使用上の注意
RMANは、KEEP
オプションが指定されたバックアップ・ピースをバックアップの保存方針の計算から除外します。使用可能であれば、RMANは、これらのバックアップを障害時リカバリのリストア操作で使用します。この目的は、別のシステムにリストアできるデータベースのスナップショットを作成してテストまたは履歴の使用状況を確認することです。
KEEP
を使用してアーカイブのバックアップを作成する際、RMANでは同じタグを持つKEEP
バックアップのみを考慮します。したがってkeepOption
をnotBackedUpSpec
とともに使用した場合、RMANは同じタグを持つ指定した最大数のKEEP
バックアップを検出した場合のみバックアップをスキップします。その他のバックアップはカウントの対象とはなりません。
セマンティクス
構文要素 | 説明 |
---|---|
KEEP |
バックアップをアーカイブ・バックアップに指定します。これは、構成済の保存方針から除外される自己完結型のバックアップです。
アーカイブ・バックアップには、バックアップをリストアして一貫性のある状態にリカバリするために必要なすべてのファイルが含まれているため、自己完結型となっています。バックアップ中にオープンされているデータベースがある場合、RMANは、データベースのバックアップに一貫性を持たせるために必要なアーカイブREDOログ・ファイルの生成およびバックアップを自動的に行います(例2-26を参照)。 RMANは、 注意: 高速リカバリ領域に格納されているファイルの保存方針は、
関連項目: 制御ファイルの自動バックアップについては、「CONFIGURE」および『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
注意: リカバリ・カタログは |
FOREVER |
バックアップまたはコピーが不要とされないように指定します(例2-27を参照)。最終的にはバックアップ・レコードが制御ファイルより古くなるため、FOREVER を指定する場合にリカバリ・カタログが必要になります。 |
UNTIL TIME ' date_string ' |
バックアップまたはコピーの保存期限を指定します。バックアップの保存方針の設定に関係なく、この期限を過ぎるとバックアップは不要とされます。
現行の |
RESTORE POINT restore_point_name |
SCNに一致する通常のリストア・ポイントを作成します。これは、RMANがバックアップを一貫性のある状態までリカバリする必要があるSCNです(例2-26を参照)。リストア・ポイント名は存在しないものである必要があります。
このSCNは、データファイルのバックアップの完了直後に取得されます。リストア・ポイントとは、このアーカイブ・バックアップのリストアおよびリカバリが可能なSCNを示すラベルのことで、これによりデータベースをオープンできるようになります。一方 注意: |
NOKEEP |
いずれのKEEP 属性もバックアップに適用しないことを指定します。したがって、バックアップは、構成されたバックアップ保存方針が適用される通常のバックアップになります。これは、KEEP オプションを指定しない場合のデフォルト動作です。 |
例
例4-23 アーカイブのための一貫性データベース・バックアップの作成
この例では、タグQ107
の付いたデータベース・バックアップを作成し、バックアップが不要とみなされないように指定します(サンプル出力はその一部を示しています)。データファイルに一貫性を持たせるために必要なアーカイブREDOログ・ファイルがバックアップ・セットに含まれます。
RMAN> BACKUP TAG Q107 DATABASE KEEP FOREVER; Starting backup at 24-JAN-07 current log archived allocated channel: ORA_SBT_TAPE_1 channel ORA_SBT_TAPE_1: SID=105 device type=SBT_TAPE channel ORA_SBT_TAPE_1: Oracle Secure Backup backup will never be obsolete archived logs required to recover from this backup will be backed up channel ORA_SBT_TAPE_1: starting full datafile backup set channel ORA_SBT_TAPE_1: specifying datafile(s) in backup set . . .
例4-24 バックアップのためのKEEP属性の削除
この例では、すべてのアーカイブREDOログ・ファイルをバックアップします。KEEP
句では、2008年1月1日の午前0時1秒に、バックアップが不要とみなされるように指定します。
RMAN> BACKUP KEEP UNTIL TIME '01-JAN-08' ARCHIVELOG ALL;
次のコマンドを実行すると、すべてのアーカイブREDOログのバックアップからKEEP
属性が削除されます(サンプル出力を示します)。
RMAN> CHANGE BACKUP OF ARCHIVELOG ALL NOKEEP; using channel ORA_SBT_TAPE_1 allocated channel: ORA_DISK_1 channel ORA_DISK_1: SID=77 device type=DISK keep attributes for the backup are deleted backup set key=330 RECID=19 STAMP=612722760 keep attributes for the backup are deleted backup set key=397 RECID=22 STAMP=612722884