この節では、 Sun Management Center を設定する方法について説明します。以下の作業は、es-setup パラメータがまったく指定されていないという状況を想定しています。
Sun Management Center をインストールしたマシンにスーパーユーザとしてログインします。
Sun Management Center の sbin ディレクトリに移動します。例えば、
# cd /opt/SUNWsymon/sbin |
Sun Management Center を /opt 以外のディレクトリにインストールした場合、/installdir/SUNWsymon/sbin に移動します (installdir は Solaris プラットフォームに Sun Management Center 3.5 をインストールするの手順 8 で指定したディレクトリ)。
es-setup スクリプトを実行します。
# ./es-setup |
Sun Management Center コンソールだけをインストールした場合、設定プロセスはそのコンソールを設定してから、ユーザが選択した任意のアドオンを設定します。手順 16 に進みます。
エージェントだけ (つまり、エージェントとコンソール) をインストールした場合、セキュリティキーを生成するためのパスワードを求めるメッセージが表示されます。手順 5 に進みます。
Sun Management Center サーバをインストールした場合、設定プロセスは DB リスナーポートの衝突をチェックします。
DB リスナーポートが使用されておらず、システムが十分なメモリを持っている場合、セキュリティキーを生成するためのパスワードを求めるメッセージが表示されます。手順 5 に進みます。
DB リスナーポートは使用されていないが、システムが十分なメモリを持っていない場合、利用できるメモリ容量と必要なメモリ容量が表示されます。設定が中断し、システムプロンプトに戻ります。メモリを十分に確保してから、設定を実行し直します。
DB リスナーポートが使用されている場合、使用されていないポートを割り当てるように求めるメッセージが表示されます。
DB リスナーポートの衝突を解決します。
Return キーを押して、デフォルトの代替ポート 2522 をそのまま使用します。あるいは、別の使用されていないポート番号を入力します。特定のポートが使用されているかどうかを確認する方法については、特定のポートが使用中であるかを確認するを参照してください。es-config コマンドを使用して Sun Management Center ポートを割り当て直す方法については、Sun Management Center ポートの再構成を参照してください。
設定プロセスは利用可能なメモリをチェックします。
システムに十分なメモリがある場合、セキュリティキーを生成するためのパスワードを求めるメッセージが表示されます。手順 5 に進みます。
システムに十分なメモリがない場合、利用できるメモリ容量と必要なメモリ容量が表示されます。設定が中断し、システムプロンプトに戻ります。メモリを十分に確保してから、設定を実行し直します。
Sun Management Center セキュリティキーを生成します。
Sun Management Center プロセス同士の通信には、暗号化されたセキュリティキーが必要です。このセキュリティキーは、ユーザが指定するパスワード (スペースを含まない 1 から 8 文字) にもとづいて生成されます。8 文字を超えるエントリは 8 文字にカットされます。
あとでセキュリティキーを生成し直す必要がある場合に備えて、セキュリティキーを生成するときに使用したパスワードの記録を安全な場所に保管しておきます。セキュリティキーの再生成で説明しているように、必要に応じてあとでセキュリティキーを変更することもできます。
SNMPv1 コミュニティ文字列の入力を求めるメッセージが表示されます。
SNMPv1 コミュニティセキュリティ文字列を指定します。
コミュニティ文字列は SNMP セキュリティに使用されるもので、デフォルトでは public に設定されます。
SNMP セキュリティを高めるには、コミュニティ文字列を public または private 以外に設定します。
SNMP コミュニティ文字列は、Sun Management Center 3.5 をインストールするすべてのマシンで同一のものを使用する必要があります。マシンごとに異なるコミュニティ文字列を使用すると、マシンと Sun Management Center コンポーネント間の SNMP 通信が成立しません。後で指定する必要がある場合に備えて、コミュニティ文字列の記録を安全な場所に保管しておきます。
コミュニティ文字列のデフォルト値 public を受け入れる場合、SNMPv1 コミュニティ文字列の入力を指示されたところで Return キーを押します。
独自のコミュニティ文字列を使用する場合、その文字列を入力します。コミュニティ文字列は最大 255 文字を使用できますが、スペース (ブランク) を含むことはできません。
確認のため、SNMPv1 コミュニティ文字列をもう一度入力するように求めるメッセージが表示されます。同じ文字列を入力します。例えば、
SNMPv1 コミュニティ文字列はセキュリティのために必要であり、デフォルトでは *public* に設定されます。セキュリティを強化するには、独自の文字列を指定します。 Sun Management Center 3.5 がインストールされているすべてのマシンにおいて、 同じ SNMPv1 コミュニティ文字列を使用する必要があります。RETURN を押すと デフォルト値にします。 SNMPv1 コミュニティ文字列を入力してください: my-snmp-string 確認のため SNMPv1 コミュニティ文字列を再入力してください: my-snmp-string |
設定プロセスは、ベースコンポーネントがインストールされているかどうかをチェックします。
エージェントだけ (つまりエージェントとコンソール) をインストールした場合、Sun Management Center サーバホスト名を求めるメッセージが表示されます。手順 9 に進みます。
サーバをインストールした場合、設定プロセスは Sun Management Center の esadm グループと esdomadm グループに有効な UNIX 管理者アカウント名が存在するかどうかをチェックします。グループについては、ユーザ、グループ、および役割の概要を参照してください。
有効な UNIX 管理者アカウント名が存在する場合、設定プロセスはサーバのポートの衝突をチェックします。手順 8 に進みます。
有効な UNIX 管理者アカウント名が存在しない場合、UNIX 管理者アカウント名を求めるメッセージが表示されます。
UNIX 管理者アカウント名としての有効な Solaris ユーザ名を入力します。
Sun Management Center の管理には有効な Solaris ユーザ名が必要です。有効な Solaris ユーザ名を入力します。
設定プロセスはサーバのポートの衝突をチェックします。
サーバのポートの衝突を解決します。
設定プロセスは Sun Management Center サーバが必要とするポートをチェックして、それらのポートが使用されているかどうかを確認します。使用中のポートがあれば、未使用のポートを指定する必要があります。特定のポートが使用中かどうかを確認する方法は、特定のポートが使用中であるかを確認するで説明されています。es-config コマンドを使用して Sun Management Center ポートを割り当て直す方法については、Sun Management Center ポートの再構成で説明されています。
ポートは次の順序でチェックされます。つまり、トポロジサービス、構成サービス、イベントサービス、CST サービス、トラップサービス、メタデータサービス、およびルックアップサービスです。
どのポートも使用されておらず、かつ、Sun Management Center サーバがすでにインストールされている場合、Web サーバのセキュリティキーを生成するのに必要な情報を求めるメッセージが表示されます。手順 10 に進みます。
どのポートも使用されていないが、Sun Management Center サーバがまだインストールされていない場合、Sun Management Center サーバホスト名を求めるメッセージが表示されます。手順 7 に進みます。
任意のポートが使用されている場合、ポートを構成し直すか、ポートを使用しているプロセスを停止するように求めるメッセージが表示されます。
ポートを構成し直すには、使用されていないポート番号を入力します。
デフォルトのポートを使用するには、Return キーを押します。
デフォルトのポートを使用する場合は、Sun Management Center を起動する前に、まず、/etc/rcN ファイルと /etc/rcN.d ファイルがこのポートを使用しているかどうかを手動で確認して特定し、ファイルの名前を変更する必要があります。さらに、このポートを使用しているプロセスを手動で停止する必要があります。
すべてのポートの衝突が解決したあと、設定プロセスはサーバがインストールされているかどうかをチェックします。
Sun Management Center サーバがインストールされている場合、Web サーバのセキュリティキーを生成するためのパスワードを求めるメッセージが表示されます。手順 10 に進みます。
Sun Management Center サーバがインストールされていない場合、Sun Management Center サーバホスト名を求めるメッセージが表示されます。
Sun Management Center サーバホスト名を指定します。
Sun Management Center サーバがインストールされているマシン名を入力します。
設定プロセスは、SNMP ポートが使用されているかどうかをチェックします。手順 12 に進みます。
Web サーバのセキュリティキーを指定します。
Sun Management Center の Web サーバには暗号化されたセキュリティキーが必要です。このセキュリティキーは、組織名とロケーション名にもとづいて生成されます。指定する名前にはスペース (ブランク) を含めることはできません。
たとえば、組織名に administration、ロケーション名に headquartersと入力できます。
特定のマシンのセキュリティキーの生成に使用したパスワードの記録は安全な場所に保管してください。セキュリティキーは後で生成し直す必要が出てくる場合もあります。
プロンプトに対し、組織名を入力します。例えば、
Sun Management Center の Web サーバは、暗号化されたセキュリティキーを必要とします。 このキーは、ユーザが指定した組織と場所の情報に基づいて生成されます。 組織名を入力してください: administration |
地理的な場所を求めるメッセージが表示されます。地理的な場所を入力します。例えば、
このホストの地理的な場所を入力してください: headquarters |
設定プロセスは、Web サーバのポートが使用されているかどうかをチェックします。
Web サーバのポートとセキュアポートが使用されていない場合、設定プロセスは SNMP ポート 161 が使用されているかどうかをチェックします。手順 12 に進みます。
Web サーバのデフォルトのポートまたはセキュアポートのいずれかが使用されている場合、使用されていないポートを割り当てるように求めるメッセージが表示されます。
Web サーバのポートの衝突を解決します。
Return キーを押して、表示されたデフォルトの代替ポートを使用します。あるいは、別の使用されていないポート番号を入力します。
Web サーバのデフォルトのポートまたはセキュアポートを使用することを選択した場合、Sun Management Center を起動するまえに、まず、/etc/rcN ファイルと /etc/rcN.d ファイルがこのポートを使用しているかどうかを手作業で確認して、使用している場合、これらのファイルの名前を変更する必要があります。さらに、このポートを使用しているプロセスを手作業で停止する必要があります。
設定プロセスは、SNMP ポートが使用されているかどうかをチェックします。
SNMP ポート 161 が使用されていない場合、設定プロセスは旧バージョンの Sun Management Center の構成データが保存されているかどうかをチェックします。旧バージョンの Sun Management Center インストールの構成データを保存していた場合、データを復元するかどうかを確認するメッセージが表示されます。手順 14 に進みます。
旧バージョンの Sun Management Center インストールの構成データを保存していない場合、あるいは、Sun Management Center を初めてマシンにインストールした場合、設定プロセスはユーザが選択したベース製品の設定状態の一覧を表示します。手順 15 に進みます。
SNMP ポート 161 が使用されている場合、SNMP ポート番号を求めるメッセージが表示されます。
SNMP ポートの衝突を解決します。
ポート 161 がほかのプロセスで使用されていることが知らされます。ほとんどの場合、SNMP デーモンで使用されるように割り当てられるポートは ポート 161 です。しかし、ほかのプロセスまたはデーモンがポート 161 を使用している可能性はあります。サン以外からも代替となる SNMP デーモンや改良された SNMP デーモンが提供されており、それらをシステムにインストールすることができます。Sun Management Center エージェントはそのようなデーモンの 1 つです。
ポート 161 を使用することも、別のポート番号を割り当てることもできます。
旧バージョンの Sun Management Center インストールの構成データを復元することを選択していた場合、エージェントとサーバのどちらのアップグレードの場合でも、旧バージョンの Sun Management Center インストールで使用していたものと同じポート番号をエージェントに使用する必要があります。
別のポート番号を割り当てる場合、未使用のポート番号を入力します。
例えば、
使用するポートを入力してください [ 1100 〜 65535 ]: 1161 新しいポート番号で /var/opt/SUNWsymon/cfg/domain-config.x を更新します。 |
この代替ポート番号の記録を安全な場所に保管しておきます。この番号は、あとで JumpStart ソフトウェアを使用してエージェントを使用する場合、あるいは、エージェント更新イメージツールを使用して Sun Management Center エージェントを更新する場合に必要になります。詳細については、JumpStart によるエージェントのインストールと エージェント更新 (インストール) イメージの作成を参照してください。
旧バージョンの Sun Management Center インストールの構成データを保存していない場合、あるいは、Sun Management Center を初めてマシンにインストールした場合、設定プロセスはユーザが選択したベース製品の設定状態の一覧を表示します。手順 15 に進みます。
ポート 161 を使用する場合、Return キーを押します。
Sun Management Center がポート 161 を使用することと、システムのリブート時に自動的に再起動するように SNMP デーモンが設定されている可能性があることを知らせるメッセージが表示されます。
SNMPDX デーモンを停止して無効にするかどうかを確認するメッセージが表示されます。
SNMP デーモンを停止して無効にします。
y を入力して、SNMP デーモンを停止して無効します。
SNMP デーモンの停止と無効化を行なっても、ポート 161 を使用する実際の Sun Management Center プロセスが停止されるとはかぎりません。Sun Management Center の設定の後で Sun Management Center を起動できない場合は、ほかのプロセスまたはデーモンがポート 161 を使用している可能性があります。手順 12 で説明しているように、ポート衝突を解決するには、ポート 161 を使用する /etc/rc N ファイルと /etc/rcN.d ファイルの確認、識別、および名前変更を手動で行う必要があります。
SNMP デーモンの停止と無効化を希望しない場合、n を入力します。
ポート 161 を使用するプロセスはすべて、Sun Management Center を起動する前に停止する必要があります。
設定プロセスは、旧バージョンの Sun Management Center の構成データが保存されているかどうかをチェックします。
旧バージョンの Sun Management Center インストールの構成データを保存していない場合、あるいは、Sun Management Center を初めてマシンにインストールした場合、設定プロセスはユーザが選択したベース製品の設定状態の一覧を表示します。手順 15 に進みます。
旧バージョンの Sun Management Center インストールの構成データを保存していた場合、データを復元するかどうかを確認するメッセージが表示されます。
旧バージョンの Sun Management Center の構成データを復元します。
保存された構成データには、Sun Management Center コンソールに表示されるグラフ、トポロジオブジェクト、アラームなどの情報が含まれます。
Sun Management Center の以前のインストールから構成データを復元しない場合、情報を手動で作成し直す必要があります。
構成データを復元するには、y を入力して、Return キーを押します。旧バージョンの Sun Management Center の構成データが復元されます。
構成データを破棄するには、n を入力して、Return キーを押します。旧バージョンの Sun Management Center の構成データが破棄されます。
設定プロセスは、ユーザが選択したベース製品の設定状態の一覧を表示します。
ベース製品の設定プロセスを仕上げます。
ベース製品の設定が失敗した場合、ベース製品の設定が失敗したことを知らせるメッセージが表示されます。そして、ログファイルで詳細を確認するように求めるメッセージが表示されます。そして、ログファイルの名前が表示されます。設定が中断し、システムプロンプトに戻ります。
ログファイルを見て、設定が失敗した原因を確認します。
ユーザがベース製品だけ (つまり、コンソール、エージェント、またはサーバ) を選択していた場合、ベース製品の設定が成功すると、Sun Management Center コンポーネントを起動するかどうかを確認するメッセージが表示されます。手順 17 に進みます。
ユーザが任意のアドオンも選択していた場合、ベース製品の設定が成功すると、ユーザが選択していたアドオン製品ごとに設定スクリプトが実行されます。
アドオン製品を設定します。
一部のアドオン製品は、Sun Management Center 3.5 インストール CD に含まれています。これらのアドオンは、es-inst スクリプトを使用してインストールするの手順 13に示されています。各アドオンを設定するには、インストールキットに含まれているそれぞれの Sun Management Center 補足資料を参照してください。これらの補足資料には、個々のアドオンの設定手順が示されています。このため、ここではアドオンの設定手順の説明を省きます。
Monitoring and Management of A5x00 and T3 Devices アドオンを選択した場合、Sun StorEdge A5x00 パッチに示されている方法で必要なパッチをサーバに適用します。さらに、T3 ストレージデバイス で説明している手順でサーバシステムファイルに T3 IP アドレス、Ethernet アドレス、および名前を追加します。
アドオン設定が完了すると、アドオン製品の設定ステータスが表示されます。
アドオン製品の設定が失敗した場合、アドオン製品の設定が失敗したことを知らせるメッセージが表示されます。そして、ログファイルで詳細を確認するように求めるメッセージが表示されます。そして、ログファイルの名前が表示されます。設定が中断し、システムプロンプトに戻ります。
ログファイルを見て、設定が失敗した原因を確認します。
アドオンの設定が成功すると、Sun Management Center コンポーネントを起動するかどうかを確認するメッセージが表示されます。
Sun Management Center 3.5 を起動します。
ネットワークが Network Address Translation (NAT) を使用している場合、n を入力して、Sun Management Center を起動せずに設定を終了します。Sun Management Center を起動する前に、NAT サポートを有効にするに示されている方法で es-config コマンド行ユーティリティを使用して NAT 向けにマシンを構成します。
この時点で Sun Management Center を起動したい場合、n を入力します。
設定スクリプトが、es-start -A を使用して Sun Management Center を起動します。es-start の詳細については、es-start によるコンポーネントの起動を参照してください。
また、コンソールの起動で、Sun Management Center コンソールの起動方法も参照してください。
Sun Management Center を後で起動したい場合、n を入力します。Sun Management Center を起動する準備ができたところで、第 8 章「Sun Management Center の起動と停止」を参照してください。