Oracle Content DBのドメイン、ノード、サービスおよびサーバーのパフォーマンスを監視するには、Application Server Controlを使用します。この情報を使用すると、ドメインの全体的なパフォーマンス状況を把握し、ドメインの構成を変更する必要があるかどうかを判断できます。
この章では、次の項目について説明します。
Application Server Controlを使用して、Oracle Content DBノード(OC4J_Contentインスタンス)ごとのパフォーマンス情報(セッション数、JVMスレッド件数、JVMの合計メモリー、使用済メモリーおよび空きメモリーなど)を表示できます。
ノードのパフォーマンス情報を表示するには、次の手順を実行します。
Application Server Controlに接続し、Content DBのホームページに移動します。これを行う方法の詳細は、「Oracle Content DBのホームページへのアクセス」を参照してください。
Content DBのホームページで、「パフォーマンス」タブをクリックします。
図9-1に、Content DBのホームページの「パフォーマンス」タブを示します。
次のグラフが表示されます。
「セッション」グラフには、このノードでサポートされるセッション数に関する情報が示されます。これらのセッションはユーザー・セッションではなく、ライブラリ・セッションです。
情報をリフレッシュするには、ブラウザをリフレッシュするか、ページ上部の「データの表示」で次の設定のいずれかを選択します。
手動リフレッシュ(情報をリフレッシュするには、ブラウザをリフレッシュする必要があります。)
30秒リフレッシュ
1分間リフレッシュ
5分間リフレッシュ
ブラウザの構成によっては、「手動リフレッシュ」を選択してもデータが自動的にリフレッシュされることがあります。
各サービスのコミット済データ・キャッシュ、読取り専用接続プールおよび書込み可能接続プールに関するリアルタイム統計を表示できます。また、統計をリセットすることもできます。
Application Server Controlに接続し、Content DBのホームページに移動します。これを行う方法の詳細は、「Oracle Content DBのホームページへのアクセス」を参照してください。
統計を表示するサービスの名前(IfsDefaultServiceなど)をクリックします。
「パフォーマンス」タブをクリックします。
図9-2に、「サービス」ページの「パフォーマンス」タブを示します。
「コミット済データ・キャッシュ統計」セクションには、次の情報が表示されます。
キャッシュ・サイズ
キャッシュ・プット
キャッシュ削除
キャッシュ・パージ
キャッシュ・パージ・サイクル
平均キャッシュ・パージ時間 (ミリ秒)
キャッシュ参照
キャッシュ・ヒット率(%)
「読取り専用接続プール統計」セクションおよび「書込み可能接続プール統計」セクションには、次の情報が表示されます。
合計接続数
割当済接続
即時割当
遅延割当
失敗割当
平均割当時間(ミリ秒)
試行済のパージ
パージ・カウント
キャッシュまたは接続プールの統計をリセットするには、「コミット済データ・キャッシュ」、「読取り専用接続プール」または「書込み可能接続プール」領域の「統計のリセット」をクリックします。
統計エージェントは、コミット済データ・キャッシュ、読取り専用接続プールおよび書込み可能接続プールの統計を取得し、application.log
ファイルに書き込みます。このエージェントを構成して、Oracle Content DBリポジトリに格納されたドキュメントに統計を書き込むこともできます。
アプリケーション・ログの詳細は、「ログの表示」を参照してください。統計エージェントについては、「統計エージェント」を参照してください。
一部のサーバーに定義されているダイナミック・モニタリング・サービス(DMS)・メトリックを表示すると、サーバーのパフォーマンスを監視できます。DMSメトリックは、Oracle Application Serverで定義できる特殊なパフォーマンス・メトリックです。Oracle Content DBのDMSメトリックには、次のものが含まれます。
WebDAVサーバー
サーバー
DMSメトリック情報の中には、Content DBのホームページ、および一部のサーバーの「サーバー」ページに表示できるものがあります。たとえば、「ノード」ページの「サーバー」セクションには、各サーバーの最後の起動時間および最後の停止時間が表示され、Oracle Content DB HTTPサーバー(EcmHttpServer)のページには、完了したリクエスト、平均リクエスト処理時間(秒)、ダウンロード済のコンテンツ・サイズ(MB)、およびアップロード済のコンテンツ・サイズ(MBが表示されます。
DMSメトリックは、dmstool
ユーティリティおよびAggreSpyを使用して表示することもできます。DMSメトリック、およびその表示方法の詳細は、『Oracle Application Serverパフォーマンス・ガイド』を参照してください。
次の各項では、Oracle Content DBログを列挙し、Application Server Controlでのログの表示方法について説明します。ここでは、次の内容について説明します。
OC4J_Contentのアプリケーション・ログには、ノードの情報が記録されます。このログは、Oracle Content DBアプリケーションおよびWebDAVサーバーのトラブルシューティングの際に役立ちます。すべてのエラーが、スタック・トレースとともにロギングされます。デフォルトでは、アプリケーション・ログは次の場所にあります。
ORACLE_HOME/j2ee/OC4J_Content/application-deployments/Content/OC4J_Content_
default_island_1/application.log
ORACLE_HOME/opmn/logs/Content~OC4J_Content~default_island~1
また、ContentConfig.log
を参照することもできます。これは、Oracle Content DBのインストール時に実行されたOracle Content DBコンフィギュレーション・アシスタント用のログです。このログは、次の場所にあります。
ORACLE_HOME/content/log/ContentConfig.log
changehostname
ユーティリティのログも同じ場所に作成されます。
ORACLE_HOME/content/log/changehostname.log
Application Server Controlを使用して、様々なログを表示できます。この機能を使用すると、個々のログの場所がわからなくてもログを表示できます。
ログを表示するには、Application Server Controlの任意のページの右上にある「ログ」リンクをクリックします。
「ログ・ファイル」ページには、ログの詳細なリストが示されます。ツリーのエントリを開くと、そのエントリに関連するログが表示されます。次に例を示します。
OC4J_Contentのアプリケーション・ログを表示するには、「OC4J」、「OC4J_Content」、「Application content」の順に開きます。
Application Server Controlのログを表示するには、「Enterprise Manager」を開きます。
ContentConfig.logを表示するには、「Content DB」、「Configuration Assistant」の順に開きます。
また、検索機能を使用してログの場所を特定するこもできます。これを行うには、目的のログに対応する項目を表から選択し、「検索」をクリックします。
「ログの検索」ページの「メッセージ・タイプ」セクションでは、必ず「不明」を選択してください。Oracle Content DBのログは、リストに示された他のメッセージ・タイプ(内部エラー、警告、トレース、エラーおよび通知)には分類されません。
ログの名前をクリックして、ログ・データを表示します。デフォルトでは、ログ内の最後の500行がログ・ビューアに表示されます。最大で2000行を表示できます。ログ全体のコンテンツをダウンロードするには、画面上部のログ名をクリックします。ログが大きい場合は、ダウンロードに数分かかることがあります。
特定のOracle Content DBプロセスのログ・レベルを変更するには、Application Server ControlからシステムMBeanブラウザを使用します。
Oracle Content DBプロセスのログ・レベルを変更するには、次のようにします。
Application Server Controlにアクセスします。
「クラスタ・トポロジ」ページの「メンバー」表で、目的のプロセスを実行しているOC4J_Contentインスタンスをクリックします。
「管理」タブをクリックします。
表の「システムMBeanブラウザ」行(「JMX」ヘッダーの下)で、「タスクに移動」アイコンをクリックします。
システムMBeanブラウザのツリー・ビューで、次のようにしてJ2EELoggingオプションにアクセスします。
ツリーの「OC4J」ノードの下の「J2EEServer」を開きます。
「J2EEServer」ノードの下の「standalone」ノードを開きます。
「J2EELogging」を開きます。
「oracle」リンクをクリックします。
「MBean: J2EELogging: oracle」ページで、「操作」タブをクリックします。
「setLoggerLevel」をクリックします。
「パラメータ」表の「loggerName」行で、目的のロガーの名前(Javaパッケージ)を入力します。表9-1に、Oracle Content DBの機能領域に対応するロガーの一部を示します。
表9-1 Oracle Content DBの機能領域に対応するロガー名(一部)
機能領域 | ロガー名 |
---|---|
すべて |
oracle.ifs 注意: oracle.ifsはOracle Content DBのルート・ロガーであるため、oracle.ifsのログ・レベルを変更すると、 |
リポジトリ/Oracle CM SDKレイヤー |
oracle.ifs.beans oracle.ifs.common oracle.ifs.search oracle.ifs.server |
Oracle Content DBビジネス・ロジック・レイヤー |
oracle.ifs.ecm |
FDK/クライアント・サービス・レイヤー |
oracle.ifs.fdk |
Oracle Content DB Webアプリケーション |
oracle.ifs.web |
WebDAVサーバー |
oracle.ifs.protocols.dav |
すべてのエージェント |
oracle.ifs.ecm.agents oracle.ifs.management.servers |
Oracle Content DBのロガーは、表9-1に示したもの以外にも多数あります。目的のロガーの名前が不明な場合は、まず、oracle.ifsのログ・レベルをFINESTに設定します。次に、application.log
のログの出力を表示し、対象となるロガー(パッケージ名)をメモします。目的のロガーの名前がわかったら、Application Server Controlに戻ってそのロガーのログ・レベルを設定します。個々のロガーのロギング・レベルを設定したら、必ずoracle.ifsのログ・レベルを元に戻して、application.log
の出力を減らしてください。
「パラメータ」表の「levelName」行で、選択したロガーに対するロギング・レベルを入力します。Oracle Content DBでは、次のレベルがサポートされています。
SEVERE: リカバリ不能な問題のみを記録
WARNING: リカバリ可能な問題のみを記録
INFO: 一般レベルのログ情報
FINE: デバッグまたはトレースの重要な操作のレベル
FINER: メソッドのデバッグまたはトレースの開始および終了のレベル
FINEST: メソッド内のデバッグまたはトレースのレベル
CONFIGレベルは、Oracle Content DBのロギングではサポートされていません。
「起動操作」をクリックします。