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Oracle Business Intelligence Standard Edition Oneチュートリアル
リリース10g(10.1.3.2.1)
E05487-01
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2 チュートリアルの使用方法

このチュートリアルでは、Oracle BI Standard Edition Oneの基本機能の概要と、それらの製品を使用したBIレポートの迅速な開発、ダッシュボードの構築およびデータ・マートの作成を行う方法について示します。このマニュアルでは、概要の正式な定義や背景にある問題の詳細は説明していません。各製品の詳細と使用方法は、オンラインの製品ドキュメントを参照してください。また、各製品の講師によるオンライン・コースについては、Oracle University(http://education.oracle.com)を参照してください。

この章は次のトピックで構成されています。

2.1 このチュートリアルの対象読者

このマニュアルは、Oracle BI Standard Edition Oneを使用してビジネス・インテリジェンスを抽出するユーザーを対象としています。データ・マートの構築にかかわる組織単位と担当者に対して、次のいずれかの役割を付与できます。

一般的に、このマニュアルでは技術用語と概要が初出時に定義されています。ただし、読者が基礎となるオペレーティング・システムと基本的なシステム管理タスクに精通していることを前提としています。また、リレーショナル・データベース・システムの知識も必要になります。

2.2 このチュートリアルの構成

このチュートリアルは、データ・マートの構築と使用というプロセス・フローに沿って構成されています。このマニュアルでは、プロセスの各手順で、使用されている製品の技術的背景と事例を通じた実装手順について説明しています。

Oracle BI Standard Edition Oneをインストールすると、事例で参照されているすべてのデータを格納するデータベース・インスタンスBISE1DBが提供されます。インストールによって、このデータベースのアクセスに必要なOracle BI Standard Edition Oneコンポーネントのすべての設定が行われます。

データベースを新規に作成するかわりに、このBISE1DBデータベースからデータ・マートを構築することをお薦めします。ここでは、このアプローチについて説明します。

チュートリアルの各章を必要に応じて別の順序で参照する場合は、各章の手順を順番に参照するかぎり問題はありません。たとえば、業務系データまたは既存のデータ・マートのいずれかに基づいてレポートを作成および公開する方法を学習したい場合は、第7章「レポートの作成と公開」に直接進んで概要と前提条件の各項を読んでください。その後、その章の手順1から読み進んでください。

このチュートリアルの最善のエントリ・ポイントを判断する助けとして、これに続く各章の概要を示します。

この項は次のトピックで構成されています。

2.2.1 事例: Global Electronics社

このチュートリアルでは、Oracle BI Standard Edition Oneを使用してデータ・マートを構築および管理するための事例を示します。この事例は、Global Electronics社(GEC)という架空の組織のアクティビティを示しています。

2003年に設立されたGECは、全世界の顧客にコンピュータ・ハードウェアとソフトウェア・コンポーネントを配布しています。GECは、ビジネスのどのコンポーネントが売行きがよいか、さらに収益を見込めるのはどのコンポーネントか、またどの販売チャネルが最も効率的かを分析しようとしています。

2.2.2 GECの事例のデータベース構造

このチュートリアルでは、BISE1DBデータベースに使用できるいくつかのスキーマがあります。データベース・スキーマは、データベース内のオブジェクトの論理的なコンテナです。

業務系データソースは、BISE1_SALESという受注入力スキーマです。このスキーマには、BISE1_SALESWHという事前構築されたデータ・マート・スキーマのソース・データが含まれています。

BISE1_TUTORIALWHという2番目のデータ・マート・スキーマには、最初はオブジェクトがありません。特定の章を順番どおりに読み進めることで、このデータ・マートの設計、構成および移入が完了します。第3章「データ・マートの設定」をスキップして他の章を最初に参照する場合は、スクリプトを実行してこのスキーマを移入する必要があります。

この項は次のトピックで構成されています。

2.2.2.1 BISE1_SALESスキーマ

BISE1_SALESスキーマには、受注入力アプリケーションによって取得されたデータを格納するための表があります。図2-1のE-R図には、このスキーマの表がどのように関連しているかが示されています。これは、事前構築されたデータ・マート・スキーマBISE1_SALESWHのソース・スキーマです。また、データ・マート・スキーマBISE1_TUTORIALWHを構築するためのソース・スキーマでもあります。

図2-1 BISE1_SALESスキーマのE-R図

現時点では図の説明がありません。

2.2.2.2 BISE1_SALESWHスキーマ

BISE1_SALESWHスキーマには、データ・マート・スター・スキーマを構成する表があります。図2-2のE-R図には、このスキーマの表がどのように関連しているかが示されています。ここでは、5つのディメンション(PRODUCTS、GEOGRAPHY、TIMES、PROMOTIONSおよびCHANNELS)と1つのキューブ(SALES)があることに注意してください。

図2-2 BISE1_SALESWHスキーマのE-R図

現時点では図の説明がありません。

2.2.2.3 BISE1_TUTORIALWHスキーマ

BISE1_TUTORIALWHスキーマには、最初はオブジェクトがありません。第3章「データ・マートの設定」が正常に完了すると、このスキーマにはデータ・マート・スター・スキーマを構成する表が移入され、BISE1_SALESWHスキーマに対応します。

第3章「データ・マートの設定」をスキップする場合は、他の章に移動する前に、次の手順を実行してBISE1_TUTORIALWHスキーマを移入する必要があります。

  1. コマンド・プロンプト・ウィンドウを開きます。

  2. Oracle BI Standard Edition Oneのインストール先ディレクトリにナビゲートします。

  3. tutorial\owbサブディレクトリにナビゲートします。

  4. reset_bise1_tutorialwh.batスクリプトを実行します。

  5. tutorial\bi_adサブディレクトリにナビゲートします。

  6. imp_bise1tutorialwh.batスクリプトを実行します。このスクリプトでは、BISE1_TUTORIALWHのパスワードがwelcome1であると想定しています。別のパスワードを指定した場合は、imp_bise1tutorialwh.batファイルを編集してwelcome1を正しいパスワードに置き換えます。

2.2.3 チュートリアルで使用されているアカウント

Oracle BI Standard Edition Oneインストールの一部として、複数のアカウントが作成されます。表2-1には、チュートリアルで作業する際に直接使用するアカウントが示されています。このチュートリアルでの作業を進める前に、これらのアカウントのパスワードを判別しておく必要があります。

表2-1 チュートリアルで使用されているアカウント

アカウント名 アカウント・タイプ インストール時のパスワード設定 説明

BISE1_SALES

データベース

はい

このデータベース・アカウントは、GECの受注入力アプリケーションによって取得されたデータを格納するための表を含むスキーマを所有します。このスキーマは、事前構築されたデータ・マート(BISE1_SALESWH)とユーザーが構築するデータ・マート(BISE1_TUTORIALWH)の両方のソースとして機能します。

BISE1_SALESWH

データベース

はい

このデータベース・アカウントは、事前構築されたデータ・マート・オブジェクトを含むスキーマを所有します。

BISE1_TUTORIALWH

データベース

はい

このデータベース・アカウントは、Oracle Warehouse Builderのデータ・マート・ターゲット・スキーマとして使用されるスキーマを所有します。このスキーマにデータ・マート・オブジェクトが移入されると、このチュートリアルで詳述されているように、Oracle BIによってリポジトリ定義用のデータ・ソースとして使用されます。

OWBREPOS_OWNER

データベース

はい

このデータベース・アカウントは、事前作成されたOracle Warehouse Builderリポジトリを所有します。

OWBREPOS_USER

データベース

はい

このデータベース・アカウントにはOracle Warehouse Builderリポジトリにアクセスするための権限があり、Oracle Warehouse Builder Design Centerツールを介して接続する際に使用されます。

OWF_MGR

データベース

はい

Oracle Workflow管理者のデータベース・アカウントです。Oracle Warehouse Builderで配布プロセスの実行を依頼するために使用されます。これにより、ファクト表やディメンション表などのデータ・マート・オブジェクトが移入されます。

SYS

データベース

はい

データベースのスーパーユーザー・アカウントです。すべてのデータベース・オブジェクトに対するアクセス権を持ち、データベースの任意のタスクを実行できます。

Administrator

BI Server(BI Presentation Servicesユーザーの認証にも使用される)

いいえ

このアカウントは、BI Serverメタデータ・リポジトリに事前に作成されています。パスワードはAdministratorです(大文字と小文字の区別あり)。このアカウントは、BI Administration Toolを介してデフォルトのBIメタデータ・リポジトリ(AnalyticsWeb)を開くために使用されます。この同じアカウントとパスワードは、BI Presentation Services(http://localhost:9704/analytics)にログインして、事前作成されたBIのダッシュボードやAnswersリクエストにアクセスするためにも使用されます。

Administrator

BI Publisher

いいえ

このアカウントは、BI Publisherに事前に作成されています(datasources.xmlファイルに格納)。パスワードはAdministratorです。このアカウントは、BI Publisher(http://localhost:9704/xmlpserver)にログインするために使用されます。このアカウントが機能するには、BI PublisherおよびBI Presentation Services間の事前定義された統合点用のBI Presentation Servicesアカウントと同じである必要があります。


2.2.4 チュートリアル・ファイルとディレクトリ構造

チュートリアル・ファイルは、インストール時に指定したOracle BI Standard Edition Oneインストール先ホーム・ディレクトリの下にある、tutorialというディレクトリにあります。tutorialディレクトリの下には、1つのファイルといくつかのサブディレクトリがあります。

  • tutorial.pdfファイルは、PDF形式のこのマニュアルです。

  • 3つのサブディレクトリ(owbbi_pubおよびbi_ad)には、チュートリアルで作業する際に必要なファイルが含まれています。これらのディレクトリには、チュートリアルの演習環境を初期または既知の状態にリセットするために使用できるファイルも含まれています。詳細は、第8章「チュートリアルの演習環境のリセット」を参照してください。