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Oracle® Databaseインストレーションおよび構成ガイド
11gリリース2 (11.2) for Fujitsu BS2000/OSD
E49830-02
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5 Oracle Databaseの管理

この章では、Oracle Database 11gリリース2 for BS2000/OSDを管理する方法を説明します。

共通管理タスクについて、次の各項で説明します。

5.1 SQL*Plusユーティリティの使用

この項では、次の項目について説明します。

5.1.1 BS2000でのSQL*Plusユーティリティの開始

SQL*Plusを起動するには、次を入力します。

/START-PROGRAM $ORAC1120.SQLPLUS

パラメータの入力を求められた場合は、次のように/NOLOGを入力します。

* /NOLOG

これにより、ユーザー名およびパスワードの入力を求めるプロンプトがSQL*Plusによって表示されなくなります。後で、データベースに明示的に接続できます。たとえば、次のようになります。

SQL> CONNECT / AS SYSDBA

SQL*Plusを開始するその他の方法については、『Oracle Databaseユーザーズ・ガイドfor Fujitsu BS2000/OSD』のSQL*Plusの実行に関する説明を参照してください。

5.1.2 プロシージャからのSQL*Plusのコール

タスク・スイッチ1をオンに設定します(/MODIFY-JOB-SWITCHES ON=1)。これによって、端末にプロンプトを表示するのではなく、プロシージャからデータを読み取ることをSQL*Plusに強制します。

5.1.3 POSIXシェルでのSQL*Plusの使用

POSIXシェルでSQL*Plusを起動する前に、環境変数ORACLE_HOMEを設定し、Oracle binディレクトリ$ORACLE_HOME/binへのパスでPOSIXの変数PATHを拡張する必要があります。たとえば、次のようになります。

$ ORACLE_HOME=/u01/app/orac1120/product/dbhome_1
$ export ORACLE_HOME
$ PATH=$ORACLE_HOME/bin:$PATH
$ export PATH

または、POSIXにOracleソフトウェアをインストールした際に作成されたプロファイルoracle_home_path/.profile.oracleを処理できます。このプロファイルは、ORACLE_HOMEPATHなどの最も重要な変数を設定および拡張します。次のようにプロファイルを処理します。

$ . /u01/app/orac1120/product/dbhome_1/.profile.oracle

特定のOracleインスタンスでSQL*Plusを起動する場合は、変数ORACLE_SIDも設定する必要があります。Oracleサーバー・プロセスの開始には、BS2000の変数BGJPARが必要です。この変数は、.profile.oracleを実行することでは設定されません。

特別なジョブ・パラメータ(特別なJOB-CLASSに割り当てられる必要のあるジョブ)を使用してバックグラウンド・ジョブを開始する場合は、変数BGJPARが使用している環境で設定されていることを確認してください。

$ ORACLE_SID=orcl
$ export ORACLE_SID
$ BGJPAR='START=SOON,CPU-LIMIT=NO,J-C=JCBORA,LOGGING=*NO'
$ export BGJPAR

次のコマンドを使用して、他のUNIXシステムと同じ方法でSQL*Plusを起動できます。

$ sqlplus /nolog
$ SQL> connect / as sysdba

5.1.4 SQL*Plusからのシステム・コマンドの実行

SQL*PlusのHOSTコマンドを使用すると、SQL*Plusにログインしている間にBS2000コマンドを入力できます。

HOSTコマンドを使用する際は、次の点に注意してください。

  • BS2000コマンドを指定せずにHOSTコマンドを入力した場合は、コマンド・レベルになります。SQL*Plusに戻るには、BS2000でRESUMEコマンドまたはPOSIXサブシェルでexitコマンドを使用する必要があります。

  • BS2000環境でHOSTコマンドをシステム・コマンドとともに入力した場合は、BS2000コマンドのみを実行できます。POSIXシェルでは、シェル・コマンドbs2cmdを使用することで、シェル・コマンドおよびBS2000コマンドを実行できます。

5.1.5 SQL*Plusでのエディタの使用

SQL文を編集する場合は、SQL*PlusでEDITコマンドを使用してテキスト・エディタを開始します。

ネイティブBS2000環境でSQL*Plusを実行する場合にサポートされている唯一のエディタは、BS2000 EDTです。

POSIXシェルでSQL*Plusを実行する場合、デフォルトのエディタはPOSIXセッションに接続されている端末によって異なります。ブロックモード端末でPOSIXシェルが開始した場合、SQL*Plusのデフォルトのエディタはedtuに設定されます。xterm端末を使用してrloginまたはsshを介してリモートXクライアントによってPOSIXシェルが開始された場合は、SQL*Plusのデフォルトのエディタはviに設定されます。

SQL*Plusでは、DEFINE _EDITORコマンドを使用して優先テキスト・エディタを定義する機会が提供されています。BS2000環境では、SQL*PlusはDEFINE _EDITORコマンドで指定されている任意のエディタを受け入れますが、呼び出されるエディタは常にEDTです。POSIX環境では、優先エディタを定義できます。たとえば、EDITコマンドによって使用されるエディタをPOSIXエディタedtuに定義する場合は、SQL*Plusで次のコマンドを入力します。

DEFINE _EDITOR = edtu

注意:

  • BS2000環境のエディタは常にEDTです。

  • エディタviは、ブロックモード端末では動作しません。

  • エディタedtuは、xterm端末では動作しません。


5.1.6 SQL*Plusプロファイルのカスタマイズ

DBAでは、グローバルSQL*Plusプロファイル・ファイル$ORAC1120.SQLPLUS.ADMIN.GLOGIN.SQLを更新でき、これはユーザーがSQL*Plusにログインするときに実行されます。このファイルは、ユーザーのローカルLOGIN.SQLより前に実行され、サイトで複数のデフォルトが全ユーザーに適用されるように設定するために提供されます。GLOGIN.SQLには、任意のSQLおよびSQL*Plus文を配置できます。


関連項目:

SQL*PLUSのプロファイルのカスタマイズの詳細は、『SQL*Plusユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』を参照してください。

5.2 起動およびパラメータ・ファイル

Oracleでは、データベースの起動時に2つのパラメータ・ファイルを使用します。

  1. ORAENVファイルは環境定義ファイルで、BS2000に固有の情報が含まれています。ORAENVファイルで、開始または停止するデータベースを識別します。このファイルを使用して、Oracle Databaseをローカルのオペレーティング・システムおよびアプリケーション環境に適用させる構成変数を設定します。

  2. 初期化ファイルINIT.ORAまたはサーバー・パラメータ・ファイルSPFILE、これは、すべてのOracle Database実装に存在し、データベース固有のパラメータを含んでいます。

この項の内容は次のとおりです。

5.2.1 環境定義ファイルORAENV

ORAENVファイルはsid.P.ORAENVで識別され、ここでSIDはデータベース識別子です。同じORAENVファイルが、BS2000のSQL*Plusとすべてのバックグラウンド・ジョブで使用される必要があります。これは、インストール手順で確実に行われ、手順では基本ORAENVファイルが作成されます。ORAENVの必須変数およびオプション変数の詳細は、付録B、「Oracle環境変数」を参照してください。

POSIXシェルでSQL*Plusを使用する場合、ORAENVファイル内で要求されたBS2000パラメータ・セットを指定する必要があります。POSIX環境で変数を設定するか、BS2000のORAENVファイルにアクセスするための機能を使用できます。POSIXのORAENVファイル名にSIDを指定する場合、ファイル名のSIDORACLE_SID変数で使用されている大/小文字が同じである必要があります。たとえば、POSIXのORAENVファイルをファイル名に大文字のSIDを使用して作成した場合、ORACLE_SIDはまったく同じSIDを使用して設定する必要があります。

$ echo '$ORADATA.ORCL.P.ORAENV' > $ORACLE_HOME/dbs/oraenvORCL
$ ORACLE_SID=ORCL
$ export ORACLE_SID
$ sqlplus /nolog
$ SQL> connect / as sysdba

POSIX環境変数の設定方法の詳細は、『Oracle Databaseユーザーズ・ガイドfor Fujitsu BS2000/OSD』のPOSIX環境でのOracleユーティリティの開始に関する説明を参照してください。

5.2.2 初期化ファイルINIT.ORA

起動には、Oracle Databaseの仕様のリストが含まれているINIT.ORAパラメータ・ファイルが必要です。これらの汎用の、プラットフォームに依存しないパラメータは、インスタンスの設定に使用されます。これらのパラメータの詳細な説明は、『Oracle Database管理者ガイド』および『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。

5.2.3 サーバー・パラメータ・ファイルSPFILE

初期化パラメータをバイナリのサーバー・パラメータ・ファイルに保持することを選択できます。サーバー・パラメータ・ファイルは、CREATE SPFILEコマンドを使用して、従来のテキスト形式の初期化パラメータ・ファイルから最初に作成されます。次のコマンドを入力します。

CREATE SPFILE FROM PFILE;

ここではSPFILE名およびPFILE名のいずれも指定されていないため、ファイルsid.DBS.INIT.ORAでテキスト形式の初期化ファイルが検索され、サーバー・パラメータ・ファイルsid.DBS.SPFILE.ORAが作成されます。

5.2.4 正しい初期化ファイルの使用

デフォルトの初期化ファイル($ORAC1120.DEMO.DBS.INIT.ORAと呼ばれます)は、Oracle Databaseで配布されます。データベースの作成手順で、このファイルはDBAユーザーIDにコピーされて名前が変更(sid.DBS.INIT.ORA)されますが、ここでsidは、データベース作成手順の最初に指定した1から4文字のデータベースIDです。

SIDの値は、データベースのORAENVファイルで定義されたORASID環境変数から取得することによって特定されます。PFILE句を指定せずにSTARTUPコマンドを発行すると、次の順序でファイル名を確認して、初期化パラメータ・ファイルを特定します。

  1. sid.DBS.SPFILE.ORA

  2. DBS.SPFILE.ORA

  3. sid.DBS.INIT.ORA

別の初期化ファイルを使用する場合は、引数PFILEを使用します。たとえば、TEST.INIT.ORAという初期化ファイルを使用して以前作成したデータベースを起動するには、次のように入力します。

/START-PROGRAM $ORAC1120.SQLPLUS
* /NOLOG

SQL*Plusのプロンプトで次のように入力します。

SQL> CONNECT / AS SYSDBA
SQL> STARTUP PFILE=TEST.INIT.ORA

5.3 データベース・インスタンスのリモート起動

この項では、SQL*Plusを使用したリモート起動の準備について説明します。

  1. 通常、Oracle Database 11gリリース2のリスナー・パラメータ・ファイル(LISTENER.ORA)には、データベース・サービスの静的サービス登録セクション(SID_LIST)は含まれません。リモート起動の場合は、目的のデータベースでこのセクションを定義する必要があります。たとえば、次のようになります。

    SID_LIST_LISTENER = (SID_LIST =
                         (SID_DESC = 
                          (SID_NAME = ORCL)))
    

    インスタンスが開始されるコンピュータでこのリスナーが実行されている必要があります。リスナーは、インスタンスを静的に登録する必要があります。開始するインスタンスと同じユーザーIDでリスナーを実行しない場合は、リスナーのORAENVファイルでインスタンスのユーザーIDで開始する許可を定義するか、SECOS (Fujitsu社のBS2000/OSD用のセキュリティ制御システム)を使用する必要があります。詳細は、このガイドの「Oracle Net Services」の項の「ネットワークの構成」の章を参照してください。

  2. 管理するインスタンスのユーザーIDで、OracleユーティリティORAPWDを使用してパスワード・ファイルを作成します。ORAPWDの使用方法の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。BS2000でORAPWDユーティリティを実行するには、次のコマンドを使用します。

    /START-PROGRAM $ORAC1120.ORAPWD
    *file=password_file password=my_password entries=10
    
  3. パスワード・ファイルの名前は、パラメータSSSIDPWFから取得されます。そのため、開始するインスタンスのORAENVファイルにこのパラメータを追加する必要があります。

    SSSIDPWF = password_file
    
  4. インスタンスの初期化ファイルで、パラメータREMOTE_LOGIN_PASSWORDFILEEXCLUSIVEに設定する必要があります。

    REMOTE_LOGIN_PASSWORDFILE = EXCLUSIVE
    
  5. リモート・コンピュータでSQL*Plusを実行し、開始するインスタンスのサーバーにユーザーsysとして接続します。次の例は、UNIXクライアントでのSQL*Plusのコマンドを示しますが、BS2000コンピュータ上のリモート・インスタンスに対応するためにネット・サービス名にorcl_on_bs2000を使用しています。

    sqlplus /nolog
    SQL> connect sys@orcl_on_bs2000 as sysdba
    Enter password:
    password
    Connected
    SQL> startup
    ...
    

5.4 自動診断リポジトリ

自動診断リポジトリ(ADR)は、診断フレームワーク・クライアントで生成される診断情報を格納するための、ファイルベースの階層データ・ストアです。リポジトリには、インシデント、トレース、ダンプ、アラート・ログ、ヘルス・チェック・レコード、SQLトレース情報およびその他の問題の診断に不可欠な情報について記述されたデータが含まれています。


関連項目:

自動診断リポジトリの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』の「診断データの管理」を参照してください。

この項の内容は次のとおりです。

5.4.1 自動診断リポジトリのディレクトリおよびファイル

自動診断リポジトリ(ADR)は、データベースの外部に格納されているディレクトリ構造です。そのため、データベースが停止しているときに問題の診断に使用できます。

自動診断リポジトリのディレクトリおよびファイルは、POSIXファイル・システムに格納されます。


関連項目:

ディレクトリ構造の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

ADRのルート・ディレクトリは、ADRベースと呼ばれています。その場所はDIAGNOSTIC_DEST初期化パラメータによって設定されます。たとえば、次のようになります。

DIAGNOSTIC_DEST=/u01/app/orac1120/oradata/adr

このパラメータを省略するかNULLのままにすると、データベースでは起動時にDIAGNOSTIC_DESTを次のように設定します。

  • 環境変数ORACLE_BASEが設定されている場合、DIAGNOSTIC_DESTORACLE_BASEで指定されたディレクトリに設定されます。

  • 環境変数ORACLE_BASEが設定されていない場合、DIAGNOSTIC_DESTORACLE_HOME/logに設定されます。

ADRベース内には複数のADRホームが存在でき、各ADRホームは、特定のOracle製品やコンポーネントの特定のインスタンスに対するすべての診断データ(トレース、ダンプ、アラート・ログなど)のルート・ディレクトリです。

Oracle Net Servicesでも、診断データをADRに格納します。Oracle Net Servicesの診断情報の場所は、パラメータADR_BASEおよびADR_BASE_listener_nameによって設定されます。これらは、Oracle Net Servicesのパラメータ・ファイルsqlnet.oraおよびlistener.oraに設定されます。


関連項目:

Oracle Net Servicesの診断情報の詳細は、『Oracle Net Services管理者ガイド』のOracle Net Servicesのトラブルシューティングに関する説明を参照してください。

自動診断リポジトリのテキスト・ファイルは、viedtuなどのテキスト・エディタか、catmoreなどのPOSIXシェル・コマンドで読み取ることができます。

ユーティリティADRCIを使用してADRを調査できます。

5.4.2 ADRコマンド・インタプリタ

ADRコマンド・インタプリタ(ADRCI)は、問題の調査、ヘルス・チェック・レポートの表示および初期障害診断データのパッケージ化を、コマンドライン環境内で実行できるユーティリティです。その後、このパッケージをOracleサポートにアップロードできます。また、ADRCIを使用すると、ADRに格納されているトレース・ファイルの名前の表示、およびアラート・ログの表示(XMLタグは削除されます)を、フィルタ処理の有無を選択して実行できます。


関連項目:

ADRCIの詳細は、Oracle Databaseユーティリティの「ADRCI: ADRコマンド・インタプリタ」を参照してください。

POSIXシェルでコマンドライン・ユーティリティADRCIを開始します。ADRCIを開始する前に、環境変数ORACLE_HOMEを設定し、Oracleディレクトリoracle_home_path/binへのパス名で変数PATHを拡張します。ORACLE_SIDなどのその他の環境変数は必要ありません。Oracle Databaseユーティリティの詳細は、『Oracle Databaseユーザーズ・ガイドfor Fujitsu BS2000/OSD』のPOSIX環境でのOracleユーティリティの開始に関する説明を参照してください。

これらの環境変数の設定後、POSIXシェルのコマンド・プロンプトの後にadrciと入力してPOSIXシェルでADRCIを開始します。


注意:

ADRCIは通常のBS2000環境では開始できません。ADRCIはPOSIXシェルで開始する必要があります。

ADRCIのshow baseコマンドを使用して現在のADRベースを表示します。現在のADRホームは、show homesコマンドを使用すると表示できます。

set baseコマンドを使用してADRベースを設定します。ADRホームは、set homeコマンドを使用して設定できます。

コマンドshow alertは、アラート・ログの内容をテキスト・エディタに表示します。

ブロックモード端末を使用している場合は、Fujitsu BS2000/OSDのADRCIのデフォルトのエディタはedtuです。rloginまたはsshを介してPOSIXにログイン後にxterm端末を使用する場合、ADRCIのデフォルトのエディタはviです。

ADRCIを開始する前に環境変数EDITORを設定して優先テキスト・エディタを選択するか、ADRCI内でADRCIのset editorコマンドを使用して優先テキスト・エディタを指定するかのいずれかを選択できます。


注意:

エディタviはブロックモード端末では動作せず、エディタedtuはxterm端末では動作しません。

ADRCIでは、コマンドips create packageおよびips generate packageを使用して、インシデントのパッケージを作成するために、インシデント・パッケージング・サービス(IPS)を起動できます。生成されたzipファイルは、Oracleサポートにアップロードできます。

5.5 物理データ構造の整合性の確認

オフライン・データベースのデータ構造の整合性を確認するには、DBVERIFYコマンドライン・ユーティリティを使用します。DBVERIFYを開始するには、次のコマンドを入力します。

/START-PROGRAM $ORAC1120.DBV

これで、次のようにコマンドを入力できます。

file=ora11.dbs.database1.dbf blocksize=4096 feedback=100

関連項目:

DBVERIFYプログラムの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』およびOracle Databaseユーティリティを参照してください。