Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド 11gリリース1(11.1.0.1.0) B61023-01 |
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この章では、レスポンス・ファイル(additional_agent.rsp
)またはagentDownload
スクリプトを使用してクラスタにOracle Management Agent(管理エージェント)をインストールする方法について説明します。特に、次の内容について説明します。
注意: クラスタベース環境においては、第9章「エージェント・デプロイ・ウィザードを使用したクラスタへのOracle Management Agentのインストール」の説明に従って、エージェント・デプロイ・ウィザードを使用して管理エージェントをインストールすることを強くお薦めします。 |
クラスタのノードにインストールされた管理エージェントは、スタンドアロン・ホストにインストールされた管理エージェントとは異なります。スタンドアロン・ホストにインストールされた管理エージェントはスタンドアロン管理エージェントと呼ばれ、クラスタのノードにインストールされた管理エージェントはクラスタベース管理エージェントと呼ばれます。
クラスタベース管理エージェントは、レスポンス・ファイル(additional_agent.rsp
)またはagentDownload
スクリプトを使用してクラスタにインストールできます。
ユースケース | 説明 | 要件 |
---|---|---|
クラスタのすべてのノードに管理エージェントをインストールする | 多数のノードからなるクラスタがあり、そのいずれのノードにも管理エージェントはインストールされていません。
たとえば、ノードn1、n2、n3、n4およびn5からなるクラスタcrs1があり、いずれのノードにも管理エージェントはインストールされていません。 |
各ノードに管理エージェントをインストールする必要があります。 |
クラスタの一部のノードのみに管理エージェントをインストールする | 多数のノードからなるクラスタがあり、そのうち少数のノードにのみ管理エージェントがインストールされています。
たとえば、ノードn1、n2、n3、n4およびn5からなるcrs1という名前のクラスタがあり、n1とn2にのみ管理エージェントがインストールされています。 |
ノードの一部(全部ではない)に管理エージェントをインストールする必要があります。 |
クラスタを拡張する追加ノードに管理エージェントをインストールする | いくつかのノードを含むクラスタがあり、1つ以上の新規ノードをクラスタに追加することによりクラスタを拡張します。
たとえば、ノードn1、n2、n3、n4およびn5からなるcrs1という名前のクラスタがあり、各ノードに管理エージェントがインストールされています。今度は、新規ノードn6およびn7をクラスタに導入します。 |
クラスタを拡張する追加ノードに管理エージェントをインストールする必要があります。 |
異なるノードを持つ同名の2つのクラスタに管理エージェントをインストールする | 同じ名前のクラスタが2つあり、それぞれのクラスタに異なるノードが含まれます。
たとえば、ノードn1、n2、n3、n4およびn5からなるcrs1という名前のクラスタがあり、ノードn6、n7、n8、n9およびn10からなるcrs2という名前の別のクラスタがあります。 |
クラスタの各ノードに管理エージェントをインストールする必要があります。 |
開始する前に、次のことに注意してください。
addnode.sh
スクリプトを使用して管理エージェントをクラスタに拡張することはできません。
CLUSTER_NAME
環境変数が設定されておらず、渡されてもいない場合、管理エージェントは、Oracle Clusterwareのインストール中に指定されたクラスタ名を使用します。
インストールは、クラスタを構成するホストの数に関係なく、指定したクラスタ・ノードにのみ行われます。
この項では、レスポンス・ファイル(additional_agent.rsp
)またはagentDownloadスクリプトを使用して管理エージェントをクラスタにインストールする手順を示します。特に、次の内容について説明します。
レスポンス・ファイルを使用して管理エージェントをインストールするには、次の手順を実行します。
管理エージェント・ソフトウェアのある場所に移動します。
たとえば、管理エージェント・ソフトウェアがOMSのOracleホーム内にある場合は、oms11g/sysman/agent_download/11.1.0.1.0/linux
に移動します。
また、管理エージェント・ソフトウェアをローカル・システム上の/private/temp
にダウンロードした場合は、/private/temp/11.1.0.1.0/linux
に移動します。
WinZIPユーティリティを使用して<platform>ディレクトリからファイルを圧縮し、圧縮したファイルを管理エージェントのインストール先のノードに転送します。たとえば、linux.zip
のようにします。
注意: クラスタを拡張する新規ノードのいずれかにインストールする場合は、ZIPファイルを新規ノードの1つに転送します。 |
管理エージェントをインストールするノードで、次のようにします。
転送した圧縮ファイルの内容を抽出します。
次の場所に移動し、表14-1に示されているようにadditional_agent.rsp
ファイルを編集します。
<Software_Extracted_Location>/<platform>/response/
additional_agent.rsp
次に例を示します。
/scratch/john/linux/response/
additional_agent.rsp
次の場所に移動し、インストーラを起動します。
これがホストにインストールする最初のOracle製品である場合は、次のコマンドを実行します。
次に例を示します。
|
最初のOracle製品でない場合は、次のコマンドを実行します。
次に例を示します。
|
注意:
|
表14-2の説明に従って、クラスタのノード・リストを更新します。
表14-1に、クラスタに管理エージェントをインストールするためにadditional_agent.rspファイル内で編集する必要のあるパラメータを示します。
表14-1 クラスタにOracle Management Agentをインストールするためのレスポンス・ファイル・パラメータ
パラメータ | 説明 |
---|---|
SECURITY_UPDATES_VIA_MYORACLESUPPORT |
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DECLINE_SECURITY_UPDATES |
|
ORACLE_AGENT_HOME_LOCATION |
管理エージェントをインストールするインストール・ベース・ディレクトリのフルパスを指定します。管理エージェントのOracleホームは、このインストール・ベース・ディレクトリ内に作成されます。 たとえば、インストール・ベース・ディレクトリを インストール・ベース・ディレクトリの詳細は、「インストール・ベース・ディレクトリとは」を参照してください。 重要: インストール・ベース・ディレクトリは、クラスタのすべてのノードで同一である必要があります。 |
OMS_HOST |
OMSが実行されているホストの名前を指定します。 |
OMS_PORT |
OMSで使用されるポートを指定します。 |
AGENT_REGISTRATION_PASSWORD |
OMSと管理エージェントの間の通信を保護するには、パスワードを指定します。管理エージェントを保護するためのパスワードと同じ登録パスワードを入力する必要があります。 |
CLUSTER_NODES |
クラスタのノードを指定します。インストーラを起動するノードも含めます。 |
表14-2に、「概要」で説明されているユースケースに基づいて、管理エージェントのインストール後にクラスタのノード・リストを更新するために実行する必要のあるコマンドを示します。
表14-2 Oracle Management Agentのインストール後のノード・リストの更新
ユースケース | CLUSTER_NODESパラメータの値 | インベントリを更新するためのコマンド |
---|---|---|
クラスタのすべてのノードに管理エージェントをインストールする |
たとえば、ノードn1、n2、n3、n4およびn5からなるcrs1という名前のクラスタがあり、各ノードに管理エージェントをインストールする場合は、レスポンス・ファイルのCLUSTER_NODESパラメータ内で次のように指定します。
これにより、n1、n2、n3、n4およびn5に管理エージェントがインストールされ、n1、n2、n3、n4およびn5のインベントリがn1、n2、n3、n4およびn5の詳細で更新されます。 |
- |
クラスタの一部のノードのみに管理エージェントをインストールする |
たとえば、ノードn1、n2、n3、n4およびn5からなるcrs1という名前のクラスタがあり、n1とn2にのみ管理エージェントがインストールされています。n3、n4およびn5に管理エージェントをインストールする場合は、レスポンス・ファイルのCLUSTER_NODESパラメータ内で次のように指定します。
これにより、n3、n4およびn5に管理エージェントがインストールされ、n3、n4およびn5のインベントリがn3、n4およびn5の詳細のみで更新されます。 |
n1、n2、n3、n4およびn5のインベントリをすべてのノードの詳細で更新するには、各ノードの管理エージェントのOracleホームから次のコマンドを実行します。
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クラスタを拡張する追加ノードに管理エージェントをインストールする |
たとえば、ノードn1、n2、n3、n4およびn5からなるcrs1という名前のクラスタがあり、各ノードに管理エージェントがインストールされています。今度は、新規ノードn6およびn7をクラスタに導入します。この新規ノードに管理エージェントをインストールする場合は、レスポンス・ファイルのCLUSTER_NODESパラメータ内で次のように指定します。
これにより、n6に管理エージェントがインストールされ、n6のインベントリがn6の詳細のみで更新されます。 同じコマンドを、n7に対して実行します。クラスタ・ノード・リスト内にn7のみを指定してください。これにより、n7に管理エージェントがインストールされ、n7のインベントリがn7の詳細のみで更新されます。 |
n1、n2、n3、n4、n5、n6およびn7のインベントリをすべてのノードの詳細で更新するには、各ノードの管理エージェントのOracleホームから次のコマンドを実行します。
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異なるノードを持つ同名の2つのクラスタに管理エージェントをインストールする |
たとえば、ノードn1、n2、n3、n4およびn5からなるクラスタcrs1があり、各ノードに管理エージェントをインストールする場合は、レスポンス・ファイルのCLUSTER_NODESパラメータ内で次のように指定します。
これにより、n1、n2、n3、n4およびn5に管理エージェントがインストールされ、n1、n2、n3、n4およびn5のインベントリがn1、n2、n3、n4およびn5の詳細で更新されます。 次に、2つ目のクラスタのノードの1つでレスポンス・ファイルを実行し、そのクラスタに属する各ノードをカンマで区切って指定します。 |
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agentDownload
スクリプトを使用して管理エージェントをインストールするには、次の手順を実行します。
管理エージェントをインストールするクラスタのノードの1つで、ブラウザを開いてOMS URLにアクセスし、agentDownloadスクリプトをダウンロードします。
UNIXプラットフォーム | Microsoft Windowsプラットフォーム |
---|---|
ブラウザを使用する場合
http://<oms_host>:<oms_port>/agent_download/<version>/<platform>/agentDownload.<platform> 次に例を示します。 http://host1.servers.com:4889/agent_download/11.1.0.0.0/linux/agentDownload.linux コマンドラインを使用する場合 wget http://<oms_host>:<oms_port>/agent_download/<version>/<platform>/agentDownload.<platform> 次に例を示します。 wget http://host1.servers.com:4889/agent_download/11.1.0.0.0/linux/agentDownload.linux |
ブラウザを使用する場合
http://<oms_host>:<oms_port>/agent_download/<version>/<platform>/agentDownload.vbs 次に例を示します。 http://host1.servers.com:4889/agent_download/11.1.0.0.0/win32/agentDownload.vbs コマンドラインを使用する場合 wget http://<oms_host>:<oms_port>/agent_download/<version>/<platform>/agentDownload.vbs 次に例を示します。 wget http://host1.servers.com:4889/agent_download/11.1.0.0.0/win32/agentDownload.vbs |
要件と一致するユースケースに対するこの手順の説明に従って、agentDownload
スクリプトを実行します。
ユースケース | インストール手順 |
---|---|
クラスタのすべてのノードに管理エージェントをインストールする | クラスタのノードの1つでagentDownload スクリプトを起動し、すべてのノードをカンマで区切って指定します。
たとえば、ノードn1、n2、n3、n4およびn5からなるcrs1という名前のクラスタがあり、各ノードに管理エージェントをインストールする場合は、ノードの1つで次のコマンドを実行します。
重要: インストール・ベース・ディレクトリがクラスタのすべてのノードで同一であることを確認してください。 これにより、n1、n2、n3、n4およびn5に管理エージェントがインストールされ、n1、n2、n3、n4およびn5のインベントリがn1、n2、n3、n4およびn5の詳細で更新されます。 |
クラスタの一部のノードのみに管理エージェントをインストールする | 管理エージェントをインストールするノードの1つでagentDownload スクリプトを起動し、管理エージェントをインストールするすべてのノードを(カンマで区切って)指定します。
たとえば、ノードn1、n2、n3、n4およびn5からなるcrs1という名前のクラスタがあり、n1とn2にのみ管理エージェントがインストールされています。n3、n4およびn5に管理エージェントをインストールする場合は、n3で次のコマンドを実行します。
重要: インストール・ベース・ディレクトリがクラスタのすべてのノードで同一であることを確認してください。 これにより、n3、n4およびn5に管理エージェントがインストールされ、n3、n4およびn5のインベントリがn3、n4およびn5の詳細のみで更新されます。 n1、n2、n3、n4およびn5のインベントリをすべてのノードの詳細で更新するには、各ノードの管理エージェントのOracleホームから次のコマンドを実行します。
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クラスタを拡張する追加ノードに管理エージェントをインストールする | 新規ノードでagentDownload スクリプトを起動し、クラスタに属するすべてのノードを(カンマで区切って)指定します。
たとえば、ノードn1、n2、n3、n4およびn5からなるcrs1という名前のクラスタがあり、各ノードに管理エージェントがインストールされています。今度は、新規ノードn6およびn7をクラスタに導入します。この新規ノードに管理エージェントをインストールする場合は、n6で次のコマンドを実行します。
重要: インストール・ベース・ディレクトリがクラスタのすべてのノードで同一であることを確認してください。 これにより、n6に管理エージェントがインストールされ、n6のインベントリがn6の詳細のみで更新されます。 同じコマンドを、n7に対して実行します。クラスタ・ノード・リスト内にn7のみを指定してください。これにより、n7に管理エージェントがインストールされ、n7のインベントリがn7の詳細のみで更新されます。 n1、n2、n3、n4、n5、n6およびn7のインベントリをすべてのノードの詳細で更新するには、各ノードの管理エージェントのOracleホームから次のコマンドを実行します。
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異なるノードを持つ同名の2つのクラスタに管理エージェントをインストールする | 1つ目のクラスタのノードの1つでagentDownload スクリプトを起動し、すべてのノードをカンマで区切って指定します。
たとえば、ノードn1、n2、n3、n4およびn5からなるクラスタcrs1があり、各ノードに管理エージェントをインストールする場合は、ノードの1つで次のコマンドを実行します。
重要: インストール・ベース・ディレクトリがクラスタのすべてのノードで同一であることを確認してください。 これにより、n1、n2、n3、n4およびn5に管理エージェントがインストールされ、n1、n2、n3、n4およびn5のインベントリがn1、n2、n3、n4およびn5の詳細で更新されます。 次に、2つ目のクラスタのノードの1つで同じコマンドを実行し、そのクラスタに属する各ノードをカンマで区切って指定します。 |
管理エージェントのインストール後は、「インストール後」に示されている手順に従ってください。