ヘッダーをスキップ
Oracle® Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス
11gリリース2(11.2)
B56270-05
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

formatSpec

用途

formatSpec副次句を使用して、バックアップ・ピースまたはイメージ・コピーに対するファイル名の形式または自動ストレージ管理ディスク・グループを指定します。FORMATパラメータに値を指定しない場合、RMANは、高速リカバリ領域(使用可能な場合)にバックアップを作成するか、または高速リカバリ領域が使用不可の場合は、プラットフォーム固有のディレクトリ(たとえばUNIX上の?/dbsなど)にバックアップを作成します。いずれの場合も、RMANは変数%Uを使用してバックアップを指定します。


ヒント:

自動ストレージ管理のディスク・グループの作成方法および命名方法は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。

使用上の注意

各バックアップ・ピースまたはバックアップ・コピーの名前が一意であり、かつプラットフォーム上の順次ファイル名として有効であればどのような名前でも指定できます。ディスクにバックアップする場合は、一意の有効なファイル名であれば、どのようなディスク・ファイル名も使用できます。

Oracle Managed Filesのファイル名は、バックアップ用の形式として指定できません。たとえば、+DISK1/datafile/system.732.609791431がOMFファイル名の場合、そのファイル名をFORMATパラメータに指定することはできません。

環境変数は、FORMATパラメータでは有効ではありません。

format_string全体がターゲット・インスタンスによりポート固有の方法で処理され、最終的なバックアップ・ピース名が導出されます。一意のファイル名を生成するために、「セマンティクス」に示す置換変数をFORMAT文字列で使用できます。この情報の書式設定は、プラットフォームに応じて異なります。

指定できるFORMAT文字列は4つ以内です。RMANで2番目、3番目および4番目の値が使用されるのは、BACKUP COPIESSET BACKUP COPIESまたはCONFIGURE ... BACKUP COPIESが有効な場合のみです。各バックアップ・ピースに使用する形式を選択すると、RMANでは最初の形式値がコピー1、2番目の形式値がコピー2というように順番に使用されます。形式値の数がコピー数より多ければ、余分の形式は使用されません。形式値の数がコピー数より少なければ、RMANでは最初の形式値から順番に再利用されます。

次の位置のいずれかにformat_stringを指定します。優先順位は次のようになります。

  1. backupSpec

  2. BACKUPコマンド

  3. ALLOCATE CHANNELコマンド

  4. CONFIGURE CHANNELコマンド

format_stringが複数の場所で指定されている場合、RMANは前述の順序でFORMATパラメータを検索します。

構文

formatSpec::=

formatspec.gifの説明が続きます。
formatspec.gifの説明

セマンティクス

formatSpec

次の表に、書式文字列が有効なRMAN置換変数を示します。

構文要素 説明
%a データベースのアクティブIDを指定します。
%b ディレクトリ・パスを除いたファイル名を指定します。SET NEWNAMEおよびイメージ・コピーを生成する場合のバックアップにのみ有効です。バックアップ・ピースを生成するバックアップの形式指定に使用すると、エラーが発生します。
%c 1セットの二重バックアップ・ピース内でバックアップ・ピースのコピー番号を指定します。バックアップを多重化していなければ、この変数はバックアップ・セットの場合は1、プロキシ・コピーの場合は0となります。コマンドが使用可能になっている場合、この変数はコピー番号を示します。%cの最大値は256です。
%d データベースの名前を指定します(例4-22を参照)。
%D グレゴリオ暦による月の現在の日付をDD形式で指定します。
%e アーカイブ・ログ順序番号を指定します。
%f 絶対ファイル番号を指定します(例4-22を参照)。
%F DBID、日、月、年および順序を組み合せて固有で反復可能な生成名にします。この変数は、c-IIIIIIIIII-YYYYMMDD-QQに変換されます。各項目の意味は次のとおりです。
  • IIIIIIIIIIはDBIDを表します。DBIDは10進形式で出力されるため、ターゲット・データベースに簡単に対応付けることができます。

  • YYYYMMDDは、バックアップの生成日を示すグレゴリオ暦のタイムスタンプです。

  • QQは、00から'FF'(256)の16進数による順序です。

%h アーカイブREDOログ・スレッド番号を指定します。
%I DBIDを指定します。
%M グレゴリオ暦による月をMM形式で指定します。
%N 表領域名を指定します。この置換変数は、データファイルをイメージ・コピーとしてバックアップする場合のみ有効です。
%n データベース名を指定します。データベース名は合計8文字の桁数になるまで、右側にxが埋め込まれます。たとえば、prod1がデータベース名であれば、埋込み後の名前はprod1xxxとなります。
%p バックアップ・セット内のピース番号を指定します。この値は、バックアップ・セットごとに1から始まり、バックアップ・ピースの作成ごとに1ずつ増えます。

注意: PROXYを指定した場合は、%p変数をFORMAT文字列内の%Uに明示的または暗黙的に含める必要があります。

%s バックアップ・セット番号を指定します。この番号は制御ファイルにあるカウンタで、バックアップ・セットごとに加算されます。カウンタ値は1から始まり、制御ファイルの存続期間中は一意です。バックアップ制御ファイルをリストアした場合は、重複した値になることがあります。また、CREATE CONTROLFILEによって、カウンタの値は1に初期化されます。
%t バックアップ・セットのタイムスタンプを指定します。4バイトの内部的な基準日時以降の経過秒数を表す値です。バックアップ・セットに一意の名前を構成するには、%s%tの組合せを使用できます。
%T グレゴリオ暦による年、月および日をYYYYMMDD形式で指定します。
%u バックアップ・セット番号またはイメージ・コピー番号と、これらの作成時刻を短く表現する8文字の名前を指定します。
%U システムによって生成される一意のファイル名(デフォルト)を指定します。

%Uの意味は、イメージ・コピーとバックアップ・ピースで異なります。バックアップ・ピースの場合は、%Uによって、生成されたバックアップ・ファイル名の一意性を保証する%u_%p_%cの短縮形が指定されます。データファイルのイメージ・コピーの場合、%Uには、次の意味があります。

data-D-%d_id-%I_TS-%N_FNO-%f_%u

アーカイブREDOログのイメージ・コピーの場合、%Uには、次の意味があります。

arch-D_%d-id-%I_S-%e_T-%h_A-%a_%u

制御ファイルのイメージ・コピーの場合、%Uには、次の意味があります。

cf-D_%d-id-%I_%u

%Y 年をYYYY形式で指定します。
%%
パーセント(%)文字を指定します。たとえば、%%Yは文字列%Yに変換されます。

例4-21 ASMディスク・グループの指定

この例では、データベースをASMディスク・グループDISK1にコピーします。

BACKUP AS COPY DATABASE FORMAT '+DATAFILE';

例4-22 データファイルのコピー先の指定

この例では、LATESTCOPYのタグが付いた2つのデータファイルを/disk2ディレクトリにコピーします。

BACKUP AS COPY
  COPY OF DATAFILE 27, 28
  FROM TAG 'LATESTCOPY' 
  FORMAT '/disk2/Datafile%f_Database%d';