このマニュアルでは、Sun(TM) WorkShop(TM) の基本的なプログラム開発機能を紹介します。具体的には、次の機能について説明します。
デフォルトのテキストエディタの選択
構築ジョブの実行
プログラムのデバッグ
ソースコードのブラウズ
パフォーマンスデータの解析
ソースファイルのマージ
Sun WorkShop リソースの設定
このマニュアルは、Sun WorkShop の主要な開発機能を使用するアプリケーション開発者を対象としています。Sun WorkShop プログラム解析ツールについては『プログラムのパフォーマンス解析』、Sun WorkShop デバッグツールについては『dbx コマンドによるデバッグ』を参照してください。
このマニュアルは次の章で構成されています。
第 1 章「Sun WorkShop について」 Sun WorkShop プログラム環境の概要です。各種 Sun WorkShop 製品に含まれる製品コンポーネントの情報を中心に説明します。
第 2 章「Sun WorkShop の使用開始」 Sun WorkShop を起動する方法、テキストエディタを選択する方法、ワークセットの使い方など、Sun WorkShop で開発を始める際に必要な作業について説明します。
第 3 章「ソースコードのブラウズ」 ブラウザ、コールグラファ、クラスグラファ、クラスブラウザを使用して、ソースファイル、関数呼び出しの関係、クラス階層を調べる方法について説明します。
第 4 章「Sun WorkShop でのプログラムの構築」 Sun WorkShop のデフォルト設定またはユーザー設定でアプリケーションを構築する方法と、構築エラーを修正する方法について説明します。
第 5 章「プログラムのデバッグ」 Sun WorkShop のデバッグ機能を中心に、基本的なデバッグ作業の内容と高速実行モードでのデバッグの方法について説明します。高速実行モードでは、プログラムが通常どおりに実行されている間、いつでも処理を引き継ぐことができるように、バックグラウンドでデバッガが待機しています。
第 6 章「プログラムのパフォーマンスの解析」 標本コレクタと標本アナライザで各種データを収集・検査する方法のほか、パフォーマンス解析ツールを使用して、アプリケーションのパフォーマンスを向上させる方法の概要を紹介します。
第 7 章「ファイルマージ」 同じソースファイルから作成されたバージョンの異なる 2 つのファイルを比較して、変更内容をマージする方法について説明します。
付録 A 「Sun WorkShop リソースの設定」 Sun WorkShop のリソース設定の一部を変更する方法について説明します。
付録 B 「make ユーティリティとメークファイル」 make ユーティリティに設定可能なオプションについて説明します。
付録 C 「dmake ユーティリティ の使用」 分散メーク (dmake) によって構築処理を複数のホストに分散させ、複数のワークステーションまたは CPU で並行してプログラムを開発する方法について説明します。
付録 D 「sbquery、sb_init、sbtags によるソースのブラウズ」 ソースコードをブラウズするためのコマンド行ユーティリティ sbquery、 データベース情報を複数のディレクトリに格納しているソースファイルで作業する方法、ソースファイルからブラウズ情報をすばやく収集するための sbtags コマンドについて説明します。
Solaris の最新リリースの名前は Solaris 7 ですが、コード名、パス名 (パッケージのパス名など) には Solaris 2.7 または SunOS 5.7 という名前が含まれていることがあります。その場合は、Solaris 2.7 または SunOS 5.7 を含む名前をそのまま使用してください。
Sun(TM) WorkShop(TM) のマニュアルの内容は、Solaris 2.5.1、Solaris 2.6、Solaris 7 オペレーティングシステムのいずれかを実行する以下のプラットフォームを対象としています。
SPARC(TM) プラットフォーム
x86 プラットフォーム x86 とは、Intel の Intel 80386、Intel 80486、Pentium またはその同等品を意味 します。
x86 とは、Pentium、Pentium Pro、Pentium II プロセッサおよび、これらと互換性のある AMD および Cyrix 製のマイクロプロセッサチップを含む、Intel 8086 マイクロプロセッサチップ群を意味しています。このマニュアルでは、これらすべてのプラットフォームアーキテクチャを総称して x86 と呼んでいます。特定のプラットフォームに固有の事項には、(SPARC) または (x86) と記述しています。
詳細情報が必要な場合は、Sun から提供されている次のマニュアルおよびガイドが役に立ちます。
『Sun WorkShop クイックインストール』 - インストールに関するマニュアルです。
『Sun WorkShop のインストールとライセンス』 - インストールとライセンスの情報について説明しています。
『dbx コマンドによるデバッグ』 - dbx コマンドを使ってプログラムをデバッグする方法について説明しています。
『プログラムのパフォーマンス解析』 - ループツール、ループレポート、ロック lint ユーティリティなどのプロファイルツールの使用方法と、標本アナライザを使用してプログラムのパフォーマンスを高める方法について説明しています。
『Sun WorkShop TeamWare ユーザーズガイド』 - Sun WorkShop TeamWare のコード管理ツールの使用方法について説明しています。
『Sun WorkShop Visual ユーザーズガイド』 - Sun WorkShop Visual を使用して C++ および Java グラフィカルユーザーインタフェースを作成する方法について説明しています。
『Sun WorkShop Performance Library Reference』(英語のみ) - コンピュータによる線形代数とフーリエ変換の計算に使用するサブルーチンと関数からなるライブラリについて説明しています。
『Sun Visual WorkShop C++ の概要』 - C++ パッケージに含まれる製品について簡単に説明しています。
『Sun Performance WorkShop Fortran の概要』 - Fortran パッケージに含まれる製品について簡単に説明しています。
『C++ ユーザーズガイド』 - C++ コンパイラのコマンド行オプションと使用方法について説明しています。
『C++ プログラミングガイド』 - テンプレートや例外処理、および FORTRAN 77 とのインタフェースに関係する内容について説明しています。
『C++ 移行ガイド』 - C++ コンパイラのリリース間での相違点について説明しています。
『C++ ライブラリ・リファレンス』 - iostream ライブラリについて説明しています。
『Tools.h++ 7.0 ユーザーズガイド』 - プログラムの効率を高める C++ クラスについて説明しています。
『Tools.h++ 7.0 クラスライブラリ・リファレンスマニュアル』 - Tools.h++ のクラスライブラリの詳細について説明しています。
『C ユーザーズガイド』 - C コンパイラのオプションとプラグマなどの詳細について説明しています。
『FORTRAN 77 言語リファレンス』 - 全情報を網羅した言語リファレンスです。
『Fortran ユーザーズガイド』 - Fortran コンパイラのコマンド行オプションと使用方法について説明しています。
『Fortran プログラミングガイド』 - 入出力やライブラリ、プログラム分析、デバッグなどに関係する内容について説明しています。
『Fortran ライブラリ・リファレンス』 - 言語とルーチンの詳細について説明しています。
『数値計算ガイド』 - 浮動小数点演算における数値の精度に関する内容について詳しく説明しています。
『標準 C++ ライブラリ・ユーザーズガイド』 - 標準 C++ ライブラリの使用方法について説明しています。
『Standard C++ Class Library Reference』(英語のみ) - 標準 C++ ライブラリの詳細について説明しています。
次の Solaris 関連のマニュアルにも役立つ情報が記載されています。
『リンカーとライブラリ』 - リンクとライブラリについて説明しています。
『プログラミングユーティリティ』 - 開発者向けに、SunOS(TM) システムに内蔵されている特殊なプログラミングツールについて説明しています。
サンのマニュアルは、次の形式でオンラインでご覧いただけます。
Web サイト docs.sun.com
AnswerBook2(TM) コレクション
HTML 形式
オンラインヘルプおよびリリースノート
Web サイト docs.sun.com では、サンの技術文書をオンラインでご覧になれます。 docs.sun.com にあるマニュアルの内容を参照したり、特定のタイトルや用語を含む マニュアルを検索することもできます。URL は http://docs.sun.com/ です。
Sun WorkShop に関するマニュアルは、AnswerBook2 ソフトウェアを使用して参照することもできます。このソフトウェアは、システムの管理者がインストールの時点で AnswerBook2 形式のマニュアルをインストールしていればご利用いただけます (インストールされていない場合は、システム管理者にお問い合わせいただくか、『Sun WorkShop クイックインストール』の第 3 章を参照してインストールしてください)。AnswerBook2 の使用法の詳細については、『Sun WorkShop クイックインストール』の第 6 章または Solaris のインストール関連のマニュアルを参照するか、ご使用の環境のシステム管理者にお問い合わせください。
Solaris 2.5.1 上で AnswerBook2 形式のマニュアルを参照するには、その前にサンの Web ページから AnswerBook2 文書サーバーソフトウェアをダウンロードする必要があります。詳細については『Sun WorkShop クイックインストール』の第 6 章を参照してください。
次の Sun WorkShop のマニュアルは、HTML 形式で用意されています。
『Tools.h++ 7.0 クラスライブラリ・リファレンスマニュアル 』
『Tools.h++ 7.0 ユーザーズガイド』
『数値計算ガイド』
『標準 C++ ライブラリ・ユーザーズガイド』
『Standard C++ Class Library Reference』(英語のみ)
『Sun WorkShop Performance Library Reference Manual』(英語のみ)
『Sun WorkShop Visual ユーザーズガイド』
『Sun WorkShop Memory Monitor ユーザーズガイド』
HTML 形式のマニュアルを表示するには、次の手順に従ってください。
HTML ブラウザで、次のファイルを開きます。
install-directory/SUNWspro/DOC5.0/lib/locale/ja/html/index.html
install-directory には、Sun WorkShop がインストールされているディレクトリを入力してください (デフォルトでは /opt です)。
ブラウザに、インストールされている Sun WorkShop 製品のマニュアル一覧が表示されます。
マニュアル一覧のマニュアル名をクリックします。
HTML 形式のマニュアルが開きます。
このリリースの WorkShop には、オンラインマニュアル以外に新しい形式のマニュアルが用意されています。詳細は、以下のいずれかを参照してください。
オンラインヘルプ - 様々な作業と内容に関する情報を参照できる、新しいヘルプシステムです。ヘルプを参照するには、「ヘルプ」から「ヘルプの目次」を選択します。すべての WorkShop ウィンドウで「ヘルプ」メニューを使用することができます。
リリースノート - WorkShop に関する一般的な情報およびソフトウェアの制限やバグに関する情報が記載されています。リリースノートを参照するには、「ヘルプ」から「リリースノート」を選択します。
このマニュアルで使用している書体と記号について説明します。
表 P-1 このマニュアルで使用している書体と記号
書体または記号 |
意味 |
例 |
---|---|---|
AaBbCc123 |
コマンド名、ファイル名、ディレクトリ名、画面上のコンピュータ出力、コーディング例。 |
.login ファイルを編集します。 ls -a を使用してすべてのファイルを表示します。 machine_name% You have mail. |
AaBbCc123 |
ユーザーが入力する文字を、画面上のコンピュータ出力と区別して表します。 |
machine_name% su Password: |
AaBbCc123 またはゴシック |
コマンド行の可変部分。実際の名前または実際の値と置き換えてください。 |
rm filename と入力します。 rm ファイル名 と入力します。 |
『 』 |
参照する書名を示します。 |
『SPARCstorage Array ユーザーマニュアル』 |
「 」 |
参照する章、節、または、強調する語を示します。 |
第 6 章「データの管理」を参照してください。 この操作ができるのは、「スーパーユーザー」だけです。 |
¥ |
枠で囲まれたコード例で、テキストがページ行幅を超える場合、バックスラッシュは、継続を示します。 |
machinename% grep '^#define ¥ XV_VERSION_STRING' |
シェルプロンプトの例を以下に示します。
表 P-2 シェルプロンプト
シェル |
プロンプト |
---|---|
UNIX の C シェル |
machine_name% |
UNIX の Bourne シェルと Korn シェル |
machine_name$ |
スーパーユーザー (シェルの種類を問わない) |
# |