アクションとは、1 つ以上のコマンドを特定のタスクとしてまとめることで、そのタスクを 1 人以上のユーザーに割り当てられるようにする仕組みです。アクションは各コマンドと共に指定された一連のオプションや引数を持ちます。また、ユーザーに追加の引数の入力を求めるダイアログボックスを使用することもあります。
NIS+ によって管理されないファイルの編集を行うために、これまで一連の管理アクションが作成されて来ました。たとえば、vfstab_adjunct ファイルを編集する場合、セキュリティ管理者役割は「マウント属性の設定」というアクションを使います。「マウント属性の設定」アクションは、コマンド (adminvi)、引数 (vfstab_adjunct)、ラベル範囲 (ADMIN_LOW
から ADMIN_HIGH
)、root の実効 UID および sys の実効 GID を含んでいます。ラベルの範囲を制限すれば、vfstab_adjunct ファイルが特定の範囲のラベル内だけで、またはシングルラベルだけで編集されることを保証できます。実効 UID および実効 GID はこのファイルへのアクセスを保証し、編集プロセス中にこのファイルの所有者やグループが変更されないようにするために使われます。
各アクションは通常それ自身のアイコンを持ちます。また、各アクションはそれ自身のセキュリティ属性を割り当てられており、実効プロファイル内に指定できます。アプリケーションマネージャ内のアイコンやほとんどのフロントパネル内のアイコンは、何らかのアクションに対応しています。
アクションの追加方法については『共通デスクトップ環境 ユーザーズ・ガイド』および『共通デスクトップ環境 上級ユーザー及びシステム管理者ガイド』に説明されています。ただし、Trusted Solaris のセキュリティポリシーにより、誰がアクションを追加でき、誰がアクションを使用できるのかに関しては、これらの説明とは異なっています。
単一機密ラベルで実行する場合、一般ユーザーはアプリケーションマネージャを使ってアクションをフロントパネルにドラッグ&ドロップできます。
システム管理者役割はアクションを登録し、それらを /etc/dt/appconfig/types/localename ディレクトリに置くことで、そのアクションをすべてのユーザーにとって利用可能とすることができます (localename はロケール名を示しています)。
アクションの追加方法に関しては、第 16 章「ソフトウェアの追加」の「アクション」を参照してください。