nsrretrieve プログラムは、Backup サーバーまたはストレージノードが管理するアーカイブボリュームから、アーカイブされたセーブセットを復旧する場合に使用します。通常のセーブセットはブラウズできますが、アーカイブされたセーブセットのクライアントファイルインデックスのエントリはブラウズできません。そのかわり、特定の注釈文字列を検索し、取り出すアーカイブセーブセットを識別します。
nsrretrieve を使用できるのは、Backup サーバーの Administrators リストと Archive Users リスト内のユーザーに制限されています。nsrretrieve プログラムがスーパーユーザーまたはオペレータグループ内に定義されているユーザーによって実行されていない場合、あるいは「Server」リソースの「Public Archives」属性が有効にされていない場合は、そのアーカイブファイルを取り出せるのは、そのファイルの所有者だけです。
nsrretrieve プログラムに使用する形式とオプションは、次のとおりです。
nsrretrieve [-f] [-n] [-q] [-i {nNyYrR}] [-d destination] -s server [- S ssid[/cloneid]]... [-A annotation]... [path]... |
-A annotation オプションを使用すると、取り出すアーカイブセーブセットを指定できます。注釈とは、1 つのアーカイブセーブセットを一意に識別するための正規表現です。正規表現は、grep(1) コマンドによって使用される形式です。
-d destination オプションを使用すると、取り出されたファイルを再配置する、転送先ディレクトリを指定できます。
-f オプションを使用すると、ファイル名が重複した場合に、取り出されたファイルで既存のファイルを強制的に上書きできます。このオプションは、-iY オプションを指定する場合と同じ結果になります。
-i オプションに、nNyYrR のいずれかの文字を指定すると、ファイル名が重複した時に使用される、初期デフォルトの上書き応答を指定できます。-i オプションに組み合わせて指定できるのは、1 つの文字だけです。-i オプションは、uasm -i が復旧モードで稼動している時の uasm -i オプションと同じ結果になります。uasm -i オプションの使用方法については、usam(1m) のマニュアルページを参照してください。
-n オプションを使用すると、実際にディレクトリやファイルを作成せずに nsrretrieve プログラムを使用できます。
-q オプションを使用すると、nsrretrieve はクワイエットモードで動作し、サマリー情報とエラーメッセージだけが表示されます。
-s server オプションを使用すると、Backup サーバーとして使用するマシンを指定できます。このオプションを省略すると、現在使用中のマシン (Backup サーバーの場合)、またはホストテーブルに入力された nsrhost の論理名の付いたマシンがデフォルトマシンとみなされます。
-S ssid[/cloneid] オプションを使用すると、取り出すセーブセットの ssid を指定できます。1 つのアーカイブセーブセットに対し複数のクローンインスタンスが存在する場合は、クローン ID を指定して、データを取り出すクローンインスタンスを選択することもできます。パスを指定しない場合は、アーカイブセーブセットの全体が取り出されます。指定したパスの冒頭部分と一致する特定のディレクトリやファイルだけに限定して取り出すには、正確なパス名を指定します。