コマンドのタイプと概念の概要は、CLI コマンドとパラメータの概要を参照してください。
以下では、CLI の基本コマンドについて説明します。
alias コマンドを使用して、頻繁に使用するコマンドや複雑なパラメータを持つコマンドのエイリアスを作成することができます。エイリアスには、既存の CLI コマンドと同じ名前は指定できません。また、エイリアスの定義に空白文字が含まれる場合は、二重引用符 ("、ASCII 文字 0x22) で囲まれます。次の例では、単純な alias コマンドの次に複雑な alias コマンドが指定されています。
> alias assign=set > alias alarms="getAlarms severity=dwn" |
引数を指定しないで呼び出すと、alias コマンドは定義されたエイリアスと値の一覧を印刷します。次の例は、引数を指定しないで alias コマンドを呼び出した場合の結果を示しています。
> alias assign - set alarms - getAlarms severity=dwn |
clear コマンドは、現在のセッションから全てのパラメータを削除します。このコマンドは unset コマンドと似ていますが、パラメータ名を引数として指定する必要はありません。
exit コマンドは、サーバとの接続を切断して CLI セッションを終了します。
exit コマンドと quit コマンドは同じです。
help コマンドは、CLI のコマンドとパラメータの情報を表示します。ヘルプ情報は、ビットマップを持たない端末画面で表示できます。help を引数なしに実行すると、使用可能な CLI コマンドとその概略 が、基本コマンドの次に拡張コマンドの順番で、アルファベット順に一覧表示されます。CLI コマンドを引数として help を呼び出すと、help はそのコマンド固有の情報を印刷します。以下は、getAlarms コマンドのヘルプ例です。
> help getAlarms getAlarms [a=host[,host]+] [alarm_filter_list] - エージェント (またはエージェントリスト) のアラーム情報をフィルタ条件セットに基づいて取得します。エージェントを指定しない場合、すべての (エージェントの) アラームが取得されます。すべてのフィルタ条件は「論理積」がとられて、その結果が提供されます。このフィルタ条件は以下で構成される alarm_filter_list を指定します。 domain=domain、 m=module[+instance]、 managed_object=managed_object、 property=property、 property_instance=property_instance、 qualifier=qualifier、 severity=[DIS,DWN,ERR,OFF,INF,IRR,WRN]、 state=[C,F,O]、 ack=[A,N] |
kill コマンドは、バックグラウンドで起動しているコマンドを全て終了します。
login コマンドは、Sun Management Center サーバへの接続を確立します。まず serverHost を指定し、必要に応じて serverPort パラメータを引数として指定します。ホストが指定されていないと、ホストのプロンプトが表示されます。login コマンドは、ユーザ名とパスワードのプロンプトも表示します。
logout コマンドは、Sun Management Center サーバとの接続を切断しますが、CLI セッションは終了しません。
more コマンドは、画面へのコマンド出力の形式を制御するために設定したパラメータの情報を表示します。定義済みパラメータの height と more についての詳細は、定義済みのパラメータとフラグを参照してください。
print コマンドは、最後の拡張コマンドの出力を、指定された出力形式で指定された出力先に送信します。デフォルトでは、print は、端末画面にプレーンテキスト形式で送信します。a パラメータまたは o パラメータを設定すると、出力はこれらのパラメータで指定されたファイルに送信されますが、画面には表示されません。
print コマンドは、コマンド履歴に保存されません。
quit コマンドは、サーバとの接続を切断して CLI セッションを終了します。
quit コマンドと exit コマンドは同じです。
reset コマンドは、コマンド行に指定された全てのパラメータ値を、CLI セッションの起動時に指定された値に復元します。ただし、セッション中に定義されたがコマンド行に指定されなかったパラメータは、そのまま変わりません。コマンド行に指定したパラメータの名前を引数として reset に使用すると、そのパラメータ値は初期値に復元されます。それ以外の場合、パラメータ値は変わりません。
reset コマンドは、コマンド履歴に保存されません。
set コマンドは、パラメータ値の指定や表示を行います。set コマンドで指定されたパラメータは、現在のセッションに対してグローバルになります。グローバルコマンドは、このセッションの全コマンドに使用することができます。また引数なしで set を実行すると、現在のセッション中に定義した全てのパラメータ値が表示されます。パラメータを引数として指定して set を実行すると、そのパラメータの値が表示されます。以下は、このコマンドで可能な 3 通りの記述例です。
> set height=10 > set height=10 > set height height=10 |
status コマンドは、バックグラウンドで稼動する全コマンドの状態を表示します。
unalias コマンドは、引数として指定されたエイリアスを削除します。
unset コマンドは、現在のセッションから指定されたパラメータを削除します。
unset コマンドは、コマンド履歴に保存されません。
以下の各節では、CLI で使用可能な各種拡張コマンドについて説明します。
インポートとエクスポートのコマンド行インタフェース (トポロジのインポートコマンドとエクスポートコマンドの説明)
管理モジュールには 7 つの拡張コマンドがあります。a、m、 f、columns の各パラメータの詳細は、定義済みのパラメータとフラグを参照してください。
1 つ以上のエージェントのモジュールを使用不可にします。disableModule コマンドが使用するパラメータは、a と m です。
1 つ以上のエージェントのモジュールを使用可能にします。enableModule コマンドが使用するパラメータは、a、f、m、columns です。
1 つ以上のエージェントで読み込まれたモジュールを取り込みます。getLoadedModules コマンドが使用するパラメータは、a、 f、columns です。
特定モジュールの情報を取り込みます。getModule コマンドが使用するパラメータは、a、f、 m、columns です。
単一エージェントのモジュール群を取り込みます。getModules コマンドが使用するパラメータは、a、f、columns です。
1 つ以上のエージェントの単一モジュールを読み込みます。loadModule コマンドが使用するパラメータは、a、f、 m、columnsです。
さらに loadModule コマンドでは、 moduleName (国際的に認知されたモジュール名)と、 moduleDesc (モジュールのテキスト説明) の 2 つのパラメータを使用することができます。
1 つ以上のエージェントの、1 つ以上のモジュールを読み込み解除します。unloadModule コマンドが使用するパラメータは、a、 f、m、columns です。
例えば agentHost 名が seattle のホストに読み込むモジュールを決定するには、CLI プロンプトで次のコマンドを入力します。
> getLoadedModules a=seattle |
kernel-reader モジュールをポート 1776 のホスト seattle に読み込むには、次のコマンドを入力します。
> loadModule a=seattle:1776 m=kernel-reader |
CLI には、オブジェクト属性と属性値を管理する 4 つの拡張コマンドが用意されています。
以下は、オブジェクト属性コマンドが使用するパラメータです。a、m、 f、columns の各パラメータの詳細は、定義済みのパラメータとフラグを参照してください。
mgtObj パラメータの値は、属性とプロパティが設定または取り出された管理オブジェクトの名前です。
property パラメータの値は、属性と値が設定または取り出されたプロパティの名前です。
propInst パラメータの値は、属性と値が設定または取り出されたプロパティのインスタンス名です。
rowValues パラメータの値は、名前と値のペアをコンマ区切りで併記します。名前は行の列名、値は列の値です。
attributes パラメータの値は、属性と値が設定または取り出されたプロパティに含まれる属性名をコンマ区切りで併記します。このパラメータを setAttributes コマンドで使用する場合、attributes パラメータの各属性名は該当する values パラメータの値でなければなりません。
values パラメータの値は、attributes パラメータで指定された属性の値をコンマ区切りで併記します。このパラメータを setAttributes コマンドで使用する場合は、各属性ごとに値を指定する必要があります。
以下は、オブジェクト属性と属性値を設定したり取り出すためのコマンドです。
addRow コマンドは、テーブルに行を追加します。使用可能なパラメータは、a、 m、mgtObj、property、 propInst、rowValues などです。
delRow コマンドは、テーブルから行を削除します。使用可能なパラメータは、a、 m、mgtObj、property、 propInst、rowValues などです。
getAttributes コマンドは、1 つ以上のエージェントから指定された属性を取り出します。使用可能なパラメータは、a、f、m、columns、mgtObj、property、propInst、attributes などです。
setAttributes コマンドは、1 つ以上のエージェントの指定された属性に値を割り当てます。使用可能なパラメータは、a、m、mgtObj、property、propInst、attributes、values などです。
attributes パラメータで指定した属性には、それぞれ該当する values パラメータの値が必要です。
次のコマンドは、ポート 1161 のホスト haiku に設定された agent-stats モジュールの totalstats 管理オブジェクトの size プロパティに対応する属性を全て取り出します。
> getAttributes a=haiku:1161 m=agent-stats mgtObj=totalstats \ property=size |
次のコマンドは、属性 alarmlimits.error-gt を、上記で指定された size プロパティの値 2 に対して設定します。
> setAttributes a=haiku:1161 m=agent-stats mgtObj=totalstats \ property=size attributes=alarmlimits.error-gt values=2 |
次のコマンドは、rowValues で指定された行を、mgtObj で指定された管理オブジェクトから削除します。
> delRow a=haiku:1161 \ m=filemon mgtObj=filemonstats/filemonTable/filemonEntry \ rowValues="name=test,desc=this,filename=/etc/passwd" |
CLI には、アラームを管理する拡張コマンドが 5 つ用意されています。
以下は、アラーム拡張コマンドが使用するパラメータです。a パラメータと m パラメータの詳細は、定義済みのパラメータとフラグを参照してください。
ack パラメータの値は、管理アラームが肯定応答されたかどうかを示す値をコンマ区切りで併記します。使用可能な値は、A (肯定応答) と N (無応答) です。
command パラメータの値は、実行されるアラーム処理です。
domain パラメータの値は、アラーム監視の対象となる Sun Management Center のドメイン名です。指定ドメインがない場合は、デフォルトドメインが使用されます。
managed_object パラメータの値は、アラーム監視の対象となる管理オブジェクト名です。
note パラメータの値は、起動されたコマンドのテキスト注釈です。
property パラメータの値は、アラーム監視の対象となるプロパティ名です。
property_instance パラメータの値は、アラーム監視の対象となるプロパティのインスタンス名です。
qualifier パラメータの値は、アラーム監視の対象となる管理プロパティに関連した修飾詞名です。
アラームレベル パラメータの値は、監視されたアラームの重大度をコンマ区切りで併記します。以下に、アラームレベル パラメータで使用可能な値を示します。
ERR — エラー
WRN — 警告
INF — 詳細
IRR — 不合理
DWN — 停止
DIS — 使用不可
OFF — オフ
state パラメータの値は、監視されたアラームの状態値をコンマ区切りで併記します。使用可能な状態パラメータは、O (開く) と C (閉じる) です。
以下は、アラーム値の確認やアラーム処理の設定を行うためのコマンドです。
ackAlarms コマンドは、1 つ以上のコマンドのアラームに肯定応答します。使用可能なパラメータは、a、ack、columns、domain、f、m、managed_object、note、 property、property_instance、qualifier、severity、state などです。
state パラメータ値の指定がないと、state はデフォルト値の O (開く) になります。
delAlarms コマンドは、1 つ以上のエージェントのアラームを削除します。使用可能なパラメータは、 a、ack、columns、domain、f、m、managed_object、 note、property、property_instance、qualifier、 severity、state などです。
state パラメータ値の指定がないと、state はデフォルト値の C (閉じる) になります。
getAlarms コマンドは、1 つ以上のエージェントのアラーム情報を取り出します。使用可能なパラメータは、a、ack、 columns、domain、f、m、managed_object、property, property_instance、qualifier、severity、state などです。
パラメータの指定がないと、getAlarms は全てのアラーム情報を返します。
runAlarmAction コマンドは、1 つ以上のエージェントで、手動のアラーム処理または表示されたアラーム処理を実行します。使用可能なパラメータは、a と domain です。
setAlarmAction コマンドは、単一または複数エージェントの既存アラームに対して、手動または遅延のアラーム処理を設定します。使用可能なパラメータは、 a、command、domain です。
次のコマンドは、ホスト haiku から、重大度 ERR または DWN のアラームを全て取り出します。
> getAlarms a=haiku severity=ERR,DWN |
CLI には、トポロジを管理する 9 つの拡張コマンドが用意されています。
以下に、トポロジの拡張コマンドが使用するパラメータを示します。a、columns、 f、t の各パラメータの詳細は、定義済みのパラメータとフラグ を参照してください。
agentPort パラメータの値は、エージェントポート番号です。agentPort の指定がないと、デフォルト値の 161 になります。agentPort パラメータは、url パラメータの指定がなくデフォルトポートも使用したくないときにだけ使用します。
arch パラメータの値は、トポロジオブジェクトのアーキテクチャです。
domain パラメータの値は、setCurrentDomain コマンドに必要な Sun Management Center のドメイン名です。
family パラメータの値は、トポロジオブジェクトのオブジェクトファミリです。
fullDesc パラメータの値は、作成するエンティティまたはグループのテキスト説明です。
isPolled パラメータの値は、true または false です。このパラメータ値が true の場合、エンティティは、ポーリングタイプ (pollType) に従って状態情報のポーリングを行います。
pollType パラメータの値は、エンティティのポーリングタイプです。以下に、pollType パラメータで使用可能な値を示します。
ahost – アクティブエージェントがインストールされ、動作しているホストを特定します。
amod – アクティブエージェントを持つモジュールを特定します。
aprox – SNMP プロキシモジュールを実行中のエージェントを特定します。
dummy – 監視されていないデバイスを特定します。
ping – ICMP ping コマンドを使用して監視するホストを特定します。
snmp — SNMP ping コマンドを使用して監視するホストを特定します。
readInfo パラメータの値は、ポーリングされた SNMP オブジェクトに対する SNMPv1 読み込みコミュニティの名前です。
targetHost パラメータ値は、ターゲットホスト名です。
targetIP パラメータの値は、ターゲットホストの IP アドレスです。
topoCfg パラメータの値は、管理エンティティのトポロジ表現に対する構成情報です。
topoType パラメータの値は、管理エンティティのトポロジ表現タイプです。
url パラメータの値は、ポーリングするエンティティの URL です。url パラメータの値は、次のような形式で指定できます。
ping://hostname snmp://hostname:port/oid/#.#.#.# snmp://hostname:port/[mod,sym]/path
writeInfo パラメータの値は、ポーリングされた SNMP オブジェクトに対する SNMPv1 書き込みコミュニティの名前です。
CLI には、トポロジを管理する 9 つの拡張コマンドが用意されています。
createEntity コマンドは、管理エンティティを生成します。管理エンティティのプロパティを指定するパラメータは、次のとおりです。agentPort、arch、family、fullDesc、isPolled、pollType、 readInfo、targetHost、targetIP、topoCfg、topoType、url、 columns、f、t。
url パラメータまたは agentPort パラメータが指定されていると、デフォルトポートの 161 は使用されません。
createGroup コマンドは、トポロジのドメインやグループを作成します。作成するエンティティがグループの場合、family パラメータと fullDesc パラメータでグループエンティティを指定します。さらに createGroup コマンドは、 columns、f、t の各パラメータも使用します。
作成するエンティティがドメインの場合、family パラメータと fullDesc パラメータは無視されます。
delTopoObjects コマンドは、管理トポロジ階層の管理トポロジオブジェクトを削除します。指定したトポロジオブジェクトの下位オブジェクトも全て削除されます。使用可能なパラメータは、columns、f、t です。
getAgentPort コマンドは、トポロジドメインの指定ホスト上で動作する Sun Management Center エージェントのポート番号を返します。エージェントが複数の場合は、ポート番号のリストを返します。使用可能なパラメータは、columns、f、t です。
t の指定があると、デフォルトドメインが使用されます。
getAllTopoObjects コマンドは、 arch、family、pollType の各パラメータで指定された条件を満たす管理トポロジ階層の管理オブジェクトを全て返します。getAllTopoObjects コマンドは、columns、f、tなどのパラメータも使用します。使用可能なパラメータは、columns、f、t です。
getCurrentDomain コマンドは、現在のドメイン名を返します。
getDomains コマンドは、全ての管理ドメインを返します。
getTopoObject コマンドは、t パラメータで指定されたトポロジオブジェクトの下位にあり、arch、family、pollType の各パラメータで指定された条件を満たす管理トポロジオブジェクトを全て返します。getTopoObject コマンドは、 columns パラメータと f パラメータも使用します。
setCurrentDomain コマンドは、ホームドメインを domain パラメータで指定された値に設定します。
CLI からトポロジ情報をエクスポートおよびインポートする方法については、インポートとエクスポートのコマンド行インタフェースを参照してください。
次のコマンドは、menlo_park ドメインのグループ ビル 12 の sun4u ファミリ上に設定され、SunOS 5.7 ソフトウェアを実行する Sun Management Center のエージェントホストを全て返します。
> getTopoObject t=/menlo_park/building12 pollType=ahost \ arch="SunOS 5.7" family=sun4u |
次のコマンドは、既存ドメイン headquarters_test の下に ビル 19 という名前のグループを作成します。
> createGroup t=/headquarters_test/building19 \ fullDesc="test headquarters domain" family=building-location |
次のコマンドは、ドメイン test_domain のグループ ビル 12 に myHost という名前の管理エンティティを作成します。トポロジオブジェクトは、ポート 1161 で動作するエージェントを持つ Sun Ultra-2 ホストです。
> createEntity t=/test_domain/building12/myHost \ fullDesc="my test host" family=ultra-2 topoType="" \ topoCfg="" isPolled=false pollType=ahost readInfo="" \ writeInfo="" targetHost=osftserv targetIp="" agentPort=1161 |