この章では、ユーザーがアクセスできるように、ダッシュボードにデータを公開します。Oracle BI Interactive Dashboardsを使用して次を実行します。
前の章で作成したBI Answersリクエストおよびビューを含むカスタム・ダッシュボードを作成する。
ダッシュボード・プロンプトを操作し、ダッシュボードをフィルタして変数を移入する。
この章は次のトピックで構成されています。
この前の章までに記述された作業を完了していない場合は、BISE1_TUTORIALWHスキーマを移入しないと、この章に進めません。第2.2.2.3項「BISE1_TUTORIALWHスキーマ」で、この作業を行う方法について説明しています。
この前の章までに記述された作業を完了していない場合は、次の手順で、BIメタデータのリポジトリ・ファイルを置換する必要もあります。
BI Serverサービスを停止します。
bi\oraclebi\server\repository
ディレクトリにtutorial\bi_ad\bise1_soln.rpd
をコピーします。
bi\oraclebi\server\repository\bise1_soln.rpd
の名前をbise1.rpd
に変更します。
BI Serverサービスを起動します。
インストール時にwelcome1以外のパスワードを指定した場合は、次の手順も実行する必要があります。
「スタート」→「すべてのプログラム」→「Oracle Business Intelligence」→「Administration」を選択します。
「File」→「Open」→「Online」を選択します。
「Password」フィールドに「Administrator」と入力します。「OK」をクリックします。
「Physical」レイヤーのペインで、「BISE1_SALESWH」を開きます。「Connection Pool」をダブルクリックします。
「Password」フィールドに、インストール時に指定したパスワードを入力します。「OK」をクリックします。
「Confirm Password」ダイアログ・ボックスに、パスワードをもう一度入力します。「OK」をクリックします。
「File」→「Save」を選択します。全体の整合性をチェックするかどうかを質問されたら、「No」をクリックします。Oracle BI Administration Toolを終了します。
この前の章までに記述された作業を完了していない場合は、次の手順で、BI Webカタログを置換する必要もあります。
BI Presentation Serverサービスを停止します。
bidata\web\catalog
ディレクトリにtutorial\bi_ad\bise1_webcat_soln.zip
をコピーします。
bidata\web\catalog\bise1
ディレクトリとその内容を削除します。
bidata\web\catalog\bise1_webcat_soln.zip
を解凍します。
BI Presentation Serverサービスを起動します。
この項では、新しい共有インタラクティブ・ダッシュボードを作成して、前の手順で保存した内容を追加します。
インタラクティブ・ダッシュボードを作成する手順は次のとおりです。
「設定」リンクをクリックして「管理」を選択します。
「Oracle BI Presentation Services Administration」ウィンドウで、「インタラクティブダッシュボードの管理」リンクをクリックします。
「Oracle BI Presentation Services Administration」ウィンドウでは、Oracle BI Presentation Catalog全体にわたるセッションの監視やユーザーおよびグループの権限の管理など、多くの管理機能にアクセスできます。
「ダッシュボードを管理」ウィンドウで、「ダッシュボードを作成」をクリックします。「ダッシュボードを作成」ウィンドウで、「グループフォルダ」を「Sales Managers」に設定し、ダッシュボードに「Sales Analysis1」という名前を付けて、「終了」をクリックします。
ダッシュボードは、グループ・フォルダのセキュリティを継承します。「終了」をもう一度クリックして、「ダッシュボードを管理」ウィンドウを閉じます。最後に、「ウィンドウを閉じる」をクリックして「Oracle BI Presentation Services Administration」画面を閉じます。
「ダッシュボード」リンクをクリックし、「Sales Analysis1」インタラクティブ・ダッシュボード・リンクをクリックして、新しいダッシュボードに移動します。
新しいダッシュボードは空なので、図6-3のように表示されます。
右上隅にある「ページオプション」をクリックし、「ダッシュボードを編集」を選択して、ダッシュボード・エディタを開きます。ダッシュボード・エディタでは、保存した内容を、Presentation Catalogからダッシュボードに直接ドラッグできます。セクションがレイアウトに自動的に作成され、リクエストなど、ダッシュボードに追加するオブジェクトが含まれるようになります。左側の選択パネルで、「GEC_DW_TUTORIAL」→「Learn」フォルダを開きます。ここには作業内容が保存されています。
「Category Gross Profits」リクエストをレイアウト・ワークスペースにドラッグします。レイアウト・エリアは青色でハイライト表示され、オブジェクトの有効な挿入ポイントがあることを示します。
ダッシュボードのレイアウトは、図6-5のようになります。
セクションが、このリクエストを含むように自動的に追加されたことがわかります。また、「セクション」オブジェクトを「ダッシュボードオブジェクト」パレットからドラッグしてセクションを作成してから、内容をセクションにドラッグすることもできます。セクションおよび列は、ダッシュボードのレイアウトの制御に使用できるコンテナです。
列挿入用の「プラス記号」(+)アイコンをクリックすると、ページに別の列が追加されます。
「Product Category View Selector」リクエストを2番目の列の「セクション 2」にドラッグします。「Narrative View for Region Gross Profit」を「Product Category View Selector」の下にドラッグします。
「セクション」を「ダッシュボードオブジェクト」リストからドラッグして、「セクション 2」の下にセクションを追加します。
「Advanced Report」を「セクション 3」にドラッグします。ダッシュボードのレイアウトは、図6-7のようになります。
一番上の「保存」をクリックすると、「Page 1」のレイアウトが保存されます。ダッシュボードは、図6-8のようになります。
列セレクタは、その列が含まれるリクエストのみに適用されます。コントロールで列を選択すると、それは表およびチャートにのみ適用され、同じダッシュボード内のナレーティブ・リクエストには適用されません。
「ページオプション」→「ダッシュボードを編集」をクリックします。ダッシュボード・エディタのページの一番上にあるページ追加用の「プラス記号」(+)アイコンをクリックすると、ダッシュボードに新しいページが追加されます。
このページに「Region Analysis」という名前を付けて、「OK」をクリックします。
この新しいページに、「Region Pivot Table with Column Selector」リクエストをドラッグします。「保存」をクリックします。ダッシュボード・ページは、図6-10のように表示されます。
ダッシュボードの「Page 1」の名前を「Product Category Analysis」に変更します。これを行うには、「ページオプション」→「ダッシュボードを編集」をクリックします。ダッシュボード・エディタの一番上の、ダッシュボードの名前(Sales Analysis 1)の横にある「ダッシュボードのプロパティ」アイコンをクリックします。「ダッシュボードのプロパティ」ページで、「page 1」の「オペレーション」の下の「名前変更」をクリックします。
このページの名前を「Product Category Analysis」に変更します。「更新」ボタンをクリックします。「ダッシュボードのプロパティ」ページで「終了」をクリックします。ダッシュボード・エディタで「保存」をクリックします。ダッシュボード・ページには2つのタブがあり、図6-12のように表示されます。
この項では、特定の地域用にダッシュボードをフィルタするために、ダッシュボード・プロンプトを作成します。次に、プレゼンテーション変数を使用して、ダッシュボードのリクエスト・タイトルを、地域のフィルタ名が含まれるように動的に更新します。ダッシュボード・プロンプトを使用すると、ユーザーはダッシュボードに埋め込まれるリクエストの結果をフィルタしたり、プレゼンテーション変数を移入および更新することができます。プレゼンテーション変数とは、Oracle BI Answersで定義できる変数です。
この項は次のトピックで構成されています。
ダッシュボード・プロンプトを作成する手順は次のとおりです。
「アンサー」リンクをクリックします。選択ペインで「新規ダッシュボードのプロンプト」アイコンをクリックし、「サブジェクトエリア」ドロップダウン・メニューで「GEC_DW_TUTORIAL」を選択します。
選択ペインで、「Geography.Region」をクリックして、それをプロンプトに追加します。プロンプトのデフォルトの選択項目は「ダッシュボード」です。これは、関連付けられた任意のダッシュボードのページすべてにフィルタが適用されることを意味します。プロンプトを「Region Analysis」ページにのみ適用させるために、「有効範囲」ドロップダウン・リストから「ページ」を選択します。
プロンプトは、図6-14のようになります。
このプロンプトにより、プロンプトが関連付けられたダッシュボードにこのフィルタが含まれる任意のリクエストで、「地域」列をフィルタできます。プロンプトの複数の面を制御できます。ユーザーがプロンプトで選択項目の入力に採用するコントロールのタイプを選択できます。また、SQLを使用したり別のダッシュボード・プロンプトの結果に基づいて値を制約して、使用可能な値を制限することによって、ドロップダウン・リストまたは複数選択コントロールで表示する値を決定することもできます。
一番上の「保存」アイコンをクリックして、「GEC_DW_TUTORIAL」→「Learn」の下に、プロンプトを「Region Prompt」として保存します。
プロンプトは作成されましたが、ダッシュボードに埋め込まれたリクエストでこれを有効にするには、プロンプトされる列に対するフィルタをリクエストに含める必要があります。この作業について、次の手順で説明します。
「アンサー」リンクをクリックします。「GEC_DW_TUTORIAL」→「Learn」から、「Region Pivot Table with Column Selector」リクエストを開きます。「修正」をクリックします。
以前に保存したフィルタをリクエストから削除します。
「Geography.Region」のフィルタ・アイコンをクリックし、「フィルターの作成と編集」ダイアログ・ボックスで、フィルタの演算子として「プロンプトされる」を選択し、「OK」をクリックします。フィルタは、図6-15のようになります。
リクエストを保存します。
「ダッシュボード」リンクをクリックして、「Sales Analysis1」ダッシュボードの「Region Analysis」ページに進み、「ページオプション」→「ダッシュボードを編集」をクリックして、ダッシュボード・エディタを開きます。
左側の選択パネルから、「GEC_DW_TUTORIAL」→「Learn」フォルダを開き、ダッシュボードの「セクション 1」で、「Region Pivot Table with Column Selector」リクエストの上に「Region Prompt」をドラッグします。このエリアは、有効な挿入ポイントがあるときには青色でハイライト表示されます。
ダッシュボードのレイアウトは、図6-16のようになります。
「保存」ボタンをクリックします。ダッシュボードは、図6-17のようになります。
他の地域を選択すると、そのレポートの内容が表示されます。
プレゼンテーション変数を使用してタイトルを移入する手順は次のとおりです。
「アンサー」リンクをクリックします。「Region Pivot Table with Column Selector」リクエストを開いて、「修正」をクリックします。
「結果」タブをクリックします。「複合レイアウト・ビュー」を選択し、「ビューの編集」アイコンを使用して「タイトル」ビューを編集します。「タイトル」がない場合は、「ビューの追加」リンクを使用して「タイトル」ビューを複合レイアウト・ビューに追加して、新しい「タイトル」ビューをレイアウトの一番上にドラッグします。
複合レイアウトは、図6-18のようになります。
「タイトル」フィールドに「Sales Analysis for @{region}」と入力します。これにより、これから作成するプレゼンテーション変数が参照されます。「保存済みの名前を表示する」オプションはクリアします。「OK」をクリックします。
注意: 列であっても「タイトル」ビューであっても、プレゼンテーション変数をコールするための構文は、@{VariableName} です。 |
リクエストを保存します。
「Region Prompt」によって移入されるように指定して、変数を作成します。「オープン」アイコンをクリックして、「GEC_DW_TUTORIAL」→「Learn」フォルダから、「Region Prompt」を開きます。
プロンプトの「変数の設定」フィールドで、「プレゼンテーション変数」を選択します。
また、リクエスト変数を参照することもできます。リクエスト変数は、Oracle BIメタデータのセッション変数として定義され、ユーザーのセッションが開始したときにインスタンス化されます。これらの任意のリクエストの値は、ダッシュボード・プロンプトにより更新できます。
「変数の設定」テキスト・フィールドに「region」と入力します。
ここで変数名を入力すると、変数が作成されると同時に、「Prompt for Country Region」でのユーザー選択項目で移入されるように設定されます。
ダッシュボード・プロンプトを保存します。
「ダッシュボード」リンクをクリックして、「Sales Analysis1」ダッシュボードの「Region Analysis」ページに移動します。「地域」プロンプトで「Asia」を選択して、「表示」をクリックします。
「Prompt for Region」ダッシュボード・プロンプトでダッシュボードがフィルタされ、regionプレゼンテーション変数が更新されることを確認します。