ブート時に、各 /sbin/rcn スクリプトは、それぞれに対応する /etc/rcn.d ディレクトリに含まれている一連のスクリプトを実行します。これらの実行制御スクリプト名とそれに対応するディレクトリ名に付けられている番号 n は、実行レベルを表しています。
/etc/rcn.d ディレクトリに含まれている一連のスクリプトは、/etc/init.d ディレクトリに実際に置かれているスクリプトに対するハードリンクになっています。たとえば、次の例に示すように、/etc/rc0.d、rc1.d、rc2.d ディレクトリには、それぞれ異なる名前を持つ sendmail スクリプトが 1 つずつ存在しますが、これらは実際にはいずれも /etc/initd.d/sendmail スクリプトへのハードリンクになっています 。
/etc/rcn.d ディレクトリ内に存在する /etc/initd.d/sendmail へのリンク
/etc/rc0.d/K57sendmail /etc/rc1.d/K57sendmail /etc/rc2.d/S88sendmail |
/etc/rcn.d ディレクトリ内のスクリプトのうち、起動オプションで実行される必要があるものには接頭辞 S で始まる名前が付けられており、停止オプションで実行される必要があるものには接頭辞Kで始まる名前が付けられています。上記の図に示すように、接頭辞 K で始まる名前の sendmail ファイルが rc0.d および rc1.d に置かれている場合、実行レベルが 0 および 1 に移行すると sendmail(1M) は停止します。同様に、接頭辞 S で始まる名前の sendmail ファイルが rc2.d に置かれている場合、実行レベルが 2 に移行すると sendmail(1M) は起動されます。
/etc/init.d に新しいスクリプトをインストールした場合、セキュリティ管理者役割は以下のことを行います。
ブートシーケンスのどの時点でスクリプトを起動または停止するかを決定する
1 つまたは複数の /etc/rcn.d ディレクトリ内に、/etc/init.d 内のそのスクリプトへのリンクを作成する
起動用か停止用かに応じて、適切な接頭辞を含む名前を対象となるファイルに付ける
特定の実行レベルへの移行時に、そのスクリプトが実行される順番が判るように、適切な番号を含む名前を対象となるファイルに付ける
新しいスクリプトをブートシーケンスのどの時点で実行するかによって、スクリプトにより実行されるコマンドをローカルファイルに置くかそれとも NIS+プロファイルデータベースに置くかを決定し、「ネームサービス (Naming Service)」メニューで「なし (none)」または「NIS+」のどちらを選択します。詳細については、「ブート時に実行するコマンドに拡張セキュリティ属性を使用するかどうかを指定するには」を参照してください。