Solstice PPP 3.0.1 管理者ガイド

ステータスメッセージとエラーメッセージ

この節では、ログファイル /var/opt/SUNWconn/ppp.log に記録されるステータスメッセージとエラーメッセージを記載します。


注 -

ログファイルは非常に大きくなる可能性があるので、定期的に整理してください。


ppp.log に記録されているメッセージを表示するには、以下のように入力します。


prompt% tail -f /var/opt/SUNWconn/ppp.log

ステータスメッセージ

以下のステータスメッセージは PPP リンクにおいて成功した IP 接続の進行状況を追跡するメッセージで、通常のリンク動作中に表示されます。構成エラーの結果、発生する問題を示す場合もあります。

add_default_route:default route not allowed on ipd device

キーワード default_route をポイントツーマルチポイント (ipdn) IP インタフェースに関連付けられているパス定義に使用することはできません。

Check that the connect script is correct, or PPP may not be started on the remote host

リンクマネージャーがリモートホストとの PPP リンクを確立できなかったことを示します。PPP がリモートホストに実装されていないか、または接続スクリプトに定義されているログインダイアログにエラーがあることが考えられます。正しいログイン識別子とパスワードがスクリプトに定義されており、かつ該当するユーザーアカウントがリモートホスト上に存在していることを確認してください。リモートホストが Solaris を実装していない場合は、ログインダイアログ内の他の要素を変更する必要がある可能性があります。詳しい手順については、「CHAT (接続) スクリプトの編集」を参照してください。

Connection closed on ip_interface

ローカルホストまたはリモートホストが切断を要求した後、指定のインタフェース (ipdn または ipdptpn) の IP 接続が正常に終了したことを示します。

Connection requested to remote_host

指定のリモートホストとの IP 接続の要求をリンクマネージャーが受信したことを示します。ファイル link.conf にリモートホストが定義されている必要があります。

Device unix_device has been disconnected

リンクのいずれかのエンドポイントが切断を要求した後、モデム接続が正常に切断されたことを示します。

Dialing number phone_number ...

リモートホストとの物理接続を確立するため、指定の番号をモデムがダイヤルしていることを示します。

Dialup_path login_id already used for another connection

同じログイン識別子を持つ 2 個のリモートホストが同時に接続を行なったことを示します。1 度に処理できる接続は 1 個だけです。

Dialup_path not defined for outgoing call

接続の開始の試行に使用されているダイヤルアップパス定義に関連付けられているリモートホストが存在しないことを示します。ファイル ppp.conf のダイヤルアップパス定義を変更してリモートホストを追加し、必要に応じてファイル link.conf に対応するリモートホスト定義を追加します。

Disconnect indication on ip_interface

リンクのいずれかのエンドポイントが要求した PPP の終了を示します。たとえば、通常は、非活動タイムアウト時間が経過した結果の正常な切断を意味します。

Got modem connection

モデムが発信を正常終了し、物理接続が確立されたことを示します。

Host [remote_host] not found in the host list

ファイル link.conf に定義されていないリモートホストとの接続を、リンクマネージャーが確立しようとしていることを示します。ダイヤルアップパス定義の remote_host キーワードが、有効なリモートホスト定義を指していることを確認してください。

Host remote_host is not available

何らかの理由でリモートホストにアクセスできないことを示します。リモートデバイスがビジー状態であることが考えられます。

IP up on interface ip_interface, with timeout set to timeout

指定のインタフェース (ipdn または ipdptpn) について IP 接続が正常に確立されたことを示します。timeout 秒間の非活動状態の後、またはリモートホストで設定されている非活動タイムアウト値が timeout より小さい場合には、timeout 秒が経過する前に、IP 接続が自動的に切断されます。

IP up on ip_interface

指定の IP インタフェース (ipdn または ipdptpn) の IP 層が構成および起動されていることを示します。IP 接続が正常に完了しており、タイムアウトがゼロに設定されています。Solstice PPP の停止または pppdisc(1M) の実行によって明示的に切断されないかぎり、IP 接続はオープン状態のままとなります。

IP_NCP down on ip_interface

指定のインタフェース (ipdn または ipdptpn) の IP ネットワーク制御プロトコル (NCP) 層が停止されたことを示します。いずれかのホストが切断の終了を要求したことが考えられます。

IP_NCP up on ip_interface

指定の IP インタフェース (ipdn または ipdptpn) の IP ネットワーク制御プロトコル (NCP) 層が構成および起動されたことを示します。この PPP リンクネゴシエーションフェーズの詳細については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。

Interface ip_interface has timed out

いずれかのリンクの終端における非活動タイムアウト後、指定の IP インタフェース (ipdn または ipdptpn) が自動的に切断されたことを示します。

Invalid empty name for chat script

このリモートホストの CHAT スクリプトが、ファイル link.conf に定義されていないことを示します。ローカルホストが接続対象とするリモートホストそれぞれについて、固有の CHAT スクリプトを作成する必要があります。詳しい手順については、「CHAT (接続) スクリプトの編集」を参照してください。

LCP down on ip_interface

指定の IP インタフェース (ipdn または ipdptpn) のリンク制御プロトコル (LCP) 層が停止されたことを示します。いずれかのホストが切断の終了を要求したことが考えられます。

LCP up on ip_interface

指定の IP インタフェース (ipdn または ipdptpn) のリンク制御プロトコル (LCP) 層が構成され、起動されたことを示します。この PPP リンクネゴシエーションフェーズの詳細については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。

License manager has exited

ライセンスシステムに問題があることを示します。ライセンスデーモンが構成および実行されていることを確認してください。

Link manager (pid) has started date

PPP リンクマネージャーが構成され、正常に起動されたことを示します。

No device available for ip_interface

利用できるモデムがないことを示します。通常は、モデム数を超える IP 接続が要求されたときに発生する一時的な状況です。

PPP error on ip_interface: reason

リンク確立フェーズまたは同位認証フェーズで、エラーが発生したことを示します。エラーの原因がエラーメッセージの一部として示されます。詳しい診断を行うには、ppptrace(1M) を使用してください。

Received incoming call while dialing

ローカルホストがリモートホストからの接続要求を受信したときに、同じモデムで発信呼を開始しようとしていたことを示します。このメッセージは単なる通知メッセージで、ローカルホストは呼び出しを続行します。

Received a call on ip_interface

指定の IP インタフェース (ipdn または ipdptpn) に対する着信接続をローカルホストが受信したことを示します。

Remote host is busy

別の接続によってリモートモデムがすでに使用されているために、呼を完了できなかったことを示します。

Resetting the modem to server mode

プログラム pppsetmod(1M) によってモデムがサーバー (応答) モードで初期化されたため、モデムが着信接続を待機することを示します。このプログラムは、モデムデータベースファイル /etc/opt/SUNWconn/ppp/modems にある文字列 server を送信します。

Successful configuration

Solstice PPP 起動時に構成ファイル ppp.conflink.conf が正常に解析されたことを示します。

PPP has found a valid license

ライセンスデーモンが実行され、Solstice PPP にライセンストークンが与えられたことを示します。

PPP is waiting to get a license

ライセンスデーモンが実行されているが、その結果、全ライセンストークンが他のユーザーに割り当てられたことを示します。PPP は、トークンの解放を待機します。

Timeout expired

inactivity_timeout パラメータによって定義されている秒数 (デフォルトは 120 秒) の間、IP 接続が非活動状態を続けていることを示します。接続は、自動的に切断されます。

Unable to find the required expect_login_id login_id

正常な UNIX ログインが行われた後に PPP ログインサービスが着信接続を受信したが、リモートホストから送られたログイン識別子に一致する expect_login_id パラメータを持つダイヤルアップパス定義をリンクマネージャーがファイル ppp.conf で見つけられなかったことを示します。

Unable to get license, PPP exiting

何回か再試行しても、Solstice PPP がライセンスデーモンからライセンストークンを得られなかったことを示します。ライセンスデーモンが正しくインストールされ実行されていることを確認してください。ライセンスデーモンが Solstice PPP と同じマシン上で実行されていない場合は、デーモンにアクセスできるネットワーク接続が存在することを確認してください。

Unable to regain license, PPP closing down

Solstice PPP がライセンストークンを消失し、何回か再試行してもトークンを取り戻せなかったことを示します。ライセンスデーモンが実行されたままであることを確認してください。

Using dialup_path with expect_login_id login_id

正常な UNIX ログインが行われた後に PPP ログインサービスが着信接続を受信し、該当するダイヤルアップパス定義を、リンクマネージャーが確認したことを示します。

構成エラーメッセージ

PPP パス構成ファイル ppp.conf の解析時にエラーが検出されると、以下の構成エラーメッセージが表示されます。ファイルのエラーを修正し、Solstice PPP を再起動してください。

expect_chap_name "name" ends in CR/LF

指定の CHAP 名がキャリッジリターン (CR) または改行 (LF) のエスケープシーケンスで終了していることを示します。

expect_chap_name "name" ends in NUL

指定の CHAP 名が NULL 文字で終了していることを示します。

default_route: no path defined

指定の default_route キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義に関連付けられていないことを示します。

host IP address not found: hostname

指定のホスト名を解析プログラムが解釈処理できないため、対応する IP アドレスを見つけられなかったことを示します。同期パスの場合は、ローカルマシン上のファイル /etc/hosts においてホスト名を IP アドレスと関連付ける必要があります。非同期パスの場合は、ホスト名をファイル /etc/hosts に定義することも、他のネームシステムによって指定することもできます。

inactivity_timeout string not recognized

指定の文字列が inactivity_timeout パラメータの値として有効でないことを示します。整数を入力してください。

inactivity_timeout: no path defined

指定の inactivity_timeout キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義に関連付けられていないことを示します。

interface number n not recognized

指定の番号に対応する IP インタフェースが構成ファイルに定義されていないことを示します。

invalid ip_interface: string

指定の文字列が有効なポイントツーポイント (ipdptpn) IP インタフェースやポイントツーマルチポイント (ipdn) IP インタフェースに対応していないことを示します。

ip_interface: no path defined

指定の ip_interface キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義に関連付けられていないことを示します。

ipcp_compression value string not recognized

指定の文字列が ipcp_compression パラメータの値として有効でないことを示します。有効な値は、vj (使用可能) と off (使用不可) です。

ipcp_compression: no path defined

指定の inactivity_timeout キーワードが構成ファイルにあるが、ダイヤルアップパス定義と関連付けられていないことを示します。

ipd or ipdptp keyword expected

ip_interface キーワードがあるが、有効なポイントツーポイント (ipdptpn) IP インタフェースやポイントツーマルチポイント (ipdn) IP インタフェースが指定されていないことを示します。

lcp_async_map value string not recognized

指定の文字列が lcp_async_map パラメータの値として有効でないことを示します。0x0 から 0xffffffff までの 16 進値を入力してください。

lcp_async_map: no path defined

指定の lcp_async_map キーワードが構成ファイルにあるが、ダイヤルアップパス定義と関連付けられていないことを示します。

lcp_compression value string not recognized

指定の文字列が lcp_compression パラメータの値として有効でないことを示します。有効な値は、on (使用可能) と off (使用不可) です。

lcp_compression: no path defined

指定の lcp_compression キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義と関連付けられていないことを示します。

lcp_max_restart value string not recognized

指定の文字列が lcp_max_restart パラメータの値として有効でないことを示します。1 から 255 までの整数を入力してください。

lcp_max_restart: no path defined

指定の lcp_max_restart キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義と関連付けられていないことを示します。

lcp_mru value string not recognized

指定の文字列が lcp_mru パラメータの値として有効でないことを示します。1 から 255 までの整数を入力してください。

lcp_mru: no path defined

指定の lcp_mru キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義と関連付けられていないことを示します。

lcp_restart_timer value string not recognized

指定の文字列が lcp_restart_timer パラメータの値として有効でないことを示します。整数を入力してください。

lcp_restart_timer: no path defined

指定の lcp_restart_timer キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義と関連付けられていないことを示します。

link_monitor value string not recognized

指定の文字列が link_monitor パラメータの値として有効でないことを示します。有効な値は、on (使用可能) と off (使用不可) です。

link_monitor: no path defined

指定の link_monitor キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義と関連付けられていないことを示します。

link_monitor_retries value string not recognized

指定の文字列が link_monitor_retries パラメータの値として有効でないことを示します。整数を入力してください。

link_monitor_retries: no path defined

指定の link_monitor_retries キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義と関連付けられていないことを示します。

link_monitor_timer value string not recognized

指定の文字列が link_monitor_timer パラメータの値として有効でないことを示します。整数を入力してください。

link_monitor_timer: no path defined

指定の link_monitor_timer キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義と関連付けられていないことを示します。

malformed ip address: string

指定の文字列がインターネットドット表記による有効な IP アドレスでないことを示します。IP アドレスの形式は、xxx.xxx.xxx.xxx です。

must specify chap_own_secret

リモートホストからの要求に対し、send_authentication キーワードによって CHAP 認証が使用可能となっているが、必須 CHAP パラメータ chap_own_secret が設定されていないことを示します。

must specify chap_peer_secret

リモートホストからの要求に対し、send_authentication キーワードによって CHAP 認証が使用可能となっているが、必須 CHAP パラメータ chap_peer_secret が設定されていないことを示します。

must specify expect_chap_name

expect_authentication キーワードによって CHAP 認証がリモートホストに対して要求されているが、必須 CHAP パラメータ expect_chap_name が設定されていないことを示します。

must specify send_chap_name

send_authentication キーワードによって CHAP 認証がリモートホストに対して要求されているが、必須 CHAP パラメータ send_chap_name が設定されていないことを示します。

no paths defined in filename

PPP パス構成ファイル ppp.conf には、1 個以上の同期パス定義または非同期パス定義が存在している必要があります。詳しい手順については、「PPP パス構成ファイル (ppp.conf) の編集」を参照してください。

off, pap, or chap required: string

指定の文字列が expect_authentication パラメータの値として有効でないことを示します。有効な値は、off (認証なし)、pap (PAP による認証)、chap (CHAP による認証)、pap|chap (PAP と CHAP による認証) です。

ppp_link_name: no path defined

指定の ppp_link_name キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義と関連付けられていないことを示します。

remote_host too long: string

remote_host パラメータの値を格納できるだけのメモリがないことを示します。重大なシステムエラーが発生している可能性があります。

remote_host: no path defined

指定の remote_host キーワードが構成ファイルにあるが、ダイヤルアップパス定義に関連付けられていないことを示します。

remote_ip_addr: no path defined

指定の remote_ip_addr キーワードが構成ファイルにあるが、ダイヤルアップパス定義に関連付けられていないことを示します。

request_ip_addr value string not recognized

指定の文字列が request_ip_addr パラメータの値として有効でないことを示します。有効な値は、on (使用可能) と off (使用不可) です。

unix_device: no path defined

指定の unix_device キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義と関連付けられていないことを示します。

wildcards (* | ?) not legal for ipd

ワイルドカードを使用してポイントツーマルチポイント (ipdn) インタフェースを指定することはできません。特に、アスタリスク (*) を使用して動的 IP インタフェースを指定することはできません。

システムエラーメッセージ

システムエラーメッセージは、システムやソフトウェアにエラーが発生しているときに表示されるので、動作が正常であるときには出力されません。システムエラーメッセージの形式は、次のとおりです。


function_name: error_description failed

たとえば、以下のシステムエラーは、メモリの割り当てに問題があることを示します。


do_chap_name: malloc failed

システムエラーが発生した場合は、Solstice PPP をいったん停止してから再起動してください。何度もシステムエラーが再発するならば、ご購入先に連絡し、エラーメッセージの内容とエラーメッセージが出力された状況を説明してください。