N1 Provisioning Server 3.1, Blades Edition Control Center 管理ガイド

ファームライフサイクル

N1 Provisioning Server ソフトウェアは、ファームライフサイクルの概念を利用してファームを管理します。

新しいファームを作成する要求、新しいファームを起動する要求、既存のファームを変更する要求はすべて、Control Center かコマンド行ツールから送信されます。


注 –

N1 Provisioning Server ソフトウェアのコンポーネントと機能の詳細については、『N1 Provisioning Server 3.1, Blades Edition システム管理ガイド』を参照してください。


必要な管理タスクは、ファームのステータスによって決まります。

ファームステータス

ファームライフサイクルは、いくつかのステータスによって定義されます。 これらのステータスは、次の図のように、「State Diagram」アイコンで視覚的に表されます。 「State Diagram」アイコンは、Control Center 内で、ファームのライフサイクルステータスを表すために用いられます。

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ファームライフサイクルアイコンは、ファームのステータスを表す赤い円とともに表示されます。 以下では、4 種類のファームステータスについて説明します。

「設計」ステータス

ファームの設計アイコンは、ファームが新しく、空であることを示します。 Control Center で作成され、保存されたが、まだ承認を受けておらず、起動していないファームも、このアイコンで表されます。 この状態は、紙ベースでファームを設計した状態とほぼ同じです。 ファームは、まだ制御プレーンデータベース (CPDB) 内に存在していません。 ハードウェア、ストレージ、ネットワークリソースも、この段階ではまだ配備されていません。 この段階で、ファーム要素を構成できます。 まだ設計段階であり、実際にリソースが割り当てられていないので、ファームの数に制限はありません。

「アクティブ」ステータス

ファームの起動アイコンは、ファームが起動し、実行中であることを示します。 起動時には IP アドレスが割り当てられます。ユーザーは、その他の構成を行い、ソフトウェアイメージを読み込むことができます。 ファームがアクティブな段階では、Service Processor のステータスは、ACTIVE、IDLE、BACKUP、UPDATED、WIRED、DISPATCHED のいずれかになります。

ファームの設計が完了すると、管理者による承認とその後の起動を待機する状態になります。 アイコンの上にカーソルを置くと、起動待ち状態のラベルが表示されます。このあと、ステータスは変化します。

「待機」ステータス

ファームの待機アイコンは、すべてのファーム要素 (ローカルストレージを除く) がプールに戻されたことを示します。 ストレージとファームネットワークの構成が保存されているので、短時間でファームを再起動できます。 ファームがアクティブな段階では、Service Processor のステータスは、STANDBY になります。

ファームは、アクティブな状態から待機状態に設定されると、管理者の処理を待機します。 アクティブアイコンの上にカーソルを置くと、待機待ち状態のラベルが表示されます。

「非アクティブ」ステータス

ファームの非アクティブアイコンは、ファームが非アクティブで、すべてのハードウェアリソース (ストレージを含む) がプールに戻されたことを示します。 ファームの再起動は行えません。 しかし、設計のコピーを作成し、このコピーを起動することは可能です。 ファームがアクティブな段階では、Service Processor のステータスは、DEACTIVATED になります。

アクティブなファームや待機状態のファームを非アクティブにすると、ファームは管理者の処理を待機します。 アクティブアイコンの上にカーソルを置くと、非アクティブ待ち状態のラベルが表示されます。

Service Processor のステータス

内部のファームステータスは、Service Processor によって管理されます。このステータスは、Service Processor コマンド行インタフェースでのみ確認できます。 これらの内部ステータスを利用して、自動化された起動、更新、停止 (decommission) のさまざまな段階で、ファームの状態を監視することができます。 内部ステータスは、障害追跡にも役立ちます。 内部ステータスについては、表 1–1を参照してください。


注 –

コマンド行インタフェースからこの情報を確認する方法については、『N1 Provisioning Server 3.1, Blades Edition システム管理ガイド』を参照してください。 これらのステータスの一部は、通常のファームライフサイクルでは発生せず、特別な管理処理に使用されます。


表 1–1 内部 SP ステータス

Service Processor のステータス 

Control Center のステータス  

説明 

CREATED

設計 

ファームは作成されたばかりで、まだ起動の承認を受けていない 

NEW_CONFIG

設計 

ファームリソースが変更されたという点では CREATED と同じだが、ファームは Service Processor によって管理されている

ALLOCATED

設計 

リソースがデータベース内のファームに割り当てられた 

WIRED

設計、アクティブ 

ファームトポロジに従って物理デバイスが接続された 

DISPATCHED

設計、アクティブ 

Service Processor がファームを所有している。 ファームに Domain Name System (DNS)、Dynamic Host Configuration Protocol (DHCP)、および Network Interface Card (NIC) が設定された。 さらに、ファームが監視対象として登録されたか、登録処理中。 この段階は、最初の起動処理時とファームの更新処理時に発生する 

ACTIVE

アクティブ 

ファームがアクティブで、実行中 

IDLE

アクティブ 

Service Processor がファームを所有していない。 ファームは以前にアクティブだった可能性がある。 ファームデバイスと Service Processor 間の通信は許可されていない 

STANDBY

待機 

ファームは待機状態。 IP アドレスとディスクはファームに関連付けられたまま  

SHUTDOWN

アクティブ (待機または非アクティブ待ち状態)  

ファームデバイスが停止している 

UNWIRED

アクティブ (待機または非アクティブ待ち状態)  

物理デバイスがファームから切り離された 

DEACTIVATED

非アクティブ 

ファームは非アクティブで、すべてのリソースが解放された 

UPDATED

アクティブ 

ファームが更新された