Sun Management Center 3.5 Service Availability Manager ユーザーガイド

第 1 章 Service Availability Manager の概要

この章の内容は次のとおりです。

Service Availability Manager の概要

Service Availability Manager は、Sun Management Center 3.5 ソフトウェアのアドオンであり、インターネットサービスの可用性を監視できるようにします。ローカルまたはリモートで実行されているサービスを監視することができます。Service Availability Manager を使用することで、次に示すインターネットサービスの可用性を測定し監視できます。

Service Availability Manager は、Sun Management Center のエージェントモジュールを使用して、サービスの可用性を測定し監視します。異なるサービスをローカルまたはリモートで監視するには、エージェントモジュールをロードする必要があります。サービスをローカルで監視するには、サービス要素モジュールを使用します。サービスをリモートで監視するには、合成トランザクションモジュールを使用します。モジュールはロードされると、サービスの状態を表示します。

モジュールは、要求のパラメータに従って、サービス要求を定期的に送信し、要求の応答時間を測定します。また、さまざまなサービスを監視する Sun Management Center のモジュールセットをグループ化し、それらの状態の高度な要約を表示することもできます。サービスを監視するモジュールの論理グループは、サービスオブジェクトと呼ばれる複合オブジェクトで表されます。GUI (グラフィカルユーザインターフェース) のサービスマネージャには、サービスの状態の要約が高いレベルで表示されます。この GUI は、Sun Management Center 3.5 の Java™ アプリケーションコンソールから起動できます。

Service Availability Manager を使用する前に、いくつかの作業を実行する必要があります。ここでは、作業の概要について説明します。詳細な手順については、以降の章で説明します。実行する必要がある作業の概要は以下のとおりです。

  1. Sun Management Center 3.5 サーバ層と、サービスの監視を行うすべてのエージェント層にアドオンソフトウェアをインストールします。

  2. セットアップスクリプトまたはウィザードを使用して、エージェント層およびサーバ層にソフトウェアをセットアップします。

  3. ローカルでサービスを監視するには、サービスを実行している各ホストに サービス要素モジュールをロードします。

  4. リモートで実行されているサービスを監視するには、ホストに 合成トランザクションをロードします。

サービス要素および 合成トランザクションモジュールにより、サービスを監視できるようになります。ホストの詳細ビューにモジュールによって収集された情報が表示されます。

これらの作業を完了した後、Service Availability Manager を使ってサービスの可用性の状態を表示できます。利用可能なサービスの概要とその状態を見るには、次の作業を行う必要があります。

  1. ホストにサービスオブジェクトを作成します。これは、Sun Management Center 3.5 の検出機能または Create Object ユーティリティーのいずれかを使用して行えます。

  2. 作成したサービスオブジェクトを右クリックします。表示されたメニューから、次のいずれか 1 つを選択します。

合成トランザクションモジュール

Service Availability Manager は、合成トランザクションモジュールを使用して、サービスをリモートで監視します。synthetic (ダミー) transactions は、サービスの使用をシミュレーションします。合成トランザクションは、DNS 解決時間、合計トランザクション時間、あるいは接続時間などの性能統計を測定するのに使用できます。Service Availability Manager には、10 種類の合成トランザクションモジュールが含まれています。詳細については、合成トランザクションモジュールの概要を参照してください。

サービス要素モジュール

ローカルシステム上のサービスを監視するために、Service Availability Manager は サービス要素モジュールを使用します。サービス要素モジュールは指定された構成パラメータに従って定期的に要求を送信します。 このようにして、サービスの可用性と応答時間の両方を判断できます。Service Availability Manager には 10 種類のサービス要素モジュールがあります。詳細については、サービス要素モジュールの概要を参照してください。次の図に、DNS サービス要素モジュールの例を示します。

図 1–1 DNS サービス要素モジュール

DNS サービス要素モジュールのダイアログボックス。図内のテキストで図の内容が理解できます。

サービスオブジェクト

サービスオブジェクトは、サービス要素モジュールと 合成トランザクションモジュールを含む複合オブジェクトです。 サービスオブジェクトをカスタマイズするときは、「サービスオブジェクトの変更」ダイアログボックスを使用して、希望するモジュールセットを選択します。詳細については、第 5 章「Service Availability Manager GUI」を参照してください。

サービスマネージャ GUI

サービスマネージャ GUI は、サービスオブジェクトに含まれているすべてのサービスの可用性を単一ビューに表示します。GUI は、Sun Management Center 3.5 Java コンソールのみにリンクします。

サービスマネージャは、ローカルおよびリモートで実行されている異なるサービスの可用性を表示します。表内のデータは動的に更新されて、サービスのリアルタイムな状態を反映します。詳細については、第 5 章「Service Availability Manager GUI」を参照してください。

構成の例

次の図は、ネットワーク上で Service Availability Manager をどのように使用できるかを示しています。

図 1–2 Service Availability Manager の構成例

この図は構成例を示す。図内のテキストで図の内容が理解できます。

この例では、単一の Sun Management Center サーバと 3 つのエージェントが示されています。

この構成の場合、ホスト A のシステム管理者はローカルで実行されている Web サーバを監視できます。このシステム管理者は、さらに、ホスト A の Web サーバの状態および性能を、ホスト B および C からリモートで確認することができます。ホスト B および C にロードされた HTTP 合成トランザクションモジュールにより、リモート監視が可能になります。

ホスト D では、Web サーバが起動していますが、エージェントはインストールされていません。したがって、システム管理者はローカルでサービスを監視できません。ただし、このサービスはホスト C からリモート監視することができます。ホスト C にロードされている HTTP 合成トランザクションモジュールにより、ホスト D の Web サーバのリモート監視が可能になります。