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Oracle® Database Clientインストレーション・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Linux
B56274-14
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1 Oracle Database Clientのインストールの概要

この章では、Oracle Database Clientの様々なインストール・タイプと、Oracle Database Clientのインストール前に考慮する問題について説明します。

1.1 インストールの計画

Oracle Databaseのインストールは、次のフェーズで構成されます。

  1. リリース・ノートの参照: インストールを開始する前に、『Oracle Databaseリリース・ノート for Linux』を参照してください。リリース・ノートは、プラットフォーム固有のマニュアルとともに使用可能です。

    最新版のリリース・ノートは、次の場所から入手できます。

    http://docs.oracle.com/
    
  2. ライセンス情報の確認: メディア・パック内のインストール・メディアには多くのOracleコンポーネントが含まれていますが、使用可能なのは、ライセンスを購入したコンポーネントのみです。

    Oracleサポート・サービスでは、ライセンスを購入していないコンポーネントに対するサポートは提供していません。


    関連項目:

    『Oracle Databaseライセンス情報』

  3. インストールの計画: この章では、インストールできるOracle製品と、インストール開始前に考慮が必要な問題について説明します。

    また、付録Dでは、サイトでOracleアプリケーションを使用している場合や複数のOracle Database Client接続が必要な場合のOracle Database Clientのインストール方法など、Oracle Databaseコンポーネントのインストールに関するよくある質問について説明しています。

  4. インストール前の作業の完了: 第2章では、製品のインストール前に完了する必要のある作業について説明します。

  5. ソフトウェアのインストール: 次の章を参照してOracle Databaseをインストールします。

    • 第3章では、Oracle Universal Installerを使用してOracle Database Clientをインストールする方法について説明します。

    • 付録Bでは、グローバリゼーション・サポート情報について説明します。

    • 付録Aでは、サイレント・インストールの実行方法について説明します。Oracle Database Clientを複数インストールする必要がある場合には、この方法をお薦めします。

    • 付録Cでは、インストールで問題が発生した場合のトラブルシューティングに関するアドバイスを提供します。

  6. インストール後の作業の完了: 第4章では、推奨および必須のインストール後の作業について説明します。

1.2 インストールの考慮事項

この項には、この製品のインストール方法を決定する前に考慮する必要のある情報が記載されています。この項の内容は、次のとおりです。

1.2.1 ハードウェアおよびソフトウェアの動作保証

このマニュアルに記載されているプラットフォーム固有のハードウェア要件とソフトウェア要件は、このマニュアルの発行時点での最新情報です。このドキュメントの公開後に、プラットフォームやオペレーティング・システム・ソフトウェアの新バージョンが動作保証されている可能性があるため、My Oracle SupportのWebサイトの動作保証マトリックスで、動作保証されているハードウェア・プラットフォームとオペレーティング・システムのバージョンの最新のリストを確認してください。My Oracle SupportのWebサイトは、次のURLで参照できます。

https://support.oracle.com/

My Oracle Supportを利用するには、オンライン登録が必要です。ログイン後、メニュー・オプションから「動作保証」タブを選択します。「動作保証」ページで、「動作保証検索」オプションを使用して、製品、リリースおよびプラットフォームで検索します。製品デリバリやライフタイム・サポートなどの、動作保証クイック・リンクのオプションを使用して検索することもできます。

1.2.2 複数のOracleホームのサポート

Oracle Databaseは、複数のOracleホームをサポートします。このリリース以前のソフトウェアを、同じシステムの異なるOracleホーム・ディレクトリに複数回インストールできます。

1.2.2.1 Oracleがインストールされているシステムへのソフトウェアのインストール

この製品は、新規のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Databaseのあるリリースの製品を別のリリースのOracleホーム・ディレクトリにはインストールできません。たとえば、既存のOracle9iのOracleホーム・ディレクトリにリリース11.2のソフトウェアをインストールすることはできません。

Oracle Database Clientは、Oracle Databaseと同じリリース・レベルであれば、同じOracle Databaseホームにインストールできます。たとえば、Oracle Database Client 11gリリース2(11.2)を、既存のOracle Database 11gリリース2(11.2)ホームにインストールできます。クライアントのインストール前にパッチ・セットを適用した場合は、再度パッチ・セットを適用する必要があります。

このリリースは、別のOracleホーム・ディレクトリにインストールするかぎり、同じシステムに複数回インストールできます。

1.2.2.2 最新バージョンでの既存ソフトウェアの更新

インプレース・アップグレード機能では、新しいクライアント・ソフトウェアを同じインストール・タイプの既存クライアント・ホームにインストールして、既存クライアント・インストールを最新リリースにアップグレードします。たとえば、リリース11.2.0.1がインストールされている場合、Oracle Universal Installerを使用してリリース11.2.0.2にアップグレードします。

このオプションを選択する前に、次の事項を考慮します。

  • このアップグレードは、クライアント・ホームでのみ可能です。データベース・インストールなど、クライアント以外のインストールが含まれる他のOracleホームでは実行できません。

  • このアップグレードでは、一般に他のユーザーによって更新されるクライアント・ホームのファイルは削除されません。たとえば、構成データ・ファイルは削除されません。

  • Oracle Database Clientホームに関連するプロセスが実行中の場合、このアップグレードは実行できません。

この機能は、Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以上で使用できます。

1.2.3 Oracle Unbreakable Enterprise Kernel for Linuxについて

Oracle Unbreakable Enterprise Kernel for Linuxは、x86-64プラットフォームで使用できます。これは、安定版Linuxカーネル2.6.32をベースとし、Oracle Database、OracleミドルウェアおよびOracleハードウェアの技術チームと連携して最適化が図られ、最も要求の厳しいエンタープライズ・ワークロードに安定性と最適なパフォーマンスを提供します。

オラクル社では、特にOracleソフトウェアを実行中の場合は、現在のLinux環境にOracle Unbreakable Enterprise Kernelをデプロイすることを強くお薦めします。ただし、Oracle Unbreakable Enterprise Kernelは必要に応じて使用してください。Red Hat Enterprise Linuxカーネル(RHEL)との厳密な互換性が必要な場合は、Oracle LinuxにRHEL Linuxカーネルと互換性があるカーネルをRed Hat Enterprise Linuxソース・コードから直接コンパイルして含めることもできます。

Oracle Unbreakable Enterprise Kernel for Linuxの詳細は、次のURLから入手できます。

http://www.oracle.com/us/technologies/linux

Update 5以降、Oracle Unbreakable Enterprise LinuxカーネルはOracle Linux 6、Oracle Linux 5、Red Hat Enterprise Linux 6またはRed Hat Enterprise Linux 5に直接インストールできるため、新しいカーネルのメリットや機能を利用するためにオペレーティング・システムを新規のメジャー・リリースにアップグレードする必要はありません。Oracle Unbreakable Enterprise Kernel for Linuxの詳細およびダウンロードは、次のURLで入手できます。

http://public-yum.oracle.com/

Oracle Unbreakable Enterprise Kernel for Linuxは、Oracle製品で使用されている標準カーネルです。Oracle Databaseおよびその他のOracle製品のビルドおよびQAシステムでは、Oracle Unbreakable Enterprise Kernel for Linuxを排他的に使用します。Oracle Unbreakable Enterprise Kernel for Linuxは、Oracle ExadataシステムおよびOracle Exalogicシステムで使用されているカーネルでもあります。Oracle Unbreakable Enterprise Kernel for LinuxはOracleが関与するすべてのLinuxのベンチマーク・テストおよびx86-64用Oracle RDBMS Pre-Installプログラムで使用されます。

Unbreakable Enterprise Kernelの要件は、「カーネル要件」を参照してください。

1.2.4 64ビット・プラットフォーム用の独立した32ビット・クライアント・ソフトウェア

詳細は、「64ビット・プラットフォーム用の独立した32ビット・クライアント・ソフトウェア」を参照してください。

1.3 Oracle Database Clientのインストール方法

Oracle Database Clientのインストールは、次に示すインストール方法から選択して実行できます。

1.3.1 対話型のインストール方法

対話型によるOracle Database Clientのインストールでは、Oracle Universal Installerによって一連の画面が表示され、それらの画面を通してOracle Database Clientソフトウェアのインストールに必要なすべての情報を指定できます。

1.3.2 レスポンス・ファイルを使用した自動インストールの方法

レスポンス・ファイルを作成し、それをOracle Universal Installerの起動時に指定することにより、Oracle Databaseのインストールの手順の一部またはすべてを自動化できます。類似した構成を持つシステム上で複数インストールを実行する必要がある場合や、このソフトウェアをインストールするシステムに、X Window Systemソフトウェアがインストールされていない場合には、この自動インストールの方法が便利です。

レスポンス・ファイルを使用すると、必要な情報をすべて指定したかどうかによって、次のいずれかのモードでOracle Universal Installerを実行できます。

  • サイレント・モード: 必要な情報をすべて指定したレスポンス・ファイルを使用し、Oracle Universal Installerの起動時に-silentオプションを指定すると、Oracle Universal Installerはサイレント・モードで実行されます。Oracle Universal Installerの画面は表示されません。

  • レスポンス・ファイル・モード: レスポンス・ファイルに必要な情報を一部指定しない場合、Oracle Universal Installerはレスポンス・ファイル・モードで実行されます。

これらのモード、およびレスポンス・ファイルを使用したインストールの実行方法の詳細は、付録Aを参照してください。

1.4 Oracle Database Clientのインストール・タイプ

Oracle Database Clientのインストール時には、次のインストール・タイプのいずれかを選択できます。

  • InstantClient: Oracle Call Interface(OCI)、Oracle C++ Call Interface(OCCI)、Pro*CまたはJava Database Connectivity(JDBC)OCIの各アプリケーションで要求される共有ライブラリのみをインストールできます。このインストール・タイプは、Oracle Database Clientの他のインストール・タイプよりディスク領域が少なくてすみます。


    関連項目:

    Instant Clientの詳細は、『Oracle Call Interfaceプログラマーズ・ガイド』または『Oracle Database JDBC開発者ガイド』を参照してください。

    Instant Clientのインストールには、Instant Client Lightが含まれます。アプリケーションのエラー・メッセージが米語のみの場合は、Instant Client Lightを使用できます。Instant Client Lightは、サポートされているキャラクタ・セットのいずれかを使用し、米語のエラー・メッセージを使用するアプリケーションで役立ちます。サポートされているキャラクタ・セットは次のとおりです。

    • US7ASCII

    • WE8DEC

    • WE8ISO8859P1

    • WE8EBCDIC37C(EBCDICプラットフォームのみ)

    • WE8EBCDIC1047(EBCDICプラットフォームのみ)

    • WE8MSWIN1252

    • UTF8

    • AL32UTF8

    • AL16UTF16

    Instant Client Lightを使用する利点は、通常のInstant Clientよりもフットプリントがはるかに小さいことです。通常のInstant Clientが110MBを使用するのに対し、アプリケーションがロードする必要がある共有ライブラリは、34MBのみです。そのため、アプリケーションで使用するメモリーが少なくてすみます。

  • 管理者: ローカル・システムまたはリモート・システム上のOracle Databaseインスタンスにアプリケーションを接続できます。Oracle Databaseを管理できるツールも提供されます。

  • ランタイム: アプリケーションでローカル・システムまたはリモート・システムのOracleデータベース・インスタンスに接続できます。

  • カスタム: 「管理者」および「ランタイム」コンポーネントのリストから個別のコンポーネントを選択できます。

1.5 Oracle Database ClientとOracle Databaseの相互運用性

Oracle Database ClientとOracle Databaseの各リリースとの相互運用性の詳細は、次のURLでMy Oracle SupportのWebサイトのNote 207303.1を参照してください。

https://support.oracle.com/

1.6 タイムゾーン付きタイムスタンプ・データ型のパッチ適用の簡略化

Oracle Database 11gリリース2(11.2)以降では、TIMESTAMP WITH TIMEZONEデータ型の値が簡略化されます。


関連項目:

パッチ適用プロセスの簡略化、および異なるタイムゾーン・ファイルによる特定クライアントとサーバーの動作の詳細は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』のOracle Database 11gリリース2(11.2)のグローバリゼーションの新機能に関する項および異なるバージョンのタイムゾーン・ファイルで動作するクライアントとサーバーに関する項を参照してください。

1.7 ソフトウェアの更新オプション

ソフトウェアの更新機能を使用して、Oracleでの最新の更新(個別パッチの更新、クリティカル・パッチの更新、Oracle Universal Installerの更新、最新のパッチ・セット更新など)を動的にダウンロードし、適用します。この機能は、Oracle Database 11gリリース2(11.2.0.2)以上で使用できます。

My Oracle Supportの資格証明を入力して最新の更新をダウンロードするか、以前にダウンロードした更新を適用できます。または、-downloadUpdatesオプションを使用して更新を別途ダウンロードしておき、後で更新が保存された場所を指定してインストールの際に適用することもできます。


関連項目:

-downloadUpdatesオプションおよびインストールでのソフトウェア更新の動的な適用の詳細は、「Oracle Universal Installerの実行」を参照してください。