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Oracle Enterprise Manager Grid Controlアドバンスト・インストレーションおよび構成ガイド
11gリリース1(11.1.0.1.0)
B61023-01
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27 共有Oracle Management Agentのアップグレード

この章では、既存の管理エージェントの共有Oracleホームを使用してインストールされたOracle Management Agent(管理エージェント)をアップグレードする方法について説明します。特に、次の内容について説明します。

概要

共有Oracle Management Agentとは、共有エージェント・デプロイ・ウィザードまたはnfsagentinstallスクリプトを使用してインストールされたOracle Management Agentのことです。通常、このいずれかのインストール方法を使用して管理エージェントをインストールすると、既存の管理エージェントの共有Oracleホームからのソフトウェア・バイナリが使用され、各リモート・ホスト上でEMSTATEディレクトリが構成されます。

ここでは、ソフトウェア・バイナリを共有する管理エージェントはマスター・エージェントと呼ばれ、リモート・ホスト上でEMSTATEディレクトリとともに構成される管理エージェントは共有エージェントまたはNFSエージェントと呼ばれます。

共有エージェントをアップグレードするには、まず、ソフトウェア・バイナリを共有するマスター・エージェントをアップグレードする必要があります。マスター・エージェントをアップグレードすると、それに関連付けられている共有エージェントも自動的にアップグレードされます。

マスター・エージェントは、第V部「Enterprise Managerシステムのアップグレード」および第VI部「Oracle Management Agentのアップグレード」で説明されているいずれかのアップグレード方法を使用してアップグレードできます。

マスター・エージェントのアップグレード・プロセスは、アウトオブプレース・アップグレードです。すなわち、新しいOracleホームのagent11gが作成されます。これに対し、共有エージェントのアップグレード・プロセスは、インプレース・アップグレードです。すなわち、新しいディレクトリは作成されずにEMSTATEディレクトリのみがアップグレードされます。

EMSTATEディレクトリの詳細は、「EMSTATEディレクトリとは」を参照してください。

前提条件

マスター・エージェントをアップグレードする前に、次の前提条件を満たしていることを確認してください。

アップグレード手順

マスター・エージェントは、第V部「Enterprise Managerシステムのアップグレード」および第VI部「Oracle Management Agentのアップグレード」で説明されているアップグレード手順を使用してアップグレードできます。

マスター・エージェントをアップグレードすると、マスター・エージェントのOracleホームが完全に構成され、他の共有エージェントとの間でバイナリが共有されます。

アップグレード後

通常、マスター・エージェントをアップグレードすると、それに関連付けられている共有エージェントも自動的にアップグレードされます。しかし、すべての共有エージェントが正常にアップグレードされているかどうかを確認することをお薦めします。これを行うには、各共有エージェントEMSTATEディレクトリにナビゲートし、次のコマンドを実行して各共有エージェントを確認します。

<EMSTATE>/bin/emctl status agent

  1. ステータスがUPであり、これがアップグレード済の管理エージェントが実行中であることを示している場合は、2つのEMSTATEディレクトリ(主に<EMSTATE>および<EMSTATE>_<timestamp>)が表示されます。前者はアップグレードされた共有エージェントを表し、後者は古い<EMSTATE>ディレクトリのバックアップを表しています。

    アップグレードされた共有エージェントの<EMSTATE>ディレクトリに移動し、次のログ・ファイルを参照します。

    <EMSTATE>/nfslog/NFSAgentUpgrade_<timestamp>.log

    <EMSTATE>/nfslog/NFSAgentUpgrade_API_<timestamp>.log

    <EMSTATE>/nfslog/NFSAgentUpgrade_CfmLogger_<timestamp>.log


    注意:

    アップグレードを確認した後は、<EMSTATE>_<timestamp>ディレクトリを削除してもかまいません。

  2. ステータスがDOWNであり、これが以前のリリースの管理エージェントが実行中であることを示している場合は、2つのEMSTATEディレクトリ(主に<EMSTATE>および<EMSTATE>_<timestamp>.Upgrade_Failed)が表示されます。前者は古い<EMSTATE>ディレクトリを表し、後者は共有エージェントのアップグレードが失敗した新しい<EMSTATE>ディレクトリを表しています。

    • <EMSTATE>_<timestamp>.Upgrade_Failedディレクトリに移動し、次のログ・ファイルを参照します。

      <EMSTATE>_<timestamp>.Upgrade_Failed/nfslog/NFSAgentUpgrade_<timestamp>.log

      <EMSTATE>_<timestamp>.Upgrade_Failed/nfslog/NFSAgentUpgrade_API_<timestamp>.log

      <EMSTATE>_<timestamp>.Upgrade_Failed/nfslog/NFSAgentUpgrade_CfmLogger_<timestamp>.log

    • ログ・ファイル内に示されている問題を修正します。

    • <EMSTATE>ディレクトリに移動し、次のファイルを削除します。

      <EMSTATE>/agentpatch/6867392

    • <EMSTATE>ディレクトリに移動し、次のコマンドを実行して共有エージェントを停止します。

      <EMSTATE>/bin/emctl stop agent

    • 次のコマンドを実行して、共有エージェントを再起動します。

      <EMSTATE>/bin/emctl start agent


    注意:

    共有エージェントをアップグレードした後は、<EMSTATE>_<timestamp>.Upgrade_Failedディレクトリを削除してもかまいません。