンスを向上する方法を決定できます。
参照:
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Enterprise Managerを使用して、取得プロセスに関する詳細情報を表示できます。取得プロセスの統計も表示できます。
次の各項で、取得プロセスの監視について説明します。
Enterprise Managerを使用して、取得プロセスに関する情報を表示できます。この情報には、取得プロセスのステータスと状態、取得プロセスで使用されるルールおよび取得プロセスに関するその他の情報が含まれます。
「Streams」ページが表示され、「概要」サブページが表示されます。
「取得」サブページには、データベース内の各取得プロセスに関する一般情報が表示されます。この情報には、取得プロセスのルール・セット、キュー、状態およびステータスが含まれます。「取得」サブページの詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。
「取得の詳細を表示」ページには、取得プロセスに関する詳細情報が表示されます。また、取得プロセスが変更を取得するデータベース・オブジェクトを表示できます。ルールでは、取得プロセスで取得されるデータベース変更が制御されます。「オブジェクト」セクションの検索ツールを使用して、取得プロセス・ルールを表示します。
このページの詳細を表示するには、「ヘルプ」をクリックします。
Enterprise Managerを使用して、取得プロセスの統計を表示できます。統計には、取得プロセス・キュー内のメッセージ数、取得プロセスで取得およびエンキューされたメッセージ数、および取得プロセスに関連するその他の統計が含まれます。
「Streams」ページが表示され、「概要」サブページが表示されます。
「取得」サブページには、データベース内の各取得プロセスに関する一般情報が表示されます。この情報には、取得プロセスのルール・セット、キュー、状態およびステータスが含まれます。「取得」サブページの詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。
「取得の統計を表示」ページには、次の情報が表示されます。
V$STREAMS_CAPTURE
動的パフォーマンス・ビューに関する項を参照してください。
このページの詳細を表示するには、「ヘルプ」をクリックします。
Enterprise Managerを使用して、伝播に関する詳細情報を表示できます。伝播の統計も表示できます。
次の各項で、伝播の監視について説明します。
Enterprise Managerを使用して、伝播に関する情報を表示できます。この情報には、伝播のステータス、伝播が失敗したかどうか、伝播で使用されるルールおよび伝播に関するその他の情報が含まれます。
「Streams」ページが表示され、「概要」サブページが表示されます。
「伝播の詳細を表示」ページには、伝播プロセスに関する詳細情報が表示されます。また、伝播が変更を送信するデータベース・オブジェクトを表示できます。ルールでは、伝播によって送信されるデータベース変更が制御されます。「オブジェクト」セクションの検索ツールを使用して、伝播ルールを表示します。
このページの詳細を表示するには、「ヘルプ」をクリックします。
Enterprise Managerを使用して、伝播の統計を表示できます。統計には、伝播ソース・キュー内のメッセージ数、伝播によって送信されたメッセージ数および伝播に関連するその他の統計が含まれます。
「Streams」ページが表示され、「概要」サブページが表示されます。
「伝播の統計を表示」ページには、次のサブページが表示されます。
どちらのサブページにも、キュー内のメッセージ数と、伝播により送信されたメッセージ数を数時間にわたって示すグラフがあります。両方のサブページには、メッセージの合計数や、伝播が前回起動した後に伝播されたバイト数など、その他の伝播統計も含まれます。現在のサブページの統計の詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。
Enterprise Managerを使用して、適用プロセスに関する詳細情報を表示できます。適用プロセスの統計も表示できます。
次の各項で、適用プロセスの監視について説明します。
Enterprise Managerを使用して、適用プロセスに関する情報を表示できます。この情報には、適用プロセスのステータスと状態、適用プロセスで使用されるルールおよび適用プロセスに関するその他の情報が含まれます。
「Streams」ページが表示され、「概要」サブページが表示されます。
「適用の詳細表示」ページには、適用プロセスに関する詳細情報が表示されます。また、適用プロセスが変更を適用するデータベース・オブジェクトを表示できます。ルールでは、適用プロセスでデキューおよび適用されるデータベース変更が制御されます。「オブジェクト」セクションの検索ツールを使用して、適用プロセス・ルールを表示します。
このページの詳細を表示するには、「ヘルプ」をクリックします。
Enterprise Managerを使用して、適用プロセスの統計を表示できます。統計には、適用プロセス・キュー内のメッセージ数、適用プロセスで適用されたメッセージ数、および適用プロセスに関連するその他の統計が含まれます。
「Streams」ページが表示され、「概要」サブページが表示されます。
「適用の統計を表示」ページには、次のサブページがあります。
現在のサブページに表示されている統計の詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。
レプリケーション環境で、更新競合ハンドラは、同じ行が2つの異なるデータベースでほぼ同時に更新された場合に発生する競合を自動的に解消します。ALL_APPLY_CONFLICT_COLUMNS
データ・ディクショナリ・ビューを使用して、更新競合ハンドラをリストできます。
SQL*Plusの起動の詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。
COLUMN OBJECT_OWNER HEADING 'Table|Owner' FORMAT A5 COLUMN OBJECT_NAME HEADING 'Table Name' FORMAT A12 COLUMN METHOD_NAME HEADING 'Method' FORMAT A12 COLUMN RESOLUTION_COLUMN HEADING 'Resolution|Column' FORMAT A13 COLUMN COLUMN_NAME HEADING 'Column Name' FORMAT A30 SELECT OBJECT_OWNER, OBJECT_NAME, METHOD_NAME, RESOLUTION_COLUMN, COLUMN_NAME FROM ALL_APPLY_CONFLICT_COLUMNS ORDER BY OBJECT_OWNER, OBJECT_NAME, RESOLUTION_COLUMN;
出力は、次のようになります。
Table Resolution Owner Table Name Method Column Column Name ----- ------------ ------------ ------------- ------------------------------ HR COUNTRIES MAXIMUM TIME TIME HR COUNTRIES MAXIMUM TIME REGION_ID HR COUNTRIES MAXIMUM TIME COUNTRY_NAME HR DEPARTMENTS MAXIMUM TIME TIME HR DEPARTMENTS MAXIMUM TIME MANAGER_ID HR DEPARTMENTS MAXIMUM TIME LOCATION_ID HR DEPARTMENTS MAXIMUM TIME DEPARTMENT_NAME
この例の出力は、最新時間の競合解消がhr.countries
表およびhr.departments
表に対して構成されていることを示しています。「Column
Name」
の下にリストされている任意の列で競合が発生した場合は、「TIME」
解決列の時間が最大(最新)の変更が使用され、その他の変更は破棄されます。
Enterprise Managerを使用して、レプリケーション環境の取得プロセス、伝播または適用プロセスで使用されるバッファ・キューの統計を表示できます。取得プロセスを使用して変更を取得するOracle Streamsレプリケーション環境では、各取得プロセスは変更をそのキューのバッファ・キュー部分にエンキューします。変更は、あるキューから別のキューに伝播されたときにバッファ・キューに残り、適用プロセスがバッファ・キューから変更をデキューします。
「Streams」ページが表示され、「概要」サブページが表示されます。
この「バッファ・キューの統計」サブページには、選択したキューのバッファ・キュー部分に関する次の情報が表示されます。
このサブページに表示されている統計の詳細は、「ヘルプ」をクリックしてください。
V$STREAMS_APPLY_COORDINTATOR
動的パフォーマンス・ビューを問い合せて、Oracle Streamsレプリケーション環境のパフォーマンスを監視できます。具体的には、このビューを問い合せて、変更がソース・データベースで取得されてから、現在のデータベースで適用プロセスによって適用されるまでの時間を判断できます。問合せは、現在のデータベース内で各適用プロセスによって適用された最近の変更の時間を示します。Streamsレプリケーション環境では、取得から適用までの時間が比較的短くなります。
一部の変更は、他の変更よりも取得、伝播および適用に時間がかかります。問合せでは、監視している変更のメッセージ数が表示され、各変更が異なるメッセージ番号を持ちます。したがって、この問合せを複数回実行して、異なる変更について取得から適用までの時間を表示できます。
SQL*Plusの起動の詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。
COLUMN APPLY_NAME HEADING 'Apply Process Name' FORMAT A30 COLUMN 'Time Between Capture and Apply' FORMAT 999999 COLUMN HWM_MESSAGE_NUMBER HEADING 'Applied Message Number' FORMAT 999999999 SELECT APPLY_NAME, (HWM_TIME-HWM_MESSAGE_CREATE_TIME)*86400 "Time in Seconds", HWM_MESSAGE_NUMBER FROM V$STREAMS_APPLY_COORDINATOR;
出力は、次のようになります。
Apply Process Name Time in Seconds Applied Message Number ------------------------------ --------------- ---------------------- APPLY_SIMP 3 1486062
この項では、Oracle Streamsレプリケーション環境で最も一般的な問題について説明します。これらの問題の解決方法も説明します。
次の各項で、Oracle Streamsレプリケーション環境のトラブルシューティングを説明します。
参照:
アラートとは、潜在的に問題があったり、クリティカルのしきい値を超えた場合に発せられる警告のことです。アラートには2つのタイプがあります。
Oracle Streamsには独自のアラートのセットがあります。表5-1で、Oracle Streamsに関連したアラートを説明します。
このアラートは、クリティカル・エラーを示します。取得プロセスは停止し、取得プロセスに依存するレプリケーションもすべて停止します。また、取得プロセスは、再起動するまでREDOログのスキャンをこれ以上実行しません。
次のいずれかの方法で正確なエラー・メッセージを取得します。
ALL_CAPTURE
ビューを問い合せます。
エラーに適したアクションを実行します。
適切なアクションを実行した後で、次のいずれかの方法で取得プロセスを再起動します。
DBMS_CAPTURE_ADM.START_CAPTURE
プロシージャを実行します。
参照:
このアラートはクリティカル・エラーを示します。伝播が停止し、通常は1つのキューから別のキューに伝播によって送信されるメッセージがソース・キューに残ります。伝播に依存するレプリケーションも停止します。最終的に、ソース・キューが非常に大きくなり、メッセージがディスクにあふれることがあります。メッセージがディスクにあふれると、Oracle Streamsのパフォーマンスが低下します。
次のいずれかの方法で正確なエラー・メッセージを取得します。
DBA_QUEUE_SCHEDULES
ビューを問い合せます。
エラーに適したアクションを実行します。
適切なアクションを実行した後で、次のいずれかの方法で伝播を再起動します。
DBMS_PROPAGATION_ADM.START_PROPAGATION
プロシージャを実行します。
参照:
このアラートはクリティカル・エラーを示します。適用プロセスが停止し、通常は適用プロセスによってデキューされるメッセージが適用プロセス・キューに残ります。適用プロセスに依存するレプリケーションも停止します。最終的に、適用プロセス・キューが非常に大きくなり、メッセージがディスクにあふれることがあります。適用プロセス・キューにメッセージを送信する他のキューも大きくなり、メッセージがディスクにあふれることがあります。メッセージがディスクにあふれると、Oracle Streamsのパフォーマンスが低下します。
次のいずれかの方法で正確なエラー・メッセージを取得します。
ALL_APPLY
ビューを問い合せます。
エラーに適したアクションを実行します。エラーがORA-26714
エラーの場合は、DISABLE_ON_ERROR
適用プロセス・パラメータをN
に設定して、今後のユーザー・エラーでの中断を回避することを検討してください。方法については、「適用プロセスのパラメータの設定」を参照してください。
適切なアクションを実行した後で、次のいずれかの方法で適用プロセスを再起動します。
DBMS_APPLY_ADM.START_APPLY
プロシージャを実行します。このアラートは、適用プロセスがトランザクションを適用したときにエラーが発生したことを示します。適用プロセスは、トランザクション内のすべてのメッセージをエラー・キューに移動します。エラー・トランザクションに依存する他のトランザクションも適用エラーになる可能性があり、エラー・キューがすぐに大きくなることがあります。したがって、管理者はできるだけ早く適用エラーを解決する必要があります。
エラー・キューの適用エラーは、次のいずれかの方法で管理します。
ALL_APPLY_ERROR
ビューを問い合せ、エラーを表示して解決し、DBMS_APPLY_ADM
パッケージのプロシージャを使用してエラーを実行または削除します。
参照:
メトリックとは、システムの状態の報告に使用される測定の単位です。Oracle Streamsプールのメモリー使用率がSTREAMS_POOL_USED_PCT
メトリックで指定された割合を超えた場合、このアラートが生成されます。
このアラートは、データベースで自動メモリー管理または自動共有メモリー管理を使用していない場合にのみ発生します。具体的には、このアラートは、次の初期化パラメータが0
に設定されているか、未設定の場合にのみ発生します。
メトリックしきい値は、アラート・インフラストラクチャで自動的に、またはEnterprise Managerを使用して設定できます。現在実行中のワークロードが標準的な場合は、Oracle Streamsプールのサイズを増やすことを検討してください。「データベース」ホームページのヘッダーにある、関連項目の一部のリンクからメトリックを管理できます。メトリックしきい値の表示および設定の詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。
適用エラーは様々な理由で発生します。トランザクションでの変更が原因で適用エラーが発生した場合、適用プロセスによって、その変更だけでなく同じトランザクションの他の変更もすべてエラー・キューに移動されます。適用エラーが発生した場合は、その原因を特定して修正してください。特定のエラー・トランザクションだけ、または1つの適用プロセスのすべてのエラー・トランザクションを再試行できます。
次の各項で、適用エラーの管理について説明します。
エラー・トランザクションを再試行する前に、データベース・オブジェクトに対してデータ操作言語(DML)またはデータ定義言語(DDL)の変更を実行し、1つ以上の適用エラーの原因となった状況を修正する必要がある場合があります。データベース・オブジェクトに対する変更を行うが、その変更をレプリケートしたくない場合は、変更を行うセッションにセッション・タグを設定します。
hr.employees
表を更新できるユーザーとして接続します。SQL*Plusの起動の詳細は、『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照してください。
BEGIN DBMS_STREAMS.SET_TAG( tag => HEXTORAW('1D')); END; /
取得プロセスと同期取得によって変更が取得されないようにする値をタグに設定してください。
hr.employees
表を更新してエラーを解決します。
1つ以上のエラー・トランザクションの原因となった問題を解決した後で、エラー・トランザクションを再試行または削除できます。方法については、「適用エラー・トランザクションの再試行または削除」を参照してください。
特定の適用エラーとその修正方法の詳細は、『Oracle Streamsレプリケーション管理者ガイド』を参照してください。
「データベース・オブジェクトでの適用エラーの修正」では、1つ以上のエラー・トランザクションの原因となった問題を解決する方法を説明します。問題を解決した後で、エラー・トランザクションを再試行または削除できます。
「Streams」ページが表示され、「概要」サブページが表示されます。
適用エラーによって、適用プロセスが中断する場合があります。中断すると、適用プロセスのステータスがABORTED
に変更されます。
エラー・トランザクションの「エラーLCRの表示」フィールドのアイコンをクリックして、エラーに関する詳細情報を表示できます。詳細情報は「エラーLCRの表示」ページに表示され、トランザクションの各変更が含まれます。
さらにドリルダウンするには、行変更を選択して「値の比較」をクリックします。「値の比較」ページが表示され、行変更が変更の適用先となる表のデータと比較されます。現行のページの「ヘルプ」をクリックすると、ページの詳細が表示されます。
Oracle Streamsレプリケーション環境の宛先キューが、伝播された変更の受入れを停止することがあります。宛先キューは、たとえばキューを含むデータベースが停止した場合、宛先キューに問題がある場合、キューを含むデータベースを実行しているシステムが停止した場合などに変更の受入れを停止することがあります。
取得プロセスを使用するレプリケーション環境で宛先が使用不能の場合は、宛先キューに送信できない取得済の変更がソース・キューに残ります。ソース・キューのサイズが増大し、最終的に変更がバッファ・キュー・メモリーからディスクにあふれます。この状況が発生した場合は、Oracle Streamsレプリケーション環境のパフォーマンスが低下します。
大量の取得済変更がディスクにあふれているかどうかを判断するには、「取得プロセスに関する統計情報の表示」の手順に従います。「キュー統計」グラフは、取得プロセス・キュー内の、ディスクにあふれている現在の変更数を示します。
レプリケーション環境で変更を取得するための取得プロセスを使用する場合は、DBMS_STREAMS_ADM
パッケージのSPLIT_STREAMS
プロシージャおよびMERGE_STREAMS_JOB
プロシージャを使用して、使用できない宛先を管理できます。
SPLIT_STREAMS
プロシージャを使用して、問題のある宛先のストリームを、取得プロセスから他の宛先に流れている他のすべてのストリームから分離します。SPLIT_STREAMS
プロシージャは、取得プロセス、キューおよび伝播のクローンを作成し、これらのコンポーネントのクローン・バージョンが、分離されたストリームによって使用されます。変更を伝播できないストリームは分離されますが、他の宛先へのストリームは通常どおりに処理されます。
MERGE_STREAMS_JOB
プロシージャを使用して、分離されたストリームを元の取得プロセスにマージします。MERGE_STREAMS_JOB
は、SPLIT_STREAMS
プロシージャで作成されたマージ・ジョブによって自動的に実行できます。マージ操作が完了すると、元のレプリケーション環境がリストアされます。
参照:
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