ヘッダーをスキップ

Oracle Application Server 管理者ガイド
10gリリース3(10.1.3.2.0)

E05047-01
目次
目次
索引
索引

戻る 次へ

18 リカバリ計画と手順

この章では、Oracle Application Serverのリカバリ計画および手順について、障害および停止のタイプ別に説明します。

この章の項目は次のとおりです。

18.1 リカバリ計画

この項では、様々な障害および停止のタイプ別に、Oracle Application Serverのリカバリ計画について説明します。この項の項目は次のとおりです。

18.1.1 データ損失、ホスト障害またはメディア障害に対するリカバリ計画(クリティカル)

この項では、ホストまたはディスクが再起動できず、永久に失われるような、実データの損失や破損、ホスト障害、またはメディア障害などが関係する停止に対するリカバリ計画について説明します。このタイプの障害では、Oracle Application Server環境を再起動し、通常の処理を続行する前に、ある種のデータ・リストアが必要です。

この項で説明する計画では、中間層のPoint-in-Timeリカバリを使用します。

前提

この項で説明するリカバリ計画には、次の前提を適用します。

使用する計画の決定

表18-1に、リカバリ計画を示します。

中間層インストールでデータの損失、ホスト障害またはメディア障害が発生した場合は、この表の情報を参照します。該当する損失のタイプを検索し、推奨される手順を実行してください。

表18-1    中間層インスタンスにおけるデータの損失、ホスト障害およびメディア障害に対するリカバリ計画 
損失のタイプ  リカバリ計画 

ホストの破損 

ホストが破損した場合、次の2つのオプションがあります。

  • 同じホスト名およびIPアドレスを持つ新しいホストにリストアできます。

  • 別のホスト名およびIPアドレスを持つ新しいホストにリストアできます。

いずれの場合も、第18.2.2項「新しいホストへの中間層インストールのリストア」の手順に従います。

元のホストに中間層インストールとInfrastructureがある場合、別のホスト名またはIPアドレスを持つホストに中間層をリストアすることはできません。 

Oracleソフトウェア/バイナリの削除または破損 

Oracleバイナリで損失または破損が発生した場合、中間層全体を同じホストにリストアする必要があります。

第18.2.1項「同じホストへの中間層インストールのリストア」の手順に従います。 

構成ファイルの削除および破損 

中間層のOracleホームにある構成ファイルのいずれかを損失した場合、それらをリストアできます。

第18.2.3項「中間層の構成ファイルのリストア」の手順に従います。 

18.1.2 プロセスの障害およびシステムの停止に対するリカバリ計画(非クリティカル)

この項では、プロセスの障害およびシステムの停止に対するリカバリ計画について説明します。このタイプの停止にはデータの損失は含まれないため、ファイルをリカバリする必要はありません。一部のケースでは、障害が透過的であるため、障害が発生したコンポーネントのリカバリに手動で介入する必要がない場合もあります。ただし、プロセスまたはコンポーネントの再起動に、手動による介入が必要な場合もあります。これらの計画は、バックアップおよびリカバリのカテゴリには厳密には一致しませんが、万全を期すためこのマニュアルに含まれています。

使用する計画の決定

表18-2に、プロセスの障害およびシステムの停止に対するリカバリ計画を示します。

中間層インストールで障害または停止が発生した場合は、この表を参照します。該当する停止のタイプを検索し、推奨される手順を実行してください。この表に記載しているのはUNIXのコマンドです。Windowsではスラッシュを「¥」と読み替えると、同じコマンドを使用できます。

表18-2    中間層インスタンスにおけるプロセスの障害およびシステムの停止に対するリカバリ計画 
停止のタイプ  ステータス確認と再起動の方法 

ホストの障害(データの損失なし) 

再起動するには:

  1. ホストを再起動します。

  2. 中間層を起動します。第3.2.1項「中間層インスタンスの起動」を参照してください。

 

Application Server Controlコンソールの障害 

ステータスを確認するには:

opmnctl status

再起動するには:

opmnctl startproc process-type=OC4J_instance_name
 

Oracle HTTP Serverプロセスの障害 

ステータスを確認するには:

opmnctl status

再起動するには:

opmnctl startproc ias-component=HTTP_Server
 

OC4Jインスタンスの障害 

ステータスを確認するには:

opmnctl status

再起動するには:

opmnctl startproc process-type=OC4J_instance_name
 

OPMNデーモンの障害 

ステータスを確認するには:

opmnctl status

再起動するには:

opmnctl start
 

18.2 リカバリ手順

この項では、様々なタイプのリカバリを実行するための手順について説明します。

この項の項目は次のとおりです。

18.2.1 同じホストへの中間層インストールのリストア

同じホストに中間層インストールをリストアするには、第17.3.4項「同じホストのインスタンスのリカバリ」を参照してください。

18.2.2 新しいホストへの中間層インストールのリストア

この項では、新しいホストに中間層インストールをリストアおよびリカバリする方法について説明します。この手順を使用して、次のことを実行できます。

第17.3.3項「新しいホストでのノードのリストア」の手順を実行して、イメージのバックアップ、システム・ファイルおよびインスタンスの再構成をリストアします。中間層の構成は、元のインスタンスの状態と同じままです。ホスト名が同じままの場合、インスタンスのリストアを実行し、目的の時点のインスタンスに戻します。ホスト名が異なる場合、元のホストのバックアップは別のホスト名が有効でないので、状態を変更できません。

18.2.3 中間層の構成ファイルのリストア

この項では、中間層のOracleホーム内の構成ファイルをリストアする方法について説明します。構成ファイルの損失または破損が発生した場合は、この手順を使用します。

この項は、次の作業で構成されています。

作業1: 中間層インスタンスの停止

手順の詳細は、第3.2.2項「中間層インスタンスの停止」を参照してください。

作業2: 中間層の構成ファイルのリストア

最新のバックアップからすべての構成ファイルをリストアします。この作業は、独自の手順またはOracleAS Recovery Managerを使用して実行できます。たとえば、OracleAS Recovery Managerを使用して次のコマンドを実行します。

作業3: 最近実行した管理上の変更の適用

最後のオンライン・バックアップ以降、管理上の変更を加えた場合は、この時点でそれらの変更を再適用します。

関連項目

管理上の変更の詳細は、付録E「管理上の変更の例」を参照してください。 

作業4: 中間層インスタンスの起動

手順の詳細は、第3.2.1項「中間層インスタンスの起動」を参照してください。

18.2.4 Oracle Application Serverインスタンスのリストア

次のコマンドを使用して、Oracle Application Serverインスタンスを特定の時点の状態にリストアします。

bkp_restore.sh -m restore_instance -t 2006-09-21_06-12-45

bkp_restore.bat -m restore_instance -t 2006-09-21_06-12-45

クラスタ内のインスタンスでリストア操作(restore_instanceまたはrestore_config)を実行する前に、クラスタ全体のすべてのOC4Jプロセスを停止する必要があります。次のコマンドを使用してプロセスを停止します。

ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl @cluster stopproc ias-component=OC4J

一部のOC4Jコンポーネントにはias-component=OC4Jがありません。このようなコンポーネントについては、uniqueid値を使用してOC4Jプロセスを停止します。uniqueidを持つコンポーネントを確認するには、次のコマンドを使用します。

ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl @cluster status -fmt %typ%uid%prt -noheaders

次に、このコマンドを実行した結果の例を示します。

CUSTOM      | N/A        | ASG
LOGLDR      | N/A        | logloaderd
OHS         | 1500577870 | HTTP_Server
performance | 1500577873 | performance_server
messaging   | 1500577874 | messaging_server

次のコマンドを実行して、2番目の列(uid)の値がN/Aではない、すべてのOC4Jプロセスを停止します。

ORACLE_HOME¥opmn¥bin¥opmnctl @cluster stopproc uniqueid=1500577865

opmnctl: stopping opmn managed processes...

リストア操作の完了後、次のコマンドを使用してクラスタ全体のOC4Jプロセスを再起動します。

ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl @cluster startproc ias-component=OC4J

uniqueidを使用するコンポーネントについては、適切なias-component値を使用するか次のコマンドを実行してプロセスを再起動します。

opmnctl startall

18.2.5 ポートレット・プロデューサのプリファレンス・ストアのリカバリ

JPSポートレット・プロデューサのプリファレンス・ストアをリカバリするには、次の手順を実行します。

  1. コンテナが実行しているOC4Jインスタンスを停止します。

  2. 移行ツールを実行して、ソースのバックアップ・ファイルからリストア先のプリファレンス・ストアにデータをリストアします。次に例を示します。

    java -classpath
      wsrp-container.jar:cache.jar:saaj-api.jar:orasaaj.jar:ojdbc14.jar
      oracle.portlet.server.containerimpl.PersistenceMigrationTool
    -sourceType file 
    -destType db 
    -sourcePath /tmp/portletbkp
    -destUsername p1 
    -destPassword p1 
    -destDatabase portaldb.mycompany.com:1521:orcl
    
    
  3. ポートレット・コンテナが実行しているOC4Jインスタンスを起動します。

JPSポートレット移行ユーティリティの詳細は、『Oracle WebCenter Framework開発者ガイド』を参照してください。

PDK-Javaポートレット・プロデューサのプリファレンス・ストアをリカバリするには、次の手順を実行します。

  1. コンテナが実行しているOC4Jインスタンスを停止します。

  2. 移行ツールを実行して、ソースのバックアップ・ファイルからリストア先のプリファレンス・ストアにデータをリストアします。次に例を示します。

    java -classpath $ORACLE_HOME/portal/jlib/pdkjava.jar
       oracle.portal.provider.v2.preference.MigrationTool
      -mode filetodb
      -remap locale
      -countries AR,MX 
      -pref1UseHashing true 
      -pref1RootDirectory /tmp/portletbkp
      -pref2User portlet_prefs
      -pref2Password portlet_prefs
      -pref2URL jdbc:oracle:thin:@myserver.mydomain.com:1521:mysid
    
    
  3. ポートレット・コンテナが実行しているOC4Jインスタンスを起動します。

PDK-Javaの移行とアップグレードを行うユーティリティの詳細は、『Oracle WebCenter Framework開発者ガイド』を参照してください。


戻る 次へ
Oracle
Copyright © 2002, 2007, Oracle.

All Rights Reserved.
目次
目次
索引
索引