Sun Management Center 3.5 Update 1 追補マニュアル

x86 エージェント用の更新イメージ機能の使用

エージェント更新機能を使用するときには、単一の更新イメージを作成して、それを複数のホストに適用します。 SPARC エージェントと x86 エージェントにはそれぞれ異なる更新イメージを作成する必要があります。x86 エージェント用の更新イメージを作成および適用する手順は、若干異なります。エージェントのインストールイメージや更新イメージを作成する一般的な情報については、『Sun Management Center 3.5 インストールと構成ガイド』の「エージェント更新 (インストール) イメージの作成」を参照してください。

エージェント更新イメージを作成するには、GUI イメージツールの es-gui-imagetool を使用するか、コマンド行イメージツールの es-imagetool を使用します。

es-gui-imagetool で x86 エージェント用の更新イメージを作成する
  1. Sun Management Center 3.5 Update 1 サーバーマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. 次のコマンドを入力して、Sun Management Center 3.5 Update 1 GUI イメージツールを実行します。


    # /opt/SUNWsymon/sbin/es-gui-imagetool
    

    Welcome 画面が表示されます。 「次へ」をクリックします。 Overview 画面が表示され、指定すべき情報が示されます。 「次へ」をクリックします。

    Select Update-Image Components 画面が表示されます。

  3. 更新イメージコンポーネントを選択します。

    次の 4 つの選択肢が示されます。

    • Base Agent Packages

    • Add-on Agent Packages

    • Base and Add-on Agent Packages

    • Base and Add-on Agent Patches Only


    注 –

    選択したパッケージに必要なパッチは、パッケージを選択する際に自動的に含められます。 ベースエージェントのパッチとアドオンエージェントのパッチだけをインストールするには、「Base and Add-on Agent Patches Only」を選択します。


    作成する更新イメージの種類を選択し、「次へ」を クリックします。 Specify the Installation Files Source Directory 画面が表示されます。

  4. Sun Management Center 3.5 Update 1 の有効なソースディレクトリ名を入力します。

    デフォルトのインストールソースディレクトリとして /cdrom/cdrom0/image が表示されます。

    • CD からインストールする場合は、Sun Management Center 3.5 Update 1 Software CD 1 of 2 を CD-ROM ドライブに挿入します。

      次のパスを入力します。


      /cd-rom-mount-point/x86/image
    • ハードディスク上にある Sun Management Center 3.5 Update 1 のインストールイメージからインストールする場合は、「Source Directory」フィールドに disk1/x86 へのパスを入力します。 たとえば、次のように入力します。


      Source Directory: cd-image-dir/disk1/x86/image

    「次へ」をクリックします。

  5. Sun Management Center 3.5 インストールと構成ガイド』の「es-gui-imagetool を使用してエージェント更新イメージを作成する」にある手順 5 から 12 までに従います。


    注 –

    エージェント更新イメージの名前を求められたときには、x86 アーキテクチャーを示す命名規約を使用することが推奨されます (たとえば、x86baseagent)。


  6. agent-update-bin で更新イメージから x86 エージェントをインストールまたは更新するに従って、エージェント更新イメージを適用します。

es-imagetool で x86 エージェント用の更新イメージを作成する
  1. Sun Management Center 3.5 Update 1 サーバーマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. 次のコマンドを入力して、Sun Management Center 3.5 Update 1 コマンド行イメージツールを実行します。


    # /opt/SUNWsymon/sbin/es-imagetool
    
  3. 更新するコンポーネントを選択します。

    更新イメージに追加したいコンポーネントを選択するように求めるメッセージが表示されます。例を示します。


    Select the components you want to add to the update-image.
    
    Do you want to upgrade components of Base Agent? [y|n|q] y
    Do you want to install/upgrade components of Addons? [y|n|q] y
    

    y と入力して更新イメージにコンポーネントを追加するか、あるいは n と入力して更新イメージからコンポーネントを除外してください。

    有効なソースディレクトリを指定するように求めるメッセージが表示されます。

  4. Sun Management Center 3.5 Update 1 の有効なソースディレクトリ名を入力します。

    • CD からインストールする場合、Sun Management Center 3.5 Update 1 Software CD 1 of 2 を CD-ROM ドライブに挿入して、x86 用の Sun Management Center 3.5 Update 1 インストールディレクトリへのパスを入力します。


      Enter a valid source directory: /cdrom-mount-point/x86/image
    • ハードディスク上にある Sun Management Center 3.5 Update 1 インストールイメージからインストールする場合は、インストールイメージ disk1/x86/image へのパスを入力します。 次のように入力します。


      Enter a valid source directory: /cd-image-dir/disk1/x86/image
  5. Sun Management Center 3.5 Installation and Configuration Guide』の「es-imagetool を使用してエージェント更新イメージを作成する」にある手順 5 から 9 までに従います。


    注 –

    エージェント更新イメージの名前を求められたときには、x86 アーキテクチャーを示す命名規約を使用することが推奨されます。 たとえば、x86baseagent を入力します。


  6. agent-update-bin で更新イメージから x86 エージェントをインストールまたは更新するに従って、エージェント更新イメージを適用します。


注 –

Sun Management Center 3.5 Update 1 は x86 エージェントをサポートする最初のバージョンであるため、エージェントを初めて更新するときに使用できる方法は agent-update.bin だけです。 エージェントの追加アドオンインストールの場合、管理ジョブタスクを使用できます。詳細は、『Sun Management Center 3.5 インストールと構成ガイド』の「「ジョブ管理」タスクを使用して、エージェント更新イメージからエージェントをインストールする」を参照してください。


agent-update-bin で更新イメージから x86 エージェントをインストールまたは更新する
  1. Sun Management Center 3.5 Update 1 サーバーマシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  2. 上記どちらかのイメージツールを使用して、エージェント更新イメージを作成します。

  3. Sun Management Center から適切な agent-update.bin をダウンロードして、各対象マシンのルートディレクトリに保存します。

    • x86 エージェント用のファイルは /opt/SUNWsymon/base/bin/i386-sun-solaris/agent-update.bin にあります。

    • SPARC エージェント用のファイルは /opt/SUNWsymon/base/bin/sparc-sun-solaris/agent-update.bin にあります。

  4. 対象マシンにスーパーユーザーとしてログインします。

  5. agent-update.bin をダウンロードしたディレクトリに移動します。

  6. ./agent-update.bin -s server -r http-port -p image-name を入力します。

    • ここで、server は手順 1 でログインしたサーバーです。

    • http-port は Sun Management Center 3.5 Update 1 Web サーバーのポートです。

    • image-name は手順 2 で作成したエージェント専用イメージの名前です。

    たとえば、Sun Management Center 3.5 Update 1 サーバー名は Production1、Web サーバーポートは 8080、エージェント更新イメージの名前は x86baseagent であると仮定します。 次のように入力します。


    # ./agent-update.bin -s Production1 -r 8080 -p x86baseagent
    
  7. セキュリティーシードと SNMPv1 コミュニティー文字列を指定します。

    エージェント更新プロセスによって、セキュリティーシードと SNMPv1 コミュニティー文字列の入力を求めるメッセージが表示されます。

    • このセキュリティーシードは、Sun Management Center 3.5 Update 1 のサーバーとエージェントを設定するときに指定したものと同じセキュリティーシードである必要があります。

    • この SNMPv1 コミュニティー文字列は、Sun Management Center 3.5 Update 1 のサーバーとエージェントを設定するときに指定したものと同じコミュニティー文字列である必要があります。

    以上で情報の入力が終了し、マシンに対して更新が適用されます。

    更新プロセスが完了したら、対象マシンの /var/opt/SUNWsymon/log/agent-update.log ファイルを調べて、更新の状態をチェックします。

es-makeagent で x86 エージェン専用のインストールイメージを作成する
  1. スーパーユーザーとしてログインします。

  2. Sun Management Center 3.5 Update 1 Software CD 1 of 2 を CD-ROM ドライブに挿入します。

  3. コマンド /opt/SUNWsymon/sbin/es-makeagent を入力します。

    インストールファイルのソースディレクトリを入力するように求められます。

  4. ソースディレクトリを入力します。

    CD からインストールする場合は、次のよう入力します。


    cdrom-mount-point/x86/image

    CD イメージからインストールする場合は、次のように入力します。


    cdrom-image-dir/x86/image
  5. 対象ディレクトリの名前を入力します。

    このディレクトリが存在しない場合、作成するかどうか確認されます。 このディレクトリを作成するときには y を入力し、インストールを終了するには n または q を入力します。

    ここで指定するディレクトリには、スーパーユーザーの書き込み権が必要です。

    次に例を示します。


    # enter the target directory: /es-makeagent-image
    Directory /es-makeagent-image does not exist
    Do you want to create it (y|n|q) y
    

    es-makeagent スクリプトは、ここで指定したディレクトリの下にサブディレクトリ disk1disk2 を作成して、必要なファイルをコピーします。

    Sun Management Center 3.5 Update 1 Software CD 1 of 2 からのファイルのコピーが完了した後、es-makeagent は CD が取り出され、2 番目の CD を挿入するか、ディスク 2 のソースディレクトリを指定するように求められます。

    1. 1 番目の Sun Management Center 3.5 Update 1 installation CD を取り出します。

      Sun Management Center 3.5 Update 1 CD 2 of 2 を CD-ROM ドライブに挿入します。

    2. CD-ROM ドライブの LED が消えたら、Return キーを押します。

      es-makeagent は残りのファイルを CD からコピーします。

      指定したディレクトリからエージェント専用インストールイメージを利用できることが通知されます。 同時に、このエージェントをローカルマシンにインストールするためのコマンドも表示されます。


    ヒント –

    対象ディレクトリを NFS でマウントして、ネットワーク上のマシンからアクセスできるようにします。


  6. コマンド eject を入力して、CD を取り出します。

    これで、Sun Management Center 3.5 Update 1 x86 エージェントをインストールできるようになりました。次の方法のどちらかを使用できます。

    • es-inst -a コマンドを実行します。 インストールソースディレクトリを求められたら、上記エージェント専用インストールイメージの名前を入力します。 このエージェント専用インストールイメージを NFS で共有していることを確認します。

    • JumpStart ソフトウェアを使用して、エージェント専用インストールイメージを適用します。


    注 –

    エージェント専用インストールイメージには tar ファイルが入っているため、この tar ファイルを ftp でほかのエージェントマシンに転送し、各エージェントマシン上で uncompress しても、インストールイメージを作成できます。 uncompress したインストールイメージのディレクトリには、サブディレクトリ disk1disk2 が作成されます。 uncompress したインストールイメージからインストールするには、各エージェントマシン上で disk1/sbin ディレクトリに移動して、es-inst コマンドを実行します。