Trusted Solaris 管理の手順

「システム管理 (System_Admin)」フォルダ内の管理アクション

次の表に、「システム管理 (System_Admin)」フォルダの中で、Trusted Solaris 環境だけにあるアクションの目的を示します。また、各アクションが割り当てられているデフォルトの役割も示します。

表 1-1 管理アクションとその目的、デフォルトの役割
 アクション名 アクションの目的 デフォルトの役割

割り当て可能なデバイスの追加

device_allocate(4)device_maps(4) にエントリを作成し、新規の割り当て可能または割り当て可能ではないデバイス用に補助ファイルを作成する。ユーザーは、デバイス名と種類を指定し、デバイスに関連するデバイス特殊ファイルを一覧にする。add_allocatable(1M) を参照

secadmin

管理用エディタ

指定のファイルの編集 

secadmin

監査クラス

audit_class(4) の編集

secadmin

監査制御

audit_control(4) の編集

secadmin

監査イベント

audit_event(4) の編集

secadmin

監査の開始

audit_startup.sh スクリプトの編集 [audit_startup(1M) を参照]

secadmin

ユーザー監査

audit_user(4) の編集

secadmin

エンコーディングの検査

指定のエンコーディングファイルに対して chk_encodings(1M) を実行

secadmin

TN ファイルの検査

ローカルな tnidb (4)tnrhdb (4)tnrhtp (4) ファイルに対して、tnchkdb (1M) を実行

secadmin および admin

TN NIS+ テーブルの検査

tnrhdb (4)tnrhtp (4)、および NIS+ トラステッドネットワークマップに対して、tnchkdb (1M) を実行

secadmin および admin

選択構成の確認

/usr/dt/config/sel_config の編集 [sel_config(4) を参照]

secadmin

NIS+ クライアントの作成

NIS+ マスターの指定ホスト名と、指定ドメイン名両方を使用して、nisclient (1M) を実行

secadmin

NIS+ サーバーの作成

指定ドメイン名を使用して、nisserver (1M) を実行

secadmin

エンコーディングの編集

指定の label_encodings(4) ファイルの編集と chk_encodings(1M) の実行

secadmin

ネーム・サービス・スイッチ

nsswitch.conf(4) の編集

admin

NIS テーブルの生成

指定ディレクトリから nispopulate (1M) を実行

secadmin

本日のメッセージの設定

/etc/motd の編集

admin

デフォルトの経路の設定

/etc/defaultrouter の編集 [マニュアルページの route(1M) を参照]

admin

DNS サーバーの設定

resolv.conf(4) の編集

admin

メール・オプションの設定

/etc/mail/sendmail.cf の編集 [sendmail(1M) を参照]

admin

マウント属性の設定

vfstab_adjunct(4) の編集

secadmin

マウントポイントの設定

vfstab(4) の編集

admin

Tsol ゲートウェイの設定

tsolgateways(4) の編集

admin

ファイルシステムの共有

dfstab(4) の編集、share(1M) は実行しない

admin

テーブル属性の表示

指定した NIS+ トラステッドネットワークデータベースに対して、-o オプションを付けて niscat(1) を実行 (テーブルの属性が表示される)

admin

テーブル内容の表示

指定した NIS+ トラステッドネットワークデータベースに対して、 niscat (1) を実行 (テーブルの属性が表示される)

secadmin および admin

詳細は、「管理アクションを起動するには」を参照してください。

ファイルを編集する Trusted Solaris 管理アクションは、いずれも /usr/dt/bin/trusted_edit シェルスクリプトを使用し、制限付きのエディタを起動し、ファイルが保存されたときの変更箇所を監査します。

実際に使用されるのは、役割の EDITOR 環境変数で指定したエディタです。この変数はデフォルトで adminvi(1M) に設定されます。セキュリティ管理者の役割は、EDITOR 変数を再定義して、/usr/dt/bin/dtpad にすることができます。adminvi が指定されると、/bin/adminvi がスーパーユーザーとして起動し、ファイルの編集を行います。adminvi コマンドは、他のファイル名ではファイルの保存ができません (adminvi の特徴については、「管理用 viおよび adminvi(1M) のマニュアルページを参照してください) 。dtpad(1) を指定すると、「ファイル (File)」メニューの NewSaveOpen オプションは、アクション実行時に無効となり、ファイルのリネームはできなくなります。

必要に応じて、「役割のデフォルトエディタとしての trusted_edit の割り当て」および 「trusted_edit エディタを役割に割り当てるには」を参照してください。