この章では、Solstice PPP の運用時に発生する問題を検出し、解決する方法を説明します。PPP リンクの動作、PPP リンク上のフレームトラフィックを ppptrace と pppstat によって調べる方法、ファイル /var/opt/SUNWconn/ppp.log に記録されるエラーメッセージとステータスメッセージについて解説します。
Solstice PPP リンクで IP 接続を確立できない場合は、まず以下のことがらを確認してください。
同期デバイスまたはモデムと、ローカルマシン間の物理接続を確認します。モデムを使用している場合は、モデムの電源が投入され、正しく構成されていることを確認します。
以下のように入力して、ローカルマシン上に Solstice PPP が構成され動作していることを確認します。
prompt% ps -ef | grep ppp root pid timestamp 0:00 /usr/sbin/pppd -d 1 root pid timestamp 0:00 /usr/sbin/pppd -d 1 |
使用中のマシン上で動作している PPP リンクマネージャに関連するプロセスが、表示されます。
以下のように入力して、Solstice PPP における IP インタフェースが構成されていることを確認します。
prompt# ifconfig -a lo0: flags=849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST> mtu 8232 inet 127.0.0.1 netmask ff000000 le0: flags=863<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST> mtu 1500 inet 129.x.x.117 netmask ffffff00 broadcast 129.x.x.255 ether 8:0:20:10:c2:b1 ipdptp0: flags=8d0<POINTOPOINT,RUNNING,NOARP,MULTICAST> mtu 1500 inet 129.x.x.117 --> 129.x.x.253 netmask ffffff00 ether 0:0:0:0:0:0 ipdptp1: flags=28d1<UP,POINTOPOINT,RUNNING,NOARP,MULTICAST> inet 129.x.x.117 --> 129.x.x.38 netmask ffffff00 ether 0:0:0:0:0:0 |
この例では、ipdptp0 は構成されていますが起動されていません。ipdptp1 は、構成されており起動されています。
以下のように入力して、Solstice PPP ログファイル (/var/opt/SUNWconn/ppp.log) にエラーメッセージやステータスメッセージが存在するかどうかを確認します。
prompt# tail -f /var/opt/SUNWconn/ppp.log 05/31/95 22:52:48 - Link manager (17302) has started 05/31/95 05/31/95 22:52:48 - Successful configuration 05/31/95 22:54:49 - Solstice PPP 3.0 has found a valid license 05/31/95 22:55:02 - Connection requested to remote_host 05/31/95 22:55:03 - Dialing number 389 ... 05/31/95 22:55:21 - Got modem connection 05/31/95 22:56:02 - fail at line 12 in chat script chat_script |
この例では、外部への呼が発信されたけれども、リモートホストへのログインシーケンスが失敗しています。リモートホストへのログイン時に行う対話が定義されている、CHAT スクリプトの 12 行目で、エラーが発生しています。
この節では、Solstice PPP のインストール、構成、または運用を行うときに発生する可能性がある一般的な問題について説明します。
問題:
pkgadd(1M) を起動できない。
解決策:
pkgadd を実行するには、root としてログインするかまたはスーパーユーザーになる必要があります。
問題:
Solstice PPP のパッケージを見つけられない。
解決策:
ソースディレクトリを正しく入力したかどうかを確認します。ボリュームマネージャー (vold) が実装されているマシンの場合は、Solstice PPP パッケージは /cdrom/ppp_3.0 に格納されます。ボリュームマネージャー (vold) が実装されていないマシンの場合は、CD-ROM を手動でマウントする必要があります。詳しい手順については、『Solstice PPP 3.0.1 のインストール』を参照してください。
問題:
pppinit や pppsetmod によるモデムの構成を行うことができない。エラーメッセージ
"Warning: unable to set server mode on dialup_device pppdevn for modem_name" |
解決策:
ローカルマシンに接続されているモデムに、該当しないモデム構成が選択されています。モデムデータベースから別のモデムを選択するか、モデムのマニュアルに従って新しいモデム構成をデータベースに追加してください。詳細については、「モデムデータベースファイル (modems) の編集」を参照してください。
問題:
Solaris をアップグレードした後、Solstice PPP が動作を停止した。
解決策:
Solaris が作成するデフォルトファイル /etc/ttydefs は、Solstice PPP による変更内容の一部を上書きします。構成ファイル ppp.conf、ppp.link と CHAT スクリプトが消去されないように注意してください。Solstice PPP をインストールしなおして問題を修正します。
問題:
PPP リンクを確立できない。ステータスメッセージ
"PPP error on ip_interface: Maximum number of configure requests exceeded" |
解決策:
リンク確立フェーズを起動するため、PPP Configure-request フレームが生成されます。特定の数のフレーム (キーワード lcp_max_restart) が生成されても応答がない場合は、接続開始側はリモートホストへのアクセスが不可能であるとみなします。この原因は、以下のいずれかが考えられます。
ホスト間の物理接続に問題があります。リンクの両端でモデムを接続するケーブルを確認してください。
PPP がリモートホストで実行されていません。リンクの両端で PPP が構成され起動されていることを確認してください。
構成ネゴシエーションが収束しなかったため、リンク確立フェーズが終了していません。リンクの両端に構成問題が存在していないかどうかを確認してください。
衛星接続など遅延時間が長いネットワークや、輻輳した回線を使ってリンクを確立しようとした場合は、ネゴシエーションが完了する前に最大構成要求数を超えてしまう可能性があります。最大構成要求数 (lcp_max_restart) と再試行間隔 (lcp_restart_timer) の値を上げてください。詳細については、「非同期パス (dialup_path) の定義」を参照してください。
問題:
PPP リンクを確立できない。ステータスメッセージ "Authentication failed" が出力され、処理が失敗する。
解決策:
同位認証フェーズが失敗しました。両ホストに設定されている PAP と CHAP のパラメータが一貫していることを確認してください。一方のホストが PAP や CHAP による認証を要求したときに他方のホストが認証フェーズに関係しなかった場合は、リンクは切断します。
問題:
PPP リンクを確立できない。ステータスメッセージ "Loop back detected" が出力され、処理が失敗する。
解決策:
ローカルホストが出力する PPP フレームを、リモートホストが反映しています。PPP フレームに含まれるマジックナンバーがループバック状態の存在を示します。この原因は、以下のいずれかが考えられます。
ホスト間の物理接続に問題があります。リンクの両端でモデムを接続しているケーブルを確認してください。
UNIX ログインシーケンスが正常終了していません。正しいログイン識別子とパスワードが CHAT スクリプトに定義されており、該当するユーザーアカウントがリモートホスト上に存在することを確認してください。CHAT スクリプトに定義されているログインダイアログが正しいことを確認してください。リモートホストが Solaris 環境を実装していない場合は、pppinit(1M) によって作成されるテンプレートファイルの中のログインシーケンスを変更する必要があることもあります。
リモートホストの応答が遅かったため、ネゴシエーションが完了する前に最大構成要求数が超過されました。最大構成要求数 (lcp_max_restart) と再試行間隔 (lcp_restart_timer) の値を上げてください。詳細については、「非同期パス (dialup_path) の定義」を参照してください。
問題:
予期しないときにモデムが発信を行う。また、マシンをリブートしたときもモデムが発信を行う。
解決策:
非同期 PPP リンクの IP インタフェースは、デフォルト時に up のマークが付いています。したがって、IP 層によって IP データグラムがインタフェースに渡されると、PPP リンクマネージャーが PPP リンクを自動的に開始します。
アプリケーションやプロセスには、場合によって要求を送信するものがあります。たとえば、ライセンスデーモンを検索しているときや、マシンがリブートされたときなどに送信します。PPP リンクマネージャーは、このブロードキャストに応答しリモートホストに対して発信しようとします。
この動作を防止するには、関連する IP インタフェースに down のマークを付け、必要に応じて pppconn(1M) を使用して接続を開始します。詳細については、「PPP リンクの確立」を参照してください。
問題:
ローカルエリアネットワーク (LAN) への接続に使用する同期 PPP リンク上で IP データグラムが正しく配信されない。
解決策:
この構成では、PPP リンクの終端に存在する 2 つのホストが IP ルーターとして動作します。各ホスト上にファイル /etc/gateways が存在することを確認してください。
問題:
エラーメッセージ "PPP error on ipdptp1: Negotiation of mandatory options failed" が出力され、LCP ネゴシエーションが失敗する。
解決策:
接続の開始に使用する IP インタフェースと、接続の受信に使用するダイヤルアップパスに関連付けられている IP インタフェースが、一貫した IP アドレスを持っていることを確認してください。一方のホスト上の発信元アドレスは、他方のホスト上の宛先アドレスと一致している必要があります。
問題:
リモートホストに対して rsh(1) や rlogin(1) による接続を行うことができない。メッセージ "Permission denied" が出力され、処理が失敗する。
解決策:
リモートホスト上のファイル /etc/.rhosts と /etc/hosts.equiv のローカルホストのホスト名または IP アドレスを確認してください。これらのファイルの中の + 記号は、全ホストに対してアクセスを許可することを意味します。
同期リンクに使用するシリアルデバイスのテストのための標準ユーティリティは、4 種類あります。これらのユーティリティは、Solaris 環境の一部として提供される場合と、高速シリアルインタフェース (hsi) のドライバとともに提供される場合があります。
syncloop(1M) と syncstat(1M)
オンボードシリアルインタフェース (zsh0、zsh1) をテストします。
hsi_loop(1M) と hsi_stat(1M)
高速シリアルインタフェース (hihn) をテストします。
使用中のインタフェースに対して syncloop や hsi_loop を実行しないでください。テスト中のインタフェースはループバックモードにあるため、リモートホストと交信することができません。
syncloop と hsi_loop に関連付けられているテストオプションとして、以下の 4 種類があります。表 6-1 は、これらのテストオプションに必要な装置を示します。
表 6-1 syncloop と hsi_loop のテストオプション装置
テストオプション |
装置 |
---|---|
オプション 1 |
なし |
オプション 2 |
ループバックプラグ |
オプション 3 |
モデム |
オプション 4 |
直前の設定 |
ppptrace コマンドは、ネットワークを通して送受信される PPP フレームを追跡します。この情報は、PPP リンクの障害を検出する基本ツールです。
各種の PPP フレームとその意味については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。
ppptrace コマンドの形式は、次のとおりです。
prompt# ppptrace [-x] [ppp_link_name] |
ppptrace の出力を解釈するには、ポイントツーポイントプロトコルの動作と各種 PPP フレームのフォーマットを理解している必要があります。詳細については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。
ppptrace コマンドを引数なしで実行すると、アクティブな PPP リンクすべてのトレースが表示されます。IP インタフェースを指定したり、ファイル ppp.conf に ppp_link_name パラメータを使って割り当てたリンク名を指定して、トレース対象を限定することができます。
IP インタフェース ipdptp0 に関連付けられているリンクのトレースを表示するには、以下のように入力します。
prompt# ppptrace ipdptp0 |
リンク名 ppplink0 に関連付けられているリンクのトレースを表示するには、以下のように入力します。
prompt# ppptrace ppplink0 |
ppptrace の基本出力は、以下の要素で構成されます。
timestamp: link_id type: description [id: xx] [length: yyyy] |
timestamp
トレースが記録された時間
link_id
トレースの記録対象とするリンクを指定します。この値は、IP インタフェース名 (ipdptpn または ipdn) またはファイル ppp.conf に ppp_link_name パラメータを使って割り当てられているリンク名です。
type
フレームのソースを指定します。ローカルホストが送信することを示す sent (発信)、またはリモートホストが受信することを示す received (着信) を指定します。
description
PPP フレームの種類を指定します。詳細については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。
id: xx
関連する要求と応答の照合に使用する識別子が入った PPP フレームの識別子フィールドの内容。詳細については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。
length: yyyy
情報フィールドのサイズが入った、PPP フレームの長さフィールドの内容。長さは、最大受信ユニット (MRU) 未満である必要があります。詳細については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。
以下のトレース例は、ローカルホストが送信する LCP Configure-request パケットを示します。基本トレースの後には、マジックナンバーを含むフレームの詳細が続きます。このフレームは、フレームの初期ソースを識別し、ループバック状態を検出するのに使用されます。詳細については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。
18:10:32: ipdptp0 Send: LCP Packet Config Request [id: 15] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: 4e0d20fb Protocol Field Compression Address and Control Field Compression |
-x オプションを付けて ppptrace コマンドを実行すると、PPP フレームの内容がダンプされ 16 進コードが表示されます。
PPP フレームの内容をダンプするには、以下のように入力します。
prompt# ppptrace -x 18:38:37: ipdptp0 Send: Internet Protocol Packet 21 45 00 00 54 86 e1 40 00 ff 01 58 9d 81 9d cc "!E..T..@...X...." 3d 81 9d cc b1 08 00 f9 4c 02 51 00 00 2f ba 26 "=.......L.Q../.&" 8d 00 01 bb 16 08 09 0a 0b 0c 0d 0e 0f 10 11 12 "................" 13 14 15 16 17 18 19 1a 1b 1c 1d 1e 1f 20 21 22 "..............!"" 23 24 25 26 27 28 29 2a 2b 2c 2d 2e 2f 30 31 32 "#$%&'()*+,-./012" 33 34 35 36 37 "34567 " |
この例のパケットの先頭にある 21 は、IP パケットを示しています。
以下の例は、ppptrace を使用して PPP リンクの問題を検出する方法です。
以下のトレース例では、LCP パケットと IP NCP パケットを交換した結果、両ホスト間に PPP リンクが正常に確立されています。
18:10:32: ipdptp0 Send: LCP Packet Config Request [id: 15] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: 4e0d20fb Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 18:10:32: ipdptp0 Recv: LCP Packet Config Request [id: 15] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: 4e0d20fb Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 18:10:32: ipdptp0 Recv: LCP Packet Config Request [id: 1c] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: 17d1cf32 Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 18:10:32: ipdptp0 Send: LCP Packet Config Request [id: 16] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: 4e0d20fb Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 18:10:32: ipdptp0 Send: LCP Packet Config Ack [id: 1c] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: 17d1cf32 Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 18:10:33: ipdptp0 Recv: LCP Packet Config Request [id: 1d] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: 17d1cf32 Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 18:10:33: ipdptp0 Send: LCP Packet Config Ack [id: 1d] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: 17d1cf32 Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 18:10:33: ipdptp0 Recv: LCP Packet Config Ack [id: 16] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: 4e0d20fb Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 18:10:33: ipdptp0 Send: NCP Packet Internet Protocol Config Request [id: 17] [length: 0010] IP Compression Protocol Van Jacobson IP Address: 129.157.204.61 18:10:33: ipdptp0 Recv: NCP Packet Internet Protocol Config Request [id: 1e] [length: 0010] IP Compression Protocol Van Jacobson IP Address: 129.157.204.177 18:10:33: ipdptp0 Send: NCP Packet Internet Protocol Config Ack [id: 1e] [length: 0010] IP Compression Protocol Van Jacobson IP Address: 129.157.204.177 18:10:33: ipdptp0 Recv: NCP Packet Internet Protocol Config Ack [id: 17] [length: 0010] IP Compression Protocol Van Jacobson IP Address: 129.157.204.61 |
以下のトレース例は、CHAP をサポートするように構成されていない同位者に対して、発信者が CHAP 認証を要求したときに発信側で発生するイベントを示します。
11:17:41: ipdptp0 Send: LCP Packet Config Request [id: 55] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: ae36559a Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 11:17:42: ipdptp0 Recv: LCP Packet Config Request [id: 55] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: ae36559a Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 11:17:42: ipdptp0 Recv: LCP Packet Config Request [id: 0e] [length: 0017] Maximun Receive unit: 1500 Authentication protocol: CHAP using MD5 algorithm Magic Number: 3ca14856 Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 11:17:42: ipdptp0 Send: LCP Packet Config Reject [id: 0e] [length: 0009] Authentication protocol: CHAP using MD5 algorithm 11:17:42: ipdptp0 Recv: LCP Packet Terminate Request [id: 0f] [length: 0004] 11:17:42: ipdptp0 Send: LCP Packet Terminate Ack [id: 0f] [length: 0004] 11:17:45: ipdptp0 Send: LCP Packet Config Request [id: 56] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: ae36559a Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 11:17:48: ipdptp0 Send: LCP Packet Config Request [id: 57] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: ae36559a Protocol Field Compression Address and Control Field Compression . . . 11:18:09: ipdptp0 Send: LCP Packet Config Request [id: 5f] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: ae36559a Protocol Field Compression Address and Control Field Compression |
以下のトレース例は、上記のイベントに対して応答側で発生するイベントを示します。
18:28:21: ipdptp0 Send: LCP Packet Config Request [id: 20] [length: 0017] Maximun Receive unit: 1500 Authentication protocol: CHAP using MD5 algorithm Magic Number: f16105df Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 18:28:21: ipdptp0 Recv: LCP Packet Config Reject [id: 20] [length: 0009] Authentication protocol: CHAP using MD5 algorithm 18:28:21: ipdptp0 Send: LCP Packet Terminate Request [id: 21] [length: 0004] 18:28:21: ipdptp0 Recv: LCP Packet Terminate Ack [id: 21] [length: 0004] |
以下のトレース例は、CHAP 認証のネゴシエーションが成功したときに、発信側で発生するイベントを示します。
13:49:58: ipdptp0 Send: LCP Packet Config Request [id: 62] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: 7bc9c0bb Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 13:49:59: ipdptp0 Recv: LCP Packet Config Request [id: 62] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: 7bc9c0bb Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 13:49:59: ipdptp0 Recv: LCP Packet Config Request [id: 1b] [length: 0016] Maximun Receive unit: 1500 Authentication protocol: PAP Magic Number: 406bdebf Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 13:49:59: ipdptp0 Send: LCP Packet Config Request [id: 63] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: 7bc9c0bb Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 13:49:59: ipdptp0 Send: LCP Packet Config Ack [id: 1b] [length: 0016] Maximun Receive unit: 1500 Authentication protocol: PAP Magic Number: 406bdebf Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 13:49:59: ipdptp0 Recv: LCP Packet Config Request [id: 1c] [length: 0016] Maximun Receive unit: 1500 Authentication protocol: PAP Magic Number: 406bdebf Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 13:49:59: ipdptp0 Send: LCP Packet Config Ack [id: 1c] [length: 0016] Maximun Receive unit: 1500 Authentication protocol: PAP Magic Number: 406bdebf Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 13:49:59: ipdptp0 Recv: LCP Packet Config Ack [id: 63] [length: 0012] Maximun Receive unit: 1500 Magic Number: 7bc9c0bb Protocol Field Compression Address and Control Field Compression 13:49:59: ipdptp0 Send: PAP Packet Authenticate Request [id: 01] [length: 0010] Peer ID: 4e 41 4d 45 (NAME) Password: 50 41 53 53 57 44 (PASSWD) 13:49:59: ipdptp0 Recv: PAP Packet Authenticate Ack [id: 01] [length: 0005] No message 13:49:59: ipdptp0 Send: NCP Packet Internet Protocol Config Request [id: 64] [length: 0010] IP Compression Protocol Van Jacobson IP Address: 129.157.204.61 13:49:59: ipdptp0 Recv: NCP Packet Internet Protocol Config Request [id: 1d] [length: 0010] IP Compression Protocol Van Jacobson IP Address: 129.157.204.177 13:49:59: ipdptp0 Send: NCP Packet Internet Protocol Config Ack [id: 1d] [length: 0010] IP Compression Protocol Van Jacobson IP Address: 129.157.204.177 13:49:59: ipdptp0 Recv: NCP Packet Internet Protocol Config Ack [id: 64] [length: 0010] IP Compression Protocol Van Jacobson IP Address: 129.157.204.61 |
以下のトレース例は、確立された PPP リンクにおける ping(1M) コマンドの正常実行時に交換される PPP フレームのダンプを示します。
18:38:37: ipdptp0 Send: Internet Protocol Packet 21 45 00 00 54 86 e1 40 00 ff 01 58 9d 81 9d cc "!E..T..@...X...." 3d 81 9d cc b1 08 00 f9 4c 02 51 00 00 2f ba 26 "=.......L.Q../.&" 8d 00 01 bb 16 08 09 0a 0b 0c 0d 0e 0f 10 11 12 "................" 13 14 15 16 17 18 19 1a 1b 1c 1d 1e 1f 20 21 22 "..............!"" 23 24 25 26 27 28 29 2a 2b 2c 2d 2e 2f 30 31 32 "#$%&'()*+,-./012" 33 34 35 36 37 "34567 " 18:38:37: ipdptp0 Recv: Internet Protocol Packet ff 03 00 21 45 00 00 54 ec 77 40 00 ff 01 f3 06 "...!E..T.w@....." 81 9d cc b1 81 9d cc 3d 00 00 01 4d 02 51 00 00 ".......=...M.Q.." 2f ba 26 8d 00 01 bb 16 08 09 0a 0b 0c 0d 0e 0f "/.&............." 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 1a 1b 1c 1d 1e 1f "................" 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 2a 2b 2c 2d 2e 2f ".!"#$%&'()*+,-./" 30 31 32 33 34 35 36 37 "01234567 " 18:38:38: ipdptp0 Send: Internet Protocol Packet 21 45 00 00 54 86 e2 40 00 ff 01 58 9c 81 9d cc "!E..T..@...X...." 3d 81 9d cc b1 08 00 3f 98 02 51 00 01 2f ba 26 "=......?..Q../.&" 8e 00 02 74 c8 08 09 0a 0b 0c 0d 0e 0f 10 11 12 "...t............" 13 14 15 16 17 18 19 1a 1b 1c 1d 1e 1f 20 21 22 "..............!"" 23 24 25 26 27 28 29 2a 2b 2c 2d 2e 2f 30 31 32 "#$%&'()*+,-./012" 33 34 35 36 37 "34567 " |
以下のトレース例は、確立された PPP リンクにおける telnet(1M) コマンドの正常実行時に交換される PPP フレームのダンプを示します。
18:40:44: ipdptp0 Send: Internet Protocol Packet 21 45 00 00 2c 86 ee 40 00 ff 06 58 b3 81 9d cc "!E..,..@...X...." 3d 81 9d cc b1 80 35 00 17 94 b9 9a 00 00 00 00 "=.....5........." 00 60 02 22 38 2a be 00 00 02 04 05 b4 ".`."8*....... " 18:40:44: ipdptp0 Recv: Internet Protocol Packet ff 03 00 21 45 00 00 2c ec 84 40 00 ff 06 f3 1c "...!E..,..@....." 81 9d cc b1 81 9d cc 3d 00 17 80 35 93 e9 98 00 ".......=...5...." 94 b9 9a 01 60 12 22 38 fe c2 00 00 02 04 05 b4 "....`."8........" 18:40:44: ipdptp0 Send: VJ Uncompressed TCP/IP Packet 2f 45 00 00 28 86 ef 40 00 ff 00 58 b6 81 9d cc "/E..(..@...X...." 3d 81 9d cc b1 80 35 00 17 94 b9 9a 01 93 e9 98 "=.....5........." 01 50 10 22 38 16 80 00 00 ".P."8.... " 18:40:44: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 10 17 5c ff fd 03 ff fb 18 "-..¥...... " 18:40:44: ipdptp0 Recv: VJ Uncompressed TCP/IP Packet ff 03 00 2f 45 00 00 28 ec 85 40 00 ff 00 f3 1f ".../E..(..@....." 81 9d cc b1 81 9d cc 3d 00 17 80 35 93 e9 98 01 ".......=...5...." 94 b9 9a 07 50 10 22 32 16 80 00 00 "....P."2.... " 18:40:45: ipdptp0 Recv: VJ Compressed TCP/IP Packet ff 03 00 2d 12 fe 70 06 ff fd 18 "...-..p.... " 18:40:45: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 0c 16 77 03 06 "-..w.. " 18:40:45: ipdptp0 Recv: VJ Compressed TCP/IP Packet ff 03 00 2d 1f 26 52 ff fb 03 ff fa 18 01 ff f0 "...-.&R........." 18:40:45: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 14 e4 8d 09 ff fa 18 00 53 55 4e 2d 43 4d 44 "-........SUN-CMD" ff f0 ".. " 18:40:45: ipdptp0 Recv: VJ Compressed TCP/IP Packet ff 03 00 2d 0c 16 61 0d 09 "...-..a.. " 18:40:46: ipdptp0 Recv: VJ Compressed TCP/IP Packet ff 03 00 2d 10 7f a0 ff fb 01 ff fd 01 0d 0a 0d "...-............" 0a 55 4e 49 58 28 72 29 20 53 79 73 74 65 6d 20 ".UNIX(r).System." 56 20 52 65 6c 65 61 73 65 20 34 2e 30 20 28 62 "V.Release.4.0.(b" 6c 6f 6e 64 65 29 0d 0a 0d 00 0d 0a 0d 00 "londe)........ " 18:40:46: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 1c 18 1d 37 0d ff fd 01 ff fc 01 "-...7....... " 18:40:46: ipdptp0 Recv: VJ Compressed TCP/IP Packet ff 03 00 2d 1c b4 01 06 37 6c 6f 67 69 6e 3a 20 "...-....7login:." 18:40:46: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 0c 16 1d 07 06 "-..... " 18:40:46: ipdptp0 Recv: VJ Compressed TCP/IP Packet ff 03 00 2d 1f 15 13 ff fe 01 "...-...... " 18:40:46: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 04 16 1a 03 "-.... " 18:40:53: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 10 a4 10 72 "-...r " 18:40:53: ipdptp0 Recv: VJ Compressed TCP/IP Packet ff 03 00 2d 1c a4 0f 01 03 72 "...-.....r " 18:40:53: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 0b 16 18 "-... " 18:40:54: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 10 a7 0e 6f "-...o " 18:40:54: ipdptp0 Recv: VJ Compressed TCP/IP Packet ff 03 00 2d 1b a7 0d 6f "...-...o " 18:40:54: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 0b 16 16 "-... " 18:40:54: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 10 a7 0c 6f "-...o " 18:40:54: ipdptp0 Recv: VJ Compressed TCP/IP Packet ff 03 00 2d 1b a7 0b 6f "...-...o " 18:40:55: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 0b 16 14 "-... " 18:40:55: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 10 a2 0a 74 "-...t " 18:40:56: ipdptp0 Recv: VJ Compressed TCP/IP Packet ff 03 00 2d 1b a2 09 74 "...-...t " 18:40:56: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 0b 16 12 "-... " 18:40:59: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 10 09 08 0d 00 "-..... " 18:40:59: ipdptp0 Recv: VJ Compressed TCP/IP Packet ff 03 00 2d 1c 08 fc 02 01 0d 0a "...-....... " 18:40:59: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 0b 16 0e "-... " 18:40:59: ipdptp0 Recv: VJ Compressed TCP/IP Packet ff 03 00 2d 1f 2e 33 50 61 73 73 77 6f 72 64 3a "...-..3Password:" 20 ". " 18:40:59: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 04 16 04 0a "-.... " 18:45:46: ipdptp0 Recv: Internet Protocol Packet ff 03 00 21 45 00 00 28 ec 92 40 00 ff 06 f3 12 "...!E..(..@....." 81 9d cc b1 81 9d cc 3d 00 17 80 35 93 e9 98 5e ".......=...5...^" 94 b9 9a 20 50 11 22 38 16 03 00 00 "....P."8.... " 18:45:46: ipdptp0 Send: VJ Compressed TCP/IP Packet 2d 04 16 03 01 "-.... " 18:45:46: ipdptp0 Send: Internet Protocol Packet 21 45 00 00 28 87 02 40 00 ff 06 58 a3 81 9d cc "!E..(..@...X...." 3d 81 9d cc b1 80 35 00 17 94 b9 9a 20 93 e9 98 "=.....5........." 5f 50 11 22 38 16 02 00 00 "_P."8.... " 18:45:46: ipdptp0 Recv: VJ Compressed TCP/IP Packet ff 03 00 2d 2c 16 02 01 0b 02 "...-,..... " |
pppstat コマンドは、Solstice PPP の起動後に送受信した IP パケットと PPP フレームの数と種類に関する情報を表示します。この情報はリンク使用状況の記録となり、ネットワーク問題の検出に利用することができます。
各種 PPP フレームとその意味については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。
pppstat コマンドの形式は、次のとおりです。
prompt# pppstat [-i] [-e] [-l] [-n] [ppp_link_name] |
-i オプションを付けて pppstat コマンドを実行すると、Solstice PPP の起動後に送受信した IP パケットに関する情報が表示されます。1 個の IP データグラムが各 PPP フレームにカプセル化されます。
prompt# pppstat -i IP status for PPP MIB link number 1 33 IP packets in (1500 octets total) 38 IP packets out (366 octets total) 2 packets in TYPE IP 3 packets in TYPE VJ UNCOMPRESSED 28 packets in TYPE VJ COMPRESSED 2 packets out TYPE IP 3 packets out TYPE VJ UNCOMPRESSED 33 packets out TYPE VJ COMPRESSED |
-e オプションを付けて pppstat コマンドを実行すると、Solstice PPP の起動後に送受信した PPP エラーフレームに関する情報が表示されます。
prompt# pppstat -e Errors status for PPP MIB link number 1 0 bad HDLC address fields, last was 0x00 0 bad HDLC control fields, last was 0x00 0 frames received with invalid protocol id, last was 0x0000 0 packets exceeded local maximum receive unit 0 packets were too short to be valid 0 packets had headers which were too short 0 packets received with bad CRC 1 Configure Request packets retransmitted due to timeout 0 Terminate Request packets retransmitted due to timeout |
-l オプションを付けて pppstat コマンドを実行すると、Solstice PPP の起動後に送受信した PPP LCP (リンク制御プロトコル) フレームに関する情報が表示されます。
prompt# pppstat -l LCP status for PPP MIB link number 1 4 LCP packets in (72 octets) 4 LCP packets out (72 octets) 0 LCP protocol rejects 2 LCP Configure Requests sent 3 LCP Configure Requests received 2 LCP Configure Acks sent 1 LCP Configure Acks received 0 LCP Configure Naks sent 0 LCP Configure Naks received 0 LCP Configure Rejs sent 0 LCP Configure Rejs received 0 LCP Terminate Requests sent 0 LCP Terminate Requests received 0 LCP Terminate Acks sent 0 LCP Terminate Acks received 0 LCP Code Rejects sent 0 LCP Code Rejects received 0 LCP Echo Requests sent 0 LCP Echo Requests received 0 LCP Echo Responses sent 0 LCP Echo Responses received 0 LCP Disconnect Reqs sent 0 LCP Disconnect Reqs received |
-n オプションを付けて pppstat コマンドを実行すると、Solstice PPP の起動後に送受信した IP NCP (ネットワーク制御プロトコル) フレームに関する情報が表示されます。
prompt# pppstat -n IPNCP status for PPP MIB link number 1 3 IPNCP packets in (42 octets) 3 IPNCP packets out (48 octets) 0 IPNCP protocol rejects 2 IPNCP Configure Requests sent 1 IPNCP Configure Reqs received 1 IPNCP Configure Acks sent 1 IPNCP Configure Acks received 0 IPNCP Configure Naks sent 1 IPNCP Configure Naks received 0 IPNCP Configure Rejs sent 0 IPNCP Configure Rejs received 0 IPNCP Terminate Requests sent 0 IPNCP Terminate Reqs received 0 IPNCP Terminate Acks sent 0 IPNCP Terminate Acks received 0 IPNCP Code Rejects sent 0 IPNCP Code Rejects received 0 IPNCP Echo Requests sent 0 IPNCP Echo Requests received 0 IPNCP Echo Responses sent 0 IPNCP Echo Responses received 0 IPNCP Disconnect Reqs sent 0 IPNCP Disconnect Reqs received |
PPP リンクを通して IP 接続を実現する IP ルーティング機能は、Solstice PPP のような製品で問題が発生しやすい部分です。IP ルーティングにおける問題を検出する手順は、以下のとおりです。
ifconfig(1M) を使用してプロトコルステータスを確認します。
ping(1M) を使用して IP の接続性を確認します。
netstat(1M) を使用してルーティングテーブルを確認します。
snoop(1M) を使用してパケットフローを確認します。
以下のように ifconfig(1M) を使用して、Solstice PPP における IP インタフェースが構成されていることを確認します。
prompt# /usr/sbin/ifconfig -a lo0: flags=849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST> mtu 8232 inet 127.0.0.1 netmask ff000000 le0: flags=863<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST> mtu 1500 inet 129.x.x.117 netmask ffffff00 broadcast 129.x.x.255 ether 8:0:20:10:c2:b1 ipdptp0: flags=8d0<POINTOPOINT,RUNNING,NOARP,MULTICAST> mtu 1500 inet 129.x.x.117 --> 129.x.x.253 netmask ffffff00 ether 0:0:0:0:0:0 ipdptp1: flags=28d1<UP,POINTOPOINT,RUNNING,NOARP,MULTICAST> inet 129.x.x.117 --> 129.x.x.38 netmask ffffff00 ether 0:0:0:0:0:0 |
以下のように ping(1M) を使用して、リモートホストとの接続が可能であることを確認します。
prompt# /usr/sbin/ping -r remote_host |
ファイル /var/opt/SUNWconn/ppp.log の接続ステータスを調べます。メッセージ "PPP error on ipdptp1: Negotiation of mandatory options failed" が出力され、LCP ネゴシエーションが失敗した場合は、リンク両端のインタフェースに使用している IP アドレス同士が一貫していない可能性があります。
以下のように netstat(1M) を使用して、ローカルホストとリモートホストのネットワークアドレスを確認します。
prompt# /usr/sbin/netstat -i lo0 8232 loopback localhost 4631890 0 4631890 0 0 0 le0 1500 lab local 5370160 15 2153627 273 430451 0 ipdptp0 1500 remote local 0 0 0 0 0 0 |
ローカルアドレスとリモートアドレスが正しいことを確認します。ホスト名は、ローカルファイル /etc/hosts において IP アドレスとして解釈処理するか、またはネームサービス (NIS/NIS+ または DNS) によって IP アドレスとして解釈処理する必要があります。同期リンクの IP インタフェースは、ネームサービスが利用可能となる前に Solstice PPP によって初期化されます。したがって、これらのファイルのホスト名を /etc/hosts において解釈処理する必要があります。
以下のように netstat(1M) を使用して、ルーティングテーブルを確認します。
prompt# /usr/sbin/netstat -r |
以下のように入力して、要求する送信経路がルーティングテーブルに含まれていない場合は、ルーティングデーモン in.routed がマシン上で動作していることを確認してください。
prompt# ps -ef | grep in.routed owner 12481 3812 7 23:06:08 pts/6 0:00 grep in.routed |
以下のように snoop(1M) を使用して、パケットが送信されていることを確認します。
prompt# /usr/sbin/snoop -d ipdptp0 local -> remote RSHELL C port=1017 >0 'H ![ ? local -> remote RSHELL C port=1017 ,(!¥nM/ local -> remote RSHELL C port=1017 Y@#K / ]0#Z ] 'Z local -> remote RSHELL C port=1017 .?;-)P3O89, " 2 H8" local -> remote RSHELL C port=1017 @ ¥#¥ . . . |
Solstice PPP のエラーメッセージとステータスメッセージは、ログファイル /var/opt/SUNWconn/ppp.log に書き込まれます。ログファイルに出力される可能性があるメッセージの種類については、「ステータスメッセージとエラーメッセージ」を参照してください。
ログファイルは非常に大きくなる可能性があるので、定期的に整理してください。
以下のログファイルの一部では、Solstice PPP がクライアント上で正常に起動され、リモートサーバーとの接続が開始した後に切断した場合に、記録されるメッセージを示します。
11/14/95 15:32:55 - Link manager (904) has started 11/14/95 11/14/95 15:32:55 - Successful configuration 11/14/95 15:33:06 - Connection requested to miles 11/14/95 15:33:07 - Dialing number P365 ... 11/14/95 15:33:40 - Got modem connection 11/14/95 15:33:42 - LCP up on ipdptp0 11/14/95 15:33:42 - IP_NCP up on ipdptp0 11/14/95 15:33:42 - IP up on interface ipdptp0, with timeout set to 120 seconds 11/14/95 15:35:41 - Disconnect indication on ipdptp0 11/14/95 15:35:41 - IP_NCP down on ipdptp0 11/14/95 15:35:42 - LCP down on ipdptp0 |
以下のサーバー上ログファイルは、着信接続の受信後に切断された場合に、記録されるメッセージを示します。
11/14/95 15:28:58 - Received a call on pppdev0 11/14/95 15:28:59 - Using dialup_path with expect_login_id ppp2 11/14/95 15:28:59 - LCP up on ipdptp0 11/14/95 15:28:59 - IP_NCP up on ipdptp0 11/14/95 15:29:00 - IP up on interface ipdptp0, with timeout set to 120 seconds 11/14/95 15:30:59 - interface ipdptp0 has been disconnected 11/14/95 15:30:59 - Device pppdev0 has been disconnected |
Solstice PPP は、構成スクリプト pppinit を使って作成された構成ファイルを起動時に読み取ります。これらのファイルが存在しない場合は、Solstice PPP は以下のメッセージを表示します。
starting ppp (not configured) |
以下のログファイルの一部では、構成ファイルのいずれかにエラーがあるときに生成されるログメッセージを示します。
11/13/95 18:53:22 - Link manager (460) has started 11/13/95 11/13/95 18:53:22 - parse_config_file: unrecognized symbol nactivity_timeout 11/13/95 18:53:22 - parse_config_file: unrecognized symbol 180 11/13/95 18:53:22 parse_config_file: Errors in configuration file /etc/opt/SUNWconn/ppp/ppp.conf |
この例では、認識されないキーワードがファイル ppp.conf にあるため、このファイルが解析時に拒否されます。構成ファイルに、入力ミスや無効な値がキーワードに割り当てられているかどうかを確認してください。確認後、Solstice PPP を再起動して構成を読み取らせます。
接続フェーズにおける最初のステップは、モデム接続です。クライアントはサーバーに接続されているモデムの電話番号をダイヤルし、両モデムが交信して接続を設定します。
以下のログファイルの一部では、クライアントがモデム接続を確立できなかった場合に、生成されるログメッセージを示します。
11/13/95 19:57:44 - Connection requested to miles 11/13/95 19:57:45 - Dialing number P365 ... 11/13/95 19:58:09 - remote host is busy |
接続要求がサーバーに達しなかったため、サーバー上のログファイルにはメッセージが記録されていません。
クライアントがモデム接続に失敗すると、remote host is busy というメッセージが表示されます。この場合は、サーバーモデムを別のクライアントが使用しているか、または直前の接続が完全に終了されていないことが考えられます。また、装置に障害が発生していることも考えられます。この例では、パルスダイヤルを要求するオフィス交換機にトーンダイヤルを使用したために、エラーが発生しています。
モデムの番号に直接電話して、モデムへのアクセスが可能であることを確認してください。モデムへのアクセスが不可能な場合は、クライアントがダイヤルしている電話番号を確認してください。
クライアントが呼を開始するたびに、CHAT スクリプトが自動的に実行されます。CHAT スクリプトは、接続フェーズにおけるサーバーとの情報交換に使用します。
以下のログファイルの一部では、クライアントがサーバーの要求する応答を受信しなかったときに、生成されるログメッセージを示します。
11/14/95 15:38:52 - Connection requested to miles 11/14/95 15:38:53 - Dialing number P365 ... 11/14/95 15:39:35 - Got modem connection 11/14/95 15:39:53 - Timeout expired 11/14/95 15:40:03 - Timeout expired 11/14/95 15:40:13 - Timeout expired 11/14/95 15:40:23 - Timeout expired 11/14/95 15:40:23 - fail at line 18 in chat script /etc/opt/ SUNWconn/ppp/script/miles.scr |
以下のログファイルの一部では、クライアントがサーバーの要求する応答とは異なる応答を、サーバーに送信したときに生成されるログメッセージを示します。
11/14/95 15:58:03 - Connection requested to miles 11/14/95 15:58:04 - Dialing number P365 ... 11/14/95 15:58:37 - Got modem connection 11/14/95 15:59:16 - Timeout expired 11/14/95 15:59:16 - fail at line 25 in chat script /etc/opt/ SUNWconn/ppp/script/miles.scr |
CHAT スクリプトにエラーがあると、ログインシーケンスが正常に終了しないときにループバック状態を引き起こすことがあります。以下のログファイルの一部では、ループバック状態によって生成されるエラーメッセージを示します。
11/14/95 15:45:05 - Connection requested to miles 11/14/95 15:45:06 - Dialing number P365 ... 11/14/95 15:45:42 - Got modem connection 11/14/95 15:45:58 - PPP error on ipdptp0: Loop back detected 11/14/95 15:45:58 - Check if your connect script is correct. 11/14/95 15:45:58 - Or PPP may not be started on the remote host |
接続フェーズでは、モデムが接続されログインフェーズが完了した後に、PPP ネゴシエーションを行います。クライアントとサーバーが交信し、PPP リンクに対する共通構成を得るためのネゴシエーションを行います。全面的に収束することが目標ですが、一部の必須パラメータが一致しなかった場合は、以下のログファイル部分に示すようにネゴシエーションが失敗します。
11/13/95 20:34:42 - Connection requested to miles 11/13/95 20:34:43 - Dialing number P365 ... 11/13/95 20:35:16 - Got modem connection 11/13/95 20:35:19 - LCP up on ipdptp0 11/13/95 20:35:19 - PPP error on ipdptp0: Negotiation of mandatory options failed |
以下のログファイルの一部では、クライアントが認証要求に応答しなかった状況を示します。
11/14/95 10:22:41 - Connection requested to miles 11/14/95 10:22:42 - Dialing number P365 ... 11/14/95 10:23:16 - Got modem connection 11/14/95 10:23:47 - PPP error on ipdptp0: Maximum number of configure requests exceeded |
この例では、サーバーが PAP 認証を要求し、クライアントがその要求を拒否しています。指定された数の要求を送信した後、サーバーは PPP ネゴシエーションを開始しないまま接続を解除します。
以下のログファイルの一部では、クライアントが認証要求への応答に使用したパスワードがまちがっている状況を示します。
11/14/95 15:20:04 - Connection requested to miles 11/14/95 15:20:04 - Dialing number P365 ... 11/14/95 15:20:09 - Got modem connection 11/14/95 15:20:09 - LCP up on ipdptp0 11/14/95 15:20:09 - PPP error on ipdptp0: Negotiation of mandatory options failed |
上記のいずれの場合でも、サーバーは失敗した PPP ネゴシエーションをもとに、以下のログファイルメッセージを生成します。
11/14/95 15:20:08 - Received a call on pppdev0 11/14/95 15:20:09 - Using dialup_path with expect_login_id ppp2 11/14/95 15:20:09 - PPP error on ipdptp0: Negotiation of mandatory options failed 11/14/95 15:20:09 - Device pppdev0 has been disconnected |
指定された秒数の間使用されなかった接続は、非活動タイムアウトによって自動的に切断されます。つまり、接続がうっかりオープン状態のままになっていたために、電話料金が請求されるという事態を防ぐことができます。ただし、非活動タイムアウトが短すぎると、必要以上に早く接続が切断されます。
以下のログファイルの一部では、60 秒が経過した後、クライアントによって起動された非活動タイムアウトを示します。
11/13/95 18:00:03 - IP up on interface ipdptp0, with timeout set to 60 seconds 11/13/95 18:00:14 - Interface ipdptp0 has timed out |
接続が頻繁にタイムアウトする場合は、サーバーに対する発信の非活動タイムアウト値を上げてください。
以下のログファイルの一部では、何らかの理由でサーバーが接続を切断したことを示します。クライアント側の非活動タイムアウトより、サーバー側の非活動タイムアウトが短いことが考えられます。また、サーバー側が通常の切断要求を行なったことも考えられます。
11/13/95 18:13:46 - IP up on interface ipdptp0, with timeout set to 240 seconds 11/13/95 18:15:47 - interface ipdptp0 has been disconnected |
この節では、ログファイル /var/opt/SUNWconn/ppp.log に記録されるステータスメッセージとエラーメッセージを記載します。
ログファイルは非常に大きくなる可能性があるので、定期的に整理してください。
ppp.log に記録されているメッセージを表示するには、以下のように入力します。
prompt% tail -f /var/opt/SUNWconn/ppp.log |
以下のステータスメッセージは PPP リンクにおいて成功した IP 接続の進行状況を追跡するメッセージで、通常のリンク動作中に表示されます。構成エラーの結果、発生する問題を示す場合もあります。
add_default_route:default route not allowed on ipd device
キーワード default_route をポイントツーマルチポイント (ipdn) IP インタフェースに関連付けられているパス定義に使用することはできません。
Check that the connect script is correct, or PPP may not be started on the remote host
リンクマネージャーがリモートホストとの PPP リンクを確立できなかったことを示します。PPP がリモートホストに実装されていないか、または接続スクリプトに定義されているログインダイアログにエラーがあることが考えられます。正しいログイン識別子とパスワードがスクリプトに定義されており、かつ該当するユーザーアカウントがリモートホスト上に存在していることを確認してください。リモートホストが Solaris を実装していない場合は、ログインダイアログ内の他の要素を変更する必要がある可能性があります。詳しい手順については、「CHAT (接続) スクリプトの編集」を参照してください。
Connection closed on ip_interface
ローカルホストまたはリモートホストが切断を要求した後、指定のインタフェース (ipdn または ipdptpn) の IP 接続が正常に終了したことを示します。
Connection requested to remote_host
指定のリモートホストとの IP 接続の要求をリンクマネージャーが受信したことを示します。ファイル link.conf にリモートホストが定義されている必要があります。
Device unix_device has been disconnected
リンクのいずれかのエンドポイントが切断を要求した後、モデム接続が正常に切断されたことを示します。
Dialing number phone_number ...
リモートホストとの物理接続を確立するため、指定の番号をモデムがダイヤルしていることを示します。
Dialup_path login_id already used for another connection
同じログイン識別子を持つ 2 個のリモートホストが同時に接続を行なったことを示します。1 度に処理できる接続は 1 個だけです。
Dialup_path not defined for outgoing call
接続の開始の試行に使用されているダイヤルアップパス定義に関連付けられているリモートホストが存在しないことを示します。ファイル ppp.conf のダイヤルアップパス定義を変更してリモートホストを追加し、必要に応じてファイル link.conf に対応するリモートホスト定義を追加します。
Disconnect indication on ip_interface
リンクのいずれかのエンドポイントが要求した PPP の終了を示します。たとえば、通常は、非活動タイムアウト時間が経過した結果の正常な切断を意味します。
Got modem connection
モデムが発信を正常終了し、物理接続が確立されたことを示します。
Host [remote_host] not found in the host list
ファイル link.conf に定義されていないリモートホストとの接続を、リンクマネージャーが確立しようとしていることを示します。ダイヤルアップパス定義の remote_host キーワードが、有効なリモートホスト定義を指していることを確認してください。
Host remote_host is not available
何らかの理由でリモートホストにアクセスできないことを示します。リモートデバイスがビジー状態であることが考えられます。
IP up on interface ip_interface, with timeout set to timeout
指定のインタフェース (ipdn または ipdptpn) について IP 接続が正常に確立されたことを示します。timeout 秒間の非活動状態の後、またはリモートホストで設定されている非活動タイムアウト値が timeout より小さい場合には、timeout 秒が経過する前に、IP 接続が自動的に切断されます。
IP up on ip_interface
指定の IP インタフェース (ipdn または ipdptpn) の IP 層が構成および起動されていることを示します。IP 接続が正常に完了しており、タイムアウトがゼロに設定されています。Solstice PPP の停止または pppdisc(1M) の実行によって明示的に切断されないかぎり、IP 接続はオープン状態のままとなります。
IP_NCP down on ip_interface
指定のインタフェース (ipdn または ipdptpn) の IP ネットワーク制御プロトコル (NCP) 層が停止されたことを示します。いずれかのホストが切断の終了を要求したことが考えられます。
IP_NCP up on ip_interface
指定の IP インタフェース (ipdn または ipdptpn) の IP ネットワーク制御プロトコル (NCP) 層が構成および起動されたことを示します。この PPP リンクネゴシエーションフェーズの詳細については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。
Interface ip_interface has timed out
いずれかのリンクの終端における非活動タイムアウト後、指定の IP インタフェース (ipdn または ipdptpn) が自動的に切断されたことを示します。
Invalid empty name for chat script
このリモートホストの CHAT スクリプトが、ファイル link.conf に定義されていないことを示します。ローカルホストが接続対象とするリモートホストそれぞれについて、固有の CHAT スクリプトを作成する必要があります。詳しい手順については、「CHAT (接続) スクリプトの編集」を参照してください。
LCP down on ip_interface
指定の IP インタフェース (ipdn または ipdptpn) のリンク制御プロトコル (LCP) 層が停止されたことを示します。いずれかのホストが切断の終了を要求したことが考えられます。
LCP up on ip_interface
指定の IP インタフェース (ipdn または ipdptpn) のリンク制御プロトコル (LCP) 層が構成され、起動されたことを示します。この PPP リンクネゴシエーションフェーズの詳細については、付録 A 「PPP リンクの動作」 を参照してください。
License manager has exited
ライセンスシステムに問題があることを示します。ライセンスデーモンが構成および実行されていることを確認してください。
Link manager (pid) has started date
PPP リンクマネージャーが構成され、正常に起動されたことを示します。
No device available for ip_interface
利用できるモデムがないことを示します。通常は、モデム数を超える IP 接続が要求されたときに発生する一時的な状況です。
PPP error on ip_interface: reason
リンク確立フェーズまたは同位認証フェーズで、エラーが発生したことを示します。エラーの原因がエラーメッセージの一部として示されます。詳しい診断を行うには、ppptrace(1M) を使用してください。
Received incoming call while dialing
ローカルホストがリモートホストからの接続要求を受信したときに、同じモデムで発信呼を開始しようとしていたことを示します。このメッセージは単なる通知メッセージで、ローカルホストは呼び出しを続行します。
Received a call on ip_interface
指定の IP インタフェース (ipdn または ipdptpn) に対する着信接続をローカルホストが受信したことを示します。
Remote host is busy
別の接続によってリモートモデムがすでに使用されているために、呼を完了できなかったことを示します。
Resetting the modem to server mode
プログラム pppsetmod(1M) によってモデムがサーバー (応答) モードで初期化されたため、モデムが着信接続を待機することを示します。このプログラムは、モデムデータベースファイル /etc/opt/SUNWconn/ppp/modems にある文字列 server を送信します。
Successful configuration
Solstice PPP 起動時に構成ファイル ppp.conf と link.conf が正常に解析されたことを示します。
PPP has found a valid license
ライセンスデーモンが実行され、Solstice PPP にライセンストークンが与えられたことを示します。
PPP is waiting to get a license
ライセンスデーモンが実行されているが、その結果、全ライセンストークンが他のユーザーに割り当てられたことを示します。PPP は、トークンの解放を待機します。
Timeout expired
inactivity_timeout パラメータによって定義されている秒数 (デフォルトは 120 秒) の間、IP 接続が非活動状態を続けていることを示します。接続は、自動的に切断されます。
Unable to find the required expect_login_id login_id
正常な UNIX ログインが行われた後に PPP ログインサービスが着信接続を受信したが、リモートホストから送られたログイン識別子に一致する expect_login_id パラメータを持つダイヤルアップパス定義をリンクマネージャーがファイル ppp.conf で見つけられなかったことを示します。
Unable to get license, PPP exiting
何回か再試行しても、Solstice PPP がライセンスデーモンからライセンストークンを得られなかったことを示します。ライセンスデーモンが正しくインストールされ実行されていることを確認してください。ライセンスデーモンが Solstice PPP と同じマシン上で実行されていない場合は、デーモンにアクセスできるネットワーク接続が存在することを確認してください。
Unable to regain license, PPP closing down
Solstice PPP がライセンストークンを消失し、何回か再試行してもトークンを取り戻せなかったことを示します。ライセンスデーモンが実行されたままであることを確認してください。
Using dialup_path with expect_login_id login_id
正常な UNIX ログインが行われた後に PPP ログインサービスが着信接続を受信し、該当するダイヤルアップパス定義を、リンクマネージャーが確認したことを示します。
PPP パス構成ファイル ppp.conf の解析時にエラーが検出されると、以下の構成エラーメッセージが表示されます。ファイルのエラーを修正し、Solstice PPP を再起動してください。
expect_chap_name "name" ends in CR/LF
指定の CHAP 名がキャリッジリターン (CR) または改行 (LF) のエスケープシーケンスで終了していることを示します。
expect_chap_name "name" ends in NUL
指定の CHAP 名が NULL 文字で終了していることを示します。
default_route: no path defined
指定の default_route キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義に関連付けられていないことを示します。
host IP address not found: hostname
指定のホスト名を解析プログラムが解釈処理できないため、対応する IP アドレスを見つけられなかったことを示します。同期パスの場合は、ローカルマシン上のファイル /etc/hosts においてホスト名を IP アドレスと関連付ける必要があります。非同期パスの場合は、ホスト名をファイル /etc/hosts に定義することも、他のネームシステムによって指定することもできます。
inactivity_timeout string not recognized
指定の文字列が inactivity_timeout パラメータの値として有効でないことを示します。整数を入力してください。
inactivity_timeout: no path defined
指定の inactivity_timeout キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義に関連付けられていないことを示します。
interface number n not recognized
指定の番号に対応する IP インタフェースが構成ファイルに定義されていないことを示します。
invalid ip_interface: string
指定の文字列が有効なポイントツーポイント (ipdptpn) IP インタフェースやポイントツーマルチポイント (ipdn) IP インタフェースに対応していないことを示します。
ip_interface: no path defined
指定の ip_interface キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義に関連付けられていないことを示します。
ipcp_compression value string not recognized
指定の文字列が ipcp_compression パラメータの値として有効でないことを示します。有効な値は、vj (使用可能) と off (使用不可) です。
ipcp_compression: no path defined
指定の inactivity_timeout キーワードが構成ファイルにあるが、ダイヤルアップパス定義と関連付けられていないことを示します。
ipd or ipdptp keyword expected
ip_interface キーワードがあるが、有効なポイントツーポイント (ipdptpn) IP インタフェースやポイントツーマルチポイント (ipdn) IP インタフェースが指定されていないことを示します。
lcp_async_map value string not recognized
指定の文字列が lcp_async_map パラメータの値として有効でないことを示します。0x0 から 0xffffffff までの 16 進値を入力してください。
lcp_async_map: no path defined
指定の lcp_async_map キーワードが構成ファイルにあるが、ダイヤルアップパス定義と関連付けられていないことを示します。
lcp_compression value string not recognized
指定の文字列が lcp_compression パラメータの値として有効でないことを示します。有効な値は、on (使用可能) と off (使用不可) です。
lcp_compression: no path defined
指定の lcp_compression キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義と関連付けられていないことを示します。
lcp_max_restart value string not recognized
指定の文字列が lcp_max_restart パラメータの値として有効でないことを示します。1 から 255 までの整数を入力してください。
lcp_max_restart: no path defined
指定の lcp_max_restart キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義と関連付けられていないことを示します。
lcp_mru value string not recognized
指定の文字列が lcp_mru パラメータの値として有効でないことを示します。1 から 255 までの整数を入力してください。
lcp_mru: no path defined
指定の lcp_mru キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義と関連付けられていないことを示します。
lcp_restart_timer value string not recognized
指定の文字列が lcp_restart_timer パラメータの値として有効でないことを示します。整数を入力してください。
lcp_restart_timer: no path defined
指定の lcp_restart_timer キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義と関連付けられていないことを示します。
link_monitor value string not recognized
指定の文字列が link_monitor パラメータの値として有効でないことを示します。有効な値は、on (使用可能) と off (使用不可) です。
link_monitor: no path defined
指定の link_monitor キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義と関連付けられていないことを示します。
link_monitor_retries value string not recognized
指定の文字列が link_monitor_retries パラメータの値として有効でないことを示します。整数を入力してください。
link_monitor_retries: no path defined
指定の link_monitor_retries キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義と関連付けられていないことを示します。
link_monitor_timer value string not recognized
指定の文字列が link_monitor_timer パラメータの値として有効でないことを示します。整数を入力してください。
link_monitor_timer: no path defined
指定の link_monitor_timer キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義と関連付けられていないことを示します。
malformed ip address: string
指定の文字列がインターネットドット表記による有効な IP アドレスでないことを示します。IP アドレスの形式は、xxx.xxx.xxx.xxx です。
must specify chap_own_secret
リモートホストからの要求に対し、send_authentication キーワードによって CHAP 認証が使用可能となっているが、必須 CHAP パラメータ chap_own_secret が設定されていないことを示します。
must specify chap_peer_secret
リモートホストからの要求に対し、send_authentication キーワードによって CHAP 認証が使用可能となっているが、必須 CHAP パラメータ chap_peer_secret が設定されていないことを示します。
must specify expect_chap_name
expect_authentication キーワードによって CHAP 認証がリモートホストに対して要求されているが、必須 CHAP パラメータ expect_chap_name が設定されていないことを示します。
must specify send_chap_name
send_authentication キーワードによって CHAP 認証がリモートホストに対して要求されているが、必須 CHAP パラメータ send_chap_name が設定されていないことを示します。
no paths defined in filename
PPP パス構成ファイル ppp.conf には、1 個以上の同期パス定義または非同期パス定義が存在している必要があります。詳しい手順については、「PPP パス構成ファイル (ppp.conf) の編集」を参照してください。
off, pap, or chap required: string
指定の文字列が expect_authentication パラメータの値として有効でないことを示します。有効な値は、off (認証なし)、pap (PAP による認証)、chap (CHAP による認証)、pap|chap (PAP と CHAP による認証) です。
ppp_link_name: no path defined
指定の ppp_link_name キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義と関連付けられていないことを示します。
remote_host too long: string
remote_host パラメータの値を格納できるだけのメモリがないことを示します。重大なシステムエラーが発生している可能性があります。
remote_host: no path defined
指定の remote_host キーワードが構成ファイルにあるが、ダイヤルアップパス定義に関連付けられていないことを示します。
remote_ip_addr: no path defined
指定の remote_ip_addr キーワードが構成ファイルにあるが、ダイヤルアップパス定義に関連付けられていないことを示します。
request_ip_addr value string not recognized
指定の文字列が request_ip_addr パラメータの値として有効でないことを示します。有効な値は、on (使用可能) と off (使用不可) です。
unix_device: no path defined
指定の unix_device キーワードが構成ファイルにあるが、同期パス定義やダイヤルアップパス定義と関連付けられていないことを示します。
wildcards (* | ?) not legal for ipd
ワイルドカードを使用してポイントツーマルチポイント (ipdn) インタフェースを指定することはできません。特に、アスタリスク (*) を使用して動的 IP インタフェースを指定することはできません。
システムエラーメッセージは、システムやソフトウェアにエラーが発生しているときに表示されるので、動作が正常であるときには出力されません。システムエラーメッセージの形式は、次のとおりです。
function_name: error_description failed |
たとえば、以下のシステムエラーは、メモリの割り当てに問題があることを示します。
do_chap_name: malloc failed |
システムエラーが発生した場合は、Solstice PPP をいったん停止してから再起動してください。何度もシステムエラーが再発するならば、ご購入先に連絡し、エラーメッセージの内容とエラーメッセージが出力された状況を説明してください。
デフォルトのベースディレクトリを使用して Solstice PPP をインストールすると、以下のファイルとディレクトリがマシン上に作成されます。
Solstice PPP STREAMS モジュール、接続マネージャー、ポイントツーポイント IP インタフェースとポイントツーマルチポイント IP インタフェースのデバイスドライバが入っています。
表 6-2 Solstice PPP デバイスドライバ (SUNWpppk)
ファイルとディレクトリ |
説明 |
---|---|
/usr/kernel/drv/ipd |
IP ポイントツーマルチポイントインタフェースのドライバ |
/usr/kernel/drv/ipd.conf |
ipd の構成ファイル |
/usr/kernel/drv/ipdcm |
接続マネージャーデーモン |
/usr/kernel/drv/ipdcm.conf |
ipdcm の構成ファイル |
/usr/kernel/drv/ipdptp |
IP ポイントツーポイントインタフェースのドライバ |
/usr/kernel/drv/ipdptp.conf |
ipdptp の構成ファイル |
/usr/kernel/drv/ppp |
PPP STREAMS モジュール |
/usr/kernel/drv/ppp.conf |
ppp の構成ファイル |
PPP ログインサービスデーモンと着信呼用接続プロセスが入っています。このパッケージをインストールするのは、サーバー機能を使用可能にするため Solstice PPP のライセンスを購入された場合だけです。
表 6-3 Solstice PPP ログインサービス (SUNWppps)
ファイルとディレクトリ |
説明 |
---|---|
/usr/bin/pppin |
着信呼用接続プロセス |
/usr/sbin/pppls |
PPP ログインサービスデーモン |
PPP リンクマネージャーデーモンおよび Solstice PPP のスクリプトとユーティリティが入っています。
表 6-4 Solstice PPP のデーモンとユーザープログラム (SUNWpppu)
ファイルとディレクトリ |
説明 |
---|---|
/usr/bin/pppconn |
PPP 接続プログラム |
/usr/bin/pppdisc |
PPP 切断プログラム |
/usr/bin/pppinit |
PPP 切断プログラム |
/usr/bin/pppsetmod |
モデム構成プログラム |
/usr/bin/pppstat |
統計収集ユーティリティ |
/usr/bin/ppptrace |
トレースユーティリティ |
/usr/sbin/pppd |
リンクマネージャーデーモン |
/usr/sbin/ppptool |
接続と切断の GUI |
Solstice PPP の初期化スクリプトとテンプレート構成ファイルが入っています。
表 6-5 Solstice PPP 構成ファイル (SUNWpppr)
ファイルとディレクトリ |
説明 |
---|---|
/etc/opt/SUNWconn/ppp/modems |
モデムデータベースファイル |
/etc/opt/SUNWconn/ppp/ppp.conf |
テンプレート PPP パス構成ファイル |
/etc/opt/SUNWconn/ppp/script/template |
テンプレート CHAT スクリプト |
/etc/init.d/ppp |
Solstice PPP の初期化スクリプト |
/etc/rc1.d/K48ppp |
/etc/init.d/ppp を指すシンボリックリンク |
/etc/rc2.d/S48ppp |
/etc/init.d/ppp を指すシンボリックリンク |
/etc/opt/SUNWconn/ppp/bitmaps |
ppptool のアイコン |
Solstice PPP の製品固有のマニュアルページが入っています。
表 6-6 Solstice PPP マニュアルページ (SUNWpppm)
ファイルとディレクトリ |
ファイルとディレクトリ |
---|---|
/usr/share/man/man4/ppp.conf |
ppp.conf のマニュアルページ |
/usr/share/man/man4/link.conf |
link.conf のマニュアルページ |
/usr/share/man/man4/modems |
モデムデータベースのマニュアルページ |
/usr/share/man/man1m/pppinit |
pppinit のマニュアルページ |
/usr/share/man/man1m/pppconn |
pppconn のマニュアルページ |
/usr/share/man/man1m/pppdisc |
pppdisc のマニュアルページ |
/usr/share/man/man1m/pppsetmod |
pppsetmod のマニュアルページ |
/usr/share/man/man1m/pppd |
pppd のマニュアルページ |
/usr/share/man/man1m/pppls |
pppls のマニュアルページ |
/usr/share/man/man1m/pppin |
pppin のマニュアルページ |
/usr/share/man/man1m/pppstat |
pppstat のマニュアルページ |
/usr/share/man/man1m/ppptrace |
ppptrace のマニュアルページ |
/usr/share/man/man7/ipd |
PPP ポイントツーマルチポイント IP インタフェースのマニュアルページ |
/usr/share/man/man7/ipdcm |
PPP 接続マネージャーのマニュアルページ |
/usr/share/man/man7/ipdptp |
PPP ポイントツーポイント IP インタフェースのマニュアルページ |
/usr/share/man/man7/ppp |
PPP デーモンのマニュアルページ |
Solstice PPP のオンラインマニュアルが入っている AnswerBook パッケージ SUNWabppp は、ローカルマシンやサーバーにインストールすることも CD-ROM からマウントすることもできます。
インストールされた Solstice PPP は、ファイル /etc/ttydefs を変更します。これらの変更内容は、他のバージョンのオペレーティングシステムをインストールすると上書きされます。