この節では、2 空間および 3 空間の構内クラスタ構成の例を紹介します。
ここでは一般的な構成例を紹介します。これらは必須または推奨構成ではありません。 たとえば、ここで紹介する記憶装置は単なる実例にすぎません。 便宜上、図表および解説では構内クラスタ化について理解する上で欠かせない機能のみを取り上げます。したがって、公開ネットワークの Ethernet 接続などについては触れていません。
その他の構成例については、「その他の構内クラスタ構成の例」を参照してください。
以下は 2 空間構成の定義です。
2 つの独立した空間
各空間にはノード 1 個と複数のディスクサブシステムを配置
空間内のディスクサブシステム間でデータをミラー化
両方のホストに接続された 1 個以上のディスクサブシステムを定足数デバイス (一方の空間に配置) として使用
定足数ディスクが配置されている空間が失われた場合、システムを自動的に回復することはできません。ユーザーが手動で回復する必要があります。
図 A-1 は、各空間で Sun StorEdge T3/T3+ ディスクアレイのパートナーグループを使用する 2 空間構成の例です。
図 A-1 は従来の標準的なクラスタ構成とほぼ同じです。ただし、マルチモードからシングルモードファイバに切り替えるため、ファイバスイッチが追加されています。
ここでは特に触れていませんが、構内クラスタ化は複数の記憶装置アレイを使用する構成にも適しています。 大容量の記憶領域が必要な環境では、Sun StorEdge T3/T3+ アレイの SAN スイッチを追加しなければならないことがあります。
以下は 3 空間構成の定義です。
3 つの独立した空間
2 つの空間にはノード 1 個ずつと同数のディスクアレイを配置 (この例の場合 Sun StorEdge A5x00 ディスクサブシステム)。空間内のディスクサブシステム間でデータをミラー化
両方のホストに接続された 1 個以上のディスクサブシステムを定足数デバイス (3 番目の空間に配置) として使用
図 A-2 は、Sun StorEdge A5x00 ディスクアレイを使用する 3 空間構成です。 この構成では、Sun StorEdge A5x00 ディスクアレイに接続するためにファイバチャネルスイッチを使用しません。これは、Sun StorEdge T3 ディスクトレイを使用する 図 A-1 とは対照的です。 A5x00 (とサーバーのホストバスアダプタ) には長波 GBIC があるので、スイッチは不要です。
この構成では、2 つ以上の空間が有効かつ通信中であるかぎり自動的に回復処理を実行できます。 この構成以外では、いずれかの空間が失われると自動的に回復できなくなります。 2 つの空間が失われた場合は、一方の空間を交換するか再構築する必要があります。通常、この処理には SunService の介入が必要です。