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Oracle® Databaseインストレーションおよび構成ガイド
11gリリース2 (11.2) for Fujitsu BS2000/OSD
E49830-02
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B Oracle環境変数

この付録では、ORAENVファイルまたはPOSIXシェルで指定できる変数について説明します。ORACLE_SIDNLS_LANGなどのOracleパラメータは、ORAENVファイルまたはPOSIXシェルに指定できます。ORAENVファイルを使用する場合は、この後の項で説明する環境変数を指定するためのORAENVルールに従う必要があります。POSIXシェルでは、環境変数を設定およびエクスポートするためのUNIXルールに従う必要があります。

次の表に、3つに分類された変数を示します。

分類 説明
DBA これらの変数はデータベースの管理用です。ほとんどのDBA変数はデータベースの起動時にのみ評価されます。
USER これらの変数は通常のユーザーだけでなくDBAが指定できます。特定のユーザーのORAENVファイルでこれらの変数が指定される場合、そのユーザーの環境のみが変更されます。
NET これらの変数はOracle Net Servicesコンポーネントに適用されます。これらの変数はDBAのORAENVファイルに含まれる必要があります。

変数が属すクラスは、この付録の変数の説明に記載されいます。

通常のユーザーのORAENVファイルに指定されているDBAまたはNET変数は無視されます。

B.1 ORAENVルール

ORAENVファイルを記述する際に、次の一般的なルールを考慮する必要があります。

  • スラッシュまたはアスタリスク(/または*)で始まるすべての行は無視されます。

  • すべての変数名は大文字で記述する必要があります。

  • 等号記号(=)の直前または直後に空白を含むことはできません。

  • 引用符を値の一部にする場合を除き、値を引用符で囲まないでください。

  • 変数リストは概念的にはオープン・エンドのため、変数名のエラーは認識されません。これは、名前に入力ミスがあるすべての変数の値が変更されないことを意味します。

  • 変数割当てには制限された確認のみがあります。誤った値ではエラー・メッセージが生成される場合がありますが、NULL値としても解釈されません。

  • 変数割当てが他の変数を参照する場合、BS2000コマンド・ファイルの代替構文が適用されます。代替は、ORAENVファイルから読み取られたときではなく、変数が実際に使用されたときに発生します。

    たとえば、次のようになります。

    ORAUID=$ORAC1120
    SQLPATH=&ORAUID..RDBMS.ADMIN
    

    ここでは、値$ORAC1120.RDBMS.ADMINを変数SQLPATHに割り当てます。ORAUIDが変更された場合、SQLPATHには新しい値が自動的に反映されます。

  • ORAENVファイル内の項目の順序は、通常は重要ではありません。1つの項目が2回以上発生した場合は、最後に発生したものが使用されます。

  • 変数に値が指定されていない場合は、デフォルト値(存在する場合)が使用されます。

B.2 組込み変数

次の変数は常に定義されていて、他の変数割当てで参照されることがあります。

B.2.1 LOGNAME

LOGNAME変数には、常に現在のBS2000ユーザーIDが含まれています。ORAENVファイルで別の値を割り当てることによって、この変数の値を変更することはできません。

B.2.2 ORAUID

この変数は、Oracle Databaseプログラム、インストールおよびデモ・ファイルがインストールされている場所にBS2000ユーザーIDを指定します。初期値は、ORALOADリンク名(ORALOADライブラリ名のユーザーID部分)から導出されます。通常これは正しい値ですが、必要に応じて、ORAENVファイルで別の値を割り当てることによって、この値を無視できます。

書式: ORAUID=$useridまたはORAUID=/BS2/$userid

B.2.3 PGM

PGM変数には常に、現在のSTART_PROGRAMプログラム名の最後の部分が含まれています。ORAENVファイルで別の値を割り当てることによって、この変数の値を変更することはできません。

B.2.4 TERM

TERM変数には端末タイプが含まれ、デフォルトはSNI9750です。通常これは正しいデフォルト値ですが、必要に応じて、ORAENVファイルで別の値を割り当てることによって、この値を無視できます。

B.2.5 TSN

TSN変数には、現在のタスクのタスク順序番号が含まれています。ORAENVファイルで別の値を割り当てることによって、この変数の値を変更することはできません。

B.3 一般変数

次の変数は、Oracle DBAおよびユーザーによって一般に日常的に使用されるものです。

B.3.1 CLN_BASE

この変数は、CORENLSおよびNETに対してユーザー記述のデータベース・アプリケーションの共有コード・プールのアドレスを指定します。

書式:

CLN_BASE=address

分類:

USER

デフォルト:

CLN_BASE=37M

B.3.2 CLN_MPID

この変数は、CORENLSおよびNETに対してユーザー記述のデータベース・アプリケーションの共有コード・プールのIDを指定します。

書式:

CLN_MPID=sid

分類:

USER

デフォルト:

CLN_MPID=&ORASID

B.3.3 DEFAULT_CONNECTION

この変数は、ホスト・ストリングが指定されていない場合に、接続リクエストにデフォルトのホスト・ストリングを指定します。常に同じデータベースに接続する場合は、これを指定すると便利です。この値には、これを使用しない場合に@文字の後に指定するすべてが含まれている必要があります。

書式: DEFAULT_CONNECTION=host-string

分類: USER

例:

DEFAULT_CONNECTION=TNS:
(DESCRIPTION=
(ADDRESS=
(PROTOCOL=TCP)
(HOST=MADRID)
(PORT=1521))
(CONNECT_DATA=
(SERVICE_NAME=PROD)))

B.3.4 EXP_CLIB_FILE_IO

Exportユーティリティを使用してエクスポート・ファイルをテープに書き込む際のCライブラリ関数での問題を解決するには、この変数をFALSEに設定する必要があります。

書式: EXP_CLIB_FILE_IO=FALSE

分類: USER

デフォルト: EXP_CLIB_FILE_IO=TRUE

B.3.5 IMP_CLIB_FILE_IO

Importユーティリティを使用してインポート・ファイルをテープから読み取る際のCライブラリ関数での問題を解決するには、この変数をFALSEに設定する必要があります。

書式: IMP_CLIB_FILE_IO=FALSE

分類: USER

デフォルト: IMP_CLIB_FILE_IO=TRUE

B.3.6 NLS_LANG

この変数は、デフォルトの言語およびキャラクタ・セットを指定します。たとえば、次のようになります。

NLS_LANG=GERMAN_GERMANY.D8BS2000

書式: NLS_LANG=language_territory.character-set

分類: USER, DBA

書式: NLS_LANG=AMERICAN_AMERICA.WE8BS2000

B.3.7 OPS_JID

この変数は、初期化パラメータを参照するOS_AUTHENT_PREFIXとの連結に使用されます。デフォルト値は、パラメータOS_AUTHENT_PREFIXの値をBS2000ユーザーIDに連結します。OPS_JIDを使用すると、BS2000のジョブ名(/.jobname LOGON..)をかわりに使用することを指定できます。これは、多くのユーザーが1つのBS2000ユーザーIDを共有している場合に便利です。

書式: OPS_JID=userid/jobname

分類: DBA

デフォルト: userid

B.3.8 ORASID

この変数は、データベースIDが接続時に指定されていない場合にデータベースを定義します。この変数はORACLE_SID変数のシノニムです。

書式: ORASID=sid (sidは1から4文字の文字列)

分類: USER, DBA


注意:

ORACLE_SID変数を使用することをお薦めします。

B.3.9 PRINTPAR

この変数は、SPOOL OUTスプール・ファイルに対して発行される/PRINTコマンドのオプションの変数を指定します。この値を使用して、ユーザーは、リモート・プリンタへのジョブの転送、レーザー・プリンタへの印刷オプションの追加などのスプールされたジョブを変更できます。スプール・ファイルに対するBS2000の/PRINTコマンドは、次のように発行します。

/PRINT temp.spoolfile,&PRINTPAR

書式: PRINTPAR=print-options

分類: USER

B.3.10 SQLPATH

この変数は、SQL*Plusがコマンド・ファイルを検索するパスを指定します。パスの要素はセミコロン(;)で区切ります。たとえば、次のようになります。

SQLPATH=PRIVATE;$ORAC1120

この割当てによって、SQL*Plusは、filename.SQLを検索し、次にPRIVATE.filename.SQL、最後に$ORAC1120.filename.SQLを検索します。

書式: SQLPATH=search-path

分類: USER, DBA

B.3.11 SSSIDPWF

この変数は、リモート・インスタンスを開始するためのパスワード・ファイルを指定します。詳細は、第5章、「Oracle Databaseの管理」を参照してください。

書式: SSSIDPWF=password-file

分類: DBA

B.4 DBA起動変数

次の変数は、データベースおよびネットワークの起動時に使用されます。これらは、初期化ファイルに含まれている変数を補完します(さらにデフォルトを提供する場合もあります)。

変数が矛盾しないように、データベースの起動および停止、バックグラウンド・ジョブおよびネットワーク・ジョブで同じORAENVファイルを参照することをお薦めします。

次の項にリストされているデフォルト値は組込みデフォルトであり、そのほとんどが付属のDEMO.P.ORAENVの設定によって無視されることに注意してください。

B.4.1 アドレスおよびサイズの指定

この項で説明する変数のいくつかは、メモリーのアドレスおよびサイズを定義します。これらの項目を指定するために使用される表記法は次のとおりです。

  • 修飾子のない数値は小数として解釈される

  • 後にKまたはMの付く数値は、それぞれ1024または1048576 (1024*1024)を掛けた小数として解釈される

  • 一重引用符で囲まれ、先頭に文字Xが付く数値は、16進数として解釈される

たとえば、次の場合、KNL_BASE変数はすべて8Mに設定されます。

KNL_BASE=8M
KNL_BASE=8388608
KNL_BASE=X'800000'

B.4.2 BGJPAR

この変数は、バックグラウンド・ジョブの開始時に使用されるENTER-PROCEDUREコマンドのパラメータを指定します。ENTER-PROCEDUREコマンドは、次のようにジョブの発行に使用されます。

.jobname ENTER-PROCEDURE jobfile, &BGJPAR

書式: BGJPAR=parameters

分類: DBA


注意:

BGJPAR変数は、インストール手順で設定されます。

B.4.3 BGJPRC_UID / BGJPRC_SID

これらの変数は、バックグラウンド入力ジョブのファイルのユーザーIDおよびorasidを指定します。特別な入力ジョブ・ファイルを使用する必要がある場合は、パラメータを目的のuseridおよびorasidに設定する必要があります。

書式:

BGJPRC_UID=$userid
BGJPRC_SID=sid

分類: DBA, NET

デフォルト:

BGJPRC_UID=&ORAUID
BGJPRC_SID=DEMO

B.4.4 BGJ_LOG_JOBSTART

この変数は、新しいジョブが受け入れられたというオペレーティング・システム・メッセージをSYSOUTに記録するかどうかを指定ます。

書式: BGJ_LOG_JOBSTART=Y/N

分類: DBA,USER, NET

デフォルト: BGJ_LOG_JOBSTART=N

B.4.5 sid_BGJPAR

この変数は、SIDで指定されたインスタンスのサーバー・プロセスを開始するためにENTER-PROCEDUREコマンドが使用するパラメータを指定します。

書式: sid_BGJPAR=parameters

構文: sidは、4文字以下の英数字の文字列です。

parametersは、BS2000/OSDコマンドで説明するとおり、ENTER-PROCEDUREコマンドのパラメータです。

分類: DBA,USER, NET

B.4.6 sid_USER

この変数は、SIDによって割り当てられたインスタンスが存在するUSER-IDを指定します。

書式: sid_USER=userid

構文: sidは、4文字以下の英数字の文字列です。

useridは8文字以下の英数字の文字列で、BS2000/OSDのUSER-IDのルールに従います。

分類: DBA,USER, NET

B.4.7 user_ACCOUNT/ user_PASSWORD

user_ACCOUNTまたはuser_PASSWORDUSER-IDの資格証明を定義し、この資格証明はENTER-PROCEDUREコマンドでプロセスを開始するために使用されます。

書式: user_ACCOUNT=account

user_PASSWORD=password

構文: userは8文字以下の英数字の文字列で、BS2000/OSDのUSER-IDのルールに従い、パラメータsid_USERによって定義されているUSER-IDと一致する必要があります。

accountは8文字以下の英数字の文字列で、BS2000/OSDのアカウント番号のルールに従います。

passwordは8文字以下の英数字の文字列で、BS2000/OSDのパスワードのルールに従います。

分類: DBA, NET

B.4.8 COM_MPID

このパラメータは、CORENLSおよびNETに対してOracleインスタンスの共有コード・プールのIDを指定します。

書式: COM_MPID=sid

分類: DBA

デフォルト: COM_MPID=&ORASID

B.4.9 COM_BASE

このパラメータは、COREおよびNLSに対してOracleインスタンスの共有コード・プールのアドレスを指定します。

書式: COM_BASE=address

分類: DBA

デフォルト: COM_BASE=37M

B.4.10 JOBID

この変数は、バックグラウンド・タスクの識別およびタスク固有の名前の生成に内部的に使用されます。これが表示される場合もありますが、ユーザー自身で指定しないでください。

分類: DBA

B.4.11 KNL_BASE

この変数は、共有メモリー・プールがメモリー内にマップされている場所のベース・アドレスを指定します。これはメガバイトの整数である必要があります。

書式: KNL_BASE=address

分類: DBA

デフォルト: KNL_BASE=72M

B.4.12 ORACLE_HOME

Oracleホーム・ディレクトリはPOSIXファイル・システム内のディレクトリで、特定のOracle製品のソフトウェアのインストールが含まれています。

書式: ORACLE_HOME=/path-name

分類: DBA, USER

B.4.13 PGA_BASE

この変数は、PGAの固定部分のベース・アドレスを指定します。PGAはタスク固有ですが、カーネルがアクセスできるように固定メモリー・アドレスに存在する必要があります。ベース・アドレスは64KBの境界に存在する必要があります。

書式: PGA_BASE=address

分類: DBA

デフォルト: PGA_BASE=189M


注意:

PGA_BASEの値は、共有カーネルがすでにロードされている場合は、カーネルから取得されます。

B.4.14 PGA_SIZE

この変数は、PGAの固定部分のサイズを指定します。この値はデフォルト値から変更しないでください。

書式: PGA_SIZE=size

分類: DBA

デフォルト: PGA_SIZE=64K


注意:

PGA_SIZEの値は、共有カーネルがすでにロードされている場合は、カーネルから取得されます。

B.4.15 SF_PBLKSIZE

この変数は、REDOログ・ファイルの物理ブロック・サイズを指定します。

書式: SF_PBLKSIZE=2K|4K

分類: DBA

デフォルト: 2K


注意:

この値はデータベースの作成後には変更できません。デフォルト以外の値を指定した場合は、今後のすべてのコールでその値を指定する必要があります。

B.4.16 SGA_BASE

この変数は、SGAがメモリー内でマップされている場所のアドレスを指定し、メガバイト境界を表す必要があります。

書式: SGA_BASE=address

分類: DBA

デフォルト: SGA_BASE=190M


注意:

SGA_BASEの値は、共有カーネルがすでにロードされている場合は、カーネルから読み取られます。対応するSGA_SIZE変数がないため、SGAメモリー・プールのサイズはデータベースの起動時に計算されます。

B.5 Oracle Net Servicesの変数

Oracle Net Servicesの変数を次に示します。

B.5.1 BREAK_HANDLING

この変数は、ネットワークを介してブレークを送信するユーザーの割込みの信号ルーチンを解除します。割込みは[K2]キーを押すことによって解除できます。

書式:

BREAK_HANDLING=ON|OFF

分類:

DBAUSERNET

デフォルト:

BREAK_HANDLING=ON

B.5.2 TNS_ADMIN

この変数は、LISTENER.ORATNSNAMES.ORASQLNET.ORAなどのOracle Net Services構成ファイルのユーザーIDを指定します。TNS_ADMINが定義されていない場合は、ローカル・ユーザーIDで接頭辞NETWORK.ADMINを付けて構成ファイルが検索されます。

Format: TNS_ADMIN=$userid

分類: DBAUSERNET

B.5.3 TNS_BEQ_TIMEOUT

この変数は、親と子プロセス間に通信がない場合の、親子プロセス間の接続が閉じられた後の時間を指定します。

書式: TNS_BEQ_TIMEOUT=lifetime (秒単位)

分類: NET

デフォルト: TNS_BEQ_TIMEOUT=180

B.5.4 TNS_UPDATE_IPNODE

この変数は、Oracle Netソフトウェアに対して、サーバーのIP-Node名をIP-Nodeアドレスに常に変更するように強制します。

書式: TNS_UPDATE_IPNODE=TRUE/FALSE

分類: NET

デフォルト: TNS_UPDATE_IPNODE=FALSE