Trusted Solaris 管理の手順

管理的アクションの監査

ログイン時点で、ログインしたユーザーの生成するすべてのプロセスには特定の UID (これは監査 ID としても使われます) が関連付けられるようになります。ユーザーが特定の役割へ移行した場合、そのユーザーの実効 ID は変化しますが監査 ID は変化しません。同様のことは、実効 UID によって動作するプログラムに対してもいえます。このプログラムを実行するプロセスの監査 ID は、実際のユーザーを識別し続けることができます。監査 ID により、ユーザーが役割になっているときに実行した処理から、そのユーザーがログイン時に認証されたユーザーアカウントを導きだすことができます。

このように、まずユーザーとしてログインし認証を経た後でなければ特定の役割に移行できないようにすることには、通常の UNIX システムで発生しがちなセキュリティホールを塞ぐ意味があります。通常の UNIX システムではスーパーユーザーのパスワードを知っている者なら誰でも直接ログインしてシステム上のすべての情報に制限なしに匿名でアクセスすることが可能となります。