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Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド
11gリリース1(11.1.0.1.0)
B61023-01
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13 agentDownloadスクリプトを使用したOracle Management Agentのインストール

この章では、agentDownloadスクリプトを使用してOracle Management Agent(管理エージェント)をインストールする方法について説明します。特に、次の内容について説明します。

概要

agentDownloadスクリプトは、管理エージェントを宛先ホストにサイレントにインストールするためのスクリプトです。Enterprise Manager Grid ControlのGUI画面を使用する必要はありません。このスクリプトは、Oracle Management Service(OMS)がインストールされているソース・ホスト上にあり、管理エージェントをインストールする必要のある宛先ホストから実行します。

このインストール・タイプは、宛先ホスト自体から追加管理エージェントを宛先ホストにインストールする場合に最適です。ソース・ホストにアクセスする必要も、Enterprise Manager Grid Controlコンソールを使用する必要もありません。

エージェント・デプロイ・ウィザードとagentDownloadスクリプトの基本的な違いを次に示します。

前提条件

管理エージェントをインストールする前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください。

必要に応じてこの項を印刷し、各前提条件に対して○または×を記入してください。こうすることで、すでに満たされている前提条件と満たされていない前提条件を追跡できます。

表13-1 agentDownloadスクリプトを使用してOracle Management Agentをインストールするための前提条件

要件 説明 ○/×

ハードウェアの要件

付録A「ハードウェア要件の確認」に示されているハード・ディスク領域および物理メモリーの要件を満たしていることを確認します。


オペレーティング・システムの要件

管理エージェントのインストール先が、My Oracle Supportノート412431.1に示されている動作保証済のオペレーティング・システムであることを確認します。


パッケージの要件

付録B「パッケージおよびライブラリの要件の確認」に示されているすべてのプラットフォーム固有パッケージをインストールします。


ユーザーおよびオペレーティング・システム・グループの要件

管理エージェントをインストールする宛先ホストに対して適切なユーザーおよびオペレーティング・システム・グループが作成されていることを確認します。

オペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成の詳細については、付録C「オペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成の要件」を参照してください。


ソフトウェア可用性の要件

デフォルトでは、Oracle Management Service 11gリリースが実行されているホスト上では、Oracle Management Agent 11gリリース1用のソフトウェアが使用可能です。この管理エージェント・ソフトウェアは、OMSが実行されているプラットフォーム用のものです。

したがって、OMSが実行されているプラットフォームと同じプラットフォームにOracle Management Agent 11gリリース1をインストールする場合は、すでにこの前提条件を満たしていることになり、何も処理は必要ありません。

しかし、OMSが実行されているプラットフォームとは異なるプラットフォームにOracle Management Agent 11gリリース1をインストールする場合は、必ずそのプラットフォーム用の管理エージェント・ソフトウェアをダウンロードしてください。

管理エージェント・ソフトウェアのダウンロードの詳細は、「Oracle Management Agentソフトウェアの入手」を参照してください。


OMSの要件

OMSホストからagentDownloadスクリプトをダウンロードする必要があるため、エンタープライズ内ですでにOMSが実行されていることを確認します。


一時ディレクトリ領域の要件

実行可能ファイルをコピーできる一時ディレクトリに400 MBの領域が割り当てられていることを確認します。たとえば、UNIXホストの場合は/tmpで、Microsoft Windowsホストの場合はc:\Tempです。


中央インベントリの要件

中央インベントリ・ディレクトリに100 MBの領域が割り当てられていることを確認します。

また、中央インベントリ・ディレクトリが共有ファイル・システム上にないことも確認します。中央インベントリがすでに共有ファイル・システム上に存在する場合は、My Oracle Supportノート1092645.1に示されている手順に従って、非共有ファイル・システムに切り替えてください。


インストール・ベース・ディレクトリの要件

インストール・ベース・ディレクトリが書込み可能で空になっていることを確認します。


宛先ホストの要件

すべての宛先ホストのオペレーティング・システム資格証明およびファイル・システム構造が同一であることを確認します。


/etc/hostsファイルの要件

宛先ホストとOMSが実行されているホストが別々のネットワーク・ドメインに属する場合、宛先ホスト上の/etc/hostsファイルを更新して、そのホストのIPアドレス、そのホストの完全修飾名、およびホストの短縮名を含む行を追加します。

たとえば、完全修飾ホスト名がmypc.cn.company.comであり、短縮名がmypcの場合は、/etc/hostsファイル内に次の行を追加します。

12.123.123.12 mypc.cn.company.com mypc


agentDownloadスクリプトの要件

agentDownloadスクリプトが、管理エージェントをインストールする宛先ホストのプラットフォーム用のスクリプトであることを確認します。

たとえば、Linuxホスト上でスクリプトを実行する場合は、OMSホスト上にあるスクリプトがLinuxオペレーティング・システム用のスクリプトであることを確認します。


agentDownloadスクリプトのファイル保護設定の要件

実行バイナリが設定されていて、スクリプト・ファイルに適切なファイル保護が設定されていることを確認します。chmodを使用すると、ファイルに適切な権限があることを確認できます。


ロード・バランサの要件

OMSがロード・バランサを使用している場合、agentDownloadファイル内のs_omsHost値およびs_omsPort値を変更する必要があります。


agentDownloadスクリプト内のwgetの定義

agentDownloadスクリプト内にwgetソフトウェアが定義されていることを確認します。スクリプトにより、wgetが存在するかどうかが/usr/local/bin/wget/usr/bin/wgetの順に確認されます。

これらの場所にwgetが見つからない場合は、$PATHにwgetを追加する必要があります。そうしない場合、スクリプトはエラーで終了します。


環境変数の設定

ロックされた状態のセキュアなOMSに管理エージェントをアップロードする場合、環境内にAGENT_INSTALL_PASSWORD環境変数が設定されていることを確認します。

あるいは、管理エージェントのOracleホームから次のコマンドを実行して管理エージェントを保護することもできます。

<ORACLE_HOME>/bin/emctl secure agent <password>


インストール・ユーザーの要件

中央インベントリ所有者と管理エージェントをインストールするユーザーが異なる場合、両者が同じグループに属していることを確認します。

また、インベントリ所有者と所有者が属するグループが、インベントリ・ディレクトリに対する読取り権限と書込み権限を持つことも確認します。

たとえば、インベントリ所有者がuser1で、管理エージェントをインストールするユーザーがuser2の場合、user1とuser2が同じグループに属し、インベントリに対する読取りアクセスと書込みアクセスを持つことを確認します。


権限の要件

  • すべてのリモート・ホスト上のoraInventoryに対して読取り権限、書込み権限および実行権限があることを確認します。リモート・ホスト上のデフォルト・インベントリ(通常は/etc/oraInst.loc)に対してこれらの権限がない場合、「追加パラメータ」セクションで-i <location>オプションを使用して、別のインベントリの場所のパスを指定できます。

    oraInventory権限の詳細は、「Oracleインベントリ・ディレクトリとは」を参照してください。

  • インストール・ベース・ディレクトリおよび実行可能ファイルのコピー先の一時ディレクトリに対して書込み権限があることを確認します。たとえば、/tmpc:\Tempなどです。


SUDO権限の要件

root.shおよび/bin/shを実行するためのSUDO権限があることを確認します(UNIXプラットフォームのみ)。このときに、起動するユーザーのパスワードを指定する必要があります。

これらのファイルを実行するためのSUDO権限があるかどうかを確認するには、/etc/sudoersファイルにアクセスし、次に示すようなエントリがあるかどうかを確認します。このようなエントリがない場合は、追加してください。

<user> <hostname>=PASSWD: /home/em/agent11010/agent11g/root.sh, /bin/sh


SUDOERSファイル構成の要件

SUDOを使用してコマンドを実行するときには常にパスワードの入力を要求されるように、/etc/sudoersファイルを構成します。

SUDOでパスワードの入力が要求されないように/etc/sudoersファイルが構成されている場合、ホスト・パスワードがタイトルのディレクトリが、起動するユーザーのホーム・ディレクトリ内に作成されます。



インストール手順

agentDownloadスクリプトを使用して管理エージェントをインストールするには、次の手順を実行します。

  1. OMSのOracleホームにある次のファイル内のSECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORTおよびDECLINE_SECURITY_UPDATESパラメータを編集します。

    <ORACLE_HOME>/sysman/agent_download/agent_download.rsp

    • セキュリティ更新をダウンロードしてインストールする場合は、次のようにします。

      SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORTパラメータをTRUEに設定します。

      次のパラメータの資格証明を指定します。

      MYORACLESUPPORT_USERNAME

      MYORACLESUPPORT_PASSWORD

      DECLINE_SECURITY_UPDATESパラメータをFalseに設定します。

    • セキュリティ更新のダウンロードとインストールを行わない場合は、次のようにします。

      SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORTパラメータをFalseに設定します。

      DECLINE_SECURITY_UPDATESパラメータをTRUEに設定します。

  2. 管理エージェントをインストールする宛先ホストで、ブラウザを開いてOMS URLにアクセスし、agentDownloadスクリプトをダウンロードします。

    UNIXプラットフォーム Microsoft Windowsプラットフォーム
    ブラウザを使用する場合
    http://<oms_host>:<oms_port>/agent_download/<version>/<platform>/agentDownload.<platform>
    

    次に例を示します。

    http://host1.servers.com:4889/agent_download/11.1.0.0.0/linux/agentDownload.linux
    

    コマンドラインを使用する場合

    wget http://<oms_host>:<oms_port>/agent_download/<version>/<platform>/agentDownload.<platform>
    

    次に例を示します。

    wget http://host1.servers.com:4889/agent_download/11.1.0.0.0/linux/agentDownload.linux
    

    HTTPSプロトコルを使用する場合は、次のコマンドを実行します。

    wget https://<oms_host>:<oms_port>/agent_download/<version>/<platform>/agentDownload.<platform> --no-check-certificate

    (wget 1.10以上のバージョンでは、オプション--no-check-certificateがサポートされています。)

    ブラウザを使用する場合
    http://<ons_host>:<oms_port>/agent_download/<version>/<platform>/agentDownload.vbs
    

    次に例を示します。

    http://host1.servers.com:4889/agent_download/11.1.0.0.0/win32/agentDownload.vbs
    

    コマンドラインを使用する場合

    wget http://<oms_host>:<oms_port>/agent_download/<version>/<platform>/agentDownload.vbs
    

    次に例を示します。

    wget http://host1.servers.com:4889/agent_download/11.1.0.0.0/win32/agentDownload.vbs
    

  3. 次のコマンドを使用して、宛先ホスト上でagentDownloadスクリプトを実行します。このコマンドとともに使用できる他のオプションについては、表F-1を参照してください。

    UNIXプラットフォーム Microsoft Windowsプラットフォーム
    ./agentDownload.<platform> -b <absolute_path_to_installation_base_directory> -m <OMS_Host> -r <OMS_port>
    
    次に例を示します。
    ./agentDownload.linux -b /john/OracleHomes -m host1.servers.com -r 4889
    
    cscript.exe agentDownload.vbs b <absolute_path_to_installation_base_directory> m <OMS_Host> r <OMS_port>
    
    次に例を示します。
    cscript.exe agentDownload.vbs b C:\scratch\OracleHomes m host1.servers.com r 4889
    


注意:

  • インストールに失敗した場合は、付録L「インストール・ログ・ファイルと構成ログ・ファイル」に示されているログ・ファイルを参照してください。

  • インストール・ベース・ディレクトリが存在しない場合、インストール時に作成されます。存在する場合は、そのインストール・ベース・ディレクトリが空であることを確認してください。変数が設定されていない場合、スクリプトはエラーで終了します。


インストール後

管理エージェントのインストール後は、「インストール後」に示されている手順に従ってください。