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Oracle Containers for J2EE構成および管理ガイド
10g(10.1.3.5.0)
B56030-01
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3 OC4Jの管理用ツール

この章では、OC4Jに装備された管理機能の概要を説明します。この章の内容は次のとおりです。

Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Control

Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Controlは、JMXに準拠するWebベースのユーザー・インタフェースで、OC4J内のアプリケーションのデプロイ、構成および監視の他、スタンドアロンOC4Jサーバー、Oracle Application Serverクラスタ内のOC4Jインスタンスのグループ、およびアプリケーションで使用されるWebサービスの管理を目的とします。この項の内容は次のとおりです。

このインタフェースの使用方法は、Application Server Controlに付属するオンライン・ヘルプを参照してください。


注意:

Application Server Controlの現行リリースでは、OPMNの構成やOracle HTTP Serverの起動と停止はサポートされていますが、Oracle HTTP Serverの構成はサポートされていません。OPMNおよびOracle HTTP Serverの構成方法は、『Oracle Process Manager and Notification Server管理者ガイド』を参照してください。

スタンドアロンOC4JでのApplication Server Controlへのアクセス

Application Server Controlは、OC4Jソフトウェアのインストール時に自動的にインストールおよび構成されます。OC4Jを起動するとデフォルトで起動されます。

コンソールには、HTTPリクエストをポート8888でリスニングするように構成されたデフォルトWebサイトを介してアクセスします。コンソールにアクセスするには、次のURLをWebブラウザに入力するだけです。

http://hostname:8888/em

Oracle Application ServerでのApplication Server Controlへのアクセス

Application Server Controlは、OC4Jの埋込みコンポーネントとしてインストールおよび構成されます。コンソールは、OPMNコマンドライン・ツールopmnctlを使用して、その他のすべてのインストール済Oracle Application Serverコンポーネントとともに起動されます。このツールは、各サーバー・ノードのORACLE_HOME/opmn/binディレクトリにインストールされています。

次のコマンドを発行して、すべてのインストール済コンポーネントを起動します。

cd ORACLE_HOME/opmn/bin
opmnctl startall

複数のOC4Jインスタンスを含むクラスタ・トポロジでは、クラスタのOPMN構成ファイルopmn.xmlsequentialオプションが含まれない場合には、コマンドで-sequentialフラグを使用する必要があります。

cd ORACLE_HOME/opmn/bin
opmnctl startall -sequential

sequentialオプションを使用すると、OC4Jインスタンスが順番に起動されます。コンポーネントを同時に起動すると、リソース競合の問題が発生する可能性があります。opmn.xmlファイルでsequentialオプションを指定する方法は、「管理OC4J構成でのランタイム・オプションの設定」を参照してください。

通常のOracle Application Serverインストールでは、Application Server Controlを含むすべてのWebアプリケーションには、Oracle HTTP Serverを介してアクセスします。次のURLを使用してコンソールにアクセスします。

http://ohs_host_address:port/em
  • ohs_host_address: Oracle HTTP Serverホスト・マシンのアドレス。たとえばserver07.company.comです。

  • port: OPMNによってOracle HTTP Serverに割り当てられたHTTPリスナー・ポート。割り当てられたリスナー・ポートのリストをOPMNから取得するには、次のopmnctlコマンドをOracle HTTP Serverホスト・マシンで実行します。

    opmnctl status -l
    

    OPMNステータス出力でhttp1に指定されたポートを、portの値として指定します。

    HTTP_Server | HTTP_Server | 6412 | Alive | 1970872013 | 1
    6396 | 0:48:01 | https1:4443,http2:722,http1:7779
    

Application Server Controlインタフェースの機能の概要

Application Server Controlは、次に説明するいくつかの機能領域で構成されています。

アプリケーション

  • OC4JインスタンスまたはOracle Application Serverクラスタ内のインスタンスのグループにデプロイされたアプリケーション、モジュールまたはスタンドアロン・リソース・アダプタの起動と停止

  • アプリケーションまたはモジュールのデプロイ、アンデプロイまたは再デプロイ

  • アプリケーションのデプロイの一環としてのデプロイ・プランの作成または編集

  • HTTPリクエストおよびアクティブなEJBメソッド・コールに関する統計の表示

管理

  • J2EEサービス(JMSやJTAなど)の管理

  • JNDI名の表示および検索

  • JDBCデータソースおよびデータベース・アクセスを提供する接続プールの作成

  • JSPコンテナのプロパティの設定

  • セキュリティ・プロバイダの構成およびユーザーとロールの管理

  • JMX MBeanブラウザを介したMBeanへのアクセス

  • イベント・ドリブンのJMX通知のサブスクライブ

パフォーマンス

  • OC4Jと他のアクティブなアプリケーションによるCPUおよびメモリー・リソースの使用状況と、OC4Jヒープ使用状況を示すグラフの表示

  • データベース接続とトランザクション・アクティビティ、JVM使用状況、JSPとサーブレットのリクエストおよびEJBメソッドに関する統計の表示

  • 最もリクエストが多かったJSP、サーブレットおよびEJBモジュールに関するシステムへの問合せ

Webサービス

  • Webサービスの有効化または無効化

  • インスタンス内で稼働しているWebサービスのメトリックおよび統計の表示

  • WebサービスのWSDLの表示

  • Webサービスのテスト

  • Webサービスの監査、ロギング、信頼性およびセキュリティの構成

ログ

  • OC4Jインスタンスにデプロイされた特定のアプリケーションのログ・ファイルの表示

  • デフォルト・アプリケーション(グローバルWebアプリケーションを含む)およびApplication Server Controlのログの表示

  • 特定のメッセージ・タイプおよび文字列についてのログの検索

  • Oracle Diagnostic Logging(ODL)フレームワークを使用した、コンポーネントのXML形式のログ・ファイルの表示

  • Webサービスのログの取得

OC4Jによって提供されるロギング機能の詳細は、第11章「OC4Jでのロギング」を参照してください。

admin_client.jarコマンドライン・ユーティリティ

OC4Jにはadmin_client.jarというコマンドライン・ユーティリティが用意されています。このユーティリティを使用すると、Oracle Application Serverのクラスタ化された環境およびスタンドアロンOC4JサーバーのアクティブなOC4Jインスタンスで操作を実行できます。

このユーティリティを使用して実行できるタスクは次のとおりです。

このツールの使用方法は、第6章「admin_client.jarユーティリティの使用方法」を参照してください。

admin.jarコマンドライン・ユーティリティ

OC4Jにはadmin.jarというコマンドライン・ユーティリティが用意されています。このユーティリティを使用すると、アクティブなスタンドアロンOC4Jインスタンスで操作を実行できます。


注意:

admin.jarユーティリティは、スタンドアロンOC4Jインストールの単一のOC4Jインスタンスを管理するためのみに使用できます。

より高度な機能を装備しているため、admin.jarのかわりにadmin_client.jarユーティリティを使用することをお薦めします。このユーティリティの使用方法は、第6章「admin_client.jarユーティリティの使用方法」を参照してください。


特に、このユーティリティを使用してできるタスクは次のとおりです。

このユーティリティは、ORACLE_HOME/j2ee/instance/にデフォルトでインストールされます。データソースをアップグレードする場合を除き、このユーティリティを使用するには、OC4Jを起動する必要があります。また、このユーティリティを使用してOC4Jを起動することはできません。このツールの使用方法は、第7章「admin.jarユーティリティの使用方法」を参照してください。

oc4j実行可能スクリプト

OC4Jディストリビューションには、実行可能スクリプトが含まれています。これらのスクリプトをスタンドアロンOC4J構成で使用すると、ローカルのOC4Jインスタンスの起動および停止、OC4Jバージョンの取得、OC4Jインストール・プロセスの完了が可能です。これらのスクリプトには、LinuxとUNIX環境用のシェル・スクリプト、およびWindows環境用のバッチ・ファイルが含まれています。

oc4j実行可能スクリプトは、ORACLE_HOME/binディレクトリにあります。スクリプトは、次のように環境固有です。

これらのスクリプトを使用するには、「環境変数の設定」で説明されているように、ORACLE_HOMEおよびJAVA_HOME環境変数が設定されている必要があります。

どちらの実行可能ファイルも、次のような同じ構文を使用します。

oc4j [options]

実行可能ファイルに渡すことができる一連のオプションは、表3-1にまとめられているようにどちらについても同じです。

表3-1 oc4j実行可能ファイルのオプション

オプション 説明

-start

OC4Jインスタンスを起動します。

-shutdown -port ormiport -password password

OC4Jインスタンスを停止します。

-port ormiport: OC4JがデフォルトのORMIポート(23791)で稼働している場合は、ポートを指定する必要はありません。

-password password: oc4jadminアカウントのパスワードを指定します。

-version

OC4Jのバージョン番号を返します。

-help

構文および一連のオプションを表示します。


Oracle Process Manager and Notification Server(OPMN)

管理OC4J環境では、すべてのインストール済Oracle Application Serverコンポーネント(すべてのOC4Jインスタンスを含む)の管理と起動および停止に、OPMNが使用されます。また、OPMNはOC4Jおよび関連するコンポーネント(Oracle HTTP Serverなど)も監視します。そのため、インストール済Oracle Application Serverコンポーネントを監視するには、OPMNを各ORACLE_HOMEディレクトリにインストールする必要があります。

OPMNを構成および使用する方法は、『Oracle Process Manager and Notification Server管理者ガイド』を参照してください。

OPMNデーモンの制御には、コマンドライン・ユーティリティopmnctlが使用されます。このユーティリティは、Oracle Application Serverのホスト・コンポーネントのホストとなるマシンのORACLE_HOME/opmn/binディレクトリにデフォルトでインストールされます。


注意:

Application Server Controlの現行リリースでは、OPMNの構成やOracle HTTP Serverの起動と停止はサポートされていますが、Oracle HTTP Serverの構成はサポートされていません。OPMNおよびOracle HTTP Serverの構成方法は、『Oracle Process Manager and Notification Server管理者ガイド』を参照してください。

OPMNは、opmn.xml構成ファイルを使用して構成されます。このファイルは、ORACLE_HOME/opmn/confディレクトリにあります。現行リリースのApplication Server Controlにはファイル編集機能が装備されていないため、ほとんどの場合、このファイルの編集は手動で行う必要があります。

次の例に、構成ファイルopmn.xmlでのOC4J構成データの構造を示します。

次の要素は、opmn.xmlにおけるOC4J構成データの構造の簡略化された例です。

<opmn>
 . . .
 <ias-component id="default_group">  <process-type id="home" module-id="OC4J" status="enabled">
    <module-data>
      <category id="start-parameters">
        <data id="java-options" value=" -Djava.awt.headless=true"/>
        <data id="java-bin" value="/jdk/bin"/>
        <data id="oc4j-options" value="-validateXML -verbosity 10"/>
      </category>
      <category id="stop-parameters">
        <data id="java-options" value="-Djava.awt.headless=true"/>
      </category>
    </module-data>
    <start timeout="600" retry="2"/>
    <stop timeout="120"/>
    <restart timeout="720" retry="2"/>
    <port id="default-web-site" protocol="ajp" range="12501-12600"/>
    <port id="rmi" range="12401-12500"/>
    <port id="jms" range="12601-12700"/>
    <port id="rmis" range="12701-12800"/>
    <process-set id="default_group" numprocs="1"/>
  </process-type>
 </ias-component>
</opmn>

oc4jadminアカウントのパスワードの変更

OC4J管理者アカウントは、デフォルトでユーザー名oc4jadminを使用して作成されます。このアカウントは、OC4Jに付属する各種ツール(admin_client.jarコマンドライン・ユーティリティなど)を使用してコマンドを起動する際に必要です。また、Application Server Controlにログインする際にも使用できます。

oc4jadminアカウントにはoc4j-administratorsロールが割り当てられます。このロールは、アカウントでユーザーおよびロールを管理するために必要です。また、MBeanServerサーバーに接続するためにもこのロールが必要です。

このアカウントの初期パスワードは、OC4Jのインストール時に設定できます。設定しない場合は、OC4Jの初回起動時に設定するように要求されます。Oracle Application Serverクラスタ内のグループの全OC4Jインスタンスでは、Application Server Controlを使用してすべてのインスタンスにアクセスしグループ操作を実行できるよう、oc4jadminアカウントのパスワードが同一である必要があります。また、Oracle Application ServerクラスタのすべてのOC4Jインスタンスでも、OPMN関連の問題を防ぐために、oc4jadminアカウントのパスワードが同一である必要があります。

『Oracle Application Server管理者ガイド』の付録Aで説明されているように、パスワードは後から変更できます。oc4jadminパスワードの変更には次のガイドラインが適用されます。