この章では、Infrastructure Fabric (I-Fabric) コンポーネントのバックアップと復元を説明します。 この章は、次の内容から構成されています。
バックアップは不可欠な管理作業で、頻繁に実行する必要があります。 この章では、I-Fabric コンポーネントのバックアップと復元に関する一般的な情報を説明します。
ただし、バックアップの方針と手順は、通常は組織に固有のものであるため、この章では特定のバックアップ手順は説明しません。 資格を有するデータベース管理者 (DBA) や、十分なスキルを持つシステム管理スタッフに、システム内でのバックアップ手順に関して、アドバイスや実装を求める必要があります。 バックアップとストレージメディアのローテーションのスケジュールはベストプラクティスと一致させ、特定の I-Fabric 内部での変化の速度を考慮します。
後でシステムの復元に使用する可能性があるため、インストールの直後に /etc/opt/terraspring/tspr.properties ファイルをバックアップします。 このファイルは変更されないため、再度バックアップする必要はありません。
Wiring Markup Language (WML) ファイルを、バックアップするファイルにコピーします。
wmld > dc.wml
wmld コマンドの詳細については、wmld のマニュアルページを参照してください。
イメージのリストを定期的にバックアップします。
image -lv > images.out
構成にスタンドアロンのイメージサーバーが含まれるか、構成ではコントロールプレーンサーバー上にイメージサーバーが存在するかに応じて、コントロールプレーンは 1 つまたは 2 つのサーバーから構成されます。
コントロールプレーンサーバーには、次のロールがある N1 Provisioning Server ソフトウェアが含まれます。
N1 Provisioning Server データベース (CPDB)
ストレージマネージャクライアント (STMC)
ファームマネージャ
セグメントマネージャ
DHCP サービスおよび DNS サービス
監視マネージャ
Control Center
N1 Provisioning Server コンポーネント、特に CPDB を定期的にバックアップします。
コントロールプレーンサーバーをバックアップする方針としては、I-Fabric には含まれないサーバーをバックアップサーバーに指定し、そのサーバーをコントロールプレーンのネットワークに接続します。 バックアップの実行には、市販のさまざまなバックアップソフトウェアが使用できます。 唯一の要件は、Oracle データベースまたは Postgres データベースをバックアップする機能です。 N1 Provisioning Server をインストールする場合は、バックアップサーバーに対して IP アドレスとポートを指定する必要があります。 詳細については、『N1 Provisioning Server 3.1, Blades Edition インストールガイド』を参照してください。
次の節では、コントロールプレーンサーバーのバックアップと復元の要件の詳細を説明します。
バックアップサーバーを構成するには、次の手順を実行します。
バックアップサーバーと接続する、コントロールプレーンスイッチ上のポートを選択します。
そのポートをバーチャル LAN (VLAN) 9 に割り当てます。
適切なテープバックアップデバイスを、バックアップサーバーに直接接続します。
バックアップサーバーには IP アドレス x.y.z.212 が予約されています。 N1 Provisioning Server ソフトウェアには、x、y、および z の値が用意されています。 x.y.z の値は、N1 Provisioning Server で使用するサブネットです。 このアドレスを使用するようバックアップサーバーを構成します。
ソフトウェアの販売元の指示と独自の要件に従って、バックアップサーバーでバックアップサーバーソフトウェアのインストールと構成を行います。
N1 Provisioning Server ネットワークへの不正アクセスを防止するため、VLAN 9 とその他すべてのネットワークとの間のすべての Ethernet トラフィックは、バックアップサーバーでルーティングまたはブリッジしてはいけません。
ファームを変更するたびに、CPDB も変更されます。 そのため、CPDB のバックアップは、短い周期で定期的に行う必要があります。
CPDB を復元すると、関連付けられたファームは、最後のバックアップの状態に復元されます。 最新のパックアップの後に行われたファームへの変更は失われます。
CPDB をバックアップするには、CPDB から backupdb コマンドを実行します。 このコマンドの使用法の詳細については、backupdb のマニュアルページを参照してください。
CPDB をバックアップしても、Control Center はバックアップされません。 CPDB と Control Center を両方同時にバックアップする方法の詳細については、「Control Center データベースと CPDB のバックアップ」を参照してください。
Control Center は、ソフトウェアの実行可能ファイルとデータベースから構成されています。 ソフトウェアのファイルはインストール後も変更されないため、DVD からソフトウェアの実行可能ファイルを再インストールして、それらを復元することができます。
この節では、使用中のデータベースに応じて、Oracle データベースまたは Postgres データベースのいずれかで動作する、Control Center と CP サーバーデータベースのコンポーネントのバックアップを説明します。 データベースには、Control Center に関するすべてのデータと状態の情報が保存されています。 ここでは、Control Center と CPDB コンポーネントのバックアップの一般的な手順を説明します。 Oracle データベースまたは Postgres データベースのバックアップ方法の詳細については、それぞれのデータベースの販売元のドキュメントを参照してください。
Control Center、CPDB、Control Center データベース、データファイル、制御ファイル、redo ログ、init.ora ファイル、およびパスワードファイルを定期的にバックアップすることをお勧めします。
データベースのバックアップと復元は、複雑な作業になります。 そのため、経験豊富な Oracle DBA がこの作業を実行することをお勧めします。
この節では、使用中のデータベースに応じて、Oracle データベースまたは Postgres データベースのいずれかで動作する、Control Center と CP サーバーのコンポーネントのバックアップを説明します。 データベースには、Control Center に関するすべてのデータと状態の情報が保存されています。 ここでは、Control Center と CPDB のバックアップの一般的な手順を説明します。 Oracle データベースまたは Postgres データベースの完全バックアップのステップバイステップの手順については、それぞれのデータベースの販売元のドキュメントを参照してください。
Control Center、CPDB、Control Center データベース、データファイル、制御ファイル、redo ログ、init.ora ファイル、{postgres_data}、およびパスワードファイルを定期的にバックアップします。
完全なデータベースのバックアップと復元は、複雑な作業になります。 そのため、経験豊富な DBA がこの作業を実行する必要があります。
コントロールプレーンサーバーのデータベースをバックアップするには、次のコマンドを実行します。
Oracle データベースで動作するコントロールプレーンサーバーのコンポーネントをバックアップする場合:
/opt/terraspring/sbin/backupdb -o $ {Oracle_Home} backup file name
Postgres データベースで動作するコントロールプレーンサーバーのコンポーネントをバックアップする場合:
/opt/terraspring/sbin/backupdb -o $ {Postgres_Home} backup file name
Control Center データベースをバックアップするには、次のコマンドを実行します。
Oracle データベースまたは Postgres データベースで動作する Control Center コンポーネントをバックアップする場合:
/opt/terraspring/gwdb/bin/backupDB.sh
Oracle データベースの場合、ORACLE_HOME 変数を、/opt/oracle/OraHome1 などのディレクトリに設定します。 デフォルトでは、Oracle データベース用の Control Center と CPDB のデータファイルと制御ファイルは、ディレクトリ /oracle_data1/tsprdb/DATA にあります。
Postgres データベースは N1 Provisioning Server ソフトウェアパッケージにバンドルされ、すべてのデータファイルと制御ファイルのデフォルトの位置は POSTGRES_HOME/data です。
データファイルと制御ファイルの位置は変更できるため、正確なファイルパスは上記とは異なる場合があります。
データファイルと制御ファイルの位置は変更できます。
次の Control Center のファイルをバックアップします。
/opt/terraspring/sunone/domain_gw/server_gw/config/cc.properties
次のディレクトリ内の全ファイルをバックアップします。
/var/opt/terraspring/gw
/var/opt/terraspring/gwdb
イメージリポジトリは、コントロールプレーンサーバーでも、別のサーバーでも動作させることができます。 別のサーバーでイメージリポジトリを実行する場合は、ファイル転送プロトコル (FTP) サーバーを使用します。 イメージはファイルとして保存されます。 システム環境に適した標準的なファイルシステムのバックアップ手順を使用して、イメージサーバーをバックアップします。
CPDB を復元する前に、データベース以外の部分では、ファームの状態に変更が加えられていないことを確認します。 変更が加えられている場合は、データベースはシステムの残り部分と同期していません。
複数のバックアップを作成した場合は、最新のバックアップファイルから復元を行います。このようにしないと、サーバーとデータベースとの同期が取れません。 その結果、最新の変更が失われます。
CPDB をバックアップするには、CPDB から restoredb コマンドを実行します。 このコマンドの使用法の詳細については、restoredb のマニュアルページを参照してください。
CPDB を復元しても、Control Center は復元されません。 CPDB と Control Center を両方同時に復元する方法の詳細については、「Control Center の復元 」を参照してください。
Oracle データベースまたは Postgres データベースで障害が発生する前の時点を復元するには、次の情報が必要です。
失われたファイルのデータベースバックアップ。 このバックアップには、前の節で説明されているオンラインテーブルスペースのバックアップ、またはオフラインデータベースのバックアップを使用できます。
Oracle データベースの場合、バックアップ後の期間に関する、アーカイブされた redo ログのセット。 オンラインバックアップの場合は、バックアップ時に作成された redo ログも必要です。
Oracle データベースの場合は、initdb-name.ora ファイルの LOG_ARCHIVE_DEST パラメータで指定された場所にあるアーカイブされた redo ログが、データベースにより検索されます。 また、 alter database recover... 文で from 句を使用することで、アーカイブされた redo ログの位置を手動で指定することもできます。
次のコマンドを実行します。
/opt/terraspring/sbin/restoredb restored file name
パラメータ restored file name で、データベースのバックアップ時に作成されたバックアップファイルを指定します。
configure.sh スクリプトを実行し、入力を求められたら必要なパラメータを指定します。
/opt/terraspring/gwdb/bin/configure.sh
Postgres データベースの場合:
DB_TYPE Postgres (case-sensitive) DB Admin User: postgres DB Admin Password: postgres DB User: tcc DB Password: tcc DB HOst Name: localhost DB Instance Name: tsprdb DB Instance Listening Port: 5432 DB Backup Directory: backup direcotry name DB Backup Filename: backup file name |
Oracle データベースの場合:
DB_TYPE Postgres (case-sensitive) DB Admin User: system DB Admin Password: manages DB User: tcc DB Password: tcc DB HOst Name: localhost DB Instance Name: tsprdb DB Instance Listening Port: 1521 DB Backup Directory: backup direcotry name DB Backup Filename: backup file name |
データベースを作成するには、次のように入力します。
/opt/terraspring/gwdb/bin/createDB.sh -y
データベースを復元するには、次のように入力します。
/opt/terraspring/gwdb/bin/restoreDB
Control Center を復元するには、DVD からソフトウェアを再インストールしてから、該当するバックアップファイルを再インストールします。