Sun Management Center 3.5 インストールと構成ガイド

マルチ IP マシンにおけるサーバとエージェントの構成

この節では、マルチ IP マシン上で Sun Management Center 3.5 のサーバとエージェントを構成する方法について説明します。

サーバの構成

複数の IP インタフェースを持つシステムにインストールする場合、 Sun Management Center 3.5 サーバはデフォルトで、すべての IP インタフェース上ですべてのエージェントをサポートするように構成されます。

esmultiip コマンドを使用すると、IP インタフェースを削除または追加したり、その一覧を表示したりできます。esmultiip コマンドの構文は次のとおりです。

esmultiip [-lh] | [ < -a | -d> Host-IP ]

次の表に、esmultiip コマンドのオプションを示します。

表 6–3 esmultiip のオプション

オプション 

パラメータ 

定義 

 

 

複数の IP インタフェースが存在する場合、Sun Management Center サーバ上のマルチ IP 機能を有効にする 

-h

 

esmultiip のオプションの一覧を表示する

-l

 

Sun Management Center サーバのアクティブな IP インタフェースすべての一覧を表示する 

-a

Host-IP

IP アドレス Host-IP に対応するホスト名をサーバのアクティブな IP インタフェースの一覧に追加する

-d

Host_IP

IP アドレス Host-IP に対応するホスト名をサーバのアクティブな IP インタフェースの一覧から削除する


注 –

次の手順では、Sun Management Center サーバはマルチ IP マシンのディレクトリ /opt にインストールされていると想定します。エージェントが別のディレクトリにインストールされている場合、/optSolaris プラットフォームへの Sun Management Center 3.5 のインストール手順 8で指定したディレクトリ名に置き換えます。


IP インタフェースを Sun Management Center サーバに追加する
  1. マルチ IP のサーバマシンにスーパーユーザとしてログインします。

  2. Sun Management Center の現在アクティブな IP インタフェースの一覧を表示します。

    コマンド /opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -l を入力します。例えば、


    # /opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -l
    Multi IP configured with active interfaces "10.1.2.111"
  3. マシン上にあるすべての IP インタフェースの一覧を表示します。

    コマンド ifconfig -a を入力します。例えば、


    # ifconfig -a
    lo0: flags=1000849<UP,LOOPBACK,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 8232 index 1
            inet 127.0.0.1 netmask ff000000 
    hme0: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 2
            inet 10.1.2.111 netmask ffffff00 broadcast 10.1.2.255
            ether 8:0:20:a8:7a:c9 
    hme1: flags=1000843<UP,BROADCAST,RUNNING,MULTICAST,IPv4> mtu 1500 index 3
            inet 129.1.2.222 netmask ffffff00 broadcast 129.199.199.255
            ether 8:0:20:a8:7a:c9 

    上記例に示すように、 Sun Management Center サーバが使用するのは、IP アドレス 10.1.2.111 の IP インタフェース hme0 だけです。

  4. IP インタフェースを追加します。

    IP インタフェースhme1 を IP アドレス 129.1.2.222 に追加したいとします。この場合、コマンド /opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -a 129.1.2.222 を入力します。

    すると、この IP インタフェースが Sun Management Center サーバのアクティブなインタフェースの一覧に追加されます。

IP インタフェースを Sun Management Center サーバから削除する
  1. マルチ IP のサーバマシンにスーパーユーザとしてログインします。

  2. Sun Management Center の現在アクティブな IP インタフェースの一覧を表示します。

    コマンド /opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -l を入力します。例えば、


    # /opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -l
    Multi IP configured with active interfaces "10.1.2.111 129.1.2.222"
  3. IP インタフェースを削除します。

    IP インタフェースhme1 を IP アドレス 129.1.2.222 から削除したいとします。この場合、コマンド /opt/SUNWsymon/sbin/esmultiip -d 129.1.2.222 を入力します。

    すると、この IP インタフェースが Sun Management Center サーバのアクティブなインタフェースの一覧から削除されます。

エージェントの構成

マルチ IP マシンの 1 つの IP インタフェースを Sun Management Center 3.5 エージェントが使用し、別の IP インタフェースをサーバが使用する場合、マルチ IP マシン上の Sun Management Center エージェントは Sun Management Center サーバと通信できません。

サーバと同じ IP インタフェースを使用するには、エージェントを構成し直す必要があります。


注 –

次の手順では、Sun Management Center エージェントだけがマルチ IP マシンのディレクトリ /opt にインストールされていると想定します。エージェントが別のディレクトリにインストールされている場合、/optSolaris プラットフォームへの Sun Management Center 3.5 のインストール手順 8で指定したディレクトリ名に置き換えます。


マルチ IP マシン上の Sun Management Center エージェントを構成する
  1. マルチ IP のエージェントマシンにスーパーユーザとしてログインします。

  2. エージェントが使用している IP アドレスを確認します。

    マシン名を表示するには、コマンド uname -n を入力します。


    # uname -n
    u60-01

    エージェントは、uname -n で報告されたマシン名に割り当てられている IP アドレス上で動作するように構成されています。この例では、エージェントはマシン名 u60–01 に割り当てられている IP インタフェース上で動作するように構成されています。

  3. IP インタフェースのアドレスを確認します。

    各 IP インタフェースに割り当てられているマシン名を表示するには、コマンド cat /etc/hosts を入力します。

    例えば、


    # uname -n
    SunOS u60-01-ip2 5.8 Generic_108528-07 sun4u sparc SUNW,Ultra-60
    # cat /etc/hosts
    127.0.0.1       localhost
    10.1.2.111      u60-01      loghost
    10.2.3.222      u60-01-ip2

    この例では、uname -n で表示されたマシン名 u60–01 は IP インタフェース 10.1.2.111 に割り当てられています。

    Sun Management Center エージェントが別の IP インタフェースで動作するように構成したい場合、エージェントを希望の IP インタフェースに割り当て直します。次の手順を参照してください。

  4. エージェントが動作している場合、エージェントを停止します。

    コマンド /opt/SUNWsymon/sbin/es-stop -A を入力します。

    すべての Sun Management Center プロセスが停止します。

  5. マシン名を、希望のインタフェースが割り当てられているマシン名に変更します。

    エージェントが現在使用している IP インタフェース 10.1.2.111 はマシン名 u60–01 に割り当てられていると想定します。ここで、マシン名 u60–01-ip2 に割り当てられている IP インタフェース 10.2.3.222 を使用するようにエージェントを割り当て直したいと想定します。

    IP インタフェース 10.2.3.222 を使用するようにエージェントを割り当て直すには、コマンド uname -S u60–01–ip2 を入力します。

  6. エージェントを設定します。

    エージェントが新しい IP インタフェース割り当てを使用できるには、エージェントをもう一度設定する必要があります。

    コマンド /opt/SUNWsymon/sbin/es-setup -F を入力します。

    セキュリティキーのシードの入力を求めるメッセージが表示されます。

    1. Sun Management Center セキュリティキーを指定します。

      Solaris プラットフォーム上のベース製品とアドオンの設定手順 7 で Sun Management Center を設定したときに指定したものと同じセキュリティシードパスワードを入力します。もう一度パスワードを入力します。

      SNMPv1 コミュニティ文字列の入力を求めるメッセージが表示されます。

    2. SNMPv1 コミュニティ文字列を指定します。

      Solaris プラットフォーム上のベース製品とアドオンの設定手順 8 で Sun Management Center を設定したときに指定したものと同じコミュニティ文字列を入力します。デフォルト値 public を使用していた場合、Return キーを押します。

      server-host-name が Sun Management Center サーバとして構成されたことを示すメッセージが表示されます。ここで、server-host-name はサーバがインストールされているマシンの名前です。

      • 表示されたサーバ名が正しい場合、y を入力します。

      • 表示されたサーバ名が正しくない場合、n を入力します。Sun Management Center ホスト名を入力するように求めるメッセージが表示されます。

        サーバがインストールされているマシンの名前を指定します。

      エージェントは新しい IP アドレスを使用するように設定されます。


      注 –

      任意のアドオンエージェントコンポーネントをインストールしていた場合、アドオンコンポーネントも設定するように求めるメッセージが表示されます。


    エージェントの構成が完了したら、エージェントを再起動できます。

  7. エージェントを再起動します。

    コマンド /opt/SUNWsymon/sbin/es-start -A を入力します。