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Oracle® Databaseユーザーズ・ガイド
11gリリース2 (11.2) for Fujitsu BS2000/OSD
E49829-01
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1 はじめに

この章では、Oracle Database 11gリリース2 (11.2) for Fujitsu BS2000/OSDで使用するBS2000/OSDに固有の情報について説明します。

この章には次の項が含まれます:

1.1 Oracle Databaseの環境定義ファイル

BS2000/OSDのすべてのOracle Databaseユーティリティおよび製品では、ORAENVというOracle Database環境定義ファイルが使用されます。Oracle Database製品を使用するには、多数のOracle Database環境変数が含まれるこのファイルを、製品の使用前に生成する必要があります。これらのOracle Database環境変数には、Oracle Databaseおよびユーティリティの動作環境が記載されています。このファイルの作成方法は、「環境定義ファイルの生成」の項を参照してください。

ORAENVファイルを生成しない場合、すべての環境変数でデフォルト値が使用されます。ORASIDなどのように、環境変数にデフォルト値がない場合もあります。まずORAENVファイルを生成してからOracle Databaseプログラムまたはユーティリティを起動しないと、Oracle Databaseには接続できません。

ORAENVファイルは、BS2000コマンド・プロシージャの形式を持つテキスト・ファイルです。コマンド・プロシージャは、自体を/SET-FILE-LINK ORAENVfilenameコマンドを使用してコールます。各行にはOracle Database環境変数とそれに割り当てられた値が含まれます。このファイルを読み込む際、Oracle Databaseでは列1に、スラッシュ記号(/)またはアスタリスク記号が(*)あるすべての行を無視します。

1.1.1 環境定義ファイルの生成

Oracle Databaseを最初に使用する前に、ORAENVファイルを再生する必要があります。ORAENVファイルを生成するには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを入力し、INSTALL.P.USERプロシージャをコールます。

    /CALL-PROCEDURE $ORAC1120.INSTALL.P.USER
    

    ここで$ORAC1120は、Oracle Database 11gリリース2 (11.2)インストール・ユーザーIDです。

    SIDというデータベース・システム識別子を求められます。

  2. SIDを入力します。SIDがわからない場合は、データベース管理者に問い合せてください。

1.1.2 環境定義ファイルのコール

ORAENVファイルにCALL-PROCEDUREコマンドを入力し、ORAENVファイル(sid.P.ORAENV)をコールます。たとえば、データベースDEMO用に例のORAENVファイルをコールするには、次のコマンドを入力します。

/CALL-PROCEDURE DEMO.P.ORAENV

1.1.3 環境変数の指定

次にOracle Databaseで使用できるORAENVファイルの内容を示します。

/SET-PROC-OPT DATA-ESCAPE=*STD                                    
/DECL-PAR (SYSCMD(INI-VAL='DEMO.P.ORAENV'))
/       REMARK * SYSCMD must be name of this file
/       WRITE-TEXT '                                            '
/       WRITE-TEXT ' +----------------------------------------+ '
/       WRITE-TEXT ' I  Oracle Database 11g Release 2 (11.2)  I '
/       WRITE-TEXT ' I           environment setup            I '
/       WRITE-TEXT ' +----------------------------------------+ '
/       WRITE-TEXT '                                            '
/       SET-FILE-LINK ORAENV,&SYSCMD
/       SET-FILE-LINK ORALOAD,$ORAC1120.ORALOAD.LIB
/       SET-FILE-LINK ORAMESG,$ORAC1120.ORAMESG.LIB
/&*     MOD-SDF $ORAC1120.SYSSDF.ORACLE.USER
/&*     *** if SYSOUT protocol is desired set BGJOUT='KEEP' ***
/&*     SET-VAR BGJOUT='DEL'
/       EXIT-PROCEDURE
**  parameters for users:
*
ORAUID=/BS2/$ORAC1120
ORASID=DEMO
NLS_LANG=German_Germany.D8BS2000
* PRINTPAR=
/END-PROCEDURE

必要な場合、このファイルのユーザー変数を編集してOracle Database 11gリリース2 (11.2)の動作環境を変更できます。付録B「Oracle環境変数」には、ORAENVファイルで指定できる変数一覧があります。ユーザー変数に割り当てる値は、ご自分のタスクのみ用です。データベース管理者は、データベース・インスタンス全体に影響する他の変数を設定することも可能です。ORAENVファイルでDBA固有の値を設定しても無視されます。


注意:

作業するデータベースごとに、個々にORAENVファイルを作成できます。環境変数を設定するには、使用するデータベースの環境変数を含むORAENVファイルをコールます。

1.2 ORALOADライブラリ

Oracle Database 11gリリース2 (11.2)のプログラムを起動するには、ORALOADライブラリ(デフォルト: $ORAC1120.ORALOAD.LIB)が必要です。Oracle Databaseでは、必要に応じて実行可能ファイルを動的にロードするため、このライブラリを使用します。ORALOADライブラリは、Oracle Databaseプログラムをコールする前にリンク名ORALOADで指定する必要があります。リンク名が見つからない場合は、BLS (BS2000ローダー)のエラー・メッセージが示されます。ORALOADリンク名は、ORAENVプロシージャがコールされると設定されます。Oracleのメッセージでは、別のライブラリ、ORAMESGライブラリ(デフォルト: $ORAC1120.ORAMESG.LIB)も必要です。このライブラリにはORAENVプロシージャでORAMESGのリンク名が割り当てられます。

1.3 BS2000のSDFコマンドを使用したOracleユーティリティの起動

Oracle Database製品を起動する前に、第1.1.2項「環境定義ファイルのコール」で説明している環境定義ファイルをコールする必要があります。

BS2000のコマンド・プロンプト(/)に、START-PROGRAMコマンドをプログラム名とともに入力し、Oracle Databaseプログラムおよびユーティリティを起動します。データ・プロンプト(*)が表示されたら、次の例に示すとおり、このオプションと演算子を最初のデータ入力行に指定します。

/START-PROGRAM $ORAC1120.program_name
CCM0001 enter options:
* [option_switch] [arguments] 

ここで、

program_nameは起動するプログラムまたはユーティリティの名前です

option_switchは、プログラムによって異なる1つ以上のオプションのスイッチです。これを使用する場合、スイッチの前にはダッシュ(-)を使用します。

argumentsは、プログラム(またはユーティリティ)の1つ以上の演算子であるか、ユーザーIDとパスワードの組合せ、または両方である場合があります。

例1-1

SQL*Plusを起動するには、次のコマンドを入力します。

/START-PROGRAM $ORAC1120.SQLPLUS
* /NOLOG
SQL> CONNECT SYS / AS SYSDBA
Enter password: password 

プログラムがロードされたら、CCM0001のプロンプトが表示され、コマンドライン・オプションを入力できます。前述の例のとおり、プログラムに、option_switchまたはargumentsを入力します。その後、SQL*Plusの場合はSQL>である、このプログラムのプロンプトが表示されます。これで、プログラムのコマンドを1つ以上入力できます。有効なコマンドの説明は、製品の汎用のドキュメントを参照してください。

または、次のBS2000 SDFコマンドを使用してOracle Databaseユーティリティを起動できます。

/START-EXECUTABLE ($ORAC1120.ORALOAD.LIB,program_name)

たとえば、SQL*Plusを起動する場合は、次のコマンドを入力します。

/START-EXECUTABLE ($ORAC1120.ORALOAD.LIB,SQLPLUS)

1.4 UNIX形式でのOracleユーティリティの起動

次のコマンドを使用してユーティリティを起動することも可能です。

/START-ORACLE-CMMIGR            or     /CMMIGR
/START-ORACLE-EXPORT            or     /OEXP
/START-ORACLE-EXPDP             or     /EXPDP
/START-ORACLE-IMPORT            or     /OIMP
/START-ORACLE-IMPDP             or     /IMPDP
/START-ORACLE-LISTENER-CONTROL  or     /LSNRCTL
/START-ORACLE-MKWALLET          or     /MKWALLET
/START-ORACLE-SQLLOADER         or     /SQLLDR
/START-ORACLE-SQLPLUS           or     /SQLPLUS
/START-ORACLE-TNSPING           or     /TNSPING
/START-ORACLE-RMAN              or     /RMAN

起動コマンド後、(パラメータに等号(=)または空白が含まれる場合は引用符を使用して)パラメータを指定できます。ユーティリティを起動する前に、ORAENVファイルでMOD-SDFコマンドを起動し、ORAENVファイルをコールます。

例:

/sqlplus
/lsnrctl stop
/oimp 'system/manager file=iea buffer=210000 ignore=y grants=y rows=y
full=y commit=y'

1.5 POSIX環境でのOracleユーティリティの起動

Oracle Database 11gリリース2 on Fujitsu BS2000/OSD以降では、SQL*Plusなどのユーティリティは通常のBS2000環境だけでなくPOSIX環境でも実行できるようになりました。

Oracle Databaseソフトウェアのインストール時、ユーティリティはPOSIXファイル・システムのディレクトリoracle_home_path/binにインストールされます。POSIXシェルでOracleユーティリティを起動する前に、環境変数ORACLE_HOMEを設定し、環境変数PATHを、Oracleディレクトリoracle_home_path/binのパス名を使用して拡張する必要があります。次に例を示します。

$ ORACLE_HOME=/u01/app/orac1120/product/dbhome
$ export ORACLE_HOME
$ PATH=$ORACLE_HOME/bin:$PATH
$ export PATH

または、Oracle Databaseのインストール時にPOSIXの下に作成されるプロファイルoracle_home_path/.profile.oracleを実行できます。このプロファイルで、ORACLE_HOMEおよびPATHなどの最も重要な変数を拡張できます。プロファイルは次のように実行します。

$ . /u01/app/orac1120/product/dbhome/.profile.oracle

変数ORACLE_SIDを設定し、特定のOracleインスタンスのOracleユーティリティを起動します。関連するBS2000 ORAENVファイルに定義されているその他のインスタンス固有のパラメータを、POSIX環境に設定するか、BS2000 ORAENVファイルにアクセスして設定します。

POSIXシェルで実行されるユーティリティでは、インスタンス固有の変数をBS2000ファイル・システムのORAENVファイルから読み込むことができます。BS2000 ORAENVファイルにアクセスするには、oraenvsidという名前のファイルをoracle_home_path/dbsディレクトリに作成する必要があります。このファイルには、BS2000 ORAENVファイルの完全修飾されたBS2000ファイル名を含みます。これは、BS2000ファイル・システムのORAENVファイルへのリンクのように動作します。

たとえば、ORAENVファイルの$ORADATA.ORCL.P.ORAENVにアクセスしたい場合、次のように、oracle_home_path/dbsディレクトリにoraenvORCLファイルを作成する必要があります。

$ ORACLE_HOME=/u01/app/orac1120/product/dbhome
$ export ORACLE_HOME
$ echo '$ORADATA.ORCL.P.ORAENV' > $ORACLE_HOME/dbs/oraenvORCL
$ chmod 664 $ORACLE_HOME/dbs/oraenvORCL

注意:

  • POSIXシェルで実行されるユーティリティは、BS2000 ORAENVファイルの変数を下位の変数として扱います。POSIXシェルの環境変数は、BS2000 ORAENVファイル内の設定に優先されます。

  • ファイル名oraenvsidSIDでは、大文字と小文字が区別され、ORACLE_SIDに指定されているSIDと一致する必要があります。

  • POSIXシェルでOracleユーティリティを実行するPOSIXユーザーがORAENVファイルが配置されているBS2000ユーザーIDとは異なる場合、すべてのユーザーにBS2000 ORAENVファイルへのアクセス権を付与する必要があります。


Oracleユーティリティがデータベースへの接続にBEQプロトコルを使用する場合、Oracle Net ServicesはBS2000環境の専用サーバーの起動に、BGJPAR変数からジョブ・パラメータを取得します。この変数を指定しない場合、Oracle Net Servicesではデフォルト値が使用されます。


注意:

BGJPAR変数は、oracle_home_path/.profile.oracleプロファイルの実行後は設定されません。

BEQプロトコルを使用する場合、Oracle Net Servicesによって起動されるBS2000ジョブには、特定のBS2000ジョブ・パラメータを定義することをお薦めします。BGJPAR変数に、これらのパラメータを定義するオプションがあります。この変数は、関連するBS2000のORAENVファイルに設定するか、POSIX環境に適切な値を明示的に設定することによって定義できます。

たとえば、継承サーバー・タスクを特殊なJOB-CLASSに割り当てる必要がある場合、POSIX環境でBGJPAR変数を次のように設定します。

$ ORACLE_SID=orcl
$ export ORACLE_SID
$ BGJPAR='START=SOON,CPU-LIMIT=NO,JOB-CLASS=JCBORA,LOGGING=*NO'
$ export BGJPAR

次のコマンドを使用すると、SQL*Plusなどで他のUNIXシステムと同様な方法でユーティリティを起動できます。

$ sqlplus /nolog
$ SQL> connect / as sysdba

1.6 Oracleインスタンスへの接続

Oracleインスタンスへは次の方法を使用して接続できます。

一覧の方法を使用してOracle Databaseに接続できるかどうかは、システムの構成に依存するので、データベース管理者に問い合せてください。通常、どのようにOracleインスタンスに接続するかは、次に示すとおり、ログオン文字列の一部としてuserid/passwordにアットマーク(@)で区切って付加し、ユーザーが方法を指定します。

1.6.1 デフォルトの接続

接続文字列を指定しない場合、設定されている場合、環境変数DEFAULT_CONNECTIONがOracle Databaseと接続を確立するために使用されます。ORAENVファイルおよびDEFAULT_CONNECTION環境変数の詳細は、付録B「Oracle環境変数」を参照してください。

1.6.2 Oracleインスタンスへのアクセス

ローカルまたはリモート・インスタンスへのアクセスは、Oracle Net Servicesを介して実行されます。ローカルまたはリモートのデータベースにアクセスするには、Oracle Net Servicesのログオン文字列を使用し、次を特定します。

  • 使用するプロトコル

  • アクセスするデータベース

  • (専用または共有のいずれかの)使用するサーバーのタイプ

Oracle Net Servicesログオン文字列は、次の構造になっています。

/START-PROGRAM $ORAC1120.SQLPLUS
* userid/password@service_name

ここで、

service_nameでは、目的のデータベースのTNS接続識別子を識別するTNSNAMES.ORAファイルに入力したサービス名を指定します。ここに何を入力するかわからない場合は、データベース管理者に問い合せてください。

次の例では、TNSNAMES.ORAファイルにSERVERXとして定義したデータベースに接続するログオン文字列を示します。

HR/HR@SERVERX

Bequeathアダプタを使用してOracle Databaseに接続する方法の詳細は、『Oracle Databaseインストレーションおよび構成ガイドfor Fujitsu BS2000/OSD』のOracle Net Servicesに関する章を参照してください。

1.7 入出力でのBS2000ファイルの使用

多くの場合、Oracle Database for BS2000/OSDプログラムでは、C-BS2000ランタイム・システムの関数を使用して、その入出力ファイルにアクセスします。Oracle Databaseプログラムは、SAMISAMおよびPAMファイルを読み書きできます。

1.7.1 テキスト・ファイル

テキスト・データは、SAMまたはISAMファイルに通常格納され、各レコードは1つのテキスト行になります。SQL*Plusおよびスプール出力ファイルによって使用されるSQLスクリプト・ファイルがその例です。

SQL*Loaderの入力データは、SAMまたはISAMファイルとして提供されます。これらのファイルには、パック10進数またはバイナリ正数値などの出力不能なデータも含む場合があります。ISAMファイルについては、レコードの先頭のキーは通常無視されます。

1.7.2 バイナリ・ファイル

バイナリ・データは通常PAMファイルに格納されます。

1.7.3 汎用のOracle Databaseファイル名の構文

汎用のOracle Databaseドキュメントで使用されている規則では、LOGIN.SQLなどのようにファイル名をピリオドで2つの部分に区切って表現しています。BS2000にも、この構文が適しています。ただし、BS2000には「現在のディレクトリ」という概念がないため、完全なBS2000ファイル名にするには、汎用の名前の例に接頭辞を追加する必要があります。

1.7.4 デフォルトのファイル名拡張子

BS2000/OSD上のOracle Databaseユーティリティでは、次の表に示すとおり、指定したファイル名の最後のコンポーネントが3文字を超える場合のみ、またはコンポーネントが1つ指定されている場合のみ、デフォルトの拡張子をファイル名に追加します。


元のファイル名 拡張されたファイル名
1. TEST.TEST TEST.TEST.EXT
2. TST TST.EXT
3. T.T T.T
4. TEST.TST TEST.TST

これは、UNIXシステム上のOracle Databaseに使用されるファイルの命名規則と類似しています。

1.7.5 リンク名の使用

ファイル名を指定するかわりに、特別な場合に、ファイル名が要求された場所に構文link=linknameを使用して以前発行したBS2000 /SET-FILE-LINKコマンドのリンク名を参照することもできます。このようにして、デフォルトのファイル属性をオーバーライドしたり、ファイルの領域などを事前に割り当てることができます。link=linkname注釈を使用できない例外がいくつかあります。


注意:

link=linkname注釈を使用する際、デフォルトのファイル名の拡張子は機能しません。その結果、そのような注釈から得たデフォルトのファイル名は無効となり、この場合には明示的な名前を提供する必要があります。たとえば、SQL*Loaderを使用する際にSQL*Loaderの制御ファイルにlink=linknameを指定した場合、BADLOGおよびDISCARDのファイル名には名前を明示的に付ける必要があります。

コマンド(オプション)ラインでlink=linkname注釈を使用した場合、一部のプログラムで構文エラーが報告される場合があります。そのような場合、コマンドラインでパラメータを省略し、省略したパラメータを要求されたときにかわりにそれを指定します。


1.7.6 固定のリンク名

Oracle Database 11gリリース2 (11.2) for Fujitsu BS2000/OSDでは、特定のファイルに、固定のリンク名を使用します。

これらのうち、最も重要なのは次のとおりです。

タイプ 意味/用途
ORAENV Oracle Databaseの環境定義ファイルのリンク名。
ORALOAD このリンク名は必須で、処理時Oracle Databaseモジュールがロードされるロード・ライブラリを指定するために使用します。
ORAMESG このリンク名は必須で、実行時Oracleメッセージ・モジュールがロードされるメッセージ・ライブラリを指定するために使用します。

通常、これらのリンク名は、ORAENVプロシージャを実行して設定します。