Solstice PPP 3.0.1 管理者ガイド

拡張 IP ルーティング構成

図 5-7 は、1 個のリモートホストを 1 個の同期 PPP リンクによってローカルエリアネットワーク (LAN) に接続する例を示します。この構成では、リモートホストがネットワークに直結しているように見えます。

図 5-7 仮想 LAN 接続を作成する拡張 IP ルーティング

Graphic

この構成を作成するにはいくつかの方法があります。最も単純な方法の 1 つに、ルーター上に arp(1M) コマンドで ARP エントリを作成し、ルーターに ARP プロキシとして動作させ、リモートホストに代わって ARP 要求に応答させる方法があります。PPP リンクに関連付けられている IP インタフェースが up である場合は、ARP プロキシは IP データグラムを自動的にリモートホストに渡します。

この構成を実現するには、以下のようにリモートホストのホスト名 (または IP アドレス) と ARP プロキシの Ethernet アドレスを arp(1M) コマンドによって指定します。


prompt# arp -s hostname ether pub

変更内容は保存されないので、ルーターをリブートするたびに arp(1M) コマンドを実行する必要があります。ルーターをリモートホストに代わって ARP プロキシとして確実に応答させるには、以下の内容を持つファイル /etc/rc2.d/S99arp を作成します。


#!/bin/sh
#
 
mode=$1
case "$mode" in
'start')
       if [ -f /etc/arp.cf ]; then
                echo "Setting proxy arp entries."
                 /usr/sbin/arp -f /etc/arp.cf
                 ndd -set /dev/ip ip_forwarding 1
       fi
 
       exit 0
       ;;
'stop')
       exit 0
        ;;
esac

/etc/arp.cf ファイルを作成して、リモートホストのホスト名 (または IP アドレス) とルーターの Ethernet アドレスを以下のように定義します。


hostname ether pub

ルーターをリブートするたびにファイル /etc/arp.cf の内容が読み取られ、リモートホストの ARP プロキシとしてルーターが自動的に構成されます。ファイル /etc/arp.cf にエントリを追加すれば、複数のホストの ARP プロキシとしてルーターを構成することができます。