Sun Cluster ソフトウェアのインストール (Solaris OS 版)

ProcedureSun Cluster ソフトウェアを構成する (SunPlex Installer)

この作業は、SunPlex Installer を使用して、1 回の操作で、クラスタ内のすべてのノードで Sun Cluster ソフトウェアを構成して、パッチをインストールする場合に行います。この手順は、Solstice DiskSuite ソフトウェアとパッチのインストール (Solaris 8)、そして、Solstice DiskSuite または Solaris ボリュームマネージャーミラー化ディスクセットの構成にも使用できます。


注 –

この構成方法は、次の状況では使用しないでください。


インストール処理には、30 分から 2 時間以上かかる場合があります。実際に要する時間は、クラスタノードの数、インストールするデータサービスの種類、クラスタ構成内のディスクの数により異なります。

始める前に

次の作業を実行します。

手順
  1. インストールする各ソフトウェア製品の CD-ROM イメージへのファイルシステムパスを用意します。

    ファイルシステムパスを用意する場合は、次のガイドラインに従ってください。

    • 各ノードが使用できる場所に各 CD-ROM イメージを用意します。

    • CD-ROM イメージは、クラスタのすべてのノードから同じファイルシステムパスを使用してアクセスできなければなりません。これらのパスとして、以下に示す場所のいずれかを指定できます。

      • クラスタの外部に存在するマシンからネットワークにエクスポートされた CD-ROM ドライブ

      • クラスタの外部に存在するマシン上のエクスポートされたファイルシステム

      • クラスタの各ノード上のローカルファイルシステムにコピーされた CD-ROM イメージローカルファイルシステムの名前は、すべてのノードで同じにする必要があります。

  2. x86: 管理コンソールで Netscape NavigatorTM ブラウザと Microsoft Internet Explorer ブラウザのどちらを使用するかを決定します。

    • Netscape Navigator を使用している場合は、手順 3 に進みます。

    • Internet Explorer を使用している場合は、手順 4 に進みます。

  3. x86: Java プラグインがインストールされ、管理コンソール上で動作しているのを確認します。

    1. クラスタへの接続に使用する管理コンソール上で Netscape Navigator ブラウザを起動します。

    2. 「ヘルプ」メニューから「プラグインについて」を選択します。

    3. Java プラグインを一覧表示するかどうかを決定します。

      • 一覧表示する場合は、手順 5 に進みます。

      • 一覧表示しない場合は、手順 d に進みます。

    4. 最新の Java プラグインを http://java.sun.com/products/plugin からダウンロードします。

    5. 管理コンソールにプラグインをインストールします。

    6. プラグインに対するシンボリックリンクを作成します。


      % cd ~/.netscape/plugins/
      % ln -s /usr/j2se/plugin/i386/ns4/javaplugin.so .
      
    7. 手順 5 に進みます。

  4. x86: Java 2 Platform, Standard Edition (J2SE) for Windows がインストールされ、管理コンソール上で動作していることを確認します。

    1. Microsoft Windows デスクトップで、「スタート」をクリックし、「設定」にカーソルを置き、「コントロールパネル」を選択します。

      「Control Panel」ウィンドウが表示されます。

    2. Java プラグインを一覧表示するかどうかを決定します。

      • 一覧表示しない場合は、手順 c に進みます。

      • 一覧表示する場合は、Java Plug-in のコントロールパネルをダブルクリックします。「コントロールパネル」ウィンドウが開きますので、「Java Plugin について」タブをクリックします。

        • 以前のバージョンが表示された場合は、手順 c に進みます。

        • バージョン 1.4.1 以降が表示された場合は、手順 5 に進みます。

    3. J2SE for Windows の最新バージョンを http://java.sun.com/j2se/downloads.html からダウンロードします。

    4. J2SE for Windows ソフトウェアを管理コンソールにインストールします。

    5. 管理コンソールが実行されているシステムを再起動します。

      J2SE for Windows のコントロールパネルが起動されます。

  5. Sun Cluster または Solstice DiskSuite のサポートに必要なパッチがある場合、これらのパッチをインストールする方法を決めます。

    • これらのパッチを手動でインストールする場合は、SunPlex Installer を使用する前に、patchadd コマンドを使用して、すべてのパッチをインストールします。

    • SunPlex Installer を使用してこれらのパッチをインストールする場合は、パッチを 1 つのディレクトリにコピーします。

      パッチディレクトリが以下の必要条件を満たすことを確認してください。

      • パッチディレクトリが各ノードで使用できるファイルシステムにあること。

      • このディレクトリには、各パッチのバージョンを 1 つだけコピーするようにしてください。パッチディレクトリに同じパッチのバージョンが複数存在すると、SunPlex Installer はパッチの依存性順位を正しく判断できなくなります。

      • パッチファイルは解凍されています。

  6. 管理コンソール、またはクラスタの外部に存在する他のマシンから、ブラウザを起動します。

  7. ブラウザの Web プロキシを無効にします。

    SunPlex Installer のインストール機能は、Web プロキシと互換性がありません。

  8. ディスクキャッシュとメモリーキャッシュが有効になっていることを確認します。

    ディスクキャッシュとメモリーキャッシュのサイズは、0 より大きくなくてはなりません。

  9. ブラウザから、任意のクラスタノードのポート 3000 に接続します。


    https://node:3000
    

    ブラウザのウィンドウに「Sun Cluster のインストール」画面が表示されます。


    注 –

    「Sun Cluster のインストール」画面ではなく、SunPlex Installer によりデータサービスのインストール画面が表示される場合は、Sun Cluster フレームワークソフトウェアがそのノードですでにインストールされて構成されています。URL 内のノード名がインストール対象のクラスタノードの名前と一致していることを確認してください。


  10. ブラウザに「新しいサイトの証明書」ウィンドウが表示された場合は、画面上の指示に従ってください。

  11. スーパーユーザーとしてログインします。

  12. 「Sun Cluster のインストール」画面で、SunPlex Installer を使用するための要件をクラスタが満たしていることを確認します。

    示されている必要条件をすべて満たしている場合は、「次へ」をクリックして次の画面に進みます。

  13. メニュープロンプトに従って、 構成計画ワークシートから回答を入力します。

  14. 「インストールを開始」をクリックしてインストール処理を開始します。

    次のガイドラインに従って、SunPlex Installer を使用してください。

    • インストール処理中は、ブラウザウィンドウを閉じたり URL を変更したりしないでください。

    • ブラウザに「新しいサイトの証明書」ウィンドウが表示された場合は、画面上の指示に従ってください。

    • ブラウザにログイン情報のプロンプトが表示された場合は、接続先ノードの該当するスーパーユーザー ID とパスワードを入力してください。

    SunPlex Installer は、引き続きすべてのクラスタノードのインストールと構成を行い、クラスタを再起動します。クラスタ内ですべてのノードが正常に起動されると、クラスタが確立されます。Sun Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log.N に記録されます。

    インストールが進行している間、クラスタインストール処理の状況を示す簡単なメッセージが画面に表示されます。インストールと構成が完了した時点で、ブラウザにクラスタ監視 / 管理用の GUI が表示されます。

    SunPlex Installer のインストール出力は、/var/cluster/spm/messages ファイルに記録されます。Sun Cluster のインストール出力は、/var/cluster/logs/install/scinstall.log. N ファイルに記録されます。

  15. 任意のノードから、すべてのノードがクラスタに結合していることを確認します。

    scstat(1M) コマンドを実行して、クラスタノードのリストを表示します。このコマンドを実行するために、スーパーユーザーとしてログインする必要はありません。


    % scstat -n
    

    出力は次のようになります。


    -- クラスターノード --
                                  ノード名       状態
                                  --------       ----
      クラスターノード:            phys-schost-1  Online
      クラスターノード:            phys-schost-2  Online
  16. SunPlex Installer で必要に応じて、定足数の割り当ての確認と、その割り当ての変更を行います。

    3 つ以上のノードを持つクラスタの場合、共有定足数デバイスの使用は任意です。SunPlex Installer による定足数デバイスへの定足数投票の割り当ては、適切な共有ディスクが利用可能かどうかに基づいて行われます。ユーザーは、SunPlexManager を使用して定足数デバイスを指定することも、クラスタ内の定足数投票数を割り当てなおすこともできます。詳細については、『Sun Cluster のシステム管理 (Solaris OS 版)』の第 5 章「定足数の管理」を参照してください。

  17. ループバックファイルシステム (LOFS) を再び有効にするには、クラスタの各ノードの /etc/system ファイルから次のエントリを削除します。


    exclude:lofs

    このあと、システムをリブートすると、LOFS が再び有効になります。


    注 –

    Sun Cluster HA for NFS を高可用性ローカルファイルシステム上で使用しており、かつ、automountd を実行している場合、 LOFS は有効にできません。LOFS は、Sun Cluster HA for NFS のスイッチオーバーの問題の原因になる可能性があります。LOFS を有効にしたあとで、Sun Cluster HA for NFS を高可用性ローカルファイルシステムに追加することを選択した場合は、次のうちの 1 つを行う必要があります。

    • クラスタの各ノードの /etc/system ファイルに exclude:lofs エントリを戻して、各ノードをリブートします。この変更によって、LOFS は無効になります。

    • automountd デーモンを無効にします。

    • 高可用性ローカルファイルシステムの一部であり、Sun Cluster HA for NFS によってエクスポートされるファイルをすべて、オートマウンタマップから除外します。この方法では、LOFS と automountd デーモンの両方を有効にしたままにできます。


    ループバックファイルシステムの詳細については、『Solaris のシステム管理 (第 1 巻)』(Solaris 8) または『Solaris のシステム管理 (デバイスとファイルシステム)』(Solaris 9 または Solaris 10) を参照してください。

次の手順

データサービスをインストールする予定の場合は、インストールするデータサービスと使用している Solaris OS のバージョンに適合する手順に進んでください。

 

Sun Cluster 2 of 2 CD-ROM 

(Sun Java System データサービス) 

Sun Cluster Agents CD 

(それ以外のすべてのデータサービス) 

手続き 

Solaris 8 または 9 

Solaris 10 

Solaris 8 または 9 

Solaris 10 

「Sun Cluster フレームワークとデータサービスソフトウェアパッケージをインストールする (Java ES installer)」

     

「データサービスソフトウェアパッケージをインストールする (pkgadd)」

 

   

「データサービスソフトウェアパッケージをインストールする (scinstall)」

   

「データサービスソフトウェアパッケージをインストールする (Web Start installer)」

   

 

それ以外の場合は、「定足数構成とインストールモードを確認する」に進みます。

注意事項

scinstall の処理が終了した後で、プライベートネットワークアドレスとネットマスクを変更することはできません。別のプライベートネットワークアドレスやネットマスクを使用する必要があり、ノードがインストールモードのままの場合は、「Sun Cluster ソフトウェアのアンインストールによるインストール問題を解決する」の手順に従います。次にこの手順を繰り返して、正しい情報でノードのインストールと構成を行います。