この章では、検出要求の起動と変更の方法について説明します。
次のいずれかの方法で「オブジェクト検出」ウィンドウを起動します。
「ドメインの作成」ダイアログボックスから管理ドメインを作成する場合は、「今すぐ生成」オプションを選択します。
管理ドメインの詳しい作成方法については、管理ドメインの作成を参照してください。
「Sun Management Center ドメイン」プルダウンメニューで管理ドメインを選択し、メインコンソールウィンドウの「ツール」メニューから「オブジェクト検出」を指定します。
「オブジェクト検出」ウィンドウが表示されます。
ホストの検出には、ping コマンドまたは経路テーブルを使用します。
経路テーブルから検出要求を起動する場合は、事前に 付録 B 「IP ルーティング」を読んでおいてください。この付録では、経路指定、ネットワーククラス、ネットマスクの基本的な概念について説明しています。
検出要求を実行するためには、esdomadm の権限が必要です。詳細については、第 18 章「Sun Management Center のセキュリティ」を参照してください。
「オブジェクト検出」ウィンドウを開きます (「オブジェクト検出」ウィンドウを起動するを参照)。
「オブジェクト検出」ウィンドウの「追加」ボタンをクリックします。
「新しい検出要求」ウィンドウが表示されます。デフォルトでは「検出」タブが選択されています。
既存の検出要求をコピーする場合は、既存要求を選択して「オブジェクト検出」ウィンドウの「複製」ボタンをクリックします。新規の検出要求設定を編集する方法については、検出オブジェクト要求を変更するを参照してください。
「要求名」フィールドに検出要求の新規名を入力します。
「オブジェクト検出」ウィンドウの要求リストから要求を選択して、関連する検索パターンを編集します。
「検出方法」フィールドで、ネットワークの検出方法を選択します。
検出方法には、Ping と 経路テーブルがあります。
Ping を選択すると、検出プロセスは ICMP コマンドと SNMP ping コマンドを使用して、指定 IP アドレス範囲のホスト、ルーター、複合オブジェクトを検出します。次に、検出したホストを、ネットマスクに基づいて該当するネットワークとサブネットに配置します。
複合オブジェクトには、ハードウェアとソフトウェア の各種グループ (StarFireTM システムと Sun Fire TM システムなど) が含まれます。これらのオブジェクトはサブネットなどの構成には現れませんが、ドメインのルートレベルで確認することができます。
経路テーブル選択すると、検出プロセスは Sun Management Center のサーバホストから起動し、指定数のホップを通過して n ホップ離れたサブネットとホストをレポートします。トポロジマネージャまたは Sun Management Center サーバが稼動するホストから宛先ホストまでの「距離」は、ホップ数によって限定されます。
経路テーブルの検出要求では、ポート 161 で SNMP エージェントを起動することが前提となります。使用可能なエージェントは、Sun Management Center エージェント、snmpdx、またはご使用のネットワーク管理パッケージが提供する SNMP エージェントなどです。別のポート番号を使用する場合は、手順 9 を参照してください。
経路テーブルについての詳細は、付録 B 「IP ルーティング」を参照してください。
「開始 IP アドレス」フィールドに、検出プロセスを開始する IP アドレスを入力します。
「終了 IP アドレス」フィールドに、検出プロセスを終了する IP アドレスを入力します。
この手順は、検出方法として Ping を選択した場合にのみ必要となります。
「ネットマスク」フィールドにネットマスク値を入力します。
この手順は、次の条件に当てはまる場合にのみ必要となります。
検出方法として Ping を選択した。
デフォルト値 (255.255.255.0) 以外のネットマスクを使用する必要がある。
「ホップ数」フィールドに数字を入力します。
ホップは、パケットが宛先に到達するまでに通過するルーター数です。例えば、値が 0 (ゼロ) の場合、検出プロセスは現在のサブネットにだけ限定されます。
この手順は、次の条件に当てはまる場合にのみ必要となります。
検出方法として経路テーブルを選択した。
検出プロセスの規模を限定したい。
デフォルト値 (161) 以外のポート番号を使用するには、「このポートも確認」フィールドにポート番号を入力します。
入力したポート番号だけを確認するときは、「デフォルトポートの使用」を選択解除します。「デフォルトポートの使用」を選択してフィールドに番号を追加する場合、検出プロセスは デフォルトのポート番号と入力したポート番号の両方 を検査します。
検出プロセスを起動するには、「了解」ボタンをクリックします。
確認ウィンドウが現れます。
検出要求をカスタマイズする場合は、以下の節を参照してください。
検出要求をすぐに実行するには、「はい」ボタンをクリックします。
検出プロセスが、Sun Management Center エージェントを実行中の全ノード を検出します。この中には、他の Sun Management Center サーバコンテキストに属するエージェントノードや、Sun Management Center の遠隔サーバコンテキストに属する Sun Management Center エージェントノードも含まれます。Sun Management Center エージェントノードの拡張情報が収集されます。
検出プロセスが、SNMP エージェントを実行中の全ノードを検出します。SNMP エージェントノードの限定情報が収集されます。
検索プロセスが、Sun Management Center エージェントと SNMP エージェント以外を実行中の全ノードを検出し、ping ホストとして一覧表示します。収集される ping ホストの情報はごくわずかです。
Sun Management Center サーバまたはエージェントが 誤って ping ホストとしてレポートされるか全く検出されない場合は、より大きなタイムアウトで検出プロセスを再実行しします。
ホストが極端にビジーの場合、そのホストのデータを収集している検出プロセスはタイムアウトになる可能性があります。Sun Management Center エージェントのホストでタイムアウトが発生すると、そのホストは ping ホストとしてレポートされるか、全く検出されない可能性があります。従って、タイムアウトが発生した場合は、ping と SNMP のタイムアウト期間を大きくしてから、検出プロセスを再実行してみてください。詳細は、検出オブジェクト要求の設定を変更するを参照してください。
「新しい検出要求」ウィンドウまたは「検出要求の編集」ウィンドウの「設定の変更」タブをクリックします。
検出要求情報のログファイルへの書き込みを停止するには、「検出要求の状況を記録」チェックボックスを選択解除します。
デフォルトでは、「オブジェクト検出」ウィンドウからアクセス可能なログに情報が書き込まれます。詳細については、検出オブジェクトログを表示するを参照してください。
ログ機能を使用不可にしても、検出要求プロセス状態の情報は「オブジェクト検出」のメインウィンドウに表示されたままです。
必要に応じて、「設定の変更」の「Ping」領域にある「タイムアウト」フィールドの情報を編集します。
このフィールドで、検出マネージャの ping 要求応答の待ち時間を秒単位で増やすことができます。デフォルトでは、検出マネージャがタイムアウトするまでの待ち時間は 1 秒です。
必要に応じて、「設定の変更」の「Ping」領域にある「リトライ」フィールドの情報を編集します。
このフィールドで、検出マネージャが ping 要求を管理オブジェクトに送信する回数を増やすことができます。デフォルトでは、検出マネージャが ping する回数は各オブジェクトにつき 1 回です。
必要に応じて、「設定の変更」の「SNMP」領域にある「タイムアウト」フィールドの情報を編集します。
このフィールドで、検出マネージャの SNMP 要求応答の待ち時間を秒単位で増やすことができます。デフォルトでは、検出マネージャがタイムアウトするまでの待ち時間は 3 秒です。
必要に応じて、「設定の変更」の「SNMP」領域にある「リトライ」フィールドの情報を編集します。
このフィールドで、検出マネージャが SNMP 要求を管理オブジェクトに送信する回数を増やすことができます。デフォルトでは、検出マネージャが SNMP を送信する回数は各オブジェクトにつき 1 回です。
必要に応じて、「設定の変更」の「SNMP」領域にある「コミュニティ文字列」フィールドの情報を編集します。
このフィールドで、SNMP コミュニティーのデフォルト値を変更することができます。デフォルト値 は、public です。この値を変更する場合は、1 つまたはパイプ文字 (|) で区切られた複数の文字列を追加します。
必要に応じて、「設定の変更」の「一般」領域にある「最大ホスト数」フィールドの値を編集します。
このフィールドでは、トポロジデータベースに追加可能なオブジェクト数を限定することができます。デフォルト値は 256 です。
必要に応じて、「設定の変更」の「一般」領域にある「最大検出時間」フィールドの値を編集します。
このフィールドで、検出プロセスの合計の実行時間を限定することができます。デフォルト値は 1000000 秒 (約 280 時間または 11 日強) です。
「了解」ボタンをクリックします。
設定変更が適応されて、「新しい検出要求」が閉じます。検出プロセスが起動します。
管理オブジェクトは、ホスト名、オペレーティングシステム、プラットフォームタイプによって、追加または除外するオブジェクトを選択することができます。フィルタリングでは、grep コマンドを使用して指定された値を検索します。
「新しい検出要求」ウィンドウの「フィルタ」タブをクリックします。
オブジェクト名に従って管理オブジェクトをフィルタリングするには、「ホスト名またはラベル」を選択します。
「ホスト名またはラベル」フィールドに文字列を入力します。
「追加」ボタンをクリックして、文字列をフィルタリング条件に追加します。
この文字列を持つ管理オブジェクトを含めるかどうか決定します。
この文字列を持つオブジェクトを含める場合は、「含む」ボタンをクリックします。
この文字列を持つオブジェクトを除外する場合は、「除外する」ボタンをクリックします。
名前フィルタを削除するには、右側のリストの文字列をクリックしてから「削除」ボタンをクリックします。
オブジェクトプラットフォームに従って管理オブジェクトをフィルタリングするには、「プラットフォームタイプ」を選択します。
プラットフォームには、ハードウェアオブジェクトと、ハードウェアとソフトウェアの論理グループを持つ複合オブジェクトの両方が含まれます。
左側の「プラットフォームタイプ」リストで、フィルタリングの基準となるプラットフォームタイプを選択します。
「追加」ボタンをクリックして、フィルタリング条件にプラットフォームタイプを追加します。
このプラットフォームの管理オブジェクトを含めるかどうか決定します。
このプラットフォームのオブジェクトを含める場合は、「含む」ボタンをクリックします。
このプラットフォームのオブジェクトを除外する場合は、「除外する」ボタンをクリックします。
プラットタイプフィルタを削除するには、右側のリストでプラットフォームタイプを選択してから「削除」ボタンをクリックします。
オペレーティング環境に従って管理オブジェクトをフィルタリングするには、「オペレーティングシステム」を選択します。
左側の「オペレーティングシステム」リストで、フィルタリングするオペレーティング環境を選択します。
「追加」ボタンをクリックして、フィルタリング条件にオペレーティング環境を追加します。
このオペレーティング環境の管理オブジェクトを含めるかどうかを決定します。
このオペレーティング環境のオブジェクトを含める場合は、「含む」ボタンをクリックします。
このオペレーティング環境のオブジェクトを除外する場合は、「除外する」ボタンをクリックします。
オペレーティング環境フィルタを削除するには、右側のリストでオペレーティング環境を選択してから「削除」ボタンをクリックします。
Sun Management Center のモジュールに従って管理オブジェクトをフィルタリングするには、「モジュール」を選択します。
左側の「モジュール」リストで、フィルタリングの基準となるモジュールを選択します。
「追加」ボタンをクリックして、フィルタリング条件にモジュールを追加します。
このモジュールの管理オブジェクトを含めるかどうか決定します。
このモジュールの管理オブジェクトを含める場合は、「含む」ボタンをクリックします。
このモジュールの管理オブジェクトを除外する場合は、「除外する」ボタンをクリックします。
モジュールフィルタを削除するには、右側のリストでモジュールを選択してから「削除」ボタンをクリックします。
「了解」ボタンをクリックします。
設定したフィルタが適応されて、「新しい検出要求」ウィンドウが閉じます。検出プロセスが起動します。
「新しい検出要求」ウィンドウの「スケジュール」タブをクリックします。
「新しい検出要求」を選択して、スケジュールを定義します。
要求を当日以外の日に実行するには、「開始日」フィールドに実行日を入力します。
「開始日」フィールドの情報を手動で編集するか、カレンダの日付をクリックします。
「開始時間」ポップアップメニューから時間と分を選択します。
時間は 24 時間表示です。例えば、16:30 は午後 4 時 30 分と同じです。
「繰り返し間隔」の隣のポップアップメニューで、要求の実行頻度を指定します。
「繰り返し間隔」を指定すると、ユーザ定義のスケジュールに従ってデータベースが自動的に更新されます。例えば、ネットワーク環境を頻繁に変更する場合、データベースを最新の状態に保つために検出要求を毎週実行することができます。
「新しい検出要求」ウィンドウを終了するには、「了解」ボタンをクリックします。
検出要求は、ユーザ定義のスケジュールに従って待ち行列に入れられます。
事前に定期的な検出要求を作成している場合は、この検出要求のパラメータを「検出要求の編集」ウィンドウで変更することができます。
メインコンソールウィンドウの「ツール」メニューから「オブジェクト検出」を指定します。
「オブジェクト検出」ウィンドウが表示されます。
変更したい検出要求名を選択します。
「変更」ボタンをクリックします。
「検出要求の編集」ウィンドウが表示されます。ウィンドウの最上部のバーに要求 ID が表示され、「要求名」フィールドに要求名が表示されます。
必要に応じて「検出」、「設定の変更」、「フィルタ」、「スケジュール」の各タブを選択して設定を変更します。
設定は、検出要求の定義時に作成または変更した設定と同じです。詳細については、以下を参照してください。
「検出要求の編集」ウィンドウを終了して変更に同意するには、「了解」ボタンをクリックします。
ダイアログボックスが現れて、変更した検出要求の実行方法をいくつか表示します。
検出要求を起動してすぐに実行する場合は、「はい」ボタンをクリックします。
検出要求をスケジュールしてすぐに実行しない場合は、「いいえ」ボタンをクリックします。
検出要求の実行を全て取り消す場合は、「取消し」ボタンをクリックします。
事前に検出要求を作成している場合は、「オブジェクト検出」ウィンドウでその要求を起動、中止、削除することができます。
メインコンソールウィンドウの「ツール」メニューから「オブジェクト検出」を指定します。
「オブジェクト検出」ウィンドウが表示されます。
起動、中止、または削除したい検出要求の名前を選択します。
「開始」、「停止」、「削除」のいずれかのボタンをクリックします。